講談社文庫作品一覧

坪田譲治童話集 かっぱとドンコツ
坪田譲治童話集 かっぱとドンコツ
著:坪田 譲治,解説:与田 準一,装画・その他:小松 久子
講談社文庫
童話界の長老・坪田譲治が、子供の頃の思い出を綴った、詩情あふれる名品。明治の生活や風習、子供たちの遊び、郷里の自然などが、飄逸な文体で活写されている。明治の父親像を髣髴させる「エヘンの橋」ほか「ドンコツの最期」「学校に住んでいたいたち」「かっぱに出会った話」など17編を収録。サンケイ児童出版文化賞大賞受賞作。
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ぼくは王さま2
ぼくは王さま2
著:寺村 輝夫,装丁:亀倉 雄策,装画:和歌山 静子
講談社文庫
ディオゲネスは午前三時に笑う
ディオゲネスは午前三時に笑う
著:小峰 元,解説:二上 洋一,装丁:亀倉 雄策,装丁:和田 誠
講談社文庫
北陸線の事故で、姉の恋人が死んだ。その時、姉は松江に出張中だったというのだが、どうもオレには解せない。オレはひそかに姉の周辺を洗ってみるが、その矢先、モーテルの密室で男が怪死。この事件も姉とのつながりを連想させて、オレの不安は募るばかりだ。そして、苦心惨憺、ようやくつきとめた事件の真相は……。
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黒白の旅路
黒白の旅路
著:夏樹 静子,解説:佐野 洋,装丁:亀倉 雄策,装画:国分 正夫
講談社文庫
妻ある中年男と伊豆の山中で睡眠薬心中を図った女子大生立夏子が蘇生してしまった時、傍らの男はナイフを突き立てられて殺されていた。どんな事情が秘められているのか。身の証を立てようと謎を追う立夏子の前に、次々露呈される奇怪な事実。愛の複雑さが生む悲劇を澄明なタッチで描いた、傑作推理長篇。
スカトロジア(糞尿譚)
スカトロジア(糞尿譚)
著:山田 稔,装丁:亀倉 雄策
講談社文庫
糞尿に関するウンチク学を、スカトロジーと呼び始めたのが、19世紀末だが、汚物と文学表現との親密関係は、それ以前から、洋の東西を問わず、クソまじめに続けられてきた。とりわけ日本文学とその読者は、このテーマが好きとみえる。作家でフランス文学者の筆者が、博識とユーモアを活用して、糞尿文学を考察した、天下の奇書。
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にぎやかな家
にぎやかな家
著:庄野 英二,装丁:亀倉 雄策,装画:中谷 千代子
講談社文庫
かつて家庭は小さいながらも、それぞれがひとつのノアのはこぶねであった。夫婦と子供たち、庭にはさまざまな木々や花々、小さな動物たち、ときには思いがけない来客もある。……ちょっと変な造りのこの〈にぎやかな家〉がかもしだす芳醇な世界は、極上ワインの味であり、失われゆくものへのひそやかな挽歌でもある。数々の名作を生み出し、多くの文学賞を受賞した児童文学者にして、元帝塚山学院大学学長の名作。
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ハッピネス
ハッピネス
著:小島 信夫,解説:田中 幸子,装丁:亀倉 雄策,装画:笠木 実
講談社文庫
夫と妻、父親と息子、男と友人、主人公と隣人たち。執拗にくりかえされる対話のうちに見えてくるのは、彼自身の心の中の「町」。だが彼は、彼らは、ほんとうにわかり合えるのか? 会話の多い小気味よい文体が、一方でモノローグのように読者に訴えかける。独自の感性で、現代文学の地平に未知の領域を拓く、新鮮な短篇群。
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和泉式部日記
和泉式部日記
その他:川瀬 一馬
講談社文庫
弾正宮を喪い、人の世を「夢よりもはかなき」ものと観じ、頼りない式部の心に、四月(うづき)青葉の頃、弟宮帥(そち)宮との恋が始まる。「あやしかりける身のありさま」と嘆く身も、五月雨、七夕、紅葉やがて雪の頃と季節が移り、交わす心持も深まる。南院に迎えられるまで十ヵ月余の恋の哀歓を、贈答歌を骨子につづる。黒川家旧蔵の寛元本を底本に、「和泉式部日記は藤原俊成の作」とする川瀬一馬氏の校注になる「日記」。
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薬師寺への誘い
薬師寺への誘い
著:高田 好胤,その他:亀倉 雄策,装丁:松永 真
講談社文庫
大和路の静謐な空気は、美とロマンのかぐわしい香気を立ちのぼらせ、時代を超えて人びとを誘う。物で栄えて心で滅びる今日、なかでも、奈良・西ノ京薬師寺は、安息を渇望する現代人の心のふるさとともなっている。本書は、名僧・好胤師が精神のルネサンスを叫んで世に問う、名刹の歳月のあとさき、そして生きがいを語る著。
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佐野洋推理傑作選 銅婚式
佐野洋推理傑作選 銅婚式
著:佐野 洋
講談社文庫
中堅作家の波多亮、その夫婦の銅婚式の席上で、彼の元許婚者の死の真相を追及するという、とてつもない余興が始まった。招待客は各人それぞれの立場で推理を被露するのだが、夫婦の意図は測り難い。一人の記者が大胆な推理で、真相を暴露した。ところが彼は……。鬼才の処女作「銅婚式」ほか、つぶよりの好短編7編収録の傑作ミステリ短編集。
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死の報酬
死の報酬
著:結城 昌治,解説:権田 萬治,装丁:亀倉 雄策,装画:小松 久子
講談社文庫
社長令嬢で、元映画女優だった女性の突然の失踪、そして彼女と思われる変死体。同じ日、彼女を愛人にしていたテレビ俳優が、死体となって発見される。が、その死体は何処ともなく消えさってしまう。御存じ私立探偵・佐久と久里十八の名コンビが、男女の死体をめぐって大活躍をする、ユーモア・サスペンスのヒット作。
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続 悲しき戦記
続 悲しき戦記
著:伊藤 桂一,解説:真鍋 元之,装丁:亀倉 雄策,装画:佐野 ぬい
講談社文庫
人間の感情も自由も剥奪された兵士たちが、いかに戦い、いかに生き、死んでいったか……。戦死者たちの冥福を祈りながら、戦争の真実の姿を静かにしかも厳しく捉えた戦記。続巻には「通天門」「手榴弾」「遺品」「島の掟」「水の城」「二つの落下傘」「廬山の敵」「山のアカシア」など30編を収録。<正続 全2巻)……人間本来の心には、敵味方の区別はない。だが戦争は、人間としての感情や自由を許さない。その不条理の中で、巨大な圧力に押しつぶされた兵隊たちの生と死。苛烈な戦場にあっても、美しい自然に心を寄せ、人間の真情を謳う優しく柔らかい作者の眼。虚しく戦場に果てた幾多の魂への深い祈りをこめた、鎮魂の短篇集。
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日本の唱歌(上) 明治篇
日本の唱歌(上) 明治篇
編:金田一 春彦,編:安西 愛子
講談社文庫
多くの人々に歌い継がれ、愛唱されてきた唱歌は、なつかしい心のともしび……。上巻では、「庭の千草」「故郷の空」「港」「夏は来ぬ」「鉄道唱歌」「花」「箱根八里」「荒城の月」「春が来た」「われは海の子」などの、明治期の唱歌・163曲を年代順に編成し、詳細な解説を付けた決定版。全3巻。
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丘は花ざかり(2)
丘は花ざかり(2)
著:石坂 洋次郎,装丁:ナカムラ マコ
講談社文庫
PTAのパーティで、ドンファン風の石山と知り合った信子の心は、完全に掻き乱された……。また妹の美和子も、中年の男性の魅力にとりつかれて……。美人姉妹の愛の遍歴は続く――。<全2巻・完結>
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丘は花ざかり(1)
丘は花ざかり(1)
著:石坂 洋次郎,装丁:ナカムラ マコ
講談社文庫
人妻・信子は、婦人記者になった妹の美和子たち若者が自由に振る舞うのを、羨望の眼で見ていた……。美和子は、若いが頼りない同僚・野崎と親しくなったが、妻を亡くした野呂編集長に気持が傾いてゆく……。<全2巻>
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歩みのあと 舞台・人形・そして忘れ得ぬ人
歩みのあと 舞台・人形・そして忘れ得ぬ人
著:杉村 春子,装丁:亀倉 雄策,写真:清岡 純子,写真:春内 順一
講談社文庫
誰が選んでくれたのでもない。自分で選んで歩き出した道ですもの――と「女の一生」布引けいのせりふそのままに歩く、女優の道。多くの人との心深い出会い、そして別離。幕の閉じる間もない人生の坂道で、いつも無言の微笑をくれた人形たち。信念に満ちた一人の女優の、烈しさの奥にゆらめく情感にふれる半生記。
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詩集 おかあさん(3)
詩集 おかあさん(3)
著:サトウ ハチロー,装画:村上 豊
講談社文庫
好評の永遠の詩集「おかあさん1・2」に続く第3巻。自ら「おふくろ屋」と称した詩人サトウハチローが、母をうたった香り高い詩の花束。この巻には「しょうじんあげ」「しんこをこねる」「ピアノの上に」「背中を丸めて」「わさびをぬいて下さいね」「美しきものはみな哀し」など、127編を収録(全3巻完結)。心のふるさと、おかあさん。この世でいちばんやさしいおかあさんの喜びや願いをうたったこの詩集は、ふるさとのように暖かく、あなたを包んでくれます。
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キューポラのある街(4) さくらさくら
キューポラのある街(4) さくらさくら
著:早船 ちよ,装画:宮本 忠夫
講談社文庫
19歳になったジュン。進む道はそれぞれちがうが、キューポラの街の仲間とともに、恩師の教壇復帰運動に、若いエネルギーをぶっつけていく。それは、地下室に職場を移され、過重な労働をさせられているジュンにとって、自らを脱出させるものなのだ。懸命に生きる若者たちを描いた、異色大河小説の第4巻。吉永小百合の主演で映画化にもなった、日本児童文学者協会賞受賞の不朽の名作。<全5巻>
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暗黒告知
暗黒告知
著:小林 久三
講談社文庫
明治40年の栃木県谷中村。足尾銅山鉱毒事件をめぐり、官憲と立ち退き反対の農民側とが激しく対立するさなか、反対派の巨頭・田中正造の側近で谷中村土地収用反対派の残留農民の勝野が殺された。凶器は、鉱毒事件の告発者・田中正造の杖。はたして正造が犯人なのか、それとも巧妙なデッチあげによる官権の策謀か、はたまた反対派の内部抗争か……。歴史推理に社会問題を鮮やかに導入した傑作長篇。第20回江戸川乱歩賞受賞作。
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私のなかの男たち
私のなかの男たち
著:佐藤 愛子,装丁:亀倉 雄策,装画:和田 誠
講談社文庫
強く、可愛く、哀れがあって、頼もしいのが<理想>の男……。愉快・痛快・爽快に、男の見方を教える、佐藤愛子の男性百科。「男のあわれ」「哀しき二枚目」「屹立すべし」「色道とは何ぞや」「知らぬは男ばかりなり」「男が泣くとき」「女が笑うとき」「男、このロマンチックなるもの」ほか、20篇を収録する、痛快エッセイ。
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