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エスの系譜 沈黙の西洋思想史
エスノケイフチンモクノセイヨウシソウシ
- 著: 互 盛央
「なぜか分からないがそうしてしまった」、「まるで自分ではない何かにやらされているようだった」……。こうした話は作家や芸術家の創作についてよく聞かれるが、日常の中にも同様の経験があるのは誰もが知っていることだろう。みずからの行動の原動力だったことは明らかなのに、それが何なのかは明言できないもの。その得体の知れない力を示すために着目されたのが、ドイツ語の代名詞「es(エス)」だった。
「和辻哲郎文化賞」「渋沢・クローデル賞」ダブル受賞の著者渾身の書き下ろし!
「考える」「思う」という事象に主語はあるのか。「私」でも「神」でも「言語」でもないとしたら――近代以降ニーチェがフロイトが、フィヒテがシェリングが、沈黙する<それ=Es>に向けて格闘を始めていた。
面白さに引き込まれて一気に読了。語れ/語るな。エスのこの命令の内に語る者・人間の秘密を探る必読の書。――斎藤慶典氏(慶大教授)推薦
「なぜか分からないがそうしてしまった」、「まるで自分ではない何かにやらされているようだった」……。こうした話は作家や芸術家の創作についてよく聞かれるが、日常の中にも同様の経験があるのは誰もが知っていることだろう。みずからの行動の原動力だったことは明らかなのに、それが何なのかは明言できないもの。その得体の知れない力を示すために着目されたのが、ドイツ語の代名詞「es(エス)」だった。――<本書「まえがき」より>
書誌情報
紙版
発売日
2010年10月07日
ISBN
9784062165495
判型
四六変型
価格
定価:2,090円(本体1,900円)
ページ数
306ページ
著者紹介
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