講談社ノベルス作品一覧

学園街の〈幽霊〉殺人事件
講談社ノベルス
台風の夜、3件の交通事故が連続して起こり、神社の鳥居が壊れた。どちらも祠(ほこら)から盗まれた、7つ首の鬼の祟りなのか? 過去に学園で起こった事件との関連は? 高等部2年のランとハルは、事件の解決に乗りだすが……。そして、事件から15年後。明日で時効という日、名探偵・一尺屋遙(いっしゃくや・はるか)が明らかにした真相とは? そして、犯人は? 名探偵・一尺屋遙。高校時代の華麗な推理!

鳥玄坊 時間の裏側
講談社ノベルス
時間の始源・世界の終焉を視た人々の物語。
高橋克彦・田中芳樹両氏絶賛のS・H・F(サイエンス・ヒストリー・フィクション)第2弾。
巨大地震の前兆といわれる深海魚リュウグウノツカイが江ノ島海岸に現れた。10メートルを超す怪魚と、永遠の命を生きているとしか思えぬ絶世の美女を目撃した時、若い男女の数奇な運命は定まった。浦島太郎伝説、原始道教の渡来、墨子の仙薬、信貴山縁起絵巻の怪。めくるめく知の饗宴は2人を何処へ誘うのか!?

華やかな牝獣たち
講談社ノベルス
パリファッション界で名声を博した気鋭のデザイナー・狩野達矢は、凱旋帰国し、オリジナル・ブランドで日本制覇を目指す!だが、野望溢れる天才に群がる美女たちと、対立する老舗ブランドの罠が、狩野を窮地へと誘い込む。艶やかな官能の世界を創造して、敵を倒し成功への階段を駈け昇ることができるか!?

QED 百人一首の呪
講談社ノベルス
《この作品には虚を衝かれました。なるほど、こういうやり方もあるのかと感心しました》――北村薫
第9回メフィスト賞受賞作
希代の天才・藤原定家が残した百人一首。その1枚を握りしめて、会社社長は惨殺された。残された札はダイイング・メッセージなのか?関係者のアリバイは証明され、事件は不可能犯罪の様相を呈す。だが、百人一首に封印された華麗なる謎が解けたとき、事件は、戦慄の真相を地上に現す!

有限と微小のパン
講談社ノベルス
日本最大のソフトメーカ「ナノクラフト」の経営するテーマパークを訪れたN大生西之園萌絵(にしのそのもえ)と友人たち。そこでは「シードラゴンの事件」と呼ばれる死体消失があったという。彼女らを待ち構えていたかのように事件は続発。すべてがあの天才の演出によるものなのか!?全編に漲る緊張感!最高潮森ミステリィ!
善と悪、正と偽、明と暗。人は普通、これらの両極の概念の狭間にあって、自分の位置を探そうとします。自分の居場所は1つだと信じ、中庸を求め、妥協する。だけど、彼ら天才はそれをしない。両極に同時に存在することが可能だからです。
泡のように遠く
香のように繰り返し
夢のように黒く
音のように戻らない
貴女は、貴女から生まれ
貴女は、貴女になった
そして、どこへも行かない

東京ナイトメア 薬師寺涼子の怪奇事件簿
講談社ノベルス
幸せ一杯のはずの結婚式場は、大混乱の坩堝(るつぼ)に陥っていた。死体が空から降ってきたのだ。戸惑う人々を尻目に目を輝かせる超美人が1人。そう、彼女こそ警視総監をも恐れさす史上最強の女性警察官僚、薬師寺涼子警視その人だった。従僕(?)の泉田警部補をつれ、上司の迷惑省みず、傍若無人の捜査活動、開始!!
●読者へのごあいさつ
この作品は、下積み公務員の苦労と哀愁をセツセツと描いた社会派的な小説です。オーボーな上司になやまされている人々にとって、涙なくしては読めない内容になっております。この作品を読んで笑ってしまったという人は、公僕の苦悩に対して、あまりにも理解がたりないと申せましょう。とくに、「ぜひ垣野内成美さんの描くような美人にシイタげられてみたい」などと甘いことを考えている人は、作者といっしょに深く反省してください。

上越新幹線殺人事件
講談社ノベルス
「あさひ318号」車内で、連続爆破事件の犯人を追う元刑事の妻が爆殺された。「トキオ」と名のり、ビルを次々と崩壊させ、数百億円もの被害をもたらした爆弾魔の影も、爆破の仕掛けもわからず、混迷の度を深める捜査陣。企業から、数億円の脅迫金を得ようとする犯人を逮捕すべく、十津川警部、必死の捜査は続く!
●著者のことば
アメリカの大使館の爆破テロを見ると、鉄筋のビルが、あまりにも、あっけなく、崩れ落ちるのに、愕然とする。
これからは、銃や、毒物を使った犯罪よりも、巨大なビルを爆破するような事件が、頻発するのではないだろうか。素人でも、銃が手に入るようになっている現代である。強力な爆薬を入手して、ビル爆破に走る犯人が、増えるような気がして仕方がない。この小説は、そうした犯人に対して戦う刑事の物語である。

塗仏の宴 宴の始末
講談社ノベルス
昭和28年、裸女を殺害して、木に吊すという事件が蓮台寺(れんだいじ)温泉で発生。その犯人として逮捕されたのは、当時世間を騒がせた猟奇犯罪にことごとく関係者として連なっている作家、関口巽(せきぐちたつみ)だった。関口は言う。「多分僕がやった。僕が木に吊して逃げるところを自分で見ていたのだから」――とまどう捜査陣。事態を混乱させるがごとく、街に溢れる奇怪なる宗教集団。「宴」の始末はいよいよ本書にて明らかになる!

時の鳥籠
講談社ノベルス
来世紀小説の方向を示す超絶の問題作品!
初対面のはずの少女を見て女は思った。(私はこの子がもうじき死ぬのを知っている)と。そのまま女は意識を失い、救急病棟に運び込まれた。女は何を知っている?
これは、とても静かだ。鳴り物入りで打ち上げて、惨めに萎(しぼ)んでしまう物語が多い近頃、これは珍しい。お騒ぎして喧しい子供ほど、気がついたら疲れて眠ってしまう。そこには、微笑ましい安心があるだけだ。しかし、浦賀和宏の作品は、恥ずかしがっている子供のように、ドアの隙間から、じっとこちらを覗いている。その目は、静かで、そして、冷たい。その子は、これからどうするのか……、と緊張する読者だけが、後半に静かな戦慄を拾い、そこに、若く敏捷な感性を目撃するだろう。――森博嗣

長靴をはいた犬
講談社ノベルス
「犬男が“女を襲え”といったんだ」――婦女暴行殺人で起訴された男は、法廷で主張した。責任能力の有無が争点になると大方の予想を裏切り、弁護士が主張したのは、男の無罪だった。裏付けるがごとく、全く同じ手口の第2の犯罪が起きる。「長靴」と「奇妙な犬神伝説」。異質な2つの要素が事件の鍵なのか!?

実況中死
講談社ノベルス
他人の見た風景がそのまま見えてしまう「怪能力」を得たばっかりに、殺人やストーカー行為をそのまま「体験」してしまう恐怖!切羽詰まった女性の訴えに、神麻嗣子(かんおみつぎこ)と能解匡緒(のけまさお)、保科匡緒(ほしなまさお)の3人は、調査と推理を巡らす。そして辿り着いた、あっと驚く真実!君は西澤保彦が奇想した本格パズルを読みとれるか!?

人狼城の恐怖 第四部 完結編
講談社ノベルス
ゲルケン弁護士の日記に書かれていたワイン醸造所の調査中、二階堂蘭子たちは、リッベントロープ伯爵の部下に拉致された。行き先は、あの《人狼城》。阿鼻叫喚の地獄絵図《人狼城殺人事件》の犯人は!?《ハーメルンの笛吹き男》の真相は!?すべての謎が今、蘭子の名推理で解明される。本格推理の金字塔、ついに完結。

匣の中
講談社ノベルス
探偵小説の愛好家グループの中心人物・伍黄零無(ごおうれいむ)が奇妙な言葉を残し密室から消えた。メンバーの仁行寺馬美(じんぎょうじまみ)が書くモデル小説通り、仲間達もまた密室で殺される。死者を愚弄するような装飾と暗号。目眩(めくるめ)く推理合戦。すべてを裏切って全宇宙を揺るがす真相。新本格の原点『匣の中の失楽』への、罠に満ちたオマージュ!

寄席殺人伝
講談社ノベルス
江戸に落語家が誕生して300年。その間、殺人事件は起こっていない。いわば泰平の業界にあえて大トラブルを放り込んだのがこの小説。落語好きは読まないではすまされない。もちろん、落語家として私も読んだ。だって仮に私が殺されていたら、黙ってはいられないから。落語愛好家の著者は、きめ細かいタッチで事件を起こし、そして、そのタッチで解決する。見事!──三遊亭円窓

血塗られた神話
講談社ノベルス
かつて「悪魔」と恐れられた、街金融の若き経営者・野田秋人のまわりで、関係者が惨殺されていく。「金」の世界は、人を死に追いやることすらある修羅場だ。怨みが渦巻き、一瞬の隙が己を破滅に導く。常軌を逸した猟奇殺人は、果たして野田への復讐なのか?街金融の現場を生きた著者が渾身の筆致で描く問題作。

鬼流殺生祭
講談社ノベルス
時は維新の騒擾(そうじょう)未だ収まらぬ明詞7年、帝都東京で不可解なる事件が発生した。雪に囲まれた武家屋敷で、留学帰りの青年軍人が刺し殺されたのだ。その友人で公家の三男坊、九条惟親(くじょうこれちか)は行きがかり上、事件の解決を依頼された。調査を開始する九条のまえに、謎はより深淵なる様相を明らかにする。犯行は如何(いか)にしてなされたのか?そして、秘密裏に行われた奇妙なる宗教儀礼は何を意味するのか?困惑する九条は、変わり者の友人、朱芳慶尚(すおうよしなお)に助言を求めるが……!?

パズル崩壊
講談社ノベルス
男女はいかにして切り裂かれ、「雌雄同体の1個の生物の亡骸(なきがら)」となって密室に残されたのか?1本の「懐中電灯」が、完全犯罪を崩壊させる陥穽(かんせい)となったのはなぜか?選び抜かれた8つの作品が、本格ミステリの形式に鋭角の亀裂を走らせる!本格推理の嫡子(ちゃくし)、法月綸太郎の新世紀を予感させる、傑作第2短編集。

数奇にして模型
講談社ノベルス
多彩にして純粋な森ミステリィの冴え
「密室」の中には「死体」も「容疑者」も入っていた。孤独な模型マニアに降りかかった人生最大級の危機!
那古野市内で開催された模型交換会で、モデルの首無し死体が発見された。死体と共に密室の中で昏倒していたのは、大学院生、寺林高司。彼には同じ頃に起きた女子大学院生の絞殺事件の容疑もかけられていた。もう1つの事件も、死体が見つかったのは「密室」の中。犀川創平、西之園萌絵の師弟が事件の謎に挑む!

黄土の夢〈第3部〉最終決戦
講談社ノベルス
総勢70万の大決戦!日明連合軍、清の帝都に迫る!!
牢人軍最後の戦い!歴史ロマン堂々の完結!!
徳川光圀率いる牢人軍に、徳川頼宣の幕府本軍を加えた日明連合軍は、南京を制圧、南明政権を打ち立てた。勢いに乗り、清の帝都北京まで攻め上ろうとする連合軍の前に、清の守護神、執政王ドルゴンが立ちはだかる。両軍総勢70万、最後の総力戦の火蓋がいよいよ切って落とされた!歴史ロマン、堂々の完結!
●著者のことば
第3部最終決戦をお送りいたします。原案をいただき、下調べと粗筋作りにまるまる2カ月もかけた当初から「長い仕事になる」と、予感していたのですが……足かけ4年の大作になりました。おかげで主人公の光圀青年と共に、作者も成長したと思います。闇雲に前へ前へと駆け昇る無謀作家でございますが、再びお目にかかれれば幸いです。

欲望の仕掛人
講談社ノベルス
情事課長が仕掛けた肉欲と官能の罠!
エロスとビジネスの愛欲サスペンス
鶴丸貫太郎(つるまるかんたろう)課長に特命が下った。不良債権の土地をラブホテルとして活用する企画を成功させろ!男女の愛情と官能を満たすには、如何(いか)なる仕掛けが必要か?鶴丸は女たちを話題のホテルに誘い込み、己の欲望と調査の一石二鳥を果たす。だが、カネと欲望の蠢く派閥抗争に巻き込まれ、絶体絶命の窮地に……!
●著者のことば
いま、建設業界は総額2兆円もの債務保証を抱え、不景気のため受注難もあって、大苦境。この危機を乗り越えるために、本編の主人公が勤める建設会社では、不良債権の土地を活用して、不滅の人間産業――ラブホテル・チェーンを建設し、経営しようというマル秘作戦を開始した。その新規事業部に抜擢された鶴丸貫太郎は、並みいる美女を次々に自慢の業物で昇天させ、華麗なるラブホテル戦略に邁進(まいしん)する。もとより、男児の本懐は、「仕事」と「女」。その両方を一挙に達成する男の夢を描いたのが本編です。美女たちの秘態と、業界の内幕にご期待ください。