講談社文庫作品一覧
昔話十二か月(一月の巻)
講談社文庫
十二か月に分けて編集した日本昔話歳時記 全国の数多くの昔話から,質の高い話を一年の月の移り変わりに合わせて選んだ画期的シリ-ズ.村の爺さま,婆さまの語りそのままを再現する民話の宝庫.全12巻

湖底の光芒
講談社文庫
遠沢加須子は、中部光学という夫の遺したレンズ製造会社を長野県の諏訪で経営している。親会社の倒産で苦境にたった時、手をさしのべて来たのは、ハイランド光学だった。親会社の横暴に泣く下請会社の悲哀と、加須子にのびる欲望の影、そして加須子の妹の情熱が1つの悲劇を呼ぶ……諏訪湖に沈む謎は何?

太陽と砂
講談社文庫
アフリカの砂漠に展開する青春の野望ーー親友でありながら、前島は能楽に伝統美を確かめ、沢木はアフリカ砂漠改造工事の技師として地球の未来をみつめる、対照的な生き方を選んだ。その二人を同時に愛して、苦悩する加代子。彼らにしのび寄る悲劇的結末は、また新しい時代への予兆でもあった……。壮大な着想で近未来を見通し、総理府主催「二十一世紀の日本」懸賞に当選した野心作。

モスクワ特急
講談社文庫
ウイーンからモスクワに向かう特急ショパン号のコンパートで、日本人画学生・笠原は奇怪なドイツ人と出会った。そしてポーランドからは大学教授の秋枝父娘が乗りこむ。いろんな思惑を抱き西側の人間が共産圏へ旅をするのだ。やがて秋枝の秘匿するマイクロフィルムをめぐり、事態は急変する! 世界の10都市を舞台にした会心のスパイ小説集。
特急でマイクロフィルム争奪戦!スパイ小説ウィ-ンからモスクワへ走る特急の中で,画学生笠原に接近したドイツ人の正体は?日本人学者秋枝父娘の役割は?世界の各都市を舞台にしたスパイ小説八編を収録.

愛の時代(下)
講談社文庫
愛の究極は独占であるが、幸福の絶頂のその瞬間から、愛の退廃も始まる。恋人・宇津木修策の妻が、病死した。解放されたはずの怜子だが、性愛だけでは心を伝え合えない実感に捕われてしまう。怜子とその周囲の人々に展開する、浮気の恋、忍ぶ恋、一途な純情など、時代を映すさまざまな恋を描いて、愛の真実を問う傑作長編。<上下巻>

愛の時代(上)
講談社文庫
愛と不誠実が共存する男女の恋を描く長編ーー嵯峨野に住む染織家・辻本怜子は、妻子ある男の秘かな恋人として、不安定な愛を聡明に守っているが、愛と不誠実が共存する男に、時として屈折することもある。その彼女の家に、愛し愛される喜びと、愛に伴う苦しみを抱えて、多くの人々が訪れる。東京から若い姪が家出してきて、追いかけて母親の和子もやって来るが、その姉もやがて激しい懊悩を打ちあけ……。美しい自然の中で、鮮かな恋の物語が織り上げられていく長編。<上下巻>

続・気くばりのすすめ
講談社文庫
これは心と人生の教科書だ! 気くばりは教えること、育てること、学ぶこと、そして愛すること、働くことを上手にする、生きていくための基本。ちょっとした気くばりが自分と周囲を変えるーー気くばりが、他人に対して行うささやかな親切である、というふうにだけ受けとられてしまったら、残念なことです。気くばりをするためには、まず本人自身がしっかりしていなくてはなりません。個人が人生をどう生きるかの目的を持つ、そのなかの手段の一つが気くばりだということなのです……。全国に熱い感動を呼んだ、心と人生の教科書。

顔十郎罷り通る(下)
講談社文庫
金と女に命をかける、天下放浪の仕事人、顔十郎とは一体、何者?――東海道を西に走り、島津家お由羅騒動に首をつッ込み、東に奔っては亡命清国皇太子をめぐる陰謀の渦中に躍る。やがて千姫伝奇に由来する熊退治に韋駄天走る。宿命的対立、恋を絡めて冒険は終幕へ。断固面白い!柴錬面目躍如の時代ロマン。

顔十郎罷り通る(上)
講談社文庫
まこと強い、ダーティヒーローここに参上!おっそろしき馬面(ウマヅラ)に、岬のような顎、中央に盛り上る巨きな鼻。背中に長刀、着流し姿の素浪人、鼻の顔十郎。意地や義理が大嫌い。金のため女のため時にもののはずみで“仕事”を引き受ける。酒に博奕に女こそ、男子3つの快楽とうそぶき、罷り通る顔十郎の痛快冒険譚。

おれは藤吉郎(中)
講談社文庫
尾張半国を制覇した信長に対する織田家の内訌は、一向に治まらない。その中で首尾よく信長の厩番に就けた藤吉郎は、密命をおびて京へ上った。ここで一番、なんとしても任務を全うして、主君の期待に応えよう。それが己れの出世につながるのだ。決意を固める藤吉郎の前に、あの憧れのお通が現れた……。青年太閤の破天荒な物語。〈全五巻〉
味のある言葉
講談社文庫
雰囲気を和らげ,人生を深くする言葉の本.戯曲という,とりわけ言葉を大切にする仕事に携わる劇作家である著者が,耳にし,感動した“味のある言葉”の数々を,粋な筆致で綴る.『しゃれた言葉』の続篇.

透明な牙
講談社文庫
ダイヤモンドと人妻をめぐるサスペンス長編ーーダイヤと人妻、それは男にとって、いつでも魅力だが、危険な存在でもある。人妻は、野性のエロティシズムを秘めた雌豹のような、妖しい魅力の真弓。その彼女との情事が発端となって、かつて日銀の地下に眠っていた尨大な謎のダイヤの行方を追うハメになる作家・瀬波。だが、目くるめく恋の前に、恐るべき暗黒組織の魔手が……。長編傑作ハードロマン。

おてんば歳時記 明治大正・東京山ノ手の女の暮らし
講談社文庫
昔のことが、いま新しい! ーー明治29年の生まれで、もう90歳にもなるおばあちゃまが、じぶんの娘である著者に話してきかせた、昔の思い出。おてんばで多感だった少女の頃の遊び、様々な暮らしの風俗、家事と家のとりしきり、ハイカラ・ファッション……明治の女性たちの姿が、生きいきとキラキラ輝いて甦る。楽しい読みものであるとともに、当時の生活や時代考証のための貴重な証言となっている。

食物と日本人 日本人の歴史第2巻
講談社文庫
日本人は世界でいちばん鋭い味覚の保有者。世界に類を見ない雑食民族で、味に対する感覚もきわめて繊細。酵素の効用も早くから知っており、食物によって体内を浄化する知恵も持っていたーー日本人は、270種の貝類、200種の魚類、30種の哺乳動物、80種の鳥類、90種の海藻類のほか、昆虫や爬虫類、植物を入れると、なんと1500種にもおよぶものを食べる、世界一の雑食民族である。しかも、西洋四味、中国五味、日本七味といわれるほど、味に対する感覚は繊細で、調理の方法もいろいろに工夫した……。画期的な部門別日本史。<全5巻>
侍従長のひとりごと
講談社文庫
開かれた皇室を目指した侍従長の名エッセイ名家冷泉家に生まれ,学習院教授を経て天皇の侍従としてつかえた五十有余年の折々を,天皇のお人柄の紹介をまじえ,該博な知識のもとに織りなした珠玉の名文集.

水割りおかわり
講談社文庫
止り木で一杯が最高! 嬉しくて飲む、悲しくて飲む、アタマにきて飲む。肌スレスレの仲間たち、田中小実昌、色川武大、暉峻(てるおか)康隆、殿山泰司……の面々とでき上ってゆく。これよ、これですよ。酔わなきゃ見せない顔、酔いに任せたいい話……少し滑稽で少し哀しい、いとしき酒場交遊録。読めば酔わせるこの生一本。
止り木で一杯が最高!いとしき酒場交遊録.やあ,お酒ってほんとに愉しいですねえ.身銭を切って飲むお酒,酔わなきゃ見せない顔,酔いに任せたいい話……中山あい子の酒,友そして人生.軽妙エッセイ集.
それでも飲まずにいられない
講談社文庫
酔って笑って涙する酒また酒のアンソロジ-ウキウキ気分の陽気な酒も,飲んで飲まれりゃ泣き上戸酔いが回れば世界も回る.開高健,青木雨彦,吉行淳之介ら,総勢20人が繰り広げる酒に関する面白話の競演

万葉集事典
講談社文庫
万葉のすべてが一目でわかる。見やすいように表覧形式に徹し、人名・地名解説、動物植物一覧、諸本解説・形成伝来図、年表、研究史年表、万葉仮名一覧、東西の市、議政官一覧、系図、初句索引などのほかに豊富な地図をおさめた。ハンディにして質量ともに他の追随を許さない、画期的な文庫版万葉集事典。

雲の階段(下)
講談社文庫
手術が成功して愛し合うようになった亜希子は、東京の大病院の令嬢だった。島で看護婦をしている恋人を捨てて亜希子と結婚した三郎は、大病院の後継者となった。だが、ニセ医者であることを言いそびれたままの三郎の、苦悩の日々が続く。もろく、はかない青春の輝きをみずみずしく描いた傑作長編ロマン。
帝国ホテル料理長の 楽しいフランス料理
講談社文庫
あの村上さんが書いた読んで面白い料理の本愛情は最高のソ-スです.ピリッと「ひと工夫」のスパイスを加えればもうプロの味.料理歴50年,サッチャ-首相もご満悦の味の秘密をあなたの食卓にもどうぞ