講談社ノベルス作品一覧

魔界医師メフィスト 夢盗人
魔界医師メフィスト 夢盗人
著:菊地 秀行
講談社ノベルス
とんでもない男が〈新宿〉に舞い戻って来た!他人の夢の中に自由自在に出入りし、現実世界との扉を完全に取っ払い、夢見人(ゆめみびと)を勝手気ままにあやつる神出鬼没の怪人、その名も夢盗人(ゆめぬすびと)。〈魔界都市〉消滅の野望を抱き跳梁するこの怪人を再度封印するために〈白い医師〉メフィストに残された時間はわずか3日間!
魔物どもの聖餐
魔物どもの聖餐
著:積木 鏡介
講談社ノベルス
邪悪な魂は世界に求める。正義を。審判を。復讐を! 呪われた兄弟〈幽羅(ゆら)〉の操り人形と化し、桔梗荘に集まる人間を皆殺しにするという男・久羅(くら)の陰鬱な手紙。「復讐せよ」と囁く殺人鬼の悍(おぞ)ましい計画。お伽噺のごとき奇怪な舞台で、予告通りに殺人は起こった!すべては地獄の傀儡師(くぐつし)の罠か。純粋悪の結晶がきらめくミステリの離れ業。最終章が読む者の心臓を貫く!
蜃気楼
蜃気楼
著:内田 康夫
講談社ノベルス
越中富山の薬売りの死体が舞鶴で発見された。現役最年長者として取材しようとした矢先の凶事に浅見光彦の心は騒ぐ。東京での思わぬ接点、孫娘との「蜃気楼の丘」での出会い――天意ともいうべき因縁に衝き動かされて奔走する浅見の前で、第2第3の惨劇が。荘厳な余韻が深い感動をよぶ文芸ミステリー第4弾。
怒りをこめてふりかえれ
怒りをこめてふりかえれ
著:栗本 薫
講談社ノベルス
至高の愛に花を添える伊集院大介の熱き友情。 栗本薫クンのピンチに名探偵登場! 「シャーロック・ホームズ賞」最年少受賞者、栗本薫クンも、はや36歳に。悲劇に終わった大恋愛の傷もようやく癒えてきた頃、脚本を依頼されていた映画のヒロインから何と、デートのお誘いが。迷いつつ、期待しつつも待ち合わせ場所に出かけた薫クンは思わぬ展開にア然、ボー然。彼の行く手にまたもや大苦難が! ●筆者のことば ずっと昔に自分の結婚問題で、「スキャンダルの対象になるとはどういうことか」を身をもって体験して以来、「マスコミへの怒り」がわだかまり、「いつか書かなくてはいけない」と感じていました。その後マスコミの暴力はますます悪化していると私は思います。この作品が少しでもスキャンダル・ジャーナリズムに投じる石になれば幸いです。
美貌の帳 建築探偵桜井京介の事件簿
美貌の帳 建築探偵桜井京介の事件簿
著:篠田 真由美
講談社ノベルス
死と狂気に駆り立てる凄絶極まる美の罪過。 伝説の女優が復活。惨劇の幕は上がった。 伝説の女優が三島由紀夫の一幕劇「卒塔婆小町」で復活。「隠れ処(オテル・エルミタージュ)」という名のホテルに設(しつら)えられた舞台で、彼女は落魄の老婆から鹿鳴館の美女に変身した。が、対立していた演出家が失踪、パトロンの館は業火に包まれ、女優にも呪詛と脅迫の電話が。凄絶な美がもたらす罪業に迫る京介。新たなるサーガ、ここに開幕。 日本で最初の長編小説『源氏物語』の作者紫式部は、嘘つきの罪で地獄に堕ちているという伝説がある。よくできた虚構より臭い実話を尊ぶ感性は「一杯のかけそば」の遥か以前からこの国に巣喰う迷妄らしい。 嘘を書くのが罪なら私は喜んで地獄に下ろう。その日まで後何年あるかは知らないが、手と頭が動く限り七彩の夢想と大風呂敷を天の下に描き続けよう。 というわけで建築探偵シリーズ第2部の開幕である。ささ、いらはい、いらはい。
三姉妹探偵団(15)
三姉妹探偵団(15)
著:赤川 次郎
講談社ノベルス
姿の見えない不気味な敵に翻弄される三姉妹! 三姉妹、3人そろって絶体絶命! 三姉妹の父・佐々本周平との結婚の邪魔をした、と女に襲われたばかりか、死のカーチェイスにまで巻きこまれてしまった綾子。夕里子は見も知らぬ男に殺されかけ、珠美は不思議な老人に唆(そそのか)されて、夕里子に毒を盛ろうとする。窮地に追い込まれた三姉妹を救うべく、犯人に国友が仕掛けた起死回生のとんでもない罠! 人間、誰しも「過去」というものを持っている。佐々本家の三姉妹も同様だ。17歳は17年間の、15歳は15年間の過去を持っている。 今まで、このシリーズでほとんど取り上げられることのなかった「母の死」という「過去」が、今度の事件のきっかけになる。 だがご心配は無用。3人は力強く過去をのり越えて生きて行く。その元気さには、もう著者がついて行けないくらいである……。
鴇色の仮面 新宿少年探偵団
鴇色の仮面 新宿少年探偵団
著:太田 忠司
講談社ノベルス
白い「霧」が人間を襲い(「霧の恐怖」)、妖しい仮面が女たちを死へと誘う……(「鴇色の仮面」)。光と闇が交錯する魔都・新宿に、混迷と恐怖をもたらす人知を超えた怪事件は、現代社会が突き進む破滅への序章なのか?事件の裏に潜む怪人たちに立ち向かうため、探偵団は夜を駆ける!大好評シリーズ第5弾!
侵入者ゲ-ム
侵入者ゲ-ム
著:吉村 達也
講談社ノベルス
彼女は生後わずか1か月のとき、殺人現場にいた。犯人は父親、殺されたのは母親!衝撃の宿命を背負った赤ん坊はやがて成長し、ノンフィクション作家となって、《時代が創り出す殺人》というテーマに取り組みはじめる。その彼女が収集した殺人事件の記録と、脳裏に刻まれた忌まわしい恐怖の記憶とが交錯する!
仙台の影絵 佐賀着10時16分の死者
仙台の影絵 佐賀着10時16分の死者
著:津村 秀介
講談社ノベルス
御殿場での放火殺人。女声の密告(たれこみ)電話で、犯人と名指しされた女には完璧なアリバイがあった。犯行時刻、寝台特急「さくら」に乗車していたのだ。殺された孤独な男をめぐる2人の女の思惑と殺意。そして、仙台での隠された事件が謎を深める。ご存じ浦上伸介の、緻密な調査と名推理が辿り着いた、迷宮の出口とは!?
今はもうない
今はもうない
著:森 博嗣
講談社ノベルス
電話の通じなくなった嵐の別荘地で起きた密室殺人。2つの隣り合わせの密室で、別々に死んでいた双子のごとき美人姉妹。そこでは死者に捧げるがごとく映画が上映され続けていた。そして、2人の手帳の同じ日付には謎の「PP」という記号が。名画のごとき情景の中で展開される森ミステリィのアクロバット!
名探偵の掟
名探偵の掟
著:東野 圭吾
講談社ノベルス
密室トリック、ダイイングメッセージ、アリバイ崩し、バラバラ死体……。ミステリになくてはならない“難事件”に敢然と挑む、知性とヒラメキとユーモアの名探偵・天下一大五郎登場!ミステリを“をかし”の領域にまで昇華させた作者の剛腕におもわず快哉を叫ばずにはいられない痛快連作短篇集!必読です。
十津川警部白浜へ飛ぶ
十津川警部白浜へ飛ぶ
著:西村 京太郎
講談社ノベルス
阿佐ヶ谷のマンションで商社の若手社員が殺された。捜査陣は、南紀白浜行きの便に乗務中の彼の恋人に連絡を取ろうとしたが、彼女も空港内のトイレで殺されていた。そして、彼女のマンションには「死ね!」という赤い文字が!犯人は彼女を追いかけていたというストーカーなのか?トラベルミステリー傑作集!
塗仏の宴 宴の支度
塗仏の宴 宴の支度
著:京極 夏彦
講談社ノベルス
昭和28年春。小説家、関口巽の許に奇怪な取材依頼が齎(もたら)された。伊豆山中の集落が住人ごと忽然と消え失せたのだという。調査に赴いた関口に郷土史家を名乗る和装の男が嘯(うそぶ)く。──「世の中には不思議でないものなどないのです」男が現出させたこの世ならざる怪異。関口は異空間へと誘われるのか?6つの妖怪(ぬっぺっぽう・うわん・ひょうすべ・わいら・しょうけら・おとろし)の物語で、「宴」の「支度」は整い、その結末は「始末」にて明らかとなる。待望の最新作。
探偵宣言 森江春策の事件簿
探偵宣言 森江春策の事件簿
著:芦辺 拓
講談社ノベルス
溢れる奇想、漲(みなぎ)る機知。これぞ本格のびっくり箱! 血塗られた時計塔の惨劇は序章にすぎなかった。飛翔する死体、消失する山荘、謎めく血文字、殺し合う死者たちなど、素人探偵・森江春策に突きつけられた奇妙奇天烈な7つの謎。起こった時代もバラバラの不可能犯罪を解き明かすうち、世界は一変する!?驚愕と衝撃の芦辺ワールドに奇想のタネは尽きまじ。
不思議町惨丁目
不思議町惨丁目
著:辻 真先
講談社ノベルス
誰にも真実は隠せない。なぜなら、彼女は「人間嘘発見器」! 乗客を乗せたバスが忽然(こつぜん)と消失する怪事件。続いて起きたレイプ事件と密室殺人と首吊り。さびれた町が騒然となる。その最中香取弓は突然、目の前で語られている言葉が真実であるか否かが、直感的にわかるようになる。「ウソ」「ホント」と、何かが訴える。自らが嘘発見器となった弓は、身体を賭けて真実を探る!
A先生の名推理
A先生の名推理
著:津島 誠司,解説:鮎川 哲也
講談社ノベルス
究極の謎と解決!津島誠司のウルトラ・ミステリ! 深夜の大通りを咆哮(ほうこう)をあげギクシャク歩む、青く光る怪人。消えたり現れたり、変幻自在の峠の小屋。新興オフィス街を襲う不条理な出来事。海底で救いを求める幻の女。隕石から出現した謎の物体が引きおこす連続殺人。……A先生の神のごとき名推理が驚地動天の謎、超絶トリックを解き明かす。
ST 警視庁科学特捜班
ST 警視庁科学特捜班
著:今野 敏
講談社ノベルス
多様化する現代犯罪に対応するため設置された「警視庁科学特捜班」、略称ST。プロファイリング担当の青山は、一般の捜査陣が典型的な淫楽殺人であると断定した事件に、1人、異を唱えた。くり返される猟奇犯罪。青山だけが気づいた犯人像の「矛盾」。ノベルスの面白さの原点に立ち返った大快作、ここに誕生!
雪螢
雪螢
著:大沢 在昌
講談社ノベルス
探偵とは「職業」ではない。「生き方」だ。 薬物中毒患者の相互更生補助施設「セイル・オフ」に、あらゆる感情が「死んで」いる男が入所してきた。男と向き合おうとする佐久間公に、再び「探偵」としての依頼がなされる。17歳の家出少女を捜して欲しいという。当然、ただの「家出」ではなかった。圧倒的な緊張感漲(みなぎ)る、大沢ハードボイルドの到達点!!
六枚のとんかつ 改訂新版
六枚のとんかつ 改訂新版
著:蘇部 健一
講談社ノベルス
驚天動地のアホバカ・トリック、ユーモア・ミステリの最終兵器ついに登場! 第3回メフィスト賞受賞作 「なんたるおバカ!呆れ返えるのを通りこして大笑いしちゃいました」──倉知淳
歪んだ創世記
歪んだ創世記
著:積木 鏡介
講談社ノベルス
第6回メフィスト賞受賞作。 「私は確信する、空虚を嘆くべきではないと。私は空虚の意味で無なのではなく、創造者的虚無だ。その無から私自身が創造者として一切を創り出すのだ」(シュティルナー著『唯一者とその所有』より) 全ては何の脈絡も無く唐突に始まった。過去の記憶を全て奪われ、見知らぬ部屋で覚醒した私と女。 舞台は絶海の狐島。3人の惨殺死体。生存者は私と女、そして彼女を狙う正体不明の殺人鬼だけ……の筈だったのに。この島では私達が想像もつかない「何か」が起こっていたのだ。 蘇る死者、嘲笑う生首、闊歩する異形の物ども。あらゆる因果関係から排除された世界──それを冷たく照覧する超越者の眼光。 全ては全能の殺人鬼=<創造主>の膿んだ脳細胞から産まれた、歪んだ天地創造の奇跡だった。 そして……「ここはどこなの」女が存在しない口唇で尋ねる。「分からない。でもここにはあいつの邪気がない。あいつの手の届かない世界らしい」存在しない口で私は答えた。「あいつはもう2度と現れないの」彼女の不安気な問いに、私が頷く。女は存在しない男の顔を怪訝そうに覗き込んだ。「結局、あなたは誰だったの」「君は一体、誰だったんだい」私は揶揄(からか)うように問い返した。そんな事はもうどうだっていいじゃないか。もう何も彼も終わったのだから。 ……だが、まだ終わったのではなかった。真犯人はそれを知っている。本当の終焉はこれからなのだ。