講談社文庫作品一覧

杜ノ国の滴る神
講談社文庫
時空をこえて結びつく二人。
いま読みたいファンタジー。
華麗な世界観で大反響!
『杜ノ国の神隠し』『杜ノ国の囁く神』に続く、
「杜ノ国」シリーズ最新作
真織は不死身となって神に近づいていく自分に戸惑いながらも、人に近づこうとするかつての神王・玉響との結びつきを強めていく。
豊穣をもたらす女神とその声をきく神王が祭政の中心をなす杜ノ国で、政権転覆を企む神領諸氏は水ノ宮を急襲、新しい神王をさらう。
古代和風ファンタジー新章。
〈文庫書下ろし〉

すべての月、すべての年 ――ルシア・ベルリン作品集
講談社文庫
NYタイムズ紙が選ぶ「21世紀の100冊」
作品集累計15万部突破!
一篇読むたびに本を置いて小さくうなり、深呼吸せずにいられない。
このように書く作家はほかにはいないと、何度でも思う。
――訳者あとがきより
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この人の短編は時間を切り取るのではなく出現させる。だからその都度新鮮な生命力を持つ。
――江國香織 「毎日新聞」より
最初のときほどびっくりしないだろうという気持ちもあった。だが、やはりびっくりしたのである。そして、ルシア・ベルリンを読む喜びは、一作読むたびに驚かされることだったと思い出した。
――中島京子 「日本経済新聞」(2022年5月28日)より
こんなに渇いても、人は愛せるし、こんなに汚くても、人は気高いし、こんなに希望がなくとも、人は生きられる。その事実を天気のように受け入れるほかないのだと、隣で微笑(ほほえ)まれているような読書だった。
――金原ひとみ 「朝日新聞」(2022年06月11日)より
ルシア・ベルリンの作品は、深い海にダイブする前と後にも似ている。海を前にする時、あの暗い青の中に何が渦巻いているのかわからない。いざ飛び込んでみると世界は一変する。鮮やかな魚や珊瑚(さんご)に出会って感嘆し、時にはごつごつした岩で体を切り、血が滲(にじ)む。塩っ辛く、息も苦しいけれど、振り仰いで見える海面は、この世で一番美しい光の網目をきらめかせている。海から上がれば、もう元には戻れない。暗い青の中には素晴らしくて残酷な、温かくて冷たい世界が広がっていると知ってしまった。
――深緑野分 「深緑野分のにちにち読書」(「Web東京創元社マガジン」連載)より
ルシア・ベルリンの小説の良さは、何にも代えがたい、キラーフレーズの鮮やかさだと思う。
選ぶ言葉のセンスの良さが、小説を読むときのたのしさを思い出させてくれる。ああ、こういう言葉たちに触れたくて自分は小説を読んでいるのだと、分からせてくれるのだ。
――三宅香帆 「365bookdays」より
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中学でスペイン語を教える新米女性教師が、
聡明な不良少年のティムにとことん振り回される(「エル・ティム」)。
夫を失った傷を癒やすために訪れたメキシコの小さな漁村で、
女がダイビングを通じて新たな自分と出会う(「すべての月、すべての年」)。
世界中で驚きと喜びをもって迎えられた、至高の短篇集。

文庫版 鵼の碑
講談社文庫
百鬼夜行シリーズ新作長編!
殺人の記憶を持つ娘に惑わされる作家。
消えた三つの他殺体を追う刑事。
妖光に翻弄される学僧。
失踪者を追い求める探偵。
死者の声を聞くために訪れた女。
そして見え隠れする公安の影。
発掘された古文書の鑑定に駆り出された古書肆は、
縺れ合いキメラの如き様相を示す「化け物の幽霊」を祓えるか。

復活の歩み リンカーン弁護士(下)
講談社文庫
無実の囚人を自由に! その前に立ちはだかったのは弁護士の元妻だった。
サンズの無実を証明する裁判が始まり、ハラーは犯行の再現映像や携帯電話の位置追跡などあらゆる手を尽くす。
だが、検察側は意外な証人を用意して、新証拠の採用を認めさせない。ボッシュの証言の反証に立ったのは、ハラーの元妻マギーだった。
窮地に陥ったハラーは、さらに法廷侮辱罪で拘束されてしまう!
リンカーン弁護士シリーズ第7弾!
「クライマックスの法廷シーンは見事だ」
──英国タイムズ紙 マーク・サンダースン

復活の歩み リンカーン弁護士(上)
講談社文庫
ミッキー・ハラー&ハリー・ボッシュ。
最強コンビで冤罪を晴らせ!
無実の罪の服役囚を救い出した刑事弁護士ミッキー・ハラーには、冤罪を訴える囚人からの手紙が殺到していた。
元ロス市警刑事のハリー・ボッシュがその選別をし、前夫殺害犯のルシンダ・サンズに目をとめる。
凶器が未発見など不可解な点を探り始める二人だが、その矢先、それぞれの自宅に何者かが侵入した。
リンカーン弁護士シリーズ第7弾!
「コナリーに比肩する犯罪小説の語り手はいない。……見事にお膳立てされたリーガル・ダンス」
──ミステリ&サスペンス・マガジン アンドルー・スミス

霊獣紀 鳳雛の書(上)
講談社文庫
大ヒット作「金椛国春秋」シリーズに続く気鋭のファンタジー作家の注目作。
「三国志」の時代から続く戦乱の中国、五胡十六国時代。
鳳凰の眷属・紫鸞は、玉山で天命を授かった直後、神獣・一角麒に出会う。
人界に馴染むことが肝要だ、という一角の助言から、紫鸞は人間の街で暮らす。
ある夕暮れ、突如現れた流星に突き動かされ、北方遊牧民の穹盧に辿り着く。
紫鸞を惹きつけたのは、たった今受精した未来の聖王が放つ光だった。〈書下ろし〉

心霊探偵八雲2 完全版 魂をつなぐもの
講談社文庫
「心の傷に 特効薬はない。
君も――そして僕も」
毎夜現れる少女の幽霊。
忌むべき連続誘拐殺人を、八雲の赤い瞳が視る。
読むなら今!
伝説的大ヒット累計750万部シリーズ完全版
ーーー
少女の幽霊に取り憑かれた友人から相談を受けた晴香。
死者の魂が見える赤い瞳を持つ大学生・
斉藤八雲に話そうとするが、素直に伝えられない。
晴香は亡き姉への後悔を幽霊に重ね、
一人で調査を行うが――。
時を同じくして、少女連続誘拐殺人が続発。事態は急転する!
伝説の心霊ミステリー、全面改稿第二弾!

昨日への誓い 警視庁総合支援課3
講談社文庫
シリーズ累計95万部突破!
答えなき難題に挑む警察小説。
癒えぬ傷が、疼きだす。
支援課が出会った、「最初の被害者家族」が亡くなった。
時を同じくして、交流を続けていた支援課OBが失踪し――。
支援課が初めて出会った「被害者家族」が亡くなった。
最近まで故人と密に交流を続けていたOB・大岡と連絡がつかず、
課の若手・柿谷晶は自宅へ向かう。
朗らかに晶をもてなす大岡だったが、翌日、不可解な失踪を遂げ――。
痛みに寄り添い続ける警察官たちを描く、「総合支援課」第3巻! 〈文庫書下ろし〉

三谷幸喜 創作を語る
講談社文庫
「古畑任三郎」から「清須会議」まで。ドラマ・映画・舞台で次々にヒット作を手掛ける希代のクリエーターが、制作の舞台裏を語り尽くす。
「新しいこと」「おもしろいこと」ばかり考える希代のクリエーターが語る、発想の原点とは! 完全保存版の貴重な1冊── ●『12人の優しい日本人』脚本や演出の原点は”ひとり遊び”。●『古畑任三郎』刑事コロンボの、形じゃなくて精神を真似たかった。●『王様のレストラン』無理難題を受け入れながらも、いいものを創りたい。●『新選組!』天下を取った人間は絶対に書きたくない。●『2000年代からの芝居について』天才の近くにいる人間を書きたい。●『THE 有頂天ホテル』日本中の人が楽しめる映画を創ろうと思うようになった。●『清須会議』時代ものも好きだから映画で1回やりたかった。

風致の島
講談社文庫
東南アジアでの巨大リゾート開発推進のため日本のスーパーゼネコンから現地役員として「島」に乗り込んでいた青木は、資金として投入された莫大な裏金の一部を着服して会社を離れ、計画が頓挫した後も島で隠遁生活を送っていた。現地で飼い殺しにされている元同僚の西村から、カジノを中心とする新たな開発計画の存在を聞いた青木は、その利権に食い込むため動き出す。
一方で青木は、島の男の二番目の妻になっていた日本人の女ミチコを「飼って」いた……。
金、酒、官能、暴力、逆転に次ぐ逆転……大藪春彦賞作家が描くすべてが“過剰”な物語。

若き見知らぬ者たち
講談社文庫
★★★★★★★★★★★★★★★★★★
映画「若き見知らぬ者たち」
2024年10月11日公開予定
【出演】磯村勇斗×岸井ゆきの×福山翔大
【原案・脚本・監督】内山拓也
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
芥川賞候補「オン・ザ・プラネット」の著者が描き切る、鮮烈な人間ドラマ。
静かな怒りを、彩人は感じていた。
亡き父の借金。難病の母の介護。
先が見えない日々の中、昼も夜も働き続ける。
幾重もの困難に遭いながらも、弟や恋人、友人らの支えで、なんとか生活を送っていた。
だが、ある夜、思いもよらぬ暴力が降りかかる――。
目を背けたくなる痛みに対峙する、鮮烈な一作。〈文庫書下ろし〉

副大統領暗殺(下)
講談社文庫
副大統領を狙う犯人から届く不気味な脅迫状。
その意図はなにか。
感謝祭のワシントンDCに姿を見せる副大統領。
やがて、しずかに攻防の幕が上がる。
Amazon Prime Videoの新シリーズも圧倒的な人気を誇る、
戦うアウトロー、ジャック・リーチャー・シリーズ!

副大統領暗殺(上)
講談社文庫
放浪中のリーチャーのもとに奇妙な依頼が届いた。
亡兄の恋人であり、シークレットサービスの幹部であるフレイリックから、
暗殺予告が届いた次期アメリカ副大統領を守ってほしい、と。
リーチャーは戦友のニーグリーに協力を仰ぎ、依頼に応じるのだが。
世界49ヵ国でシリーズ累計1億部突破。
究極のアクション・ミステリ、ジャック・リーチャー・シリーズ!

稲川怪談 昭和・平成・令和長編集
講談社文庫
怪談語って半世紀。
怖くて楽しい名作選。
NHK-R1「新日曜名作座」
連続ラジオドラマ化原作
本書の主な内容
真っ赤な男/パニック番組/真夜中のラジオ局/消えた家族/NPO/ビバーク/樹海の声/奥多摩の河原/目黒のスタジオ/八王子の首なし地蔵~お地蔵さんの祟り~八王子怨霊地帯/古い火葬場/そして俺は死んだ/真下の住人/東京大空襲~旧明治座の怪~師匠の思い出/深夜のタクシー/四国の廃病院/かくれんぼ
怪談は教えたり教わったりするもんじゃないからね。
噺を誰かが語りついでくれれば、私のことは忘れてしまっていいんです。
人のいるところに怪談はあるんですから。
――どこか懐かしくて、温かくて、怖くて、楽しい。
ラジオ、テレビ、舞台で数多くの怪談を語り続ける第一人者による決定版名作怪談長編集。

稲川怪談 昭和・平成傑作選
講談社文庫
怪談語って半世紀。
怖くて楽しい名作選。
連続ラジオドラマ化!
新日曜名作座
2024年 8/11~9/15 毎日曜・連続六夜 19:25~(NHK-R1)
出演 西田敏行 竹下景子
原作 稲川淳二
本書の主な内容
おじさんと見た白尾/弁天岩の死体/真夜中のエレベーター/首吊りの因縁/血を吐く面/迎えにきたマネージャー/憑いてるタクシー/クラス会/長い死体/東北の山林の邸/奥秩父の吊り橋/沖縄の廃屋/赤いはんてん/ゆきちゃん/暗闇の病院/夢の中の踏切に立つ女/深夜の訪問者/遅れてきたふたり/身代わり人形/赤いぽっくり
私が怪談を語るようになってから、もう五十年ほど経ちますねえ。
怪談って、人を集めるんですよねえ。
怪談っていうのは、昔も今も、きっとこれからも、存在し続けるんじゃないでしょうか。
――怖いのに、なぜか楽しく懐かしい。
ラジオ、テレビ、舞台で数多くの怪談を語り続ける第一人者による名作怪談傑作選。

きらめきを落としても
講談社文庫
女の子が振り返った。
世界が動きを止めた。
小説現代長編新人賞受賞『晴れ、時々くらげを呼ぶ』の鯨井あめが贈る、まばゆく光る六つの宝石のような青春小説集。
スピンオフ掌編も文庫特別収録!
女の子が、きらめきを落とした。一目惚れのあの子へと続く道は僕らしさを探す旅路だった(「ボーイ・ミーツ・
ガール・アゲイン」)。
俺が小説を書かなくなったのは、あなたの作品に打ちのめされたから。なのに…(「言わなかったこと」)。
全六編。小説現代長編新人賞受賞作家が描く宝石のような青春小説集。

方舟
講談社文庫
極限状況での謎解きを楽しんだ読者に驚きの〈真相〉が襲いかかる。
友人と従兄と山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った家族と地下建築「方舟」で夜を過ごすことになった。翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれ、水が流入しはじめた。
いずれ「方舟」は水没する。そんな矢先に殺人が起こった。だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。タイムリミットまでおよそ1週間。
生贄には、その犯人がなるべきだ。――犯人以外の全員が、そう思った。

NO推理、NO探偵? 謎、解いてます!
講談社文庫
名探偵を自任する女子高生、美智駆(みちかる)アイは突如、推理のための頭が働かなくなる。
そこで助手の取手(とりで)ユウは、”面倒くさい小話をまじえた推理”なんていらなくない?と
推理なしで事件の解決をもくろむが……。日常の謎や旅情ミステリ、果てはエロミスまで!
推理の常道を突き進んだ女子高生探偵・アイと助手・ユウの目には何がうつるのか?
前代未聞の真相に驚愕するメフィスト賞受賞作がついに文庫化!
〈本格推理を極めんとして道を外れた者が堕ちる《魔境》ーー
女子高生探偵シリーズはその攻略に挑んだ前人未踏の裏本格レポートである。〉.
(法月綸太郎)
〈ユーモアに隠されていた数々の手がかりを、シャープに解き明かす手際はさすがの一言に尽きる〉
坂嶋竜(文庫版解説より)
※かつてノベルス版として刊行時、本格ミステリ界に激震が起きた。
・法月綸太郎、微笑―― 第『53』回受賞作はメフィスト賞の『ジョーカー』だよね?
・青柳碧人、感嘆! 歴代すべてのメフィスト賞受賞者と、今後すべてのメフィスト賞受賞者に
贈る傑作(僕、受賞してないけど)。
・円居挽、憤然! やりたい放題やんけ! 不覚にも面白いと思ってしまったけど……オレもこれやりたかった!
・早坂吝、推薦! 昔のメフィスト賞では出し得なかった「最新」受賞作を見逃すな!
・白井智之、愕然! 196ページ(ノベルス版)を読むまでは舐めてました。本当にごめんなさい。

滅茶苦茶
講談社文庫
予測不能の展開、予想外の読後感
中毒者続出の絶叫系転落ミステリー!
映画化決定の話題作『悪い夏』『正体』を超える切迫感!
終わりの見えない転落人生。こんな目にはあいたくない……。
三十代シングルライフを謳歌する美世子は、不穏な恋にのめりこむ。県内一の進学校に通う礼央は、元級友の不良と再会する。三人の子持ちの茂一は、ラブホテルの経営不振に喘ぐ。孤独と欲望を抱える彼らの人生が交わるとき、崖っぷちに向かって運命は転がりはじめる。予測不能、絶叫必至の転落ミステリー!
「いい気味」か「かわいそう」か? 彼ら自身が招いた命からがらの転落劇。滅茶苦茶なんだけど最悪じゃない!
―吉田大助(書評家)
予想外の読後感! 転落人生の奇蹟の交錯が閉塞感に風穴を開ける、これぞ染井マジックというべき快作。
―宇田川拓也(ときわ書房本店)

霧
講談社文庫
根室海峡に三姉妹の愛と憎しみの華が咲く。それぞれの愛を貫き、男の屍を越えた先に待つものは。直木賞作家が放つ波瀾万丈エンタメ!
解説は小説家・青山美智子氏!
24年5月から桜木紫乃、4作連続刊行! 第一弾『凍原』、第二弾『氷の轍』、第三弾『起終点駅 ターミナル』、第四弾『霧』と続きます。