講談社文庫作品一覧

初めの愛
講談社文庫
男は危機的な状況にある。愛人と暮しながら、妻子のほうにも週に一度帰る、そんな状態が会社の取引先社員の失踪によって、明るみに出かねない。自分にも他人にも誠実であろうとする彼が、ふと立ち返るのは、おのれの愛の初源の場……。35歳、中間管理職の、真摯な宙ぶらりんの生。芸術選奨新人賞受賞の野心的長編。

匠の時代 第10巻
講談社文庫
リスクに満ちた国際金融の場に進出し成功をおさめた住友マンの躍進の秘訣を分析する。国際金融市場で成功をおさめた住友銀行ーー安宅産業事件で一度はトップの座を滑り落ちながら、金融国際化に敢然と挑み、海外進出日系企業との取引拡大を手はじめとして、欧米巨大企業との契約から、シンジケート・ローン、プロジェクト・ファイナンス、マーチャント・バンキング、ディーリングと成果をおさめ、トップの座を奪還する住友銀行の国際戦略を描く、人気シリーズ第10巻。<全12巻>

コロボックルのトコちゃん <佐藤さとるファンタジー童話集9>
講談社文庫
コロボックルの国は、町はずれの丘の続きの、おむすびをころがしたような形の小山にあります。コロボックルの人気者・トコちゃんが、国の中で素敵な冒険をする表題作ほかのコロボックル童話と、「魔法使いの近道」「百番めのぞうがくる」「壁の中」「魔法のチョッキ」など、魅力あふれるファンタジー童話を11編を収録。

愛する嘘を知ってますか
講談社文庫
愛や恋とひとくちに言いますが、すべての女性にとって、これほど苛酷で厳しい修羅場はないんじゃないかしら。もし彼にすてきな女と思われ、その愛を獲得したいなら、あなたはあらゆる努力と手練手管を尽くさなければね。あなたの人生を豊かに包む幸せを掴むのは、一にも二にもあなた次第なのですから……。

素直な容疑者
講談社文庫
目覚めたとき、明の横で、女は息絶えていた。赤くよごれたシーツと、ベッド脇の血をたたえた水槽。逮捕された明が、自ら推理したのちに選んだ運命は? 少女の愛の渇きを見事に捉えたミステリーの表題作のほかに、女性心理の微妙な揺れ、また翳りを描く「窓辺の娘」「犬を飼う男」「街の神秘と憂愁」など全7編。

窓ぎわのトットちゃん
講談社文庫
時代を超える大ベストセラー、感動の名作
アニメで初映画化!
☆2023年冬公開☆
「きみは、ほんとうは、いい子なんだよ!」。
小林宗作先生は、トットちゃんを見かけると、いつもそういつた。
「そうです。私は、いい子です!」 そのたびにトットちゃんは、ニッコリして、とびはねながら答えた。
――トモエ学園のユニークな教育とそこに学ぶ子供たちをいきいきと描いた感動の名作。

戦国史疑
講談社文庫

江戸神輿
講談社文庫
祭りの華は、江戸神輿。三社祭り、神田祭り、鳥越祭り……江戸の祭りと神輿の徹底ガイド&写真集! ーー単車をころがしたって、ディスコ行ったって、結局はどこかいつもシラケてんだよね。だけど祭りのときだけは、完全に燃えられるんだよね。心も体もね。江戸の祭りはいま、もっとも過激なヤングのものだ。神輿がうねり汗が飛ぶ。ギャルのはち巻きがイロっぽい。ソイヤソイヤ……お神輿野郎のおとおりだ!

石を抱いた樹(下)
講談社文庫
ガンに倒れた妻の見舞に明け暮れ、学園の醜い内部抗争に悩む、名門学園の理事長・布施英之の前に、くちなしの花のような雰囲気の漂う光子が、問題生徒の姉として出現した。妻が死んで、別府の障害児施設で健気に働く息子を訪ねた英之は、新しい人生を夢見るのだが……。根なし草に似た現代人の孤独を、哀調豊かに描く感動の名作。人間の抱え持つ奥深い悪を描いた、水上文学の魅力の源泉を明かす長編小説。

石を抱いた樹(上)
講談社文庫
巨木は、地中深く、石を抱いているものだ。……名門・布施学園の理事長・布施英之は、樹木を愛し、学園のマンモス化により、緑が失われていくのを憂えていた。折しも20年の歳月を経て、敗戦の混乱のうちに、生き別れた息子が姿を現わす。大地にしっかり根を張ろうと、父と子それぞれに歩む道を描く、感動の長編問題小説。生き別れた息子との再会、親子の運命……水上文学のロマンチシズムの源泉がここにある!
太陽黒点
講談社文庫

女のあしおと
講談社文庫
小説への夢をささえに、浮き沈みの多い半生を、ひたむきに生きた、人気女流の自伝的随筆集ーー生家からの自立を願い、18歳の若さで結婚。幼な子を連れての恐怖の引揚げ体験、病苦、離婚、そして夜逃げ同然の再出発……。辛酸の中で、文学への執着を一筋の光明として生きた半生を、真率につづる「浮き沈み五十年」をはじめ、懐かしい土佐の山河や愛着ひとしおの着物の話など、人気女流の素顔の魅力が溢れる随筆集。

赤い猫
講談社文庫
車椅子に坐ったままの富豪の老婆の家に、住み込みで雇われていた沼手多佳子は、老婆の死後、その全財産を遺贈された。幼い時母を殺された多佳子にとって、それは夢のようなことだったが……という日本推理作家協会賞授賞の名作「赤い猫」のほか、「白い部屋」「青い香炉」など、明るく生き生きとした6編の珠玉の傑作ミステリー小説集。車椅子の老婆から贈られた、莫大な遺産に秘められた秘密とは?

カリフォルニア
講談社文庫
23歳の鮮烈な感性が描く麻薬の青春、熱風と麻薬の終わりなき<夏>を彷徨するストレンジャーの青春。群像新人長編賞受賞の意欲作ーーセントラル・バレーの中央にある、砂漠のオアシス・フレズノ。はてしない青空と灼けつく熱風の街に、重い過去をひきずって終りなき<夏>を彷徨するストレンジャーたち。雪国から来た留学生くずれの日本人青年と混血の白人娘の、愛と麻薬の日々が、カリフォルニア・エイジの終末を告げる……。23歳の鮮烈な感性がきらめく、群像新人長編小説賞受賞作。

ことわざの風景
講談社文庫
庶民が育てた「ことばの知恵」、その深くて重い笑いの魅力と成立の背景を解く文化論ーー笑いで磨かれた庶民のことばには、深い「人生の知恵」が隠されている。つるの一声、にそくのわらじ、ぬすっとにも三分の理……凝縮された世相・処世訓・人間の機微をすくいあげ、生活のなかで育てられたことわざの魅力をさぐる。著者の軽妙洒脱な語り口は、成立の背景から、広い「文化の風景」へ誘う。

衝動ゲーム
講談社文庫
不条理な現代に、ひそかに急速にはぐくまれる犯罪の、意外な結末を描く傑作推理6編。若者たちの殺意の深層をえぐる! ーー現代の若者たちが引き起こす、殺人や心中や復讐の数々……。はたしてそれらの理由は、何なのか? 不条理なこの社会の中で、ひそかに、しかし急速に育まれる犯罪や、意外な結末の事件や、美談の背後、深層にある真相・真実を、ミステリー・タッチで描き解く、著者会心の推理連作6編を収録。

一騎当千
講談社文庫
昭和33年、日中貿易の中断で、北浜交易株式会社は東京支店を閉鎖。解雇され人生の岐路に立った社員の有志7人は団結し、退職金を資本に新会社を設立、脱サラどころか資本家として再出発した。だが、弱者につけいる世間のあくどい罠、そして怪人物・怪婦人の跳梁など、前途は多難である…。「わざわい転じて福」となるのか? 覇気、恋、人情、滋味横溢の脱サラ奮闘ストーリー。

花嫁のアメリカ
講談社文庫
太平洋戦争、朝鮮戦争、そしてベトナム戦争と、人間は廃墟を作り、また愛を生んだ。戦後39年、はるか太平洋の怒濤を越えて架けた、戦争花嫁80人の運命とひたむきな想い。気鋭の写真家が記録したこの時代の証言は、国家、人種、宗教や個人の理想について、誠実に問い深い感動を呼ぶ。写真が語る、感動的な戦争花嫁の、愛の記録。木村伊兵衛賞受賞作品。

匠の時代 第9巻
講談社文庫
中東・アフリカへの重電機器の単体輸出から、高度のトータル・システム・エンジニアリングの海外戦略へと、「殿様三菱」を押し進めていったのは、「はみ出し野郎」を名乗る脱管理人間たちであった。ニクソン・ショック、石油ショックの深刻な状況下で、企業存亡の海外市場開拓に突進した、三菱電機重電関係の男たち。<全12巻>

匠の時代 第8巻
講談社文庫
商習慣も生活環境も異なるヨーロッパで、カルチャーの障害を克服して活動する、三洋電機、本田技研、竹中工務店のビジネスマン。技術的制約や現地従業員との磨擦を解消し、良きパートナーシップを確立して地歩を固めていく、パイオニアたちの努力と苦闘を克明に描く。海外で活躍する日本の匠たちの描く。<全12巻>