文芸(単行本)作品一覧

火のみち(下)
文芸(単行本)
奇跡を生むのは、炎。
空洞が埋まらない心。それが欲したのは、「天空の色」。触れたい、手に入れたい。男は魔力に取り込まれる。
古(いにしえ)の焼物・汝窯(じょよう)。奇跡のような色。いっさいの感情も、作為もゆるさない、「完全」。その奇跡を再現することが、自分の運命だと信じた。

火のみち(上)
文芸(単行本)
罪の、意味がわからない。
たった1人の妹を守るために、人を殺した男。心を焦がす、怒りと憎しみを、「土の冷たさ」だけが鎮めた。
時間が止まった刑務所の10年。自由。希望。命の実感。そのすべてを奪われ、赦されることもない男がたどる、壮絶な人生。

サイバラ茸3
文芸(単行本)
悪酔注意! 『山ちゃん物語』(完全版)『むいむい』など、サイバラ漫画だけを集めた人気シリーズ! 『アジアパー伝』『たぬきランド』からも収録。

卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし
文芸(単行本)
煮炊きの煙は、人の心を暖める。
夫との心の行き違いは、食い道楽で心優しい舅(しゅうと)に、いつも扶(たす)けられる。
「のぶちゃん、何かうまいもん作っておくれよ」喰い物覚え帖に映し出された心模様。
蓋を開けりゃ、埒もないことの方が多い黄身返し卵。はかない色と味の淡雪豆腐。別れは水雑炊。走りの食べ物としても乙な心太(ところてん)。1個ずつしかできない卵のふわふわ。「無用の用でございますよ」のちょろぎ。

ザビエルとその弟子
文芸(単行本)
中国への布教を目指すフランシスコ・ザビエル。その揺るぎなき情熱と、弟子たちの葛藤を、「夢幻能」の手法を用いて描いた新しい小説。
“霊魂の人・ザビエル”が最期に辿り着いた境地とは――。
インド、ゴアに過ごすフランシスコ・ザビエル。彼の最後の願いは、中国への布教を行うことだった。しかし、その前には幾多の試練が立ちはだかる――。中国大陸を目前に、サンチェン島で没したザビエルを、アントニオ、フェレイラ、そして日本に残してきた弟子・アンジロウとともに描いていく。聖ザビエル、その人の姿がもっともよくあらわれているといわれる晩年に焦点をあて、死者が生者と対話をする「夢幻能」の手法で書かれた新しい小説。

イラク生残記
文芸(単行本)
「信介の最後の姿を描いてくれた勝谷さんこそ、彼の遺志を継いでくれるはずです」(橋田幸子氏)
亡くなった橋田・小川両氏とチームを組み、自らも武装集団に銃口を突きつけられた著者が、それでも現場に立たずには「発言しない」ことにこだわり続けた渾身の「戦場文学」!
だからこそ書くことは、偶然「生き残った」私の義務なのだ。――(本文より)
日本人外交官はだれに殺されたのか、なぜ米軍の陰謀説が浮上するのか。自衛隊はサマワで本当は何をしているのか、そもそもサマワとは、どういうところなのか。フセイン拘束は米軍の演出なのか、拘束された「あの穴」は今どうなっているのか。
大手メディアも専門家も、そして何より政治家は、なぜ現場に行かずに無責任なことをいえるのか。だれもまともに与えてくれない「答え」を得るために現場に行き、そして「生き残った」著者が書く、「異常きわまりない世界の今」!

そらいろのクレヨン
文芸(単行本)
死んでゆく子供は、死んでゆく大人よりもずっと大切だったから……
こんなにも愛は、魂を揺さぶるものなのか。心がざわめき、深い感動に包まれるかけがえのない5つの物語。
20歳の時のことを思い出してほしい。いまや典型的な会社人間であるあなたにも1冊の本、1枚のレコード、そして1人の人間に心を震わせた夜があったのではないだろうか。――(「そらいろのクレヨン」より)

混沌 新・金融腐食列島(下)
文芸(単行本)
メガバンクの夢は、主導権争いと醜聞にまみれた。
三行“統合”合意ができた、まさに「その瞬間」から歯車は狂い始めた。
息を呑む迫力、圧倒的な面白さ。興奮のクライマックス!
協銀広報部長・竹中の奔走で、どうにか統合発表に漕ぎ着けてから、わずか2ヵ月。中位行同士の統合プランにあとから割り込んだにもかかわらず、協銀は徐々に「本性」を現していく。このままでは協銀に呑み込まれると警戒を強める、あけぼの銀行がチラつかせ出した「合併離脱カード」。そして、合併担当幹部に降って湧いたスキャンダル。
目先の主導権争いにあけくれ、大きな目標を見失っていく銀行マンの愚かさを、リアルに描き出す会心作、いよいよ佳境へ!

混沌 新・金融腐食列島(上)
文芸(単行本)
「三大銀行合併」めぐる大迷走を描いた、金融小説の最高峰!
再編に出遅れた大銀行が飛びついた「メガバンク構想」。それは野心と焦燥が作り上げた「砂上の楼閣」だったのか。
権力闘争にあけくれ、再編の波に乗り遅れた協立銀行。トップ・バンクの自負が揺らぎかけたとき、経営陣はなりふり構わず提携相手を探し始め、すでに進行していた中位行同士の「統合プラン」に強引に割り込んでいく。エゴ、野心、歪んだプライド。そして保身。三行の銀行マンたちが牙を剥きだすなか、特命を受けた広報部長・竹中の必死の工作が始まる!
経済小説の第一人者が描く金融エンタテインメント長編。

ランドマーク
文芸(単行本)
最高傑作長篇小説
村上龍氏絶賛!
「倒壊の陰にある希望、裏切りと同意語の救済。閉塞と共存する解放、虚構に身を隠す現実。」
関東平野のど真ん中、開発途上の大宮の地にそびえ立つ、地上35階建ての巨大スパイラルビル。設計士・犬飼と鉄筋工・隼人の運命が交差するその建設現場で、積み重ねられた不安定なねじれがやがて臨界点を超えるとき――。鮮烈なイメージと比類ない構想、圧倒的な筆力で<現代>のクライシスを描く芥川賞・山本賞作家の傑作長篇小説!

国税査察官
文芸(単行本)
裏ガネのからくりを暴け!
政治家の脱税、企業のマネーロンダリング。いまや庶民だけが真面目な納税者なのか。「逃げる税」を追い詰めるノンキャリアたちの闘い。
財務省に虐げられた国税庁という組織。手柄は地検特捜部にとられ、マスコミからは「沈黙の艦隊」と呼ばれる。「含むところがあるだろうが、感情に走らずにたんたんと調べろ。感情的になれば、負けだ」篠崎は、査察総括第1課長に諭された。

イントゥ・ザ・サーフィン
文芸(単行本)
広い宇宙で、サーフィンができるのは、この惑星だけだ――。
旅する少年サーファーたちがたどり着いた、砂漠の果ての、海の神話。残酷な記憶の物語
“ぼく”は十数年ぶりに“アトランティス”のビーチに立つ。サーフトリップへ、共に旅立った仲間たちを、思い出しながら。――おれたちが生きたり死んだりすることなんか、ちっともたいしたことじゃない。死さえも消滅するようなすごい方法を、おれたちは知ってる。いいか、それがサーフィンだ。――
永遠のサーフトリップを経て、3人の少年サーファーがたどり着いた場所は。日本初のサーフィン小説の誕生。

ザ・ベストミステリーズ2004
文芸(単行本)
ミステリートップ20 プロが選んだ最高傑作選!
日本推理作家協会賞平成16年度(短編部門)受賞作 伊坂幸太郎『死神の精度』収録!
本書は、2003年に小説誌等に発表された数多くの短篇ミステリーの中から、日本推理作家協会が最も優れた20篇を厳選した、決定版アンソロジーです。推理小説界の2003年の概説、ミステリー各賞の歴代受賞リストもついた、50年を越える歴史を誇る唯一無二の推理年鑑です。
<「推理小説年鑑2004年度」収録作品(掲載順)>
伊坂幸太郎――『死神の精度』
朱川湊人―――『死者恋』
小川勝己―――『胡鬼板心中』
青木知己―――『Y駅発深夜バス』
小貫風樹―――『とむらい鉄道』
畠中恵――――『思い出した……』
法月綸太郎――『盗まれた手紙』
逢坂剛――――『欠けた古茶碗』
有栖川有栖――『蕩尽に関する一考察』
篠田節子―――『ヒーラー』
歌野晶午―――『転居先不明』
柄刀一――――『絵の中で溺れた男』
石田衣良―――『ラストドロー』
折原一――――『偶 然』
獅子宮敏彦――『神国崩壊』
北森鴻――――『瑠璃の契』
井上夢人―――『妹のいた部屋』
田中啓文―――『時うどん』
横山秀夫―――『第四の殺意』
松尾由美―――『走る目覚まし時計の問題』

転落
文芸(単行本)
追い詰められた者たちが見つけ出した答え。
善意に満ちた悪
驚愕の心理サスペンス長編
「あげるよ。使う使わないはあなたの自由。でも、今のあなたにとって、中傷で職場を追われることが何を意味するか」わかるね、と言われた瞬間、何かが私の背中を押した。自分の意志とは無関係に手が伸び、茶色の瓶をつかんだ。ひやりとした感触に身が竦みそうだった。――(本文より)

アフリカの瞳
文芸(単行本)
いまわれわれに生命の重さを問う衝撃作。
国民の10人に1人がHIVに感染。毎日200人の赤ん坊が、HIVに感染したまま生まれてくる国。ここではエイズという絶望すら、白人資本に狙われる。
著者渾身の書下ろし長編小説!
世界のHIV感染者6500万人、その3分の2がアフリカに集中するエイズの現実を真っ向から見据え、それでも希望を求め続ける日本人医師の闘いを描いた、衝撃と感動の長編小説。
「あんた、こんな所に来てもらって」か細い声が答える。診察しようとして作田が驚いたのは、痩せて肋骨の浮き出ている胸でも、ハンガーのように細くなった腕でもなかった。腹のところに赤ん坊が横になっていたからだ。母親に劣らず痩せて、泣く力もなく、時々魚が水面でするように口をパクつかせた――(本文より)

百年佳約
文芸(単行本)
生きた男には生きた娘を!死んだ男には死んだ娘を!人の世はよくよくつがいを求めるものだ。
九州は肥前、渡来陶工の里をゆるがす結婚騒動に、文化と人間の命脈を描く傑作長篇小説。
慶長の役により朝鮮から連行された陶工たちが、九州の皿山に窯をひらいて半世紀。龍窯の母・百婆は死んで神となり、山上の墓から一族を見守る。折しも下界では息子・十蔵がその子供たちの嫁取り婿取りをめぐり、日々思案を重ねていた。これまで通り仲間内で絆を固めるか、日本人と結婚して渡来の未来をひろげるか。可愛い子孫の「百年佳約」=結婚成就のため、百婆の活躍が始まった!

カタブツ
文芸(単行本)
「誠実度100%人間たちのミステリー!」(関口苑生)
気まじめに生きる男女ゆえの殺人、不倫、自殺…世界に例のないテイストの短編集
そうして、ふたりは結論をだした。どちらかひとりが死ぬしかないと。笑わないでほしい。ふたりはまじめにそう決めたのだから。そして、泣かないでほしい。たしかにこれは、滑稽なことではあるのだから。――<「バクのみた夢」より>
バクのみた夢
袋のカンガルー
駅で待つ人
とっさの場合
マリッジブルー・マリングレー
無言電話の向こう側

over the rainbow
文芸(単行本)
蜷川実花のキュートなガールズフォト満載!
有名タレント・女優・モデルが次々に登場。ハートにズキュンものの女の子写真が満載です。

食べものは みんな生きていた
文芸(単行本)
命が見えない時代に語って聞かせる 安全に生きるための知恵
農健やかにして 食健やか
白米を植えても芽が出ないのは、なぜ? イチゴの旬は、いつ? 「和牛」と「国産牛」の違いは? 「地どり」は地面に放し飼いの鶏のこと?
――「農なき国の食なき民」にならないための、農業の現場からの直言。

乱歩賞作家 黒の謎
文芸(単行本)
ミステリー大好き!
・鳴海章 『花男』はなおとこ
特殊な経緯で結ばれ普通の家庭を作った男を惑わす、妻と自分の「心に潜む謎」。
・桐野夏生 『グレーテスト・ロマンス』
絶望から逃れるため、獄中の男は妄想を紡ぎ続ける。やがて、妄想の女から一通の手紙が届き――。
・野沢尚 『ひたひたと』
少女時代に受けた心の傷から逃れられない女。その傷を与えた少年が当時のままの姿で現れた。
・三浦明博 『声』
竿も持たずに釣り場に現れた男が尾行してきた……。バンブーロッドが取り持つ男の友情。
・赤井三尋 『秋の日のヴィオロンの溜息』
来日中のアインシュタイン博士のバイオリンがすり替えられた。ケースはそのままなのに、なぜ?