創文社オンデマンド叢書作品一覧

ハイデッガー論攷
創文社オンデマンド叢書
20世紀最大の哲学者・マルチン・ハイデッガー(1889-1976)の哲学の真髄に迫る。「有」「無」「世界」「歴史」などを解明する。
【目次より】
序
一 有の問と絶対無
序言
一 有の問の由来
二 有の問の展開
三 有の眞性絶対無
二 ハイデッガーに於ける世界の問題――『有と時』の時期に於ける――
序言
一 世界分析と世界の指示性
二 世界経験と世界の非指示性
三 指示性と非指示性との関係
四 その関係の根拠としての「彼のために」
五 「彼のために」の根としての超越論的「意思」
六 「意思」の所在としての関心と絶対無の場所
七 結語。世界性Aと世界性B
三 ハイデッガーの根本経験
四 ハイデッガーに於ける歴史の問題――『有と時』に至るまで――
序言
一 摸索期に於ける歴史の問題
二 『有と時』の時期に於ける歴史の問題
付録一 ブルトマンとハイデッガー――信仰と思惟――
一 序言。問題の説明
二 出会の時
三 出会の前
四 ブルトマンとハイデッガーとの相違と相応
五 結語。信仰と思惟
付録二 カントとハイデッガー
付録三 ビンスワンガーとハイデッガー

ハイデッガーの思索
創文社オンデマンド叢書
20世紀最大の哲学者・マルチン・ハイデッガー(1889-1976)の哲学に潜む魅力の源泉に迫る。「真」「神」「技術」を読む。
【目次】
序文
第一部 理解と解釋
一 思ひ
二 『思索の經驗より』についての所見
三 告別
四 最後の神
第二部 解釋と批判
五 眞性と非眞性
六 靜けさの響
七 ハイデッガーと技術の問題 ――或る一つの批判的所見――
八 或る一つの東アジア的見地から見たハイデッガーの世界の問――集-立と四方界

近代ドイツの精神と歴史
創文社オンデマンド叢書
19世紀から20世紀にかけてのドイツの精神史を辿る。ロマン主義、カント、フィヒテ、ランケ、シェリング、そしてナチズムまでの、ドイツ近代における思想・哲学・社会の流れを追跡する。
【目次】
まえがき
第一部
一 ドイツ・ロマンティクと復古政治――アーダム・ミュラーのフランス革命観を中心として
二 カントの国際主義の性格とゲンツの平和論
三 ヘルダーの平和論
四 フィヒテにおける戦争と平和の問題
五 ゲーテとナポレオンの会見について
第二部
六 Urburschenschaft(一八一五-一九)の本質と意義――一九世紀ドイツ学生運動史の一齣
七 一八一七年のワルトブルク祝祭について
八 ゲーテと学生運動
九 「ハンバハ祭」とハインリヒ・フォン・ガーゲルン
一〇 フランクフルト騒擾(一八三三)の史的評価について
一一 一八四八年の第二次ワルトブルク祝祭について
第三部
一二 フリードリヒ大王像の史的変遷について
一三 マルクス主義とナポレオン
一四 ランケの戦争原因観――『フランス革命戦争の起源』を中心として
一五 ランケの書簡について
一六 ランケの遺稿について
一七 ランケのオプティミズムについて
一八 ランケとシェリングについての一考
一九 西独史学界におけるナチズム観の問題
二〇 ヒトラーの「フリデリークス=コンプレスク」
掲載誌名および発表年月
人名索引

レーオポルト・フォン・ランケ 歴史と政治
創文社オンデマンド叢書
実証主義的歴史学の父ランケ(1795-1886)の歴史家としての自己形成とその歴史学的手法について、詳細に解明する重要書。
【目次】
まえがき
第一章 史家ランケの形成
一 最初の環境――故郷と家庭 二 ドンドルフとシュールプホルタ 三 ライプツィヒ大学 四 フランクフルト・アン・デア・オーデル 五 歴史家の形成 六 ベルリンの生活 七 『ローマ的・ゲルマン的諸民族史』と『南欧の諸君主・諸民族』
第二章 南方旅行
一 由来と旅程 二 現実世界に対する体験 三 Labor ipse voluptas 四 イタリアの自然、芸術、宗教 五 むすび
第三章 『ドイツの分裂と統一』について――「歴史学と政治」の問題――
一 『歴史=政治雑誌』の成立 二 『ドイツの分裂と統一について』 三 歴史学と政治 四 むすび
第四章 若きゲレスにおけるドイツ民族性観の確立――ランケの歴史的国家の理念理解のために――
一 ランケの歴史的国家の理念 二 ゲレスの『パリ滞在記』 三 ゲレスのフランス革命観 四 ドイツ民族性の観念 五 ドイツ民族性のあらわれとしてのランケの思想
第五章 ザヴィニーの「民族精神」について――ランケとザヴィニー――
一 ランケとザヴィニー 二 「民族精神」――言葉の成立 三 「民族精神」――思想の系譜 四 ザヴィニーの「民族精神」思想 五 むすび
第六章 ランケ史学成立についての熟考
第七章 ランケとフリードリヒ・ヴィルヘルム四世――「歴史家と政治家」の問題――
一 両者の関係 二 ランケの政治思想と王の政治思想 三 フリードリヒ・ヴィルヘルム四世の人物 四 一八四八年の革命時代におけるランケの意見書 五 歴史家と政治家
第八章 ランケとバイエルン国王マクシミリアン二世――ランケ史学の本質――
一 両者の関係 二 ベルヒテスガーデンの交歓 三 人類の道徳的進歩について――史学の本質 四 むすび
第九章 ティエールとの会談
一 両者の関係 二 普仏戦争に至るまで 三 会談の内容 四 ランケとドイツの統一
第一〇章 マイネッケのランケ像を中心として
一 国家観・政治思想 二 歴史観 三 ランケの全体像 四 ランケと現代
附
ランケ年譜
人名索引

色彩学概論(再訂版)
創文社オンデマンド叢書
色とは何か? 文化的、生理学的、光学的視点から、「色彩」について論じる。本書は初学者から専門家までをカバーする格好の一冊です。
【目次】
はしがき
第1章 文化と色彩
我々の生活と色彩
文化と色彩
色彩感覚
第2章 光と視覚
光
視覚の諸説
色帯
基本色
第3章 物体色
表面色
透過色
色の恒常
光のエネルギー
色環
第4章 色彩の三属性
三属性
色相
明度
彩度
第5章 表色法
表色系
オストワルト方式
マンセル方式
CIE方式
色差 UCS方式
第6章 原色と補色
原色
加法混色
減法混色
中間混色
併置混色
補色関係
第7章 色彩の対比と同化
視覚の対比
継続対比
同時対比
同化現象
膨張性、収縮性
進出性、後退性
明視性
第8章 色彩の表情
連想
寒暖性
色彩の表情
嗜好性
第9章 調和色
配色と環境
配色論
第10章 色彩と構成
色彩の面積
軽重感
物質感
第11章 色の和名
赤系
橙系
黄系
緑系
青系
紫系
灰系
禁色
第12章 工業用色名
一般色名
慣用色名
クレヨンおよびパス、水彩絵の具
第13章 色料
絵具
顔料

色の和名抄
創文社オンデマンド叢書
赤・茶・緑・青・紫・灰の系統に沿って、日本語の色の名前を紹介する。見る事典。驚くほど微妙な色の表現があることに驚きます。また、工業色としての呼称も収録しました。詳細は、目次をご覧ください。
【目次】
色名
赤系
赤(鴇、小豆、小豆茶) 燕脂 茜 紅(濃紅、唐紅、淡紅、退紅、中紅) 紅梅(薄紅梅、今様、梅染) 桃 桜(灰桜、桜鼠) 緋(猩々緋、深緋、浅緋、真緋、蘇比、緋褪) 朱(淡朱) 丹(銀朱、辰砂) 赭(真朱) 肉(しし色、肌) 黄丹
茶系
茶(焦茶、金茶、白茶) 弁柄(錆) 柿 栗(栗梅) 代赭(褐、胡桃、飴) 蒲(鳶、雀) 香(浅香、濃香、赤香) 丁子 木簡 黄櫨(枯葉) 朽葉(青朽葉、黄朽葉) 檜皮(榛) 憲法(媚茶) 柴(路考茶、生壁) 疑冬
黄系
黄(練、刈安) 萱草 柑子(蜜柑) 卵(鳥の子) 山吹(紫磨黄金、玉虫、黄金) 欝金 藤黄(雌黄) 黄土 支子(桑) 黄蘗(菜種、油)
緑系
緑(翆、深緑) 浅緑(若緑) 白緑 鶸 萌葱(千草) 苔(草) 柳(若苗、裏葉) 鶯 麹塵 松葉(常盤) 千歳緑 海松(海松藍) 木賊 緑青(青竹、若竹、老竹) 青磁
青系
青(蒼、白青) 碧(紺碧) 浅黄(浅葱、花浅葱、鉄) 水 納戸(翡翆) 空 藍(藍白) 二藍 縹(深縹、浅縹) 瑠璃(紺瑠璃) 勝(褐) 紺青(群青) 紺(茄子紺) 花
紫系
紫(濃紫、浅紫、鈍紫) 半 江戸紫(若紫、藤紫) 減紫 薄紫苑(楝 竜胆) 桔梗(菫、鳩羽) 藤 菖蒲 牡丹 葡萄(紅海老茶、赤紫) 蘇芳
灰系
灰(鼠) 鈍(青鈍、薄鈍、空柴、椎鈍) 橡 利久鼠 墨(濃墨、薄墨) 黒 白(素) 金色他
禁色
禁色(当色、許色)
和色の色幅
工業用色名
色立体に於ける色票
あとがき

人に会う 自己に会う
創文社オンデマンド叢書
愛とは? 幸福とは? 死とは? 自然とは? 芸術とは? 文学の主題となる哲学的テーマを、芭蕉、漱石から大江健三郎を通して読む。
【目次より】
愛について
一 愛の可能性
二 愛する苦悩、愛しえぬ苦悩
三 罪と蘇生
青春におけるデカダンスとモラル
一 モラルからデカダンスへ
二 倫理意識と人問失格
三 虚無との対決
四 懐疑と信仰
恋愛と幸福と倫理
一 恋愛と幸福
二 恋愛と倫理の形成
三 恋愛と性の問題
四 愛情の持続と倫理
文学における愛の諸相
一 愛の喪失と性 大江健三郎『われらの時代』
二 性による霊肉合一への試み ロレンス『チャタレイ夫人の恋人』
三 疑似宗教的生と性の純化 三島由紀夫『憂国』
四 芸術に支えられた純愛 高村光太郎『智恵子抄』
五 愛の至福 良寛と貞心尼
自然讃歌
一 自然との対話
二 自然と童心
三 自然のなかの良寛
いのちの泉・読書
一 読書の楽しみ
二 人間の成長と読書
三 短歌の伝統と教養
四 読書による邂逅
死について
一 死について
二 死と詩魂
三 神の創造の極致・人間
四 漱石の自然への道
五 俳聖芭蕉
六 桃の花と霊雲の開悟
戦後派作家の愛の理解の変遷 椎名麟三から大江健三郎まで
一 敗戦への歩み
二 第一次戦後旅文学 椎名、武田、野問
三 第二次戦後脈文学 石原、三島
四 第三次戦後派文学 大江健三郎
人に会う自己に会う
一 川本臥風
二 田辺 元
三 唐木順三
四 橋本 鑑
五 亀井勝一郎
六 西谷啓治
あとがきに代えて(佐々木 徹)

自然と人生
創文社オンデマンド叢書
哲学者にして宗教学者の著者が、日々の生活の中で出会う自然へと思いを馳せ、郷愁、憂い、歓び、悲しみなどを、滋味溢れる文章で綴るった珠玉のエッセイ集。
【目次より】
渋民に啄木をおもう
寂しき処
『愛のかたみ』について
秋の夜
野烏を飼う
早春の小鳥
―つの思い出
夏の小烏
或る詩人の肖像
自然への道
甲山ロープウェー設置反対について
甲山を守る会の活動(一)
自然美の破壊と宗教
甲山を守る会の活動(二)
自然美というもの
顔について
野烏のさえずり
ふるさとにて
祈りの伝統
自然への思慕
墳墓
自己確立の問題
内的必然性ということ
句集『城下』について
学園の自然
己が日を数うること
友の死
伝統の喪失
新しい人間の形成
シュトルムの世界
ヘッセの世界
享楽主義の風靡
人間を見る経験
放鳥記
死と学問
兄の死
春の花
あとがき

ヨーロッパ心の旅
創文社オンデマンド叢書
哲学者・宗教学者ならではの視点から、ヨーロッパのイギリス、ノルウェー、スエーデン、デンマーク、スイス、オーストリア、ドイツ、イタリア、ギリシャ、トルコ、ソヴィエトの各国をめぐり、思索し、名文で綴る。
【目次より】
目次
旅立ち 序にかえて
イギリスにて シベリヤの広野を越えて
ロンドンの街角で
マルクスの墓とキューガーデン
オックスフォード大学とシェークスピアの生地
ワーズワースと湖畔地方
エジンバラ城
シェリフ夫人の高山植物園
エジンバラからニューカッスル港へ
北欧にて
ベルゲンの町とフヨルド(ノールウェー)
ヨーテボリの日本庭園(スエーテン)
デンマークにて
キェルケゴールの墓を訪ねて
コペンハーゲンの風物
アンデルセンの故郷
ジュットランドの丘 キェルケゴールの父の故郷
西ドイツにて
シュトルムの故郷フーズムからハンブルグへ
アムステルダムからデルフトへ(オランダ)
デュッセルドルフ、ケルンからライン河畔へ
ハイデルベルグの哲学者の道
ス イス、オーストリアにて
ハンス・ホルバインの「墓の中のキリスト」(スイス)
スイスの山々
チロルの谷(オーストリア)
ザルツブルクのモーツァルトの生家
ウィーンの宮殿と森
ウィーンの音楽家の墓地
イタリアにて
ヴェニスのゴンドラ
フィレンツェのドゥオーモ
フィレンツェの美術館
アッシジのフランシスの聖堂
ローマの聖ペテロ教会
古代ローマの遺跡
ローマからナポリへ、そしてソレントの夜
ポンペイからアドリア海岸へ
ギリシャ、トルコにて
オリンピアからスパルタへ(ギリシャ)
ミュケナイの遺跡に立つ
アテネのアクロポリスの丘
アルフォイの神殿とオリンポスの山
デルフォイの神殿とオリンポスの山々
ピリピの遺跡
古都イスタンブール(トルコ)
ソヴィエットにて
林の中のトルストイの墓
レニングラードの史跡
ドストイエフスキイの墓の前で
モスクワ風景
トルストイ、ドストイエフスキイの記念館
帰国
あとがき

流通の経済分析 情報と取引
創文社オンデマンド叢書
経済学的分析手法で、流通の過程で、どのようにリスクが分担され、競争が起こり、販売促進がなされ、日本の特徴はどこにあるかを解明する。価格、競争、リベート、リスク、返品、卸などなどの役割を探る。
【目次】
はしがき
序章 流通の経済分析――分析視角と問題構成
1 本書の目的
2 問題の周辺
3 本書の構成
第1章 垂直的市場構造と価格政策
1 競争状況の規定要因
2 垂直的市場構造と価格政策
3 流通系列化
4 差別型市場の価格分布
第2章 危険分担と取引様式
1 不確実性と取引上の対応
2 危険分担と取引様式
3 不確実性下の最適契約
4 付録:不確実性に関する分析概念
第3章 垂直的取引制限と販売促進
1 販売促進活動の諸問題
2 水平的外部効果と再販売価格維持行為
3 リベート制と販売促進
4 垂直的外部効果と専売店制
5 付録
第4章 小売段階の情報と取引
1 情報の不完全性と購買行動
2 品質情報と小売段階の取引
第5章 流通系列化の情報的側面
1 流通段階の情報と取引
2 情報の非対称性と取引契約
第6章 流通段階の取引様式
1 取引様式の類型的区分
2 意思決定共同化:再論
3 流通段階の取引様式
第7章 日本の流通システム:再考
1 日本の流通構造
2 流通段階の取引様式
3 日本の商慣行
4 結びにかえて
参考文献
人名索引
事項索引

数理の存在論的基礎
創文社オンデマンド叢書
旧著『近代科学哲学の形成』では、哲学と科学の乖離を問題とし、その交流の可能性を探った。
本書はその続編として、数学と哲学の関係をめぐって、存在論的探究を試みる。
「すなわち「数理の存在論的基礎」の考察は、究極的には、存在の原型と思惟の原型との統一体から数学的存在と数学的思惟との相関関係をいかなるものとして説明するか、また逆に後者を手引きとして前者をいかなるものとして把握するかにあるといってよいであろう。このようにして本書はまた、数学基礎論から区別された意味での「数理哲学への新しい試論」でもある。」(本文より)
【目次】
目次
序
第一章 数概念の成立
§1 経験と数概念
§2 自然数・ゼロ・負数
§3 有理数
§4 体系としての有理数
第二章 数概念の展開
§5 無理数の発見
§6 無限小数
§7 切断と連続
第三章 集合論の成立
§8 n次元連続体
§9 現実的無限
§10 逆理の由来
第四章 集合論の存在論的基礎
§11 対応と濃度
§12 可附番と非可附番
§13 連続体の構造
§14 整列
第五章 直観主義の立場
§15 自由選列
§16 生成的無限と構造
§17 主体性と時間
第六章 形式主義の課題と方法
§18 形式の体系
§19 有限の立場
§20 無矛盾性
第七章 超限帰納法の存在論的基礎
§21 記号・図形の直観
§22 否定の意味
§23 形式化の基礎
第八章 超数学の存在論的超越
§24 純粋思惟
§25 数学的直観
§26 形式的体系と非決定性・不完全性
§27 超数学の超越
第九章 数理と実在の世界
§28 数学的抽象
§29 実在の世界
§30 数学的存在と人間存在
後記
人名索引
事項索引

人間と世界の形而上学 哲学原理の探究
創文社オンデマンド叢書
人間・心・世界とは?科学哲学者である著者が、人間と世界認識を心理学・精神分析的な視点から分析し、その根源的な理解へと誘う。
【目次】
序
序論
第一章 意識の問題
1 直接に与えられたもの
2 自己=世界了解
3 知識の現実的条件
第二章 無意識の実在性
4 ソクラテスの夢
5 夢思想と無意識
6 無意識と自由
第三章 深層心理学的世界像
7 無意識の集団性
8 心の創造性
9 科学的合理主義と神秘
第四章 世界の分節化と多重性
10 不確定性と実在
11 交点としての人間
12 個体の現実性と習慣
第五章 世界の根源性と意識の変動
13 実践的主体と想像力
14 発見の論理
15 情動と悟性の適合
第六章 連合場としての宇宙
16 連続と飛躍
17 隠れた質量
18 個体とテレオノミー
第七章 個体の構造と身心問題
19 刺戟と感受性
20 生理と心理
21 身心問題と同一性
第八章 人格と意志
22 個体の人格性
23 人格的同一性と記憶
24 選択意志の根源性
第九章 全体的人間と宇宙
25 人間の尊厳
26 人間の自己選択と地球外文明
27 人間原理
第十章 宇宙論の形而上学
28 宇宙の始源と世界原理
29 宇宙の終焉
30 実践的人間と実在
結語 メタフィロソフィー
事項・人名索引

現代自然哲学の研究
創文社オンデマンド叢書
自然哲学とは、自然現象を統一的に理解・説明しようとする形而上学であり、現代においては自然科学とほぼ同義。量子力学的哲学を探る。力学、相対論を経て、量子力学の時代にあって、自然とはどのような統一的理論によって説明しうるのかを探究する。
【目次】
序
第一章 物理的自然の特性
1 物理的自然と感覚
2 物質概念の諸相
3 計量と数学的記号
第二章 力学的自然観の凋落
4 古典力学の基礎概念
5 物質とエネルギー
6 熱学とエントロピー
7 光の本性
8 電磁気学
第三章 相対論と物理的実在
9 時間と空間
10 エーテルの存在
11 局所時と光速度
12 質量とエネルギーの同値
13 時空連続体・世界
第四章 科学的宇宙論
14 同値原理
15 一般相対論的宇宙
16 仮想的宇宙と計量的存在
第五章 量子論の成立
17 原子概念の由来
18 素粒子と実体概念
19 不確定性関係
20 実験と理論
第六章 量子論解釈の問題
21 不確定性の意味
22 確率統計と自然法則
23 コペンハーゲン解釈
第七章 量子論と物理的実在
24 量子論における「現実的なもの」
25 量子論解釈の哲学
26 二元論と一元論
27 物理学的認識
第八章 物理的自然と人間
28 物理的存在と物理学的思考
29 決定論と非決定論
30 宇宙における人間の位置
後記
人名索引

近代科学哲学の形成
創文社オンデマンド叢書
17ー18世紀の科学の成立から、デカルト、ニュートンを経て、カントの近代哲学に出会うまでの近代科学の哲学史を俯瞰する入門書。ジョルダーノ・ブルーノから、ガリレイ、デカルト、ニュートン、ライプニッツ、カントと近代科学と近代哲学の関係を読み解く。
【目次】
序
第一章 近代科学の成立
I 黎明
II ブルーノの無限世界
III ケプラーの調和的世界觀
1 神秘
2 天空の物理学
3 調和論
IV ガリレイの力學原理
1 発見の論理
2 数学の形成力
3 力学原理
第二章 デカルトの幾何學と普遍数学
I 革新
II 方法
III 普遍数学
第三章 無限数学の系譜
I 展望
II 生成
III 成熟
第四章 ニュートンの流率法と自然哲学
I 統合
II 徹底
III 数学的原理の形而上學
第五章 ライプニッツの微分法と調和の哲学
I 発見
II 拡張
III 記号法の形形而上学
第六章 近代科学とカントの超越観念論
I 乖離
II 超越
III 科学哲学の帰趨
後記
事項・人名索引

マルクスと現代
創文社オンデマンド叢書
マルクス(1818-83)の思想はロシア革命を経てソビエト連邦、そして多くの社会主義国家を生んだ。現代においても思想的・政治的にも大きな意味を持っている社会主義・共産主義を問い直す。
【目次】
はじめに
第一章 世界史の過程に関するマルクスの構想
第二章 二十世紀後半の世界
第三章 アメリカ合衆国の資本主義的発展に関する覚書
第四章 来るべき恐慌の意義と危険 ロシヤに対するマルクス主義的分析への寄与
第五章 十月革命から第二次大戦に到るまで
第六章 ロシヤはいかにして二十世紀の後半に進むか
第七章 ロシヤのヨーロッパ内帝国
第八章 ロシヤ国家の性格に関する覚書
第九章 ヨーロッパの没落とヨーロッパの変形
第十章 アジアにおける諸改革は新しい社会体制を作り出す
第十一章 多種多様な社会体制の衝突
第十二章 マルクス主義の古くして新しい問題
エピローグ
註及び原典
訳者あとがき

問題としての神(長崎純心レクチャーズ04) 経験・存在・神
創文社オンデマンド叢書
神とは何か? 哲学、現代思想、スコラ学、近代経験主義、神秘主義、人間中心主義、形而上学などのさまざまな視点から、検討する。
【目次より】
「長崎純心レクチャーズ」について 片岡千鶴子
まえがき
第一日 経験と神
はじめに 神は「問題」となりうるか
哲学と神
現代思想と神
「反哲学」
「少数派」の見解?
「経験」と「存在」
神を問題とすることへの異論
「神について考える暇はない」
スコラ学的「討論」
異論
「反対異論」
「神の死」
「神の死」は自明のことであるか
哲学と神学の分離?
「神の死」をひきおこしたもの
近代は人間を解放したのか?
「経験」の意味
「存在」の意味
経験と「経験主義」
経験の「経験的」理解
「開かれた」経験
質疑応答
第二日 神と存在
「存在」の捉えにくさ
経験は神の探求を排除しない
神の探求と存在論
「否定神学」
「神秘主義」
「不可知」と「測り尽くしえない」
「人間中心主義」
「存在」をめぐる通念的理解
「存在忘却」
「存在」にたいする問い
「存在」への問いと「人間的」思考
「西洋的」思考?
人間の認識における「神的」要素
神的創造の視点
形而上学と偶像礼拝
「存在の類比」の問題
「存在」と「愛」 ペルソナの存在論
質疑応答
第三日 理性と信仰
はじめに 理性と信仰の問題
自由 真理 信仰
「哲学者の神」
パスカルと「哲学者の神」
デカルトと「哲学者の神」
パスカルにおける理性と信仰
理性と信仰 総合の試みとその破綻
トマスにおける理性と信仰の総合
「学」としての神学の問題
「存在」の神と「愛」の神
『神学大全』の構造
近代における理性と信仰との分離
回勅「信仰と理性」
神を「問題」にすることは可能か
神を「問題」にすることは人間にとってふさわしいことか
「神のかたどり」としての人間
質疑応答
資料
第一日
第二日
第三日
注
あとがき

福音とアジア文化(長崎純心レクチャーズ) 韓国カトリック教会の歴史と課題
創文社オンデマンド叢書
朝鮮半島において、キリスト教はどのように受容されたのか? なぜカトリックが受け入れられたのか? 済州島でのキリスト教の歴史も探る。
【目次より】
「長崎純心レクチャーズ」について 片岡千鶴子
第一日 韓国社会における福音受容の歴史と課題
朝鮮半島へのカトリック信仰の伝来
李乗薫 最初のカトリック信者
当時の社会的状況と思想的背景
朝鮮王朝による宗教政策
儒教的政治体制の行き詰まり
カトリシズムヘの関心
朝鮮におけるカトリック教会の始まり
迫害の始まり
迫害の政治的・社会的背景
朝鮮王朝時代の身分制度とその崩壊
政治体制、社会秩序の崩壊とカトリック信仰
周文慕神父の殉教
朝鮮最初の司教区設立
朝鮮出身最初の司祭
大迫害時代
韓国カトリック教会の歴史
カトリック信者数の推移
カトリック信者の急増 その光と影
「冷淡者」の問題
小共同体運動
現代カトリック教会 第二バチカン公会議
四つの基本的憲章
これからの課題 四大憲章の精神の具体的実現
質疑応答
第二日 済州におけるカトリック教会 カトリック教会が直面する問題
済州島の歴史 建国の神話
古代国家・耽羅
高麗王国への従属(一一〇五~)
モンゴル占領期(一二七三~一三七四)
朝鮮王朝への従属(一三九三~一九一〇)
朝鮮王朝以後 搾取と抵抗
アメリカ・イギリス・ソ連・中国による信託統治(一九四五~四八)
アメリカ軍政下(一九四五~)
一九四七・三・一 軍政に対する抗議集会と抵抗運動の展開
四・三事件 一九四八年四月三日、南労党による武力闘争の発端
大韓民国軍による討伐作戦
四・三事件の最終段階 犠牲者三万人
ジェノサイド(大量集団虐殺)の問題
四・三事件と韓国政府の対応
全国民が謝罪する必要性
四・三の神学的省察
軍港建設問題
済州カトリック教会の対応
国家とは何か?
日本における国家意識の形成
アメリカの場合
国家対キリスト信者
「神の民」イスラエル
抵抗権の基礎
「神の民」イスラエルと預言者
政治による大規模河川工事(四大川事業)と教会の対応
済州海軍基地建設反対運動 政治的圧力
何故反対するのか
キリスト信者と国家
現代の戦争、軍備拡張と教会の教え
質疑応答
補遺
済州島ガンジェオン村に始まるアジア平和
日本と韓国 文化の違いから見えてくるもの
解説 稲垣良典
あとがき 稲垣良典

三人の求道者(長崎純心レクチャーズ09) ソクラテス・一遍・レヴィナス
創文社オンデマンド叢書
哲学の祖ソクラテス、踊り念仏・時宗の創始者一遍、他者論の思想家レヴィナスという3人の求道者の生き方と思想をわかりやすく語る。
「長崎純心レクチャーズ」について 片岡千鶴子
目次
第一章 ソクラテスの神 反駁的対話と無知の知
はじめに
一 敬虔
二 ダイモニオン
三 生き方の吟味
四 反駁的対話
五 無知の知
質疑応答
第二章 一遍上人の信
一 浄土教の基本原理
二 一切を捨てる
三 信不信をえらばず
四 名号即往生
五 能所一体
質疑応答
第三章 レヴィナスにおける超越 苦しみと交わり
序論 ハイデガーとレヴィナスの問題
一 カントにおける要請としての神
二 悪
三 汝
四 神の顕現
五 無益な苦しみ
六 弁神論の終焉
七 対話
八 人間のうちなる神
九 さよなら 神に向かって、ア・デュー
質疑応答
あとがき

現代民主主義の憲法思想 フランス憲法および憲法学を素材として
創文社オンデマンド叢書
フランスの歴史と事例を元に、憲法が現代の民主主義において、どのような役割を果たしているかを丹念に探究し、その変遷を辿る労作。
【目次】
はしがき
第一章 戦後フランス憲法思想における転換
はじめに
1 フランス近代憲法思想の主流的見解――議会中心主義
2 議会中心主義からの転換(その一)――行政権の優位への転換、および、主権者=国民の優位への転換
3 議会中心主義からの転換(その二)――遠憲審査制の強化の方向、および、憲法の優位の観念の登場
4 議会中心主義からの二方向への転換――その共存と矛盾
第二章 フランス立憲主義の伝統的思考における「憲法」の観念と人権
1 問題の所在――第三共和制における「憲法」と人権
2 一七八九年宣言の憲法に対する優越性
3 一七八九年宣言の憲法優越性の性質
第三章 第五共和制フランスにおける違憲審査制の最近の展開――憲法院判決における「憲法」観念の拡大傾向――
はじめに
1 一九五八年憲法前文、および、「共和国の諸法律によって承認された基本的諸原理」の憲法規範性――一九七一年七月一六日判決
2 一七八九年人権宣言の憲法規範性――一九七三年一二月二七日判決
3 一九四六年憲法前文の憲法規範性――一九七五年一月一五日判決
4 一九七四年の制度改革による申立権者の範囲の拡大
5 フランスにおける違憲審査制論議の特徴
第四章 「憲法慣習」の観念
はじめに
1 最近フランスにおける憲法慣習論
2 実効的憲法の変遷と憲法法源の変遷
3 ケルゼンと憲法変遷論
第五章 フランスにおける「憲法」のありかたとdirigismeの観念――フランス現代憲法学の検討のための予備的一考察――
1 前提――フランス立憲主義の伝統における「憲法」の観念
2 ≪dirigisme≫の観念
3 ≪dirigisme≫の観念と「憲法」
第六章 「議会までの民主主義」と「行政権までの民主主義」――フランス憲法史における点検――
はじめに
1 「議会までの民主主義」
2 「行政権までの民主主義」
おわりに
第七章 「共同政府綱領」と議会制民主主義
はじめに
1 網領の憲法論的意義
2 一九七三年総選挙以後の展開
第八章 ルネ・カピタン先生の違法論
はじめに
1 法の効力論における直接民主主義の観念
2 統治機構論における直接民主主義の観念
3 経済・社会機構論における直接民主主義の観念
おわりに

マイスター・エックハルト 生涯と著作
創文社オンデマンド叢書
本書描くのは、最新の研究成果をもとに書き下ろされた新しいマイスター・エックハルト像である。
20世紀末から21世紀の初頭にかけて、エックハルト研究は劇的に変化した。それは全集がほぼ完結したことを受けて、文献学的に信頼できるテクストの精読と、社会史的な視点からのドイツ神秘思想の定位が可能になったからである。
神秘家の思想形成に大きな役割を担ったエルフト時代についての本書での考察は、修道院長であり、思索家であった初期活動をあますところなく明らかにし、また最も活動的であったシュトラスブルク時代の教会史的考察は、彼を晩年襲った異端疑惑の真相を明らかにした。
さらに、パリ大学でのアリストテレスをめぐる議論や、ケルン高等神学院でのアルベルトゥス主義が神秘思想と綾なすスリリングなコラボレーションは、中世思想の醍醐味を感じさせる。
【目次より】
目次
第一章 序論 研究のための予備考察
一 エックハルト研究の四つのパラダイム
二 ドイツ神秘思想と言語
三 神秘的言語
第二章 故郷タムバッハとエルフルト――就学地ケルンとパリ
一 エックハルトの故郷
二 大学と托鉢
三 ハインリヒ・ゾイゼの幻想神学校
四 マイスター・エックハルトの修行時代
第三章 エルフルトにおける修道院長時代
一 都市エルフルトとマインツ大司教座
二 テューリンゲンのドミニコ会
三 『教導講話』成立の背
四 修道院長エックハルト
五 教育者エックハルト
六 聖餐論争
七 『教導講話』
八 エルフルトのベギン
九 行いと存在
一〇 離脱とハビトゥス
第四章 パリ大学教授時代
一 第一回パリ教授時代
二 『第一討論』
三 サクソニア管区長時代
四 第二回パリ教授時代
第五章 シュトラースブルク 神秘思想家の誕生
一 シュトラースブルクのドミニコ会
二 シュトラースブルクのベギン
三 開かれた説教
第六章 ケルン高等神学院院長時代
一 告発前夜
二 ケルンでの審理
第七章 アヴィニョン――異端者
一 異端者宣告勅書『主の耕地にて』
第八章 エックハルト以後
一 ケルンのエックハルト信奉者
二 エルフルトのエックハルト信奉者
註
年譜(エックハルトの生涯/関連事項)
あとがき
資料出典
文献目録
索引(人名/用語)