分冊文庫版　塗仏の宴　宴の支度（下）

自分は全部自分だと思うのは。――勘違いか。
ものすごい勘違いですよと少年は云った。

「俺個人がねえだと？」。胡乱（うろん）な健康法を伝授する「長寿延命講」のからくりを暴き、嘯（うそぶ）く“心霊少年”藍童子（らんどうじ）の言に刑事・木場の心は乱れた。折から富豪・羽田隆三の依頼に応じて伊豆下田に赴いた織作茜の前に再びあの男が現れていう。「しりたいですか」。それは新しい道ならぬ黄泉路（よみじ）へと茜をさしまねく声だった。

書誌情報

紙版

• 発売日: 2006年04月14日
• ISBN: 9784062753685
• 判型: A6
• 価格: 定価：692円（本体629円）
• ページ数: 360ページ
• シリーズ: 講談社文庫

電子版

• 発売日: 2012年08月03日
• JDCN: 0627536800100011000P

初出

講談社ノベルス版『塗仏の宴　宴の支度』は’９８年３月に刊行。『文庫版　塗仏の宴　宴の支度』は’０３年９月に刊行。文庫版として出版するにあたり本文レイアウトに合わせて加筆・訂正を行い体裁の一部を変更。『分冊文庫版　塗仏の宴　宴の支度』の編集・組版にあたっては「文庫版」を底本に再度校訂。

著者紹介

著： 京極　夏彦（キョウゴク　ナツヒコ）

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