文芸(単行本)作品一覧

歌舞伎の童
歌舞伎の童
著:会津 泰成
文芸(単行本)
「信じていれば、願いはいつか通じる」 現実に打ちひしがれどん底を見た彼は、ただその言葉だけを信じ夢を追い続けた。瞬く間にスターダムに駆け上がった彼の知られざる孤独と苦悩。いま初めて明かされる夢とは……。新鋭書き下ろしノンフィクション! 傷だらけの御曹司 中村獅童! 守る海老蔵。壊す獅童。 獅童は一生、獅童。将来彼が海老蔵のように別の名前を襲名することはないだろう。彼には継ぐような大きな名跡は用意されていないからだ。だが彼はこれからも、人生という大舞台で演じ続けるはずだ。「獅子のように激しい魂を持ち、童心を忘れない」という“獅童カブキ”を。――(本文より)
ひたひたと
ひたひたと
著:野沢 尚
文芸(単行本)
聞いてください。誰にも言えない、私の秘密を。 野沢尚 最後の小説 閉ざされた部屋に集まった5人の男女が、自らの心の闇を1人ずつ告白し合う――著者の急逝により、この物語は2人目の告白で終わってしまったが、著者が目指した高みは、読む者の胸に激しく迫る。 巻末に北方謙三氏の弔辞を併録。
啓順純情旅
啓順純情旅
著:佐藤 雅美
文芸(単行本)
命を捨てても迎えに行く 殺しの濡れ衣を着せられた江戸の町医者啓順は、以前助けたきよのもとへ――。執拗に迫りくる追っ手の刃。
ゴシックハート
ゴシックハート
著:高原 英理
文芸(単行本)
ゴシックでなければ生きられない。 死と暗黒、耽美と残酷に彩られたゴシック世界の全貌を、澁澤龍彦・中井英夫の後継が描く初の本格[ゴシック]評論。 1 ゴシックの精神 ゴシック・ロマンス ゴシック・ロック 「ゴス」 2 人外――中井英夫 江戸川乱歩 「フランケンシュタイン」 「吸血鬼」 3 怪奇と恐怖――「アッシャー家の崩壊」 ホラー小説 4 様式美――三島由紀夫 澁澤龍彦 建石修志 村上芳正 ウィトキン シジスモンディ 5 残酷――「責苦の庭」 大蘇芳年 サド 6 身体――「攻殻機動隊」 「銃夢」 「ヘルター・スケルター」 7 猟奇――E・A・ポオ 海野十三 S・キング 8 異形――楳図かずお 「のろいの館」 「みにくい悪魔」 「おそれ」 9 両性具有――マリリン・マンソン 浅田彰 「ポルポリーノ」 10 人形――ベルメール 四谷シモン 三浦悦子 マリオ・A 11 廃墟と終末――フリードリヒ グラック 稲垣足穂  「デビルマン」 「新世紀エヴァンゲリオン」 12 幻想――キャリントン バロ
アメリカの階梯
アメリカの階梯
著:西垣 通
文芸(単行本)
情報学の旗手がアメリカニズムの起源に迫る、瞠目の歴史思想小説! 大恐慌直後のアメリカにまだ見ぬ実父を訪ねた混血児、真壁作夢。その出生の秘密は現代文明の矛盾に根差していた。進化とは、進歩とは、そしてユートピアとは何か。小説とは思想の実験にほかならない。『アメリカの階梯』は常識が覆される修羅場だ。――三浦雅士氏
アフターダーク
アフターダーク
著:村上 春樹
文芸(単行本)
真夜中から空が白むまでのあいだ、どこかでひっそりと深淵が口を開ける。 「風の歌を聴け」から25年、さらに新しい小説世界に向かう村上春樹書下ろし長編小説 マリはカウンターに置いてあった店の紙マッチを手に取り、ジャンパーのポケットに入れる。そしてスツールから降りる。溝をトレースするレコード針。気怠く、官能的なエリントンの音楽。真夜中の音楽だ。――(本文より)
愛する能力
愛する能力
著:瀬戸内 寂聴
文芸(単行本)
どれほど困難でも、人を愛し、自然を愛し、自分自身を愛すること。すべての命は、この世を照らす光なのだから。 釈迦は四苦八苦のこの世を、それでも最晩年には、「この世は美しい 人の命は甘美なものだ」と称えている。矛盾相剋、理不尽な不条理に満ち満ちたこの世を生き抜くためには、この世に起こるすべてを真向きに受けとめ、それでも愛する能力を失わないよう生きていくしかないと思う。――<あとがきより>
人間は考えるFになる
人間は考えるFになる
著:土屋 賢二,著:森 博嗣
文芸(単行本)
哲学・超文系 建築・超理系 絶妙「文理」対談 ここでしか読めない書き下ろし短編小説! ●土屋賢二の小説処女作  「消えたボールペンの謎」 ●森博嗣の異色短編  「そこに論点があるか、あるいは何もないか」 土屋…僕は「何で哲学やるの?」っていつも不思議がられてるんです。「何で万引きした」というのと同じ口調で(笑)。 森……でも、哲学は、「コンクリートやってます」よりはカッコイイですよ。 土屋…えーっ、そうですか? 森……「大学で哲学やってます」ってカッコイイですよ、コンクリートって言ったら、「練ってるの?」って思われますよ。「もういっぱいあるんだから、これ以上作んなくてもいいじゃない」とかね。 土屋…いや、僕そう思ってました。毎日コンクリート混ぜたりしてるのかなあーって。でも、確実に哲学より役に立つでしょ?どんなものでも哲学よりは役に立つんだから(笑)。 森……僕、何が哲学なのかよくわからないものですから、なんとも言えないのですが。でも、少なくとも、哲学って言葉は役に立ってますよね。 土屋…哲学という言葉が? 森……言葉がです。「人生哲学」とか、「あの人は哲学がある」とか、よく使われるじゃありませんか。でも、「あの人は化学がある」とか、「あの人は数学がある」とか、「人生工学」とかって、普通使わないでしょう(笑)。 土屋…たしかに「あの人はコンクリートがない」とも言いませんね(笑)。 ――(本文より)
h+
h+
著:神崎 京介
文芸(単行本)
結婚しているけど、いつまでも女として生きていたいの 高ぶりに震えながら、出会ってしまった男と女。手探りで求め合う情愛。 頭を動かすたびに髪が揺れ、毛先がすっと背中を撫でていく。うなじのあたりに、くちびるがつけられた。大友は腹の底がぞくりとするのを感じて、肩を震わせた。――<本文より>
闇の迷宮
闇の迷宮
著:ロ-レンス・ソ-ントン,訳:甲斐 理恵子
文芸(単行本)
緊迫のドラマチック・サスペンス!! 1970年代後半、軍事政権下のアルゼンチンでは市民の行方不明事件が続発していた。政府による反政府勢力弾圧を疑う女性ジャーナリスト、セシリアは新聞記事で告発する。しかし闇の手は、彼女にも容赦なく伸びていた。一方、行方不明になった妻を捜し求める夫カルロスは、ある日、自分に姿を消した人たちの辿った運命が幻視できる能力があることに気づく。この不思議な能力を用いて、カルロスは失踪者の家族の力になることを決心する。果たして妻の姿を見ることはできるのか?巨大権力に立ち向かう男のサスペンス・フィクション。
債権奪還
債権奪還
著:高任 和夫
文芸(単行本)
取り戻せ、金を、誇りを。 早期退職に応じ、酒浸りの毎日を送っていた元・銀行マンは古巣の理不尽さを目の当たりにする。真面目に働く者を「倒産」に追い込む銀行とは何なのか。苦悩のなか、独り戦いを挑んだ男の痛烈な一撃! 書下ろしビジネス・ストーリー 「一生懸命に仕事をやっていれば、いまどんな風が吹いているか察知できるときが必ず二度や三度はくる。それはだれにとっても平等だ。だが、失敗するやつは風向きではなくて自分の好き嫌いやスタイルのほうを選択する。だから大きく儲けられないのはまだ幸運なほうで、たいがいは失敗するのだ」――(本文より)
乱歩賞作家 青の謎
乱歩賞作家 青の謎
著:阿部 陽一,著:藤原 伊織,著:渡辺 容子,著:池井戸 潤,著:不知火 京介
文芸(単行本)
謎は解かれた ・阿部陽一 『沈黙の青』 親友が無理心中をしたという一報が。不審に思った生田直子は独自調査を開始する。 ・藤原伊織 『ダナエ』 銀座の老舗画廊で肖像画が無惨に傷つけられた。それはレンブラントの事件と同じ構図だった。 ・渡辺容子 『ターニング・ポイント』 久々の現場で出合った外国人集団。女性保安士・薔子の勘がクロと告げているが……。 ・池井戸潤 『サイバー・ラジオ』 青島はある特殊能力を生かした詐欺師だ。今度の情報は手強いが、金になる……。 ・不知火京介 『盗み湯』 露天風呂に浮かぶ変死体。「訳あり女」と「過去を消した男」が繰り広げる、死体をめぐる攻防。
日の砦
日の砦
著:黒井 千次
文芸(単行本)
定年後家族の心を乱すもの―― 郊外で暮す男の日常と、穏やかな日々の底にひそむ正体の掴めぬ不安に迫る連作小説
斬り
斬り
著:押川 國秋
文芸(単行本)
理由(わけ)などない。 三十俵二人扶持(ぶち)の戯作者気取り。家にも職場にも居所のない男が殺(あや)めた男、女…。斬れば癒される。 時代小説大賞 受賞作家が描く 渾身の書下ろし 刀を掴んだまま男が尻餅をつき、痙攣する顔で見上げたとき、作之助は思わず精を漏らしていた。 生まれて初めての経験である。 力がこもったのは身体から刀を引き抜くときであった。男が両手で刀身を掴んでいるからではなく、なにか見えない力が絡みついているようであった。思いきり男の肩を蹴るようにして、あとずさった。突然、人を殺したという実感が作之助を襲った。――(本文より)
好き好き大好き超愛してる。
好き好き大好き超愛してる。
著:舞城 王太郎
文芸(単行本)
愛は祈りだ。僕は祈る。 ゼロ年代デビュー、“ゼロの波の新人”の第一走者が放つ、「恋愛」と「小説」をめぐる恋愛小説(ラブストーリー)。 <同時収録> 「ドリルホール・イン・マイ・ブレイン」/『ファウスト』Vol.1 巻頭掲載 僕の好きな人たちに皆そろって幸せになってほしい。それぞれの願いを叶えてほしい。温かい場所で、あるいは涼しい場所で、とにかく心地よい場所で、それぞれの好きな人たちに囲まれて楽しく暮らしてほしい。最大の幸福が空から皆に降り注ぐといい。僕は世界中の全ての人たちが好きだ。――(本文より)
カタコンベ
カタコンベ
著:神山 裕右
文芸(単行本)
リミットは水没するまでの5時間 洞窟に閉じ込められた調査隊が危ない!「贖罪」の思いを胸に、単身、救助に向かった青年を襲う「殺人者」の恐怖。 史上最年少24歳3ヵ月!江戸川乱歩賞受賞作 <選評より> ・物語の大半が洞窟の闇の中で展開されるという、なかなかに魅力的な枠組みを持った野心作。――綾辻行人氏 ・ケイビングを取り上げた着想は面白いし、洞窟からの脱出劇はB級のハリウッド映画を観ているような感覚もあって楽しい。――井上夢人氏 ・パワーと熱気に満ち、洞窟内でのパニックシーンは迫力にあふれる。――逢坂剛氏 ・作者自身が物語を楽しみ、かつ読者をもてなそうという意気込みが随所から感じられた。――真保裕一氏 ・他の作品からは感じられなかった「ワクワク感」があった。――乃南アサ氏
男の始末
男の始末
著:藤堂 志津子
文芸(単行本)
愛した人は、邪魔な人。 大好きだった。けれど今は、別れたいだけ。自分がどれだけ心を傾けられる相手を必要としているか、その淋しさは痛いほど分かっているけれど……。優しさと凄味をあわせ持つ、驚愕の長編小説。 「人生は長いんだから、失敗したと思ったら、どんどんやり直せばいいだけだって。特に男関係は、ろくでもない男だと思ったら、さっさと捨てるにかぎるって」――(本文より)
東京 文学の散歩道
東京 文学の散歩道
著:中谷 治夫
文芸(単行本)
野に碩学あり。卓越した産業人の「知」の深さに敬服する。 高杉 良 産業人の視点から見た「近代文学の道すじ」。書下ろし文学論。 この本は街探検とか探訪とかを主たる目的として書いたものではないのである。それぞれの場所に縁のあった作家文人たちが、意識していたと無意識であったとにかかわらず、次第に文学上のネットワークをつくり、それが近代文学をどのように形成させていったのか、その成立の道すじを辿ってみたいという意味の「散歩」が、本書の趣旨なのである。――(著者あとがきより)
電子あり
身も心も 伊集院大介のアドリブ
身も心も 伊集院大介のアドリブ
著:栗本 薫
文芸(単行本)
名探偵の即興(アドリブ) 『ボディ&ソウル』を演奏するな――天才サックス奏者・矢代のもとに、不可解な脅迫状が届いた。犯人の指示を無視し、その曲を吹き始めたとき…。 『ボディ&ソウル』を演(や)るな――最初はたった1行の脅迫状だった。『イージー・リヴィング』『バイバイ・ブラックバード』…天才と巡り合った名探偵に届いた最後の“禁止曲”とは?
出口のない海
出口のない海
著:横山 秀夫
文芸(単行本)
甲子園の優勝投手は、なぜ、自ら「人間兵器」となることを選んだのか。 人間魚雷「回天」――海の特攻兵器。脱出装置なし。 甲子園の優勝投手・並木浩二は大学入学後、ヒジを故障。新しい変化球の完成に復活をかけていたが、日米開戦を機に、並木の夢は時代にのみ込まれていく。死ぬための訓練。出撃。回天搭乗。――しかし彼は「魔球」を諦めなかった。 組織と個人を描く横山秀夫の原点