人間関係の心理学

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人間関係の心理学

ニンゲンカンケイノシンリガク

講談社現代新書

他人とまともに視線を合わさない人がいる。日本人には、対人恐怖症さえ少なくない。人びとが真の人間関係を見失ったのは、これと無関係だろうか。著者は、たんに和気あいあいの「よい人間関係」ではなく、「ほんとうの人間関係」を模索してきた。まなざしを、ただ相手に向けるのではない。瞳は“人見”であり、たがいに瞳をとどかせるのだ。その重さを説き人が真の人間関係を見出してゆく過程を描き出す。対人関係トレーニングでの、著書の豊富な体験をもとに、人間一般より、かけがえのない一人一人の人間のあり方を説く本書は、さまよえる現代人のための人生読本である。

とどかない視線――他人の眼を見つめることは勇気がいる。まして他人のまなざしを自分のひとみで受けとめることは、身もすくむ思いだ。……それはしかし、そのまなざしが、私のひとみに、私のなかまでとどいたときのことだ。視線がこちらに向かってはいるが、とどいていないとき、その人の眼は、たんなる眼球という物体にすぎない。そんなとき、その人の眼は生きた眼というより、瀬戸物のように見える。Tグループのなかでは、だれもがこうした経験をするが、日常の対人関係のなかでも、少し気をつければ気がつくにちがいない。――本書より


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目次

●人間関係をどう考えるか
 日本人論への疑問/Tグループの体験を通して
●性格は変化するか
 パーソナリティのとらえかた
●「感じる」ことの意味
 グループ体験とはなにか/自己と他者
●「自己」をどうとらえるか
 孤独とさびしさ/親子関係の心理学
●「ほんとうの人間関係」を考える
 その人らしさを求めて

書誌情報

紙版

発売日

1979年04月24日

ISBN

9784061455399

判型

新書

価格

定価:748円(本体680円)

通巻番号

539

ページ数

206ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介

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