講談社文庫作品一覧

SL銀河よ飛べ!!
講談社文庫
ある事件を捜査中の十津川警部に、妙な証言が舞い込む。
アメリカのシリコンバレーにある研究所へ派遣が決まった三人の若者。
彼らの共通点は、それぞれの祖父が太平洋戦争中に、爆撃機「銀河」に搭乗し
アメリカ軍の基地に特別攻撃(特攻)していたことだった。
その事実を知ったアメリカの投資ファンドから岩手県・花巻ー釜石間を走る
SL特急「銀河」の乗車招待状が届く。SL銀河に乗車すると、
思いもよらぬ不可思議な体験に巻き込まれ・・・。
三世代の時空を超えた謎を、十津川警部が解き明かせるのか?

パンとサーカス
講談社文庫
日本を“奪回”するために戦う
テロリストたちの冒険譚(エンターテインメント)
戦後日本が抱え込んでいるトラウマである「アメリカの属国」という屈辱的なステイタスから身をふりほどき、
国家主権の回復、「自由日本」の創建をめざして戦うテロリストたちの冒険譚なんですから、痛快でないはずがない。
(略)今の日本人にもっとも必要なのは秩序を紊乱することができるほどの想像力の暴走である。
島田さんはそう考えてこの小説を書いた。(内田 樹「解説」より)
世直しか、テロリズムか?
壮大な政治冒険小説。
父の復讐のためCIAエージェントになった男は、日米両政府の表と裏を巧みに欺き「その時」が訪れるのを待つ。
親友のヤクザ二代目、聖母のごとき介護ヘルパー、ホームレス詩人、告発者、大物フィクサーらが集い引き起こされるのは世直しか、テロリズムか?
いざ、サーカスの幕が上がる。壮大な政治冒険小説(エンターテインメント)。

100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集
講談社文庫
「とんでもなくクリスタル」「わたしを探さないで」
「下町のロボット」「蚊にピアス」
「おい桐島、お前部活やめるのか?」
「人生が片付くときめきの魔法」「からすのどろぼうやさん」
「ねじ曲がったクロマニョンみたいな名前の村上春樹の本」
「八月の蝉」「大木を抱きしめて」
「昔からあるハムスターみたいな本」
だいぶつじろう 池波遼太郎
……
利用者さんの覚え違いに爆笑し、司書さんの検索能力にリスペクト。
SNSでもバズりがとまらない!
クイズ感覚でも楽しめる、公共図書館が贈る空前絶後のエンターテイメント。
あなたはいくつ答えられる?
* * *
本の正確なタイトルは、なかなか覚えづらいもの。そしてうっかり間違って覚えたタイトルを文字通りに想像してみたら、とんでもなくシュールでおもしろすぎる事態になっていることもしばしば。
そんな図書館利用者さんの「覚え違いタイトル」の実例を集め、HPで公開しているのが、福井県立図書館の「覚え違いタイトル集」。
本書は、そのなかから秀逸な「覚え違いタイトル」を厳選し、「覚え違い」を文字通りに表したイラストを添付。そしてページをめくれば「正しい書誌情報」と「司書さんによるレファレンス」が現れて……という仕掛けになっています。
読者のみなさんはきっと、利用者さんの覚え違いに爆笑し、司書さんの検索能力に驚嘆することになるでしょう。
クイズ感覚でも楽しめる、公共図書館が贈る空前絶後のエンターテイメント、ぜひご堪能ください!
* * *
[もくじ]
○はじめに 「覚え違いタイトル集」、始めました
○厳選! 覚え違いタイトル集
○そもそもレファレンスって? 司書の仕事って?
○おわりに みんなの図書館
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イラスト:多田玲子
装丁+本文デザイン:大島依提亜

この世の喜びよ
講談社文庫
第168回芥川賞受賞作!
娘たちが幼い頃、よく一緒に過ごした近所のショッピングセンター。
その喪服売り場で働く「あなた」は、フードコートの常連の少女と知り合う。
言葉にならない感情を呼びさましていく芥川賞受賞作「この世の喜びよ」をはじめとした作品集。
ほかに、ハウスメーカーの建売住宅にひとり体験宿泊する主婦を描く「マイホーム」、
父子連れのキャンプに叔父と参加した少年が主人公の「キャンプ」を収録。

サンセット・サンライズ
講談社文庫
菅田将暉宮藤官九郎で2025年1月、映画化決定!
東北の楽園の神物件で”試し移住”。たくさん笑って、ホロリと泣ける、地方創生爽快エンターテインメント!
3LDK、家賃8万円、家具家電付きの神物件に一目惚れ!
東京の大企業に勤める晋作は、コロナ禍を機に田舎への移住を考える。三陸で見つけたのが、広い、安い、おまけに家具家電付きの神物件。
早速”お試し移住”を始め、大好きな釣り三昧の日々を過ごすが、地元の人々は東京から来たよそ者の登場に気が気でない。
一癖も二癖もある地元民との交流にとまどいながらも、持ち前のポジティブな性格と行動力でいつしか溶け込んでいく晋作。そんな中、ある新事業を思いつき……。

霊獣紀 鳳雛の書(下)
講談社文庫
大ヒット作「金椛国春秋」シリーズに続く気鋭のファンタジー作家の注目作。
「三国志」の時代から続く戦乱の中国、五胡十六国時代。
華北を統一した大秦が衰退するにつれ、中原には戦乱が広がる。
イーグィは若き代王として即位し、相次ぐ内乱を鎮めつつ、
仇敵・劉衛辰を討つ機会をうかがう。
同じ頃、赤麒麟の一角は戦地で仮死状態になった翠鱗を蘇らせる方法を探していた。
中原の人界を旅して聖王候補たちと交わるうちに、
一角は、聖王の条件は何なのか、
霊獣の役割とはどんなものなのか、
天の意図に思いを巡らすようになる。
西王母を訪ねた一角は、自分たち霊獣の生まれてきた意味を問う。〈書下ろし〉

あさひは失敗しない
講談社文庫
幼い頃に母がかけてくれた「あさひは失敗しない」というおまじない。それはやがて呪縛となり、追い詰められた彼女は取り返しのつかない「失敗」をしてしまう。
メフィスト賞デビュー『#柚莉愛とかくれんぼ』著者による、サスペンス・ミステリー
どこまでが愛で、どこからが狂気か。その境界は誰にも見えない。
――本間 悠(佐賀之書店)

逆境 大正警察 事件記録
講談社文庫
明治の末に刑事課の大改造を行われ、大正時代になると警視庁ではやっと科学捜査が始まった──熱血刑事の事件簿・書下ろし警察小説!
明治44年(1911年)、警視庁は大改革を行い、日本初の鑑識課を設置。世界でも早期に科学捜査の一つ「指紋捜査」を開始した。それまでの刑事捜査は、江戸時代の「岡っ引き方式」を引き継いで個人による手柄競争が奨励され、検挙率は3割を超えない低さだったのだ。本庁捜査係の虎里武蔵は、「眼力でピストル強盗を逮捕した男」として名を馳せ、板橋署から引き抜かれた優秀な刑事。その武蔵が非番の日に電報で呼び出される。東京府西多摩郡の山村で6歳の少女の死体が見つかったのだ。武蔵は麹町の下宿から青梅町に向かい、山中の遺体遺棄現場に臨場した。現場では円匙(スコップ)が見つかり、早速新たな科学捜査として、指紋が採取される。驚いたことにその指紋は少女の父親のものと一致し、最重要容疑者に浮かび上がる。だが武蔵は、犯行動機に疑問を感じて……。

母上は別式女
講談社文庫
大名家の奥を守る、女武芸者・別式女(べっしきめ)。
凸凹夫婦の真里村家は、今日も大騒動!
女だてらに剣の達人──諸藩を見渡しても数少ない女剣士・万里村巴は、護衛に武芸大会に剣術指南に大活躍。新機軸書下ろし時代小説!
「別式女」は実在した。大名家の奥を守る女武芸者のことで、御三家や仙台藩などの大藩には置かれていたが、万里村巴が仕えるたった5万石の雨城藩に6人もいるのは珍しい。なかでも巴はその統率者たる「別式女筆頭」なのである。その任務は多岐にわたり、藩主の妻女の護衛のほか、家臣の子女への剣術指南なども行った。だが巴は、剣の腕は立つが料理はからっきし。反対に夫の音次郎は、上屋敷の賄い方助として料理の腕をふるっているのだ。そんな「凸凹夫婦」の万里村家には、皮肉屋の父や楽天家の息子もいて、まったくもって目が離せないのだ……。

猫弁と狼少女
講談社文庫
累計53万部の大人気シリーズ!
亜子との共同生活にも慣れてきて、幸せをかみしめている天才弁護士・百瀬太郎。迷い猫を保護して訴えられそうな依頼人の家を訪ねると、塀の上に座る少女の姿が。裸足で逃げる少女に「助けて」と言われ手を差しのべた百瀬は、巡回中の警察官に逮捕されてしまい――!? 猫と謎だらけの大人気ミステリ、最新作!
えっ、百瀬が誘拐で逮捕!
なのに、留置場で法律相談?
どうなる、亜子との結婚!?
その嘘は、幸せになる呪文

素数とバレーボール
講談社文庫
41歳の誕生日おめでとう。高校のバレーボール部仲間、ガンプ君から届いたのは、500万ドルのストックオプションプレゼント。メールを受け取った同い年の部員4人は久しぶりに再会し、メールの真偽とガンプ君の消息を探り出す。不惑を越え厄年を迎えた大人たちが、人生の折り返し地点で選びなおした未来とは。
41歳の誕生日に届いた、
人生最大のエール。
夢も希望もほどよく諦め、でもまだ捨てない。
四十にして惑わずなんて、嘘じゃん。

あきらめません!
講談社文庫
共働き&ワンオペ育児を経て、定年退職を迎えた霧島郁子。夫の田舎へ移住し悠々自適な生活を送るはずが、待っていたのは閉鎖的な地域社会のしがらみばかり。失意の郁子を救ったのは、老齢の女性市議・市川ミサオだった。彼女の後押しで市議会議員に立候補することになった郁子の運命は!? 痛快選挙小説誕生!

杜ノ国の滴る神
講談社文庫
時空をこえて結びつく二人。
いま読みたいファンタジー。
華麗な世界観で大反響!
『杜ノ国の神隠し』『杜ノ国の囁く神』に続く、
「杜ノ国」シリーズ最新作
真織は不死身となって神に近づいていく自分に戸惑いながらも、人に近づこうとするかつての神王・玉響との結びつきを強めていく。
豊穣をもたらす女神とその声をきく神王が祭政の中心をなす杜ノ国で、政権転覆を企む神領諸氏は水ノ宮を急襲、新しい神王をさらう。
古代和風ファンタジー新章。
〈文庫書下ろし〉

すべての月、すべての年 ――ルシア・ベルリン作品集
講談社文庫
NYタイムズ紙が選ぶ「21世紀の100冊」
作品集累計15万部突破!
一篇読むたびに本を置いて小さくうなり、深呼吸せずにいられない。
このように書く作家はほかにはいないと、何度でも思う。
――訳者あとがきより
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この人の短編は時間を切り取るのではなく出現させる。だからその都度新鮮な生命力を持つ。
――江國香織 「毎日新聞」より
最初のときほどびっくりしないだろうという気持ちもあった。だが、やはりびっくりしたのである。そして、ルシア・ベルリンを読む喜びは、一作読むたびに驚かされることだったと思い出した。
――中島京子 「日本経済新聞」(2022年5月28日)より
こんなに渇いても、人は愛せるし、こんなに汚くても、人は気高いし、こんなに希望がなくとも、人は生きられる。その事実を天気のように受け入れるほかないのだと、隣で微笑(ほほえ)まれているような読書だった。
――金原ひとみ 「朝日新聞」(2022年06月11日)より
ルシア・ベルリンの作品は、深い海にダイブする前と後にも似ている。海を前にする時、あの暗い青の中に何が渦巻いているのかわからない。いざ飛び込んでみると世界は一変する。鮮やかな魚や珊瑚(さんご)に出会って感嘆し、時にはごつごつした岩で体を切り、血が滲(にじ)む。塩っ辛く、息も苦しいけれど、振り仰いで見える海面は、この世で一番美しい光の網目をきらめかせている。海から上がれば、もう元には戻れない。暗い青の中には素晴らしくて残酷な、温かくて冷たい世界が広がっていると知ってしまった。
――深緑野分 「深緑野分のにちにち読書」(「Web東京創元社マガジン」連載)より
ルシア・ベルリンの小説の良さは、何にも代えがたい、キラーフレーズの鮮やかさだと思う。
選ぶ言葉のセンスの良さが、小説を読むときのたのしさを思い出させてくれる。ああ、こういう言葉たちに触れたくて自分は小説を読んでいるのだと、分からせてくれるのだ。
――三宅香帆 「365bookdays」より
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中学でスペイン語を教える新米女性教師が、
聡明な不良少年のティムにとことん振り回される(「エル・ティム」)。
夫を失った傷を癒やすために訪れたメキシコの小さな漁村で、
女がダイビングを通じて新たな自分と出会う(「すべての月、すべての年」)。
世界中で驚きと喜びをもって迎えられた、至高の短篇集。

文庫版 鵼の碑
講談社文庫
百鬼夜行シリーズ新作長編!
殺人の記憶を持つ娘に惑わされる作家。
消えた三つの他殺体を追う刑事。
妖光に翻弄される学僧。
失踪者を追い求める探偵。
死者の声を聞くために訪れた女。
そして見え隠れする公安の影。
発掘された古文書の鑑定に駆り出された古書肆は、
縺れ合いキメラの如き様相を示す「化け物の幽霊」を祓えるか。

復活の歩み リンカーン弁護士(下)
講談社文庫
無実の囚人を自由に! その前に立ちはだかったのは弁護士の元妻だった。
サンズの無実を証明する裁判が始まり、ハラーは犯行の再現映像や携帯電話の位置追跡などあらゆる手を尽くす。
だが、検察側は意外な証人を用意して、新証拠の採用を認めさせない。ボッシュの証言の反証に立ったのは、ハラーの元妻マギーだった。
窮地に陥ったハラーは、さらに法廷侮辱罪で拘束されてしまう!
リンカーン弁護士シリーズ第7弾!
「クライマックスの法廷シーンは見事だ」
──英国タイムズ紙 マーク・サンダースン

復活の歩み リンカーン弁護士(上)
講談社文庫
ミッキー・ハラー&ハリー・ボッシュ。
最強コンビで冤罪を晴らせ!
無実の罪の服役囚を救い出した刑事弁護士ミッキー・ハラーには、冤罪を訴える囚人からの手紙が殺到していた。
元ロス市警刑事のハリー・ボッシュがその選別をし、前夫殺害犯のルシンダ・サンズに目をとめる。
凶器が未発見など不可解な点を探り始める二人だが、その矢先、それぞれの自宅に何者かが侵入した。
リンカーン弁護士シリーズ第7弾!
「コナリーに比肩する犯罪小説の語り手はいない。……見事にお膳立てされたリーガル・ダンス」
──ミステリ&サスペンス・マガジン アンドルー・スミス

霊獣紀 鳳雛の書(上)
講談社文庫
大ヒット作「金椛国春秋」シリーズに続く気鋭のファンタジー作家の注目作。
「三国志」の時代から続く戦乱の中国、五胡十六国時代。
鳳凰の眷属・紫鸞は、玉山で天命を授かった直後、神獣・一角麒に出会う。
人界に馴染むことが肝要だ、という一角の助言から、紫鸞は人間の街で暮らす。
ある夕暮れ、突如現れた流星に突き動かされ、北方遊牧民の穹盧に辿り着く。
紫鸞を惹きつけたのは、たった今受精した未来の聖王が放つ光だった。〈書下ろし〉

心霊探偵八雲2 完全版 魂をつなぐもの
講談社文庫
「心の傷に 特効薬はない。
君も――そして僕も」
毎夜現れる少女の幽霊。
忌むべき連続誘拐殺人を、八雲の赤い瞳が視る。
読むなら今!
伝説的大ヒット累計750万部シリーズ完全版
ーーー
少女の幽霊に取り憑かれた友人から相談を受けた晴香。
死者の魂が見える赤い瞳を持つ大学生・
斉藤八雲に話そうとするが、素直に伝えられない。
晴香は亡き姉への後悔を幽霊に重ね、
一人で調査を行うが――。
時を同じくして、少女連続誘拐殺人が続発。事態は急転する!
伝説の心霊ミステリー、全面改稿第二弾!

昨日への誓い 警視庁総合支援課3
講談社文庫
シリーズ累計95万部突破!
答えなき難題に挑む警察小説。
癒えぬ傷が、疼きだす。
支援課が出会った、「最初の被害者家族」が亡くなった。
時を同じくして、交流を続けていた支援課OBが失踪し――。
支援課が初めて出会った「被害者家族」が亡くなった。
最近まで故人と密に交流を続けていたOB・大岡と連絡がつかず、
課の若手・柿谷晶は自宅へ向かう。
朗らかに晶をもてなす大岡だったが、翌日、不可解な失踪を遂げ――。
痛みに寄り添い続ける警察官たちを描く、「総合支援課」第3巻! 〈文庫書下ろし〉