講談社文庫作品一覧

豪華客船のテロリスト
講談社文庫
ディーン・クーンツ激賞!
「痛烈にして辛辣。稲妻のように心をとらえる」
シェイマス賞作家の一撃!
フロリダからカリブ海を巡る豪華客船エクリプス号。乗客、乗員3000人のこの船の針路は、たった1人の男に奪われた。殺人を重ねる凶悪さと、姿を見せずに巨大な船を操る緻密さをあわせ持つ恐るべきシージャッカー。針路の先には重油を満載した巨大タンカーが――。シェイマス賞作家が放つ超弩級サスペンス!
警報ブザーは耳ざわりな警告を発しつづけた。ソーンはシュガーマンのもとに駆けつけ、窓から南のほうをのぞいた。先ほど見かけた姉妹船が、1マイルと離れていないところを走っていた。エクリプス号と針路が交差している。このまま行けば、あと数分でエクリプス号はその船の左舷に突っこんでしまうようにみえた。「船長、自動操縦を解除できません」と、一等航海士がいった。「手動に切り換えられません。舵の角度も、針路方向も、何ひとつ変更できません」――<本文より>

死刑判決(下)
講談社文庫
名作『推定無罪』の衝撃再び
これがミステリーだ!トゥロー、渾身の傑作
裁判を覆すことは人生を再び問うこと――。死刑執行のカウントダウンが始まった。苛烈な駆け引きと裏切り、背後に去来する過去への想い、未来への渇望。圧倒的ラストまで、ページを繰る手が止まらない!
死刑囚は冤罪(えんざい)か? 新証人の爆弾発言に揺れる裁判のゆくえ。弁護人アーサーは職を追われた元判事ジリアンと心を通わせ、刑事ラリーはかつての不倫相手・検察官ミュリエルとの関係に夢をみる。駆け引きと裏切り、息をつかせぬ展開。傑作『推定無罪』の衝撃に円熟味が加わった、トゥロー渾身のミステリー。
トゥローは4名の登場人物――弁護士アーサー、元判事ジリアン、刑事ラリー、検察官ミュリエル――の多視点によって交互に描写することで、まるで異なる4枚の鏡を通して事件の行方を追うかのように、物語に多面性と複雑さを与えている。……原題の“Reversible Errors”は、「取り返しのつく間違い」という意味でもあり、物語が進むにつれて、読者はこの原題が単なる法律用語にとどまらず、4人のそれぞれの人生におけるreversible errorsをあらわしていることに気づくだろう。――<「訳者あとがき」より>

死刑判決(上)
講談社文庫
リーガル・サスペンスの王者が帰ってきた
10年前の判決は冤罪だったのか?しょぼくれ弁護士vs.辣腕女検察官、熾烈な攻防を支える、美貌の元判事と一匹狼の刑事。第1級のエンタテインメントにして、重厚な人間ドラマ。これぞトゥローの真骨頂!
死刑執行まで1ヵ月、弁護人アーサーの前に現れた真犯人と名乗る男。レストランで3人が惨殺され、冷凍庫詰めにされた10年前の事件は振り出しに戻った。麻薬にはまり収賄罪で逮捕された美貌の元判事、野心家の辣腕(らつわん)女検察官、一匹狼の刑事。時を経て、再び交錯する人生。巨匠トゥローが満を持して贈る傑作。
スコット・トゥローは1949年生まれ。シカゴ連邦検察局に検事補として在職中に発表した『推定無罪』は、完璧なプロット、重厚な人物造型で瞠目され、CWA賞を受賞、世界的ベストセラーに。リーガル・サスペンスの先駆者として、以来、『立証責任』『有罪答弁』など傑作を発表してきた。本書は、読者にはおなじみの架空の都市キンドル郡を舞台にした、待望の新作。トゥローは弁護士としても活躍を続けており、死刑問題にも深く関わっている。

死んでもいい
講談社文庫
マニラの“愉悦”に淫し続ける男の生き様
マニラにはいつも生ぬるい風が吹いている。身体の芯がとろけそうになる生ぬるい風だ。暖かいというのとも違って、女のあそこみたいに生ぬるい――(本文より)。
フィリピーナにはまり、日本を棄てた元ホストは、こう語った。快楽に淫し続ける男たちの生き様を、ありのままに活写した白熱のノンフィクション。

新装決定版 青春の門 筑豊篇 (下)
講談社文庫
戦後世が一変する中、義母が病に倒れる。死の直前、重蔵からタエと信介を託された塙組組長竜五郎は懸命に二人を支える。女教師との甘く苦い経験、幼なじみの織江への思慕…性の目覚めに戸惑い、愛する人の生と死に向き合う信介は、やがて夢を求め東京への進学を決意する。世代を超えて読み継がれる不滅の名作!

魔笛
講談社文庫
白昼、渋谷のスクランブル交差点で爆弾テロ! 2000個の鋼鉄球が一瞬のうちに多くの人生を奪った。新興宗教の教祖に死刑判決が下された直後だった。妻が獄中にいる複雑な事情を抱えた刑事・鳴尾良輔(なるおりょうすけ)は実行犯の照屋礼子(てるやれいこ)を突きとめるが、彼女はかつて公安が教団に送り込んだ人物だった。人間心理の深奥に迫る野沢ミステリーの白眉。

戦後政財界三国志
講談社文庫
経済大国への道を二人三脚でひた走った、保守政治家と財界人。彼らの創意と気骨は、焦土からの復興と高度成長をなしとげ、オイルショックを乗り越えた。しかし権力と浮利を追う者たちは、バブル経済を破裂させ、10年の混迷を生み出す。戦後60年、「永田町と大手町」の蜜月と相剋の功罪を問う。

消えた人妻
講談社文庫
逃げる女たち。追う男。
MWA賞作家が放つ、円熟のハードボイルド
人気作家カミンスキーが新境地を開いた。映画への造詣を生かしたハリウッドの私立探偵トビー・ピータース・シリーズでデビュー、ロストニコフ捜査官シリーズでは『ツンドラの殺意』でMWA賞受賞、ユダヤ系老刑事エイブ・リーバーマン・シリーズも熱心な読者を集めている。新シリーズの舞台は、カミンスキー自身が暮らすフロリダ。主人公は、冴えないイタリア系の中年男ルー・フォネスカ。読み進めるほどに魅力を増していく、等身大の新ヒーローだ。
轢き逃げで妻を喪ったおれは、シカゴからフロリダに流れてきた。召喚状送達屋をしながらの探偵稼業。その日の依頼人は、親子ほど年の離れた美人妻を捜す実業家と、性的虐待癖のある前夫から娘を取り戻そうとする女だった。だが捜査には高級売春組織が絡み、おれにも尾行が……。ほろ苦い極上のハードボイルド。

秘戯
講談社文庫
とびきり猥褻(わいせつ)なゲームの行方は?
揃ってポルノビデオを鑑賞することから始まった妻の調教。飽くなき探究心を持つ開業医の夫の最終目的とは(表題作)。還暦を迎えた作家がヌードグラビアのカメラマンに。口説いたのはメイク係の女性だが、ホテルに現れたのは意外な相手だった(「かくし味」)。
奔放な性が迸(ほとばし)る官能小説集。<文庫オリジナル>

十津川警部 帰郷・会津若松
講談社文庫
代議士をめった刺しにした男が出所した。12年間動機について黙秘を貫いた男が向かったのは故郷・会津若松。だがそこで彼を待っていたのは度重なる脅迫と尾行。刑務所に唯一手紙を寄越した女と喜多方に行けば同じSL列車内で殺人が。「いよいよ始まったな」十津川は事件の鍵を白虎隊と会津娘子(じょうし)隊に見出した!(講談社文庫)
十津川の胸に去来する会津の美女とは?
代議士をめった刺しにした男が出所した。12年間動機について黙秘を貫いた男が向かったのは故郷・会津若松。だがそこで彼を待っていたのは度重なる脅迫と尾行。刑務所に唯一手紙を寄越した女と喜多方に行けば同じSL列車内で殺人が。「いよいよ始まったな」十津川は事件の鍵を白虎隊と会津娘子(じょうし)隊に見出した!

将軍の末裔
講談社文庫
相続する土地で過去を幻視する女
激しい戦いの様子を見てしまうのはなぜ? 遺産受取人に指名され退屈な日常は一変した!
弁護士から平凡なOLのパット宛に突然手紙が届いた。見知らぬ91歳の老女が、田舎の広大な土地を彼女に遺すつもりだというのだ。現地に滞在して歴史を深く知るうちに、過去の激しい戦闘の様子を幻視するようになるパット。死の気配が漂う土地でついに事件は起きた!伏線を張り巡らせた骨太の傑作ミステリ。
衝撃を受けたのはその時だった。この神に見放されたような森と、あの小さな農家、蔓植物に覆われた廃墟、ここにある陰気な、悪夢を引き起こしそうな5つの墓。これが私の受け継ぐものなのだ。何を期待していたのだろう?――<本文より>

新装決定版 青春の門 筑豊篇 (上)
講談社文庫
炭坑事故で閉じこめられた三十数人の朝鮮人坑夫たちを、自らの命と引き替えに救った伝説の男、伊吹重蔵。その子、信介は侠気と正義感を受け継いで、美しい義母タエとともに厳しい時代のうねりを乗り越えていく。幼年期から青年期のひたむきな青春遍歴を、雄大なスケールで描く大河小説の金字塔、第1部!

地獄の無明剣
講談社文庫
新選組から捕物帳まで胸躍る名手たちの競演!
新選組・土方歳三から近藤勇の妻ツネ、木枯し紋次郎や十時半睡(とときはんすい)まで登場!名手が紡ぐ胸躍る時代小説17編。
〈収録作家〉
黒岩重吾/笹沢左保/南條範夫/宮本昌孝/早乙女貢/岳宏一郎/戸部新十郎/皆川博子/新宮正春/羽山信樹/安部龍太郎/佐江衆一/中村彰彦/北原亞以子/竹田真砂子/白石一郎/泡坂妻夫

吸血鬼ドラキュラ
講談社文庫
マエストロの筆で闇の貴公子、再び降臨
蝙蝠(こうもり)が羽ばたき狼が群れなす山奥の古城。ドラキュラ伯爵に幽閉された青年弁理士は、伯爵に楔(くさび)を打ち込み逃げ出した。が、生き血を吸う妖魔はヨーロッパの辺境を脱出、大都市ロンドンでも牙をむく。光と闇の究極の闘争を描く怪奇ホラーの原点にして頂点。1世紀の時を超え斯界の第一人者が新たな血を注ぎこむ!

風の歌を聴け
講談社文庫
村上春樹のデビュー作
1970年夏、あの日の風は、ものうく、ほろ苦く通りすぎていった。僕たちの夢は、もう戻りはしない――。群像新人賞を受賞したデビュー作
1970年の夏、海辺の街に帰省した<僕>は、友人の<鼠>とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。2人それぞれの愛の屈託をさりげなく受けとめてやるうちに、<僕>の夏はものうく、ほろ苦く過ぎさっていく。青春の一片を乾いた軽快なタッチで捉えた出色のデビュー作。群像新人賞受賞。

ノルウェイの森(下)
講談社文庫
激しくて、物静かで哀しい、100パーセントの恋愛小説!
あらゆる物事を深刻に考えすぎないようにすること、あらゆる物事と自分の間にしかるべき距離を置くこと――。あたらしい僕の大学生活はこうしてはじまった。自殺した親友キズキ、その恋人の直子、同じ学部の緑。等身大の人物を登場させ、心の震えや感動、そして哀しみを淡々とせつないまでに描いた作品。

ノルウェイの森(上)
講談社文庫
限りない喪失と再生を描く究極の恋愛小説!
暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。僕は1969年、もうすぐ20歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱し、動揺していた。限りない喪失と再生を描き新境地を拓いた長編小説。

殺人作法 ミステリー傑作選(45)
講談社文庫
多彩な謎、緻密な伏線予想を覆す意外な結末
アパートで発見された若い女性の首吊り死体。死んでいたのは、R県警の警部と不倫関係にある女性だった。自分が疑われることを恐れた警部は自ら志願して現場検証に臨むが――「赤い名刺」(横山秀夫)。この他、福井晴敏、法月綸太郎ら、現代ミステリーの名手10人の短編がズラリ。読み出したら、止まらない!
福井晴敏/真保裕一/法月綸太郎/北川歩実/辻真先/三枝洋/高野史緒/香納諒一/山本一力/横山秀夫

ヴァンパイヤー戦争3
講談社文庫
闇深い永劫の抗争! 文明の起源にまで遡る恐るべき謎。呪われた魔人が信仰する<宇宙の恐怖たる根源の神>とは!? 熾烈を極める死闘は終わらない。地と星に彩られた伝奇アクション巨編ーー不老不死の血と三種の神器を巡る争奪戦は、熾烈を極めた。九鬼鴻三郎は、冷酷無比な各国諜報機関と、荒れ狂う吹雪の中で、命懸けの戦いを繰り返す。その陰で暗躍する呪われた魔人・スペシネフの大いなる野望とは? 次第に浮かび上がる九鬼の出生の秘密とは? 血まみれの愛と憎しみが吹き荒れる、伝奇アクション第3弾! <全11巻>

幸福の木の花
講談社文庫
初めて明かす私のエピソード!
誰もが羨む若さと美しさを維持する秘訣「冷水美容法」、歌手・奥村チヨの誕生秘話、作曲家・浜圭介氏との結婚生活、そしてますます元気な父母の近況や浜氏の身代わりとなって死んだ“ネコの恩返し”の話、幸福の木に白い可憐な花が次々と咲いた“幸せ体験”など、新披露のエピソード満載!!<文庫書き下ろし>