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西太后秘録 近代中国の創始者 上
セイタイコウヒロクキンダイチュウゴクノソウシシャジョウ
世界三大悪女の一人とされ、「残虐非道の女帝」のイメージがつきまとう西太后(慈禧大后)。だが、実は当時の4億人の民を率い、47年にわたって統治を続け、中国近代化の基礎をつくりあげた、辣腕の政治家だった。『ワイルド・スワン』『マオ』で中国の真実を描き続ける、あのユン・チアンが「誤った西太后」像を根本から覆し、「名君・西太后」の真実に迫る。
世界三大悪女の一人とされ、「残虐非道の女帝」のイメージがつきまとう西太后(慈禧大后)。だが、実は当時の4億人の民を率い、47年にわたって統治を続け、中国近代化の基礎をつくりあげた、辣腕の政治家だった。
『ワイルド・スワン』『マオ』で中国の真実を描き続ける、あのユン・チアンが「誤った西太后」像を根本から覆し、「名君・西太后」の真実に迫る。
あらすじ
官僚の家に生まれ、父の失脚後は長女として一家を支えた慈禧(じき)。16歳で清朝第9代皇帝の咸豊帝の側室となり、やがて幼い息子が帝位を継ぐと、後見として政治家の頭角を現していく。しかし、息子は若くして病のために崩御してしまう。
妹の子供を養子に迎えた慈禧は、光緒帝となったその息子の後見として返り咲き、宮廷内の政治に手腕を発揮する。革新派の上級官僚の李鴻章や曾国藩らを重用し、ヨーロッパ技術を取り入れて近代化に邁進する慈禧を、やがて日清戦争での致命的な敗北が襲う!
政変への命がけの画策、宦官との恋、自らへの暗殺計画の阻止、不仲の光緒帝廃位に燃やした執念、日清戦争敗北後の復活……。誰もなしえなかった長期的な統治の秘密を、膨大な記録をもとに明らかにする!
読みどころ
その1: 后の一人を「人豚」にしたなど(これはフィクション)残虐なイメージの強い西太后像をくつがえし、偉大な政治家としての真の姿(辣腕政治家であり、宮中だけでなく外国人にいたるまで細やかな気遣いを見せたなど)が詳細に描かれた唯一の評伝。著名な著者だけに注目度が高い。
その2: 清の近代化推進プロセスや改革派の人材登用、ライバルとも協調関係をとることで目的を遂げるなど、リーダーシップ、マネジメント論としても発見が多い。
その3: 宦官との秘められた恋(発覚して宦官は処刑される)、西太后の肖像画を描いたイギリス人女性との友情など西太后の知られざる人間性もあますところなく描かれる。
目次
第一部 嵐の時代の妃(一八三五~一八六一年)
第一章 皇帝の側室(一八三五~一八五六年)
第二章 アヘン戦争から円明園炎上まで (一八三九~一八六〇年)
第三章 咸豊帝死す(一八六〇~一八六一年)
第四章 中国を変えた政変(一八六一年)
第二部 垂簾聴政(一八六一~一八七五年)
第五章 近代化への長い道のりの第一歩(一八六一~一八六九年)
第六章 西欧への初渡航(一八六一~一八七一年)
第七章 宿命の恋(一八六九年)
第八章 西欧への怨念(一八六九~一八七一年)
第九章 同治帝の生と死(一八六一~一八七五年)
第三部 養子を通しての支配(一八七五~一八八九年)
第十章 皇帝にされた三歳の子(一八七五年)
第十一章 加速する近代化(一八七五~一八八九年)
第十二章 帝国の擁護者(一八七五~一八八九年)
第四部 光緒帝、跡を継ぐ(一八八九~一八九八年)
第十三章 遠ざけられた光緒帝(一八七五~一八九四年)
第十四章 頤和園(一八八六~一八九四年)
第十五章 引退と解放(一八八九~一八九四年)
第十六章 日清戦争(一八九四年)
書誌情報
紙版
発売日
2015年02月11日
ISBN
9784062194020
判型
四六
価格
定価:1,980円(本体1,800円)
ページ数
298ページ
著者紹介
ユン・チアン(張戎) Jung Chang 1952年、中華人民共和国四川省生まれ。文化大革命が吹き荒れた1960年代、14歳で紅衛兵を経験後、農村に下放されて農民として働く。以後は「はだしの医者」、鋳造工、電気工を経て四川大学英文科の学生となり、苦学ののちに講師となる。1978年にイギリスへ留学、ヨーク大学から奨学金を経て勉強を続け、1982年に言語学の博士号を取得。一族の人生を克明に描くことで激動期の中国を活写した『ワイルド・スワン』、数々の新資料から独裁者・毛沢東の生涯に光を当てた『マオ 誰も知らなかった毛沢東』(いずれも講談社刊)など、彼女の著書は世界40ヵ国に翻訳され、累計1500万部の大ベストセラーになっている。なお、上記の2作はいずれも中国国内では出版が禁止されている。
川副智子(かわぞえ・ともこ) 翻訳家。早稲田大学文学部卒。訳書に『私の中のあなた』ジョディ・ピコー(早川書房)、『シージャー 発作』ロビン・クック(扶桑社)など。他多数。
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