大江健三郎全小説 第6巻

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大江健三郎全小説 第6巻

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いましめくくりの時のはじめに、八つの短篇を書いて、そこに映る自分を見る。切実な時代の影に、個の生の苦渋のあとは見まがいがたいが、ユーモアの微光もまんべんなくある。思いがけないのは、女性的なものの力の色濃さだった。遠い幼年時の自分と、それほど遠くないはずの死、また「再生」を思う自分を結んでいる。知的な経験と、森のなかの谷間の神話を、懐かしく媒介しているのも女性的なものだ(著者・『いかに木を殺すか』)

【収録作品】
身がわり山羊の反撃/「芽むしり仔撃ち」裁判/揚げソーセージの食べ方/グル―ト島のレントゲン画法/見せるだけの拷問/ヒメコの大抜け穴/もうひとり和泉式部が生まれた日/その山羊を野に/「罪のゆるし」のあお草/いかに木を殺すか/ベラックヮの十年/夢の師匠/宇宙大の「雨の木(レイン・ツリー)」/火をめぐらす鳥/「涙を流す人」の楡/僕が本当に若かった頃/マルゴ公妃のかくしつきスカート/茱萸(ぐみ)の木の教え・序

──中期傑作短・中編


書誌情報

紙版

発売日

2019年01月12日

ISBN

9784065090060

判型

A5

価格

定価:6,380円(本体5,800円)

ページ数

594ページ

電子版

発売日

2019年01月11日

JDCN

06A0000000000007992T

初出

「身がわり山羊の反撃」…「群像」講談社 1980年2月1日/底本は『大江健三郎小説8』新潮社 1997年1月10日、「『芽むしり仔撃ち』裁判」…「新潮」新潮社 1980年2月1日~4月1日/底本は『現代伝奇集』岩波書店 1980年6月24日、「揚げソーセージの食べ方」…「世界」岩波書店 1984年1月1日/底本は『戦後短篇小説選5』岩波書店 2000年5月17日、「グル―ト島のレントゲン画法」…「新潮」1984年1月1日/底本は『大江健三郎小説8』、「見せるだけの拷問」…「群像」1984年3月1日/底本は『いかに木を殺すか』文春文庫 1987年12月10日、「メヒコの大抜け穴」…「文學界」文藝春秋 1984年5月1日/底本は『大江健三郎小説8』、「もうひとり和泉式部が生れた日」…「海」中央公論社 1984年5月1日/底本は『大江健三郎小説8』、「その山羊を野に」…「新潮」1984年8月1日/底本は『大江健三郎小説8』、「「罪のゆるし」のあお草」…「群像」1984年9月1日/底本は『大江健三郎小説8』、「いかに木を殺すか」…「新潮」1984年11月1日/底本は『大江健三郎小説8』、「ベラックヮの十年」…「新潮」1988年5月1日/底本は『大江健三郎自選短篇』岩波文庫 2014年8月19日、「夢の師匠」…「群像」1988年10月1日/底本は『僕が本当に若かった頃』講談社文芸文庫 1996年8月10日、「宇宙大の「雨の木(レイン・ツリー)」」…「LITERARY Switch」スイッチ・コーポレイション 1991年1月25日/底本は『僕が本当に若かった頃』、「火をめぐらす鳥」…「Switch」スイッチ・コーポレイション 1991年7月20日/底本は『大江健三郎自選短篇』、「「涙を流す人」の楡」…「LITERARY Switch」1991年11月20日/底本は『大江健三郎自選短篇』、「僕が本当に若かった頃」…「新潮」1992年1月1日/底本は『大江健三郎小説8』、「マルゴ公妃のかくしつきスカート」…「文學界」1992年2月1日/底本は『大江健三郎自選短篇』、「茱萸(ぐみ)の木の教え・序」…「群像」1992年4月1日/底本は『大江健三郎小説8』。

収録作品

  • 作品名

    身がわり山羊の反撃

    初出

    「大江健三郎小説8」 新潮社/1997年1月10日

  • 作品名

    『芽むしり仔撃ち』裁判

    初出

    「現代伝奇集」 岩波書店/1980年6月24日

  • 作品名

    揚げソーセージの食べ方

    初出

    「戦後短篇小説選5」 岩波書店/2000年5月17日

  • 作品名

    グルート島のレントゲン画法

    初出

    「大江健三郎小説8」 新潮社/1997年1月10日

  • 作品名

    見せるだけの拷問

    初出

    「いかに木を殺すか」 文春文庫/1987年12月10日

  • 作品名

    メヒコの大抜け穴

    初出

    「大江健三郎小説8」 新潮社/1997年1月10日

  • 作品名

    もうひとり和泉式部が生れた日

    初出

    「大江健三郎小説8」 新潮社/1997年1月10日

  • 作品名

    その山羊を野に

    初出

    「大江健三郎小説8」 新潮社/1997年1月10日

  • 作品名

    「罪のゆるし」のあお草

    初出

    「大江健三郎小説8」 新潮社/1997年1月10日

  • 作品名

    いかに木を殺すか

    初出

    「大江健三郎小説8」 新潮社/1997年1月10日

  • 作品名

    ベラックヮの十年

    初出

    「大江健三郎自選短篇」 岩波文庫/2014年8月19日

  • 作品名

    夢の師匠

    初出

    「僕が本当に若かった頃」 講談社文芸文庫/1996年8月10日

  • 作品名

    宇宙大の「雨の木」

    初出

    「僕が本当に若かった頃」 講談社文芸文庫/1996年8月10日

  • 作品名

    火をめぐらす鳥

    初出

    「大江健三郎自選短篇」 岩波文庫/2014年8月19日

  • 作品名

    「涙を流す人」の楡

    初出

    「大江健三郎自選短篇」 岩波文庫/2014年8月19日

  • 作品名

    僕が本当に若かった頃

    初出

    「大江健三郎小説8」 新潮社/1997年1月10日

  • 作品名

    マルゴ公妃のかくしつきスカート

    初出

    「大江健三郎自選短篇」 岩波文庫/2014年8月19日

  • 作品名

    茱萸の木の教え・序

    初出

    「大江健三郎小説8」 新潮社/1997年1月10日

著者紹介

著: 大江 健三郎(オオエ ケンザブロウ)

大江健三郎(おおえけんざぶろう) 1935年1月、愛媛県喜多郡内子町(旧大瀬村)に生まれる。東京大学フランス文学科在学中の1957年に「奇妙な仕事」で東大五月祭賞を受賞する。さらに在学中の58年、当時最年少の23歳で「飼育」にて芥川賞、64年『個人的な体験』で新潮文学賞、67年『万延元年のフットボール』で谷崎賞、73年『洪水はわが魂におよび』で野間文芸賞、83年『「雨の木」(レイン・ツリー)を聴く女たち』で読売文学賞、『新しい人よ眼ざめよ』で大佛賞、84年「河馬に噛まれる」で川端賞、90年『人生の親戚』で伊藤整文学賞をそれぞれ受賞。94年には、「詩的な力によって想像的な世界を創りだした。そこでは人生と神話が渾然一体となり、現代の人間の窮状を描いて読者の心をかき乱すような情景が形作られている」という理由でノーベル文学賞を受賞した。

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