講談社文庫作品一覧

ジュンと秘密の友だち <佐藤さとるファンタジー童話集6>
ジュンと秘密の友だち <佐藤さとるファンタジー童話集6>
著:佐藤 さとる
講談社文庫
佐藤さとるファンタジー童話集。がけのくぼ地の椅子に腰かけたジュンが、「こっちへこい、腰かけさせてやるぞう」と、向かいのダイスケ鉄塔(高圧線用)に呼びかけると、いきなり目の前のがけ下から、男の子が現われた。それが、ダイスケ鉄塔のおバケ蜂山十五だった……。神秘の世界へいざなってくれる長編ファンタジーの名作「ジュンと秘密の友だち」ほか。
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キューポラのある街(5) 青い嵐
キューポラのある街(5) 青い嵐
著:早船 ちよ,解説:小宮山 量平
講談社文庫
職業病にかかり製糸工場をやめたジュンは、工員寮のママさんとしてキューポラのある街に帰ってきた。もう20歳だ。「沖縄の歴史の変わるべき日にジュンの歴史も変わる」――沖縄返還デモに参加した日から、一人の労働者として仲間とともに考え、明日へはばたこうと決意する。嵐の時代を生き抜く若者たちを活写した、異色の大河小説第5巻。吉永小百合の主演で映画化もされた、日本児童文学者協会賞に輝く不朽の名作<全5巻>
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日本探偵作家論
日本探偵作家論
著:権田 萬治,解説:島崎 博,装丁:亀倉 雄策,装画:国分 正夫
講談社文庫
旧探偵作家の業績を抜きにして、今日の推理小説を語ることは出来ない。戦前の厳しい政治弾圧をかい潜り、辛酸をなめながらも一筋の流れを涸らすことなく、推理小説興隆への道を拓いてきた先人作家18人、小酒井不木から横溝正史までの足跡をたどり、作品を論じた初の本格的評論集。昭和51年度日本推理作家協会賞。
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海の碑
海の碑
著:斎藤 栄,解説:権田 萬治,装丁:亀倉 雄策,装画:石川 俊
講談社文庫
自然開発か環境保全か? 自然の宝庫、鹿児島県志布志湾の工業開発をめぐり、意見はまっ二つに割れ、激しい抗争が続いていた。折しも開発反対派の野鳥学者・福島が現地で行方不明になり、彼は遠く離れた箱根の芦ノ湖で死体となって発見される。死体移動を謀った犯人の狙いは? 開発という最も今日的なテーマに、殺人の謎を交錯させた著者会心の傑作推理!
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詩集 サッちゃん
詩集 サッちゃん
著:阪田 寛夫,装丁:亀倉 雄策,装画:安野 光雅
講談社文庫
ときには子供の王国に遊び、また、深く沈潜する心情の森に分け入る。あふれる詩心とやわらかな目、そしてことばへのつややかな感覚。ここにみのり豊かな世界が熟成する……。8歳から80歳までの子供と詩人の魂にたかく、なつかしく響きわたるみずみずしい詩篇の数々。数々の童謡の名作を生み出した作家の詩集。
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炎の虚像
炎の虚像
著:笹沢 左保,解説:武蔵野 次郎,装丁:亀倉 雄策,装画:北川 健次
講談社文庫
赤い悪魔が闇を刺す! ーーテレビ界の実力者・加古川が、自ら演出する大作の撮影をすっぽかした。代わりを女性ディレクターがつとめ撮影は進行したが、その頃、加古川は交通事故に会い、新進女優の家で眠り続けていた。加古川へテレビ界の風当りは強い。しかも今度は、新進女優の死。事態は謎めく一方だ。テレビ界に巣喰う野望を描いた傑作推理。
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暁の合唱(2)
暁の合唱(2)
著:石坂 洋次郎
講談社文庫
進学を諦め、バス運転手を目指して、バス会社に就職した朋子。やさしいが、女にはだらしない青年・三郎に、ほのかな恋心をもった朋子は、山登りで遭難し、弱った三郎を抱きしめながら、「眠っちゃ駄目、私は貴方の奥さんになりたいの……」と、思わず告白してしまった。<全2巻・完結>
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暁の合唱(1)
暁の合唱(1)
著:石坂 洋次郎
講談社文庫
進学するのを諦めた朋子は、突然、バスの運転手になるんだと言って、周囲を驚かせた。持ち前の果敢さで、バス会社に就職したが、トラブル続出。愉快なラブ・ロマンスと生きることの楽しさを謳いあげる! <全2巻>
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坪田譲治童話集 かっぱとドンコツ
坪田譲治童話集 かっぱとドンコツ
著:坪田 譲治,解説:与田 準一,装画・その他:小松 久子
講談社文庫
童話界の長老・坪田譲治が、子供の頃の思い出を綴った、詩情あふれる名品。明治の生活や風習、子供たちの遊び、郷里の自然などが、飄逸な文体で活写されている。明治の父親像を髣髴させる「エヘンの橋」ほか「ドンコツの最期」「学校に住んでいたいたち」「かっぱに出会った話」など17編を収録。サンケイ児童出版文化賞大賞受賞作。
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ぼくは王さま2
ぼくは王さま2
著:寺村 輝夫,装丁:亀倉 雄策,装画:和歌山 静子
講談社文庫
ディオゲネスは午前三時に笑う
ディオゲネスは午前三時に笑う
著:小峰 元,解説:二上 洋一,装丁:亀倉 雄策,装丁:和田 誠
講談社文庫
北陸線の事故で、姉の恋人が死んだ。その時、姉は松江に出張中だったというのだが、どうもオレには解せない。オレはひそかに姉の周辺を洗ってみるが、その矢先、モーテルの密室で男が怪死。この事件も姉とのつながりを連想させて、オレの不安は募るばかりだ。そして、苦心惨憺、ようやくつきとめた事件の真相は……。
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黒白の旅路
黒白の旅路
著:夏樹 静子,解説:佐野 洋,装丁:亀倉 雄策,装画:国分 正夫
講談社文庫
妻ある中年男と伊豆の山中で睡眠薬心中を図った女子大生立夏子が蘇生してしまった時、傍らの男はナイフを突き立てられて殺されていた。どんな事情が秘められているのか。身の証を立てようと謎を追う立夏子の前に、次々露呈される奇怪な事実。愛の複雑さが生む悲劇を澄明なタッチで描いた、傑作推理長篇。
スカトロジア(糞尿譚)
スカトロジア(糞尿譚)
著:山田 稔,装丁:亀倉 雄策
講談社文庫
糞尿に関するウンチク学を、スカトロジーと呼び始めたのが、19世紀末だが、汚物と文学表現との親密関係は、それ以前から、洋の東西を問わず、クソまじめに続けられてきた。とりわけ日本文学とその読者は、このテーマが好きとみえる。作家でフランス文学者の筆者が、博識とユーモアを活用して、糞尿文学を考察した、天下の奇書。
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にぎやかな家
にぎやかな家
著:庄野 英二,装丁:亀倉 雄策,装画:中谷 千代子
講談社文庫
かつて家庭は小さいながらも、それぞれがひとつのノアのはこぶねであった。夫婦と子供たち、庭にはさまざまな木々や花々、小さな動物たち、ときには思いがけない来客もある。……ちょっと変な造りのこの〈にぎやかな家〉がかもしだす芳醇な世界は、極上ワインの味であり、失われゆくものへのひそやかな挽歌でもある。数々の名作を生み出し、多くの文学賞を受賞した児童文学者にして、元帝塚山学院大学学長の名作。
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ハッピネス
ハッピネス
著:小島 信夫,解説:田中 幸子,装丁:亀倉 雄策,装画:笠木 実
講談社文庫
夫と妻、父親と息子、男と友人、主人公と隣人たち。執拗にくりかえされる対話のうちに見えてくるのは、彼自身の心の中の「町」。だが彼は、彼らは、ほんとうにわかり合えるのか? 会話の多い小気味よい文体が、一方でモノローグのように読者に訴えかける。独自の感性で、現代文学の地平に未知の領域を拓く、新鮮な短篇群。
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和泉式部日記
和泉式部日記
その他:川瀬 一馬
講談社文庫
弾正宮を喪い、人の世を「夢よりもはかなき」ものと観じ、頼りない式部の心に、四月(うづき)青葉の頃、弟宮帥(そち)宮との恋が始まる。「あやしかりける身のありさま」と嘆く身も、五月雨、七夕、紅葉やがて雪の頃と季節が移り、交わす心持も深まる。南院に迎えられるまで十ヵ月余の恋の哀歓を、贈答歌を骨子につづる。黒川家旧蔵の寛元本を底本に、「和泉式部日記は藤原俊成の作」とする川瀬一馬氏の校注になる「日記」。
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薬師寺への誘い
薬師寺への誘い
著:高田 好胤,その他:亀倉 雄策,装丁:松永 真
講談社文庫
大和路の静謐な空気は、美とロマンのかぐわしい香気を立ちのぼらせ、時代を超えて人びとを誘う。物で栄えて心で滅びる今日、なかでも、奈良・西ノ京薬師寺は、安息を渇望する現代人の心のふるさとともなっている。本書は、名僧・好胤師が精神のルネサンスを叫んで世に問う、名刹の歳月のあとさき、そして生きがいを語る著。
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佐野洋推理傑作選 銅婚式
佐野洋推理傑作選 銅婚式
著:佐野 洋
講談社文庫
中堅作家の波多亮、その夫婦の銅婚式の席上で、彼の元許婚者の死の真相を追及するという、とてつもない余興が始まった。招待客は各人それぞれの立場で推理を被露するのだが、夫婦の意図は測り難い。一人の記者が大胆な推理で、真相を暴露した。ところが彼は……。鬼才の処女作「銅婚式」ほか、つぶよりの好短編7編収録の傑作ミステリ短編集。
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死の報酬
死の報酬
著:結城 昌治,解説:権田 萬治,装丁:亀倉 雄策,装画:小松 久子
講談社文庫
社長令嬢で、元映画女優だった女性の突然の失踪、そして彼女と思われる変死体。同じ日、彼女を愛人にしていたテレビ俳優が、死体となって発見される。が、その死体は何処ともなく消えさってしまう。御存じ私立探偵・佐久と久里十八の名コンビが、男女の死体をめぐって大活躍をする、ユーモア・サスペンスのヒット作。
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続 悲しき戦記
続 悲しき戦記
著:伊藤 桂一,解説:真鍋 元之,装丁:亀倉 雄策,装画:佐野 ぬい
講談社文庫
人間の感情も自由も剥奪された兵士たちが、いかに戦い、いかに生き、死んでいったか……。戦死者たちの冥福を祈りながら、戦争の真実の姿を静かにしかも厳しく捉えた戦記。続巻には「通天門」「手榴弾」「遺品」「島の掟」「水の城」「二つの落下傘」「廬山の敵」「山のアカシア」など30編を収録。<正続 全2巻)……人間本来の心には、敵味方の区別はない。だが戦争は、人間としての感情や自由を許さない。その不条理の中で、巨大な圧力に押しつぶされた兵隊たちの生と死。苛烈な戦場にあっても、美しい自然に心を寄せ、人間の真情を謳う優しく柔らかい作者の眼。虚しく戦場に果てた幾多の魂への深い祈りをこめた、鎮魂の短篇集。
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