講談社文庫作品一覧

折々の殺人
講談社文庫
斬新な手法と鮮やかな結末で、常に読者の期待を裏切らないミステリーの名匠が、いままた放つ巧緻な構成の一冊。数ある名句・名歌の解説でつとに世評の高い大岡信氏の名著『折々のうた』にヒントを得て、ひとひねりもふたひねりもして織りあげた、絶妙にして意想外な短編推理8編を収録。
斬新巧緻な手法で織りあげた推理傑作短編集大岡信が名著『折々のうた』で選んだうたと解説の中に人生の機微と推理小説のヒントを捉えるという,名匠ならではの奇抜な発想とみごとな結末のミステリ-8編.

死者の威嚇
講談社文庫
愛と哀しみの人間ドラマ。社会派推理長編。関東大震災直後の朝鮮人虐殺事件が六十数年を経て、突然浮上した! 過去と現在が交錯する二重、三重の深い謎と、若い女性の恋愛心理を描く長編ミステリー傑作。

日本の中の朝鮮文化(7)駿河・甲斐・信濃・尾張
講談社文庫
5世紀頃の南部朝鮮に栄えた加耶諸国から渡来した文化は、古代日本の中部地方に入って、さまざまな展開をみせる。伊豆の三嶋大社祭神、甲斐・信濃地域にひろがる古墳群、渥美半島に居住した秦・漢氏族など、それぞれの故事来歴を調べるにつれ、伝幡の道筋がはっきりしてくる。踏査紀行シリーズの7冊目!

世界が見える日本が見える
講談社文庫
日本はエコノミック・アニマルという一種目制覇を狙ったスペシャリスト国家である。これで慢心し、向上心を捨ててはいけない。経済的・短期的利益を超えて、世界に対して、健全なリーダーシップを発揮できるようにならなくてはいけない。――国際社会の中での新しい国づくりを斬新な視点で考えた話題作。

南アルプス殺人峡谷
講談社文庫
レジャーライターの釣部渓三郎(つるべけいざぶろう)は、初夏の笹子奥野沢では女の全裸死体、また寸又峡の栗代川では身元不明の男の死体を発見する。2つの事件の関連は?男の所持品の中に渓流用の珍しい毛バリが1本。毛バリが語る男の隠された素顔。おなじみ釣部と上条アキのコンビの推理が冴える渓流ミステリー。

花園の迷宮
講談社文庫
横浜の遊郭に2人の少女が売られて来た。飢えと不景気の昭和初期、歓楽の町に投げこまれた2人を、死と、恐るべき秘密が待っていた。娼家を次々と襲う殺人事件、人間の欲望の凄まじさ、少女のけなげさが、巧みな展開と伏線、意表をつく結末で余すところなく描かれる、江戸川乱歩賞受賞の傑作推理長編。

1ダースの殺意 ミステリー傑作選・特別編(1)
講談社文庫
小説の名匠たち12人が綴った、ミステリーの秀作ばかり12編を特選。1960年代の精鋭の活躍が一望にできる、推理ファン必読のアンソロジー。
<収録作家>水上勉・佐野洋・黒岩重吾・笹沢左保・結城昌治・梶山季之・小松左京・戸川昌子・三好徹・戸板康二・多岐川恭・山村正夫

阿蘇殺人ルート
講談社文庫
死者が殺人を予告? 十津川警部を翻弄する謎ーー火の国での殺人を予告する手紙が、東京警視庁に届いた。だが、差出人とみられる井上は、成城の自宅で死体となって発見された。3日後、阿蘇の雄大な裾野を走る急行「火の山」の車内で、不動産業者が殺される。そして再び、事件の続発を予告する電報が、警視庁へ。発信人は何と井上! 十津川警部を翻弄する奇怪犯罪とは?

天狼星
講談社文庫
ファッションモデルが次々に殺され、バラバラ死体が発見された。死体には喰われたらしい痕跡があり、シリウスと名乗る犯人が山科警視に星座にちなんだ12人の女ともう1人、13人の殺人を予告してきた。生涯の宿敵シリウスと相まみえることになった名探偵・伊集院大介。待望の長編伝奇ミステリー。
リビア裏切りの砂漠 コーディー・シリーズ4
講談社文庫
砂漠に展開するコ-ディ-軍団決死の大活躍ロ-マのアメリカ大使館に立て籠ったカマル一派.パレスチナで家族を虐殺された彼にとって,アラ-の意志を示す途は戦いしかない.コ-ディ-軍団との対決迫る.

さらば,黄河
講談社文庫
黄河学術調査団のメンバーとして中国に渡ったカメラマン笹井には、もうひとつの目的があった。太平洋戦争当時、軍属として中国大陸にいたことのある父が、昨年、中国再訪の旅に出たまま失踪してしまったのだ。その謎を解きたい、と笹井は決意していた。だが、その笹井を次々と奇怪な事件が襲う。何が父に起きたのか? 悠久の大河が舞台の鮮烈ミステリー。大黄河を舞台に、いまよみがえる歴史の悲劇!

新型田舎生活者の発想
講談社文庫
「田舎はこんなにオモシロイ」ーー軽井沢の雑木林の中に、いっぷう変わった形をした家が、1軒。東京生まれ&東京育ちのもの書きが、突然、東京のマンションを引き払って、棲みついた。いつ逃げ出すか、と思いきや……。エレクトロニクスを駆使し、田舎と都会、仕事と遊びを融合させた、優雅な日々。玉村豊男のユニークなカントリーライフ報告書。
昭和ヒーロー大事典 スポーツ編
講談社文庫
スポーツ・ヒーローを時代順にたどる名鑑。ヒーローは時代を鏡のように映し出す。昭和はスポーツが大衆化した時代であった。野球、相撲、ゴルフ、マラソン……。現われては消えていった名選手たちを描く。

月霊の囁き
講談社文庫
満月の夜、恐怖の殺人が月霊教会で……。成城学園に住む28歳の美貌の社長夫人は、秘密の共有者である小杉安雄殺害の記事を見て茫然とした。毎週1度名古屋近辺に現われ、もうひとつの顔を見せる彼女は教祖。小杉は、その新・新宗教「月霊教会」の代表役員で、事件当夜、現場に現われたという教祖『月霊様』の正体と消えた1億円の行方を、唯一人知っていたはずなのだが……。社長夫人であり教祖である女の謎の正体を追う! 月霊協会の教祖『月霊様』の装束で死体を運んだ女は、成城に住む謎の社長夫人なのか?
恋と芸術への情念(人物近代女性史)
講談社文庫
強烈な自我と才に恵まれ過ぎた恋多き女たち松井須磨子、三浦環、高村智恵子、歌人の柳原白蓮、美貌の劇作家長谷川時雨、新舞踏運動の旗手藤蔭静樹、才女とうたわれた歌人原阿佐緒…華麗な恋の遍歴と孤独。

古代の終焉 清張通史(6)
講談社文庫
「咲く花のにほふが如くいま盛りなり」と謳われた奈良朝は、仏教を中心にした古代国家として栄耀栄華を誇ったが、同時に権謀術数や反乱も相次いだ。このような国内の動静を、主に唐、西域との交流という比較史的視点からさぐる。「東アジアの中での日本」をダイナミックに跡づける清張古代史の最終巻。

カルナヴァル戦記
講談社文庫
リオのカルナヴァル(謝肉祭)の最後の夜、暗殺者であるおれは、組織の裏切者・金承春を狙ってビルの高層階に待機した。金はリオの非合法地域に潜伏中だったが、カルナヴァルの日にはどの住民も例外なしにサンバの踊り手として山車の上に乗らなければならない。おれは今、狙撃の瞬間を静かに待っている。

特急「おき3号」殺人事件
講談社文庫
山陰本線を走る特急「おき3号」の車内で、高名な写真家が何者かに刺殺された。容疑者をしぼる過程で、ひとりの青年が浮かぶ。彼は十津川警部の元上司の令息で、折しも九州へ新婚旅行に出かけていた。結婚式にも出席した十津川はおどろき、困惑する!第1人者が巧みに描く旅行推理秀作集。

炎の経営者(下)
講談社文庫
大阪の場末にあたる桃谷の裏長屋の2階に研究室というにはあまりにもみじめな仕事場で、たったひとりで硫酸触媒の研究にとりくみはじめて20年余、八谷泰造の日本触媒工業は近代的石油化学工場としての偉容を川崎の地にあらわした。「人生劇場」をこよなく愛した経営者の、炎と燃えた生と死と描く。(講談社文庫)
ビジネスマン必読、感動の企業長編ドラマ。無水フタール酸からエチレンホキサイド、エチレングリコールの製造、そして総合石油化学への道をひた走る八谷泰造。だが、糖尿病の発作が彼の行く手をはばんだ。

炎の経営者(上)
講談社文庫
山陽線下り急行「筑紫」の2等車で、一中小企業「日本触媒化学工業」社長の八谷泰造は、当時富士製鉄社長だった永野重雄に面会を申し込んだ。終戦直後の金で3千万円の株を、持ってもらいたいというのである――。無水フタール酸の製造から石油化学全般に命を懸けたロマン溢れる男の人生長編ドラマ。(講談社文庫)
石油化学の発展に全生涯を賭けた男のドラマ。戦後の荒廃の中、一中小企業にすぎなかった日本触媒工業の社長八谷泰造は、富士製鉄社長だった永野重雄に会い、資金援助を頼むため単身急行「筑紫」に乗り込んだ。