講談社文庫作品一覧

家族の神話
講談社文庫
野々村英が5歳の時、両親は離婚した。12年後、高3になった英は、スペイン料理店を営むまだ若く美しい母にうっとうしさを覚えている。母と子の微妙な隙間に女子大生・亜紗子が入って来た。英は母に内緒で彼女と同棲する。一方で、記憶の底に潜む幻であり憧れである父との、皮肉な再会が実現するのだが……。家族とは、都会人とは? 文化的で猥雑な時間の洪水のなかで豆粒的に生きる家族を描く。
ビートルズってなんだ?
講談社文庫
ビ-トルズを再びイマジンするアンソロジ-1966~81年,ビ-トルズはこんなに愛され影響を与えていた!空前絶後のビ-トルズ現象を来日からジョンの死まで53の選りすぐりエッセイとイラストで証言

世界を翔ぶ
講談社文庫
報道の現場に復帰した磯村尚徳は、水を得た魚のように再び世界を翔けめぐる。キッシンジャー、ジスカール=デスタンなど各国要人との会見、戦争の傷痕癒えぬサイゴン、思い出の地パリ……。著者は、激動の時代に生きる人々への共感や進むべき道への模索を、大上段にふりかぶらず、日常生活のレベルで語る。NHK人気ニュース番組「ニュースセンター9」の元キャスターのエッセイ。
新しい産業国家(下)
講談社文庫
現代経済の構造を解明するガルブレイス経済現代の高度産業社会を支配する計画化体制の構造と行政組織に一体化するテクノストラクチュアの実態を解明し,国民経済に与える諸矛盾を鋭く分析.
新しい産業国家(上)
講談社文庫
ガルブレイス経済学の中核的著作の決定版.現代の高度産業社会を支配する計画化体制=大企業体制の構造と”テクノストラクチュア”の実態を解明し,体制からの脱却を提言する画期的名著.
音楽の落とし物
講談社文庫
音楽にまつわる面白噺がいっぱいの随筆集.楽しい音楽わかる音楽を追求して多彩に活躍中の著者が権威ヅラの音学家やもうけ主義の音楽屋を痛烈にやっつける,クラシックから演歌までの全方位的エッセイ集.
おもしろモダン・マナーズ
講談社文庫
道徳は毒也.意地悪マナ-は人生の笑薬也.世の中すべて人との出会いが肝心.挨拶から食事・交際・SEXまで限られた人生ならおもしろおかしく常識に一撃,反・半マナ-で楽しく人と人との潤滑剤になろう
雑学東京行進曲
講談社文庫
流行歌をとおして昭和初頭の日本を見る. エロ・グロ・ナンセンス,破局の戦争へと突き進む暗い予感.それは余りにも「今」に似た時代だった.はやり唄を手がかりにありありと再現する当時の世相・風俗.

いのちとかたち 天際の借景
講談社文庫
日本美の根源を求めて極めた、美論の成果。源氏物語や枕草子などの古典文学、肖像画・絵巻・茶・花などの伝統芸術、日本人の自然観・芸術観などについて、綜合的な思索を展開。古典、詩、文芸批評の果てに、著者が行きついたのは、日本美への源流であった。『いのちとかたち』は著者50年の文業の結論であり、日本文化研究の輝かしい達成であった。野間文芸賞受賞作品。

殺人行おくのほそ道(下)
講談社文庫
叔母の周りの人々が次々と殺されていく……しかも、その土地が松尾芭蕉の『おくのほそ道』に由来している。麻佐子は、5年前、叔父と2人で旅した”おくのほそ道”と連続殺人の謎を解こうとして、やがて犯人と覚しき男を知る。しかし、その男もまた、殺されてしまうのだった。それでは真犯人はいったい……。

殺人行おくのほそ道(上)
講談社文庫
銀座で洋装店を経営する美しい叔母は、倉田麻佐子の自慢だった。ある時、麻佐子は、叔母が叔父の山林を、無断で売ったことを知り愕然とする。叔母は何故お金に困っているのか?秘かに謎を探る彼女は、山林売買の仲介をした海野が交通事故で死んだことを知る。その死は、連続殺人事件の第1弾だったのだ!

白昼の密漁
講談社文庫
敏腕生命保険勧誘レディに仕組まれた罠! 生命保険の外交をしている美しい人妻に、多額の保険加入や政財界の大物の紹介を口実に接近する古物商が。不正取引の影に隠された意外な事実を描く長編ミステリ-! ーー毎月の生命保険契約高の成績争いで、ライバルの同性としのぎを削る美人セールス・御園登代子にしのび寄る甘い罠。疑惑の影がつきまとう奇妙な契約者たちに不安を抱きながら、ただひとり信頼のおける嘱託医との情事に溺れる彼女は、やがて不可解な陰謀の渦に巻きこまれてゆく。保険契約にうごめく人間の赤裸々な姿をスリル十分に描いた問題作。
逆転法廷
講談社文庫
恐怖のペスト菌殺人事件を巡る法廷推理の粋絶滅したと思われているペストが国立病院で発生,39人の死者を出した!果して犯人は医師か,偶然の事故か?法廷の白熱の論戦で暴かれる怪事件の真実は?
凄愴圏
講談社文庫
森村誠一の新本格推理第三弾サスペンス力作誘拐され,犯され,殺される女子大生の苛酷な運命を描いて荒廃した都会の恐怖に迫る森村推理の独壇場.「太陽黒点」「空洞星雲」「凄愴圏」の三大推理堂々完結!

炎の墓標
講談社文庫
マンモス・タンカーの爆破中止と引きかえに100万ドルを要求する脅迫電話が新太平洋石油にかけられた。100万ドルの振込み先は、バリ島にある小さな商店だった。犯人の真の狙いは何か。また航行中のタンカーをどうやって爆破できるのか。この途方もない脅迫事件の進展があばき出したものは?壮大な推理。

黄金流砂
講談社文庫
義経は、平泉で討たれたのではない。頼朝の追捕の手を逃れ、ひそかに北へと脱出していた……。高名な歴史学者が盛岡のホテルで殺され、事件の鍵は意外や、義経北行説にからむ謎の古文書に! 駆け出し記者・法願総一郎の行く手を、解読不能の古代和文字がはばむ。暗号推理の興奮も満喫させる、江戸川乱歩賞受賞作。名作ミステリー長編。
義経北行伝説をめぐって起きた歴史学者殺し盛岡市内のホテルで歴史学者高村教授の死体がみつかった.義経北行説にからんで発見された意味不明の古文書が事件の謎を深める.江戸川乱歩賞受賞の長編推理.
原子炉の蟹
講談社文庫
巨大な密室 原子力発電所で起こる連続殺人原子炉で多量の放射能を被曝した死体が,ドラム缶詰めで処分されたという噂を新聞記者たちは追うが事件は不気味な「サルカニ合戦」の筋立てで進む.乱歩賞受賞作

九頭の龍
講談社文庫
フランスの造船所から日本へ曳航中の新造軍艦「うねび」は、明治政府の大きな期待を背負っていた。対立する清国の強力軍艦にも太刀打ちできる装備を誇るのだ。だがシンガポールを出航したあと、この艦の消息は絶えた。折しもインドシナ半島には戦雲がたちこめている。軍艦に何かが起きたのだ! インドシナ独立運動などの史実をヒントに、壮大なロマンと驚嘆の推理を構築する、出色の歴史冒険ミステリー小説。

闇の金魚
講談社文庫
日本への留学を終えて帰国した童承庭は、政商・永源昌の店で働きながら、反体制運動のレポ役も果していた。が突如、妻が何者かに拉致された……。陰謀錯綜の歴史の裏を暴く長編ミステリーー妻が拉致された。その報をもたらした男が示す紙片には、「とらわれたが拷問には屈しない」とある。確かに妻の筆蹟だ。反体制運動のレポ役・童承庭は、ふるえた。誰が何のために仕組んだ罠なのか? 清朝が倒れ、孫文らの革命勢力が勃興する中国、多様な主義思想の錯綜する歴史のヒダに、推理のメスを鋭く入れる長編。

影を裁く日
講談社文庫
その日、外務省のキャリア組は震え上がった。TOKIOサミットが終了した晩、ホテル・ニューオークラで開かれていたパーティーの会場から、朝倉外務省欧州局長の姿が忽然と消えた。ほどなく、死体が中庭の池に浮かんだ。元外交官の著者が、一見はなやかな外務省内部に秘められた、キャリアとノンキャリアの確執、権力の腐敗を描き、人間性の本質に迫る傑作ミステリー。