講談社文庫作品一覧
国際結婚の黎明(人物近代女性史)
講談社文庫
嘲笑をはね返し国境をこえ愛に生きた女たちクーデンホーフ・光子、モラエス・ヨネ、モルガン・雪、ベルツ・花、ラグーザ・玉、シーボルト・イネ…嘲笑と冷視をはね返し肌の違いをこえ敢然と生き抜いた女達

薩摩藩経済官僚
講談社文庫
不可能に挑戦し、回天の事業を成し遂げた男。瀕死の薩摩藩経済を立て直した男の経営手腕ーー膨大な額にふくれあがった借金を、すべて踏み倒す。この役目を誰にやらせるか? 思案に暮れた島津重豪(しげひで)は、茶坊主の調所(ずしょ)を大抜擢、駄目でもともとと、大坂に派遣する。回天の事業は、まさにこの時はじまった……。地位も財力もない身で、瀕死の薩摩経済を再建、維新の胎動に挑戦した、不屈の男の経営手腕を描く長編。

潮の墓標
講談社文庫
愛の破滅と再生を描く海洋サスペンスロマン。紀淡海峡へクルーザーで出た社長に専務が隠していた牙をむき出し、狂暴な態度で襲いかかった。荘厳な海上で展開する男女五人の劇的な二日間を壮麗な筆致で描く。

五つの首
講談社文庫
京に上らんとする織田信長を襲う“首狩人”の挑戦。流浪の将軍・足利義昭を織田家に招くため腐心する信長のもとに、5人の殺人を予告する首なし人形が届いた。1つ、2つ、3つ、予告通りに首が仕留められていく。そしてその最後の標的は信長本人だ。難事件に立ち向かう信長の名推理を描く長編ミステリー。

新・犯罪報道の犯罪
講談社文庫
人権無視の過剰報道はもうたくさんだ! ーー犯罪報道は匿名にすべきだとの、大胆な著者の主張は、人びとの深い共感を呼んだ。過剰なほどの情報が飛びかう現代での、人権と報道の内実について、新聞マスコミにおいては、多くの議論が展開された。事件の具体的な被害や論争の経過をふまえつつ、序々に広がる実践とその後の状況の変化を論ずる、必読のレポート。

総理を操った男たち 戦後財界戦国史
講談社文庫
戦後、歴代の総理大臣を決めるについて、背後の闇で動いたものは誰か? 敗戦の翌年、早くも誕生した経済同友会を砦(とりで)とした財界は、巨大な金脈にものをいわせつつ、歴代総理を操ろうとしてきた。「日本株式会社」の命運を賭けた、財界VS.政界の血みどろの暗闘。財政癒着と腐敗の構造の根源を照射する、迫真のドラマ。政界と財界の癒着はなぜ起きたのか?

魂の岸辺
講談社文庫
ガキじゃ駄目だぜ、男になるにはな、眼をしっかりと開けて突き進むんだ。14歳の少年川田周一に、流れ者の板前久我の叱責がとぶ。たばこも酒も女も、そして強烈な鉄拳(パンチ)も、やわな少年には過激な体験だ。しかしそれは大人になるための儀式なのだ。思春期の嵐に必死に立ち向かう少年のハードな成長を描く力作。

企業家サラリ-マン
講談社文庫
サラリーマンは企業家たりうるか。組織に安住し、命令に従い、「忍」の一字が要求されるサラリーマンと、その組織をも革新する創造的エネルギーが必須の企業家と。商社冬の時代の中で、苦悩しつつ川下作戦の海外飲食店グループを指揮するひとりの男と、新しい時代の経営者を目指すひとりの女の生き方を描く。
旅人 国定龍次(下)
講談社文庫
激動の時代と侠客たちを描く痛快時代小説。荒神山での吉良の仁吉一家・清水の次郎長一家と穴太の徳次郎一家のデイリ。京での新選組、そして倒幕運動。幕末日本の時代の波に翻弄され続ける遊侠児国定龍次。
旅人 国定龍次(上)
講談社文庫
激動の時代と侠客たちを描く痛快時代小説。時代は幕末。上州の大前田栄五郎に育てられた、国定忠治の子、龍次。手甲、脚絆に三度笠、渡世人修行の旅に出る。遊侠児龍次の父親ゆずりの人斬り剣法が冴える。
パリ・スケッチブック
講談社文庫
著名な作家の愛と透徹した目で描くパリ散歩25年間パリっ子以上にパリの街をすみからすみまで歩き見て、名文で綴ったパリの表と裏の顔。人気画家サールの楽しい風景画も収録、読者を花の都にいる気分に!

変体少女文字の研究
講談社文庫
この文字を知ることは、新人類を知ることだ。21世紀は弱々しく幼稚な社会となるのか? 長期間の執拗な取材で、ついにその謎を判明させた渾身のノンフィクション! ーーマンガ文字、丸文字とも呼ばれている〈変体少女文字〉は、昭和53年頃から猛烈に普及しはじめた。この文字に象徴される新しい文化は、弱々しく幼稚な社会を到来させる芽をはらんでいる。角ばった楷書型の男文化が後退し、21世紀の日本人は、誰もが「かわいい」価値観をもち、この文字を書く可能性がある。
鏡の中の悪魔
講談社文庫
清澄なリリシズムと恐怖に満ちた傑作ホラーフォーオークスの豪華な邸、有能な夫、天使のような幼い息子、そして甘くせつない、不倫の恋――。だがあの時のあの事件が、彼女を悪魔の手にゆだねたのだった。

ぼく、もう我慢できないよ ある「いじめられっ子」の自殺
講談社文庫
死をもって、賢一君は大人たちに抗議した。いじめられる学校いやだ、空手着姿で飛び降り、6月には未遂……事件の波紋を克明に追った記録ーーなぜ、いじめはなくならないのか? 差別への無知から、残酷で奇妙な「追悼文」を書いてしまう生徒たち。出てくる「いじめっ子」の告白。入院して責任を回避する校長や教頭。失われてしまった一つの命をめぐる関係者それぞれの対応を克明に取材し、集団や人々の心にひそむ差別といじめの構造を明らかにする。「学校は嫌い! でも好き!」残酷な差別といじめに死んで抗議した少年の訴え!
新時代のパイオニアたち(人物近代女性史)
講談社文庫
女性の歩むべき道を切り開いたパイオニア達国際女優第一号川上貞奴、近代最初の令嬢作家三宅花圃、天才女流作家、樋口一葉、我国最初の女流民権闘士、岸田俊子、女子教育の先駆、下田歌子、津田梅子を収録

グローイング・ダウン
講談社文庫
明日が今日で、今日が昨日で……。未来がどんどん遠ざかり、今という今が、次々と過去へと進む。読者よ、諸君はいま、清水義範のステキな短編を読んでいる。だが時が経つと、諸君はその短編を知る以前の諸君となり、それどころか、清水義範を知る以前の諸君となるのだ。いざ覚悟して読みたまえ。甘酸っぱくてほろ苦い、奇想溢れる、短篇9編を収録。爽やかで新鮮、ほのかに甘くほのかに苦い無類のユーモア、おかしなおかしな清水ワールド!

密会
講談社文庫
夜の林の闇の底で、彼女は、興奮のすぎさった後のけだるい体を横たえていた――。大学教授夫人・紀久子が、夫の教え子である学生との密会中に起った、思いもかけぬ殺人事件。女の心の中に渦巻く生々しい情念を、ミステリー・タッチで描く「密会」ほか、「動く壁」「目撃者」など、「男と女」を描く名短編9編を収録。
クロアシカ・バ-の悲劇
講談社文庫
都会的な味わいのメルヘンティックな短編集ぼくはクロアシカ・バーのクロアシカなんだよ。クロアシカのぼくはいう。「いらっしゃいませ」。キース・リチャーズ、話し好きなアシカ、雨の夜道…表題作他5編

走れ! タカハシ
講談社文庫
ヨシヒコが走るとき、何かが始まり何かが終わる。「ファーストベースにヘッドスライディングしてもそれが様になる日本でも珍しいプロ野球選手」と著者が激讃する広島カープ高橋慶彦遊撃手の輝ける肉体を軸に、野球を楽しむ普通の人々を配した軽快な短篇集。時代を駆け抜ける爽やかな風とともに贈ります。
人間の証明
講談社文庫
超高層ホテルを舞台に恐るべきトリックの罠エレベーターの扉が開くと若い黒人が胸にナイフを刺されて倒れてきた。被害者の過去を辿ると哀切な物語が隠されていた。西条八十の詩を手がかりに謎の核心に迫る