講談社文庫作品一覧

Vの悲劇
Vの悲劇
著:阿刀田 高,装丁:岸 顯樹郎,装画:畑農 照雄,解説:早野 由夫
講談社文庫
スケッチ旅行といつわって親友の夫と逢う瀬を重ねる女流画家・安津子。日光霧降高原のコテージで待っているはずの彼は、クロゼットで冷たくなっていた。「V」ヴォラージュのかすかな香りを残して。だが安津子にはこの香りに幼い日に出会った記憶があるのだ。ブラックユーモアの名手が挑む本格長編推理作品。
電子あり
下天は夢か(二)
下天は夢か(二)
著:津本 陽
講談社文庫
鉄砲と集団戦法によって、近代化された好戦的織田軍は、尾張全土を平定し、積年の難敵美濃の斎藤を討滅した。諸国の地侍を結集し、楽市楽座の画期的経済策を成功させ、上洛を果たした信長は、越後の上杉、甲斐の武田、中国の毛利等の戦国大名群から抜きん出る、天下統一の野望をもつに到った。(全4巻)
下天は夢か(一)
下天は夢か(一)
著:津本 陽
講談社文庫
尾張半国を従えて、国守大名に成り上る寸前に、父信秀は病死した。内外に敵ばかりの家督を継いだ信長は、骨肉争う内戦を勝ち抜き、勇猛果断な進退と、徹底した諜報調略で、凄絶な乱世を切り開き、遂に強敵今川義元を、桶狭間に討ち取った。ろうたけた吉野(きつの)との愛情が、唯一の心のやすらぎである日々。(全4巻)。
鮎師
鮎師
著:夢枕 獏,装丁:熊谷 博人
講談社文庫
死相の漂う初老の男は、早川の淵に誰も見たことのないような巨鮎が潜んでいると告げた。初めは半信半疑だった中年の男も、ある日巨鮎の存在をその目で確かめ、いつしか巨鮎釣りにのめり込んでいった。「あいつだけは、誰にも渡さん」と死の床で吠える男と、中年の釣り師との間に奇妙な友情が生まれ、終極に向かう。
電子あり
ティガ-の朝食
ティガ-の朝食
著:山川 健一,装丁:スタジオギブ,装画:飯田 淳,解説:加藤 麻子
講談社文庫
童話を主低音に現代の家庭を描く異色の連作妻と二才の娘と別れて暮らす翻訳家の野中。親友の突然の死、若い智子との恋をへて、やがて彼のことをプー横丁のティガーと呼ぶ娘たちの住む海辺の家へ戻るのだ。
たった一度のポ-ルポジション
たった一度のポ-ルポジション
著:一志 治夫,装丁:山岸 義明,解説:窪田 僚
講談社文庫
鈴鹿に一瞬の光芒を放って逝った、トオル23歳の青春。星野一義、中嶋悟らを追いつめ、鈴木亜久里と競った天才ドライバー・高橋徹。「もし生きていれば」というなら、モータースポーツの新時代を築いていたにちがいない。あまりにも激しく生き急いだ現代の青春を、若い感性で描いた注目のノンフィクション作品。天才ドライバーの激しい青春を描いた名著!
電子あり
どうしやうもない私―わが山頭火伝―
どうしやうもない私―わが山頭火伝―
著:岩川 隆,装丁:亀海 昌次,解説:西村 説三
講談社文庫
俳人・種田山頭火の人間的魅力を描ききる。迷いに生き、酒に生き、借金に生き、ひとに頼って生きた。それでいてひたすら素朴に、生死のなかの透明な句を一心一途につくろうとする憎めない山頭火のすベて。
土俵の鬼 三代
土俵の鬼 三代
著:杉山 邦博,装丁:山岸 義明
講談社文庫
相撲一筋39年のNHK名物アナウンサーが、若乃花・貴ノ花などから若花田・貴花田まで、土俵に男を賭けた力士たちの執念を綴る。相撲が黄金期を迎える栃若時代の前夜から、マイクを通して勝負の世界をともに生きた、著者ならではの熱い思い入れ。若貴兄弟時代の、新しい相撲の魅力も語る。
電子あり
ミッドサマー・キリング 真夏の殺人
ミッドサマー・キリング 真夏の殺人
著:トレバ-・バ-ンズ,訳:矢沢 聖子,装丁:辰巳 四郎
講談社文庫
美人の女性警部の前に、猟奇殺人事件の死体が――。パディントン駅から遠からぬハムステッド・ヒースで、その腐乱死体が発見された時、なぜかMI5と英国公安部が動きだした。スコットランドヤードのブランチ・ハンプトンが捜査を進めていくとそこには――。複雑な過去が鮮やかに甦る傑作長編推理!
役者の青春
役者の青春
著:中村 勘九郎,装丁:菊地 信義
講談社文庫
歌舞伎界のス-パ-スタ-の熱き青春ーー親父がよく言ってました。お前、俺の真似しろよ、って。勘九郎さん、新解釈は僕が死んでからにして下さい、とも。役者は親子でも結局ライバルなんです。……3才で勘九郎を襲名、勘三郎亡き後、中村屋を率い、祖父・六世菊五郎の芸に迫ろうという歌舞伎界のスーパースターが語る、恋、旅、酒、芸……。目の離せぬ一冊です。人気役者が語る熱きこころ!
電子あり
シンガポ-ル蜜月旅行殺人事件
シンガポ-ル蜜月旅行殺人事件
著:山村 美紗,装丁:岸 顯樹郎,装画:深井 国,解説:中島 河太郎
講談社文庫
令嬢探偵キャサリンは恋人の浜口とシンガポールに行く。そのツアーは新婚や不倫のカップルでいっぱい。不吉な予感のなか、2日目に新婚の沖田しのぶが浜で溺死体に。彼女は莫大な遺産を相続した直後だった。犯罪の匂いをかぐキャサリンは調べ始める!シンガポール、バンコク、香港を舞台の華麗海外推理集。
電子あり
57人の見知らぬ乗客 ミステリ-傑作選・特別編(4)
57人の見知らぬ乗客 ミステリ-傑作選・特別編(4)
編:日本推理作家協会
講談社文庫
大正15年発表の故・横溝正史氏から現代の第一線で活躍する実力派人気作家まで、あらゆる傾向のショートショート・ミステリーの名作、57人57作品を収録。日本推理作家協会が、“これっきりの究極の1冊”として初めて編んだ、文字どおり珠玉のアンソロジーを、あなたの手に!
花散る里の伝説 時代小説傑作選
花散る里の伝説 時代小説傑作選
編:日本文芸家協会
講談社文庫
精鋭十六作家が渾身の健筆を振う短編傑作選高貴な女帝、武士、漁民、商人、あらゆる階級階層の人間模様を、さまざまな時代、さまざまな舞台上に展開するアンソロジ-。井上ひさし、田辺聖子など多士済々。
山陽・東海道殺人ル-ト
山陽・東海道殺人ル-ト
著:西村 京太郎
講談社文庫
東京に着いた寝台特急「さくら」に男女の射殺体、しかもスーツケースには5千万円の札束が残されていた。その札が4年前、少女誘拐殺人の身代金に使われたものと判ったから、捜査陣は俄かに色めき立つ。少女の父の復讐劇か?十津川警部が父親に迫るが彼には鉄壁のアリバイが。会心の鉄道ミステリイ。
伊藤博文(下)
伊藤博文(下)
著:豊田 穣,装丁:安彦 勝博
講談社文庫
帝国憲法制定、議会の設置、そして政党結成への運動。近代国家流の政党政治を理想として、伊藤博文は旺盛に行動した。その間に、日清戦争や台湾・朝鮮への干渉が生じ、ここでも彼は表に立つ。それが結局、彼の悲劇的最期を招く要因ともなった! 日本の政治家の原型というべき伊藤博文を精密に描く傑作評伝。上下巻全2冊。 政治家の在り方を現代に問いかける出色伝記帝国憲法を作り、議会を開設し、政党政治をめざした近代政治家の祖だが、彼の最期はハルピン駅頭での狙撃だった。初代総理の波乱に満ちた生涯を描く評伝の大作。
電子あり
伊藤博文(上)
伊藤博文(上)
著:豊田 穣,装丁:安彦 勝博
講談社文庫
松下村塾出身で高杉晋作らと尊王攘夷運動にはげんだ若者は、その後に英国に留学、世界の近代化を体で感じる。明治11年、先輩・大久保利通の死後、内務卿を継ぎ明治政府の中枢に入ったこの伊藤博文は、やがて内閣制度を創り、初代総理となった。日本近代化を精力的に計った政治家の波乱に富む一生。幕末から明治を疾走した政治家の姿を見事に描いた傑作。上下巻全2冊。 鮮やかな政治家としての道、そして悲劇の死幕末から明治にかけ、夜明け時代の日本を生き、政治家としてリ-ダ-として精力的に活躍した初代総理伊藤博文。彼の壮烈な一生を刻明に描き出した、評伝の力作。
電子あり
小説十八史略(五)
小説十八史略(五)
著:陳 舜臣
講談社文庫
隋の煬帝とは従兄弟、北朝の名門・季淵が挙兵し、次男・季世民の活躍で、無血の政権獲得に成功。唐王朝が、うぶ声をあげた。女帝・武則天の周をはさんで、絢爛たる時代が花ひらく。玄宗皇帝の宮廷に、楊貴妃の笑声が、乱舞する美女群の嬌声が、弦歌の音色とともにこだまする――中国史の醍醐味の極みを描く。<全6巻>
電子あり
祖国へ、熱き心を 東京にオリンピックを呼んだ男
祖国へ、熱き心を 東京にオリンピックを呼んだ男
著:高杉 良
講談社文庫
“フジヤマのトビウオ”古橋の活躍の陰に、フレッド・和田がいた。敗戦後の日本の奮闘をアメリカに印象づけ、熱き心で祖国を励ます日系実業家。オリンピックを東京で開催するために奔走し実現させた男。さらに日米の経済・文化交流を発展させた、知られざる日本の恩人を描く、異色のドキュメント・ノベル。 日米の経済・文化交流を支えた日系人の半生。フジヤマのトビウオ古橋の活躍の陰に、フレッド和田がいた。敗戦後の日本をアメリカに印象づけ、東京オリンピック開催に全力をあげ、熱き心で日本を励ます凄い男。
電子あり
生死長夜
生死長夜
著:瀬戸内 寂聴,装丁:山岸 義明
講談社文庫
心ならずも傷つけあう夫と妻、身を捨てて恋に滅んだ男……迷いぬく様々な人生。不思議な透明感で、男女の愛憎と切実な生を描く、名作短編集ーー長い人生の迷いを、夜の闇にたとえて、生死長夜(しょうじじょうや)という。心ならずも男たちを不幸にし、その倍くらい不幸になった女。漂泊の涯てに行き倒れの死を願う女。偶然の再会にも、妻の顔を思い出せない老残の男。大僧都の身を捨てて恋に滅んだ因縁の男。……愛憎の迷いの中で生きてゆく人間を描く、心にしみる傑作短編集。
電子あり
就職戦線異状なし
就職戦線異状なし
著:杉元 伶一,装丁:山下 勇三,解説:群 ようこ
講談社文庫
若者の就職をめぐる混沌青春グラフィティ。人気女優の熱演で日本映画の救世主といわれた秀作の原作。講談社、新潮社、文春、TBSなどマスコミ総ナメ就職活動を純情な恋愛と人生の競争の極点で描く秀作。