講談社文庫作品一覧

京都四条 月岡サヨの小鍋茶屋
講談社文庫
〈ドラマ化『鴨川食堂』の人気作家、初めての幕末時代小説〉
土佐の楳太郎(うめたろう)に、しゃも鍋。
薩摩の「吉(きち)さん」には、黒豚鍋。
あの!? 傑物志士たちが登場!
「いやもうとにかく面白い、そして何より旨そうだ!
幕末の京を舞台に偉人怪人相手に繰り広げられるサヨの絶品料理。
さすがは京都の名物グルマン、調理の細部に至るまで描写と蘊蓄が完璧だ。
料理人必読」【13年連続ミシュラン三ッ星獲得】日本料理かんだ・神田裕行氏推薦!
幕末の京都、古寺『清壽庵』の境内にある「小鍋茶屋」は、月岡サヨがひとりで切り盛りする料理店。
昼は行列必至のおにぎり屋として繁盛し、夜は一日一組限定の鍋料理で口の肥えた客を満足させていた。
不穏な情勢のもと、逸品料理で心の安らぎを得た名だたる志士らがサヨに語る思いとは。
おもてなしを極めた美味なる傑作。

かなりあ堂迷鳥草子
講談社文庫
あの鳥が、綺麗な声で鳴いてくれたら。
飼鳥屋で夢をもって働くお遥、十六歳。
江戸の「鳥」たちが謎をよぶ、書下ろし時代ミステリー!
講談社時代小説文庫
赤ん坊の幽霊が出る噂の真相、盗まれた八百屋の売り上げの行方、婚約者の父が犯した重罪の理由――、
小さな飼鳥屋「かなりあ堂」の周囲で起きる「謎」の数々を、兄想いのお遥が解き明かしていく。
メジロ、ホトトギス、カナリア…小鳥たちが鳥籠で羽ばたきをしている。
近頃江戸では小鳥を飼うのが大人気。
兄と二人で飼鳥屋「かなりあ堂」を営む十六歳のお遥は、お転婆などと言われても気にしない。
噂の幽霊の正体を知ろうと駆けだしていく。
江戸の「鳥」たちが謎をよぶ時代ミステリー。
〈文庫書下ろし〉

ムーミン谷の仲間たち ぬりえダイアリー
講談社文庫
ぬりえと日記が1冊に!
自由に使えて楽しさ2倍!
講談社文庫の「ムーミンノート」シリーズから、
大好評につき、ぬりえダイアリー第2弾が登場!
ムーミンやスナフキン、リトルミイたちのプロフィールつきだから、楽しさもさらにアップ!
日記ページの日付は記入式なので、
「展覧会日記」「お散歩日記」など、趣味の記録にもおすすめ!
バッグに入れて持ち運べる、うれしい文庫サイズです。

妖怪犯科帳 あやかし長屋 2
講談社文庫
猫又という妖怪のたまは、岡っ引きの夫・平次とあやかし長屋に住み込んで、妖怪絡みの事件を解決することに。好評書下ろし時代小説!
向島で人が妖怪に襲われ、金を奪われたという。廃寺のあたりで。岡っ引きの平次と、猫又の妻・たまは早速、向島方面へ向かった。たまが血の臭いで殺人現場を嗅ぎつける。相生町の明樽問屋で店の者たちが皆殺しにされていた。平次は奉行所へ行き、たまは犯人の殺気を頼りに犯人を追う。だが途中で殺気が途絶え、いったん「あやかし長屋」へ戻ることにする。この凶悪事件には悪人と妖怪がいっしょに関わっているのだろうか。たまの部屋に着くと雪女の雪とふたくち女の双葉、ろくろ首の菊一郎がいた。彼の親方の甥っ子が殺されたのだという。くだんの明樽問屋で……。

法月綸太郎の消息
講談社文庫
名探偵法月綸太郎が
名探偵ホームズ&ポアロの謎に挑む!
綸太郎が挑むのは、ホームズ探偵譚の異色作に隠された作者コナン・ドイルをめぐるトラップ。ポアロ最後の事件に仕組まれた作者アガサ・クリスティーの企み。そして、父・法月警視が持ち込む不可解な謎。ロジックを駆使して名探偵が鮮やかに「真実」に迫る、本格ミステリの純粋かつ新たな魅力に満ちた作品集。
シリーズ30周年記念の最新作、待望の文庫化!
鮮やかで大胆不敵なロジック。珠玉の本格ミステリ作品集!
解説:琳(ミステリ評論家)

凜として弓を引く 青雲篇
講談社文庫
弓を引くときはひとり――。
でも、私には仲間がいる。
ドラマ化&大ヒット!『書店ガール』の次は「弓道ガール」!
汗と涙と感動と――全てがつまった胸アツ「弓道×青春」エンターテインメント!
弓道をはじめて一年。初段を取り、高校二年生になった矢口楓は、後輩の高坂賢人にのせられ、廃部になった弓道部を復活させることに。しかし、校内に弓道場もなければ、入部希望者もなかなか集まらない。意図せず部長になり不安にかられる楓に、次々と難題が降りかかる。弓道女子の奮闘を描く傑作青春小説!

この季節が嘘だとしても
講談社文庫
芝居でいい筈なのに。
想いよ、現れないで。
京都の路地の奥。
古びた町家の店で。
「嘘」の名を借りて、その男に近づく。
この手で、殺すために。
文庫書下ろしミステリー
大丈夫、絵里ちゃん、仇は必ず取るから。
私刑を誓い、その男に近づく大学生の紗夜。
京都をめぐる季節の流れのなかで、やがて
彼女の胸の底から、何かが噴き上がり、こぼれ落ちていく。
笑わなくては。懐に入り込まなければ。
大学生の紗夜は、京都の三十三間堂に程近い路地奥の店『中国茶 龍王』に嘘の名を借りて通う。
同じ日に生まれ、同じ日に死んだ母達を持ち、姉妹同然に育った絵里ちゃんを、あの男が奪った。
だから、紗夜は復讐を遂げるのだ。
芳しい香り漂う新感覚ミステリー。
〈文庫書下ろし〉

猫は知っていた 新装版
講談社文庫
仁木雄太郎・悦子の素人探偵兄妹が巻きこまれた奇妙な連続殺人事件。
怪しげな電話、秘密の抜け穴、蛇毒の塗られたナイフ、事件現場に現れる一匹の黒ネコ。
好奇心溢れる悦子のひらめきと、頭脳明晰な雄太郎の推理が真相に迫っていく。
鮮やかなトリック、心和む文体。
江戸川乱歩賞屈指の傑作が新装版で登場!

失楽園のイヴ
講談社文庫
フランスのワイン蔵で死んだ日本人教授のゼミ参加者、上田絵羽。帰国後、国内有数の男子進学校に潜り込んだ彼女は、ある野望を胸に、数学の天才・上杉和典に近づく。蠱惑的な態度の合間からのぞく儚さに惹かれて、真意の見えない言動の目的を探るうちに、上杉は、絵羽の過去と、不審な事故死に行き当たる。
これが、運命なのか――
その死は事故か、殺人か!?
*文庫書下ろしエッセイ「野田知佑さんについて」収録*

プライド 警官の宿命
講談社文庫
元公安警察の作家、濱嘉之の待望の新シリーズは、高卒ノンキャリの下剋上物語!
田園調布管内の3つの駐在所には、一人ずつ息子がいた。
高卒で「実務能力ゼロ」の隆一、
要領よく生きてきた私大卒の清四郎、
子どもの頃から優秀で東大卒の和彦。
3人の幼馴染は警察の道に進み、
熾烈な訓練とそれぞれの人事双六に飛び込んでいく。
屈辱と栄光と友情の警察物語がいま始まる!
<文庫書下ろし>

スイッチ 悪意の実験
講談社文庫
「ひるおび」(TBS系)、朝日新聞「売れてる本」など、各メディアで紹介! 話題沸騰!!
押す? 押さない? どうする? どうなる? こんな結末読めないよ…………!
夏休み、スイッチをもって1ヵ月暮らすだけの簡単なお仕事。
日当は1万円、勤務終了後のボーナスは、なんと100万円!
スイッチは押しても押さなくても1ヵ月後には100万円が手に入る。押すメリットはない。「誰も押すわけがない」皆がそう思っていた。しかし……友人たちとアルバイトに参加した大学生の箱川小雪は思い知らされる。想像を超えた純粋な悪の存在を。
第63回メフィスト賞の本格ミステリー長編!

悪魔を殺した男
講談社文庫
累計700万部「心霊探偵八雲」完結――そして、新たなヒーロー!
この男、獣より残酷で、聖女のごとく純粋。
警視庁特殊犯罪捜査室が巨悪と対峙する!
超絶技巧どんでん返しミステリー
【巻末特別SS「悪魔の予言者」収録】
ーーー
予言者と呼ばれ、触れた者の過去を見通す男・阿久津。
彼とかつてコンビを組んだ警視庁特殊犯罪捜査室の
天海志津香は、猟奇的皮剥ぎ連続殺人に遭遇。
捜査の末に警察のさらなる暗部に直面するなか、
警察内部監査室が阿久津を付け狙いはじめ――。
人の心に棲む悪魔を直視せよ。
一行先も予測不能の神永学・最高傑作!

民主化する中国 習近平がいま本当に考えていること
講談社文庫
習近平は本当に独裁主義、覇権主義なのか。
民間から初めての中国特命全権大使となった著者が、ゼロコロナ政策から最新の台湾情勢まで含めて読み解く、中国の未来。
日中国交正常化50周年。巨大化した中国と、われわれはどう向き合うべきなのか。

謀聖 尼子経久伝 瑞雲の章
講談社文庫
戦国初期に活躍した山陰の雄、尼子経久。「謀聖」と言われるほど計略に優れた人物でありながら、「天性無欲正直の人」と評された得体のしれない個性。そして、東の北条早雲とともに、下剋上大名の代名詞的存在である経久が、旧秩序の破壊を志した本当の狙いとは?
出雲の領主たちを従えた経久は、中国地方の覇者を目指し、そこに待ち受ける宿敵との激闘を開始した。「妖草師」シリーズの武内涼が描く、大河歴史小説シリーズ、進撃の第三巻!

わたしが消える
講談社文庫
第66回江戸川乱歩賞受賞作!
綾辻行人氏(選考委員)、推薦。
「序盤の地味な謎が、物語の進行とともに厚み・深みを増しながら読み手を引き込んでいく」
元刑事の藤巻は、交通事故に遭い、自分に軽度認知障碍の症状が出ていたことを知り、愕然とする。離婚した妻はすでに亡くなっており、大学生の娘にも迷惑はかけられない。
途方に暮れていると、当の娘が藤巻を訪ね、相談を持ちかけてくる。介護実習で通っている施設に、身元不明の老人がいる、というのだ。その老人は、施設の門の前で放置されていたことから、「門前さん」と呼ばれており、認知症の疑いがあり意思の疎通ができなくなっていた。
これは、自分に課せられた最後の使命なのではないか。そう考えた藤巻は娘の依頼を引き受け、老人の正体を突き止めるためにたった一人で調査に乗り出す。
刻一刻と現れる認知障碍の症状と闘いながら調査を続ける藤巻は、「門前さん」の過去に隠された恐るべき真実に近づいていくーー。
残された時間で、自分に何ができるのか。
「松本清張賞」と「江戸川乱歩賞」を受賞した著者が描く、人間の哀切極まる社会派ミステリー!
文庫化にあたり、受賞作の前日譚にあたる短編「春の旅」も収録。

山桜花 大岡裁き再吟味
講談社文庫
古風(さきかぜ)十一(じゅういち)、話を聞く耳を持て。
裁きの陰で泣いている者はおらぬか。晩年の大岡越前を支え、少年の死の謎を追う若き十一。
町奉行から外れても、大岡越前は裁きが気にかかる。
十七年前、寺の年若い下男が折檻されて殺され、山桜の下に埋められた。父親が下手人御免の願いを出し、皆、お咎めなしと決した。
その事件にいま、ある疑惑が浮かぶ。大岡越前は、鷹匠の子・古風十一に探索を命じた。
あの裁きは正しかったのか?〈文庫書下ろし〉
辻堂 魁の「次」はこれだ!
味わい豊か、情感あふれる異色の事件帖。若き古風十一の活躍を描く、上質な時代書下ろし小説!

だいたい本当の奇妙な話
講談社文庫
私の名は進木独行。デビューから5年のホラー系の作家である。これまでに体験した奇妙な出来事を綴ってみた──異色ホラー短編集!
私の名は進木独行。五年以上前に文芸新人賞を受賞して作家デビューした。私の作品はホラー色が強いと言われる。不思議なもので、そのような作品を書いていると現実世界と作品世界がシンクロすることがある。奇妙な話を書く人には、奇妙な出来事が寄ってくるらしい。本書では、私自身がこれまで体験してきた奇妙な出来事を元にして、つらつらと話を綴っている。もちろん見聞きしたことも含まれる。──さて最初は「ざしきわらし」の話。まだ私が会社員だったころ、友人から宿の予約を譲られた。それは、ざしきわらしが棲むことで有名な岩手県二戸の宿のものだった……。

立花三将伝
講談社文庫
戦国最強と言われた立花宗茂が当主になる前、筑前に感動の青春群像ストーリーがあった。大国に翻弄された若き武将らを描く歴史長編!
関ヶ原の戦いに参戦せずとも、当時最強の武将と謳われた立花宗茂。だがその一世代前、宗茂活躍の礎ともなった若き武将や姫たちがいた。──時を遡ること40年、筑前国の要衝を占める立花家は、「西の大友」と呼ばれる名門であった。大友宗家から立花入りした15歳の三左衛門は、四つ年上の勇将・和泉、三つ上の軍師・弥十郎らと出会う。腕に覚えのあった三左衛門は和泉に打ち負かされるも、すぐに弟子入り。寡兵で大軍を退けた弥十郎の知略にも驚かされる。また、当主の娘・皐月姫や和泉の妹・佳月らの恋心も絡み、三将の絆は深まっていく。8年が過ぎる。筑前では毛利の調略が進み、諸将が次々に大友を離反。立花家は孤立していく中で家中も毛利派と大友派に分裂する。そしてついに、三将の運命を変える大きな政変が……。

地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団
講談社文庫
ネットフリックスドラマの「参考文献」となったノンフィクション。
ドラマに出てくる事件の「本当の話」は、すべてこの本に書いてある。
石洋ハウス=積水ハウスは、なぜ地面師グループにコロッと騙されたのか?
ハリソン山中=内田マイクは本当にあんなに残虐なのか?
小池栄子演じる麗子=秋葉紘子(こうこ)はどうやってなりすまし役を集めるのか?
ピエール瀧演じる「司法書士上がりの地面師」は、実際はどんな役割をするのか?
現実はドラマより恐ろしく、ドラマよりエキサイティングだ。
積水ハウス、アパホテルなど、不動産のプロがコロッと騙された
複雑で巧妙な手口が本書で明かされる。
地面師はあなたの隣にいる。
何食わぬ顔で社会に溶け込み、ある日勝手にあなたの土地を売り飛ばすかもしれない。
不動産関係者、銀行関係者だけでなく、
全国すべての不動産オーナーはこの本を読んでおいたほうがいいだろう。
【本書のおもな内容】
◆「積水ハウス」事件
ストップされた工事/史上空前「五五億円」の被害/ニセ地主の故郷/常務が前倒しした決済
◆頂点に立つ男
内田マイクの正体/地面師集団の役割分担/なりすまし役のスカウト/マニキュアで指紋を消して
◆新橋「白骨死体」地主の謎
五輪人気で高騰「マッカーサー道路」/群がった地上げ業者/三倍になる借地権/白骨死体の謎
◆台湾華僑になりすました「富ヶ谷事件」
引き延ばされた本人確認/公正証書の嘘/地面師とタッグを組む元弁護士/内田マイクとの接点
◆アパホテル「溜池駐車場」事件の怪
架空の生前贈与/大都会の異様な空間/逮捕された中間業者/釈放された手配師/なりすまし犯の言い分
◆なりすまし不在の世田谷事件
二重売買という新たな手口/消えた五億円の行方/裏の裏を読んだ警察/逮捕状が出た内田マイク
◆荒れはてた「五〇〇坪邸宅」のニセ老人
二課のリベンジ捜査/偽造ではないニセ印鑑証明/「引き込み」役の親族/根絶やしにはできない

殿、恐れながらリモートでござる
講談社文庫
病と称して江戸城に現れない毛利家2代目当主を引っ張り出せるのか。痛快! 凄腕コンサル時代劇第2幕。
本作の舞台は江戸。戦国の毛利元就からつながる長州藩2代目当主の毛利綱広は反骨心が強く、徳川家に仕える身でありながら、病と称して江戸城に行かないことがあった。大江戸コンサル、戸ノ内兵庫はどうやって綱広を引っ張り出すのか。