文芸(単行本)作品一覧

わが集外集
文芸(単行本)
初の単行本化!
今まで叶わなかった深い感動と味わいの9作品
魯迅に『集外集』と題した著作がある。
本書は私の『集外集』である。
「狂生員」「厨房夢」「回想死」の3作は、いずれも1961年、すなわち昭和36年に発表されたものだった。私が「枯れ草の根」で江戸川乱歩賞をいただいた年の作品である。こんな古い作品を出すのはいかがなものかとも思うが、私は我が子にひとしい作品が差別を受けているのが、はじめから気になっていた。……いまここに40年ぶりに収録され、私は初心忘るべからず、と自省することしきりである。――(あとがきより)

クイズ宮本武蔵
文芸(単行本)
全101問いくつできるか?
大河ドラマも「バガボンド」も100倍楽しくなる!
「吉川」武蔵新装新書版刊行記念
答えがわかれば「宮本武蔵」がますます面白くなる爆笑の難問珍問奇問集!
Q「武蔵二刀流めん」の正式な食べ方とは?
Q武蔵が自分から「負けた」と認めた相手とは?
Q女男の滝で、武蔵にせまられたお通はどうした?
Q武蔵の寝入った夜中に伊織が刃物を研いでいたわけは?
Q小説の中に吉川英治本人のラブレターが出てくるってホント?

狐闇
文芸(単行本)
「魔鏡」……か。
幻のコレクションを巡り、暗躍する古美術商たち。贋作作りの疑いをかけられ、苦境に立つ旗師・陶子。1枚の鏡に隠された謎。
「眼が開きやがったか」芦辺が無造作にいった。
「……眼……ですか」
「やれ古陶が専門だとか、浮世絵なら誰にも目利きは負けねえだとか、くちばしの青い連中が囀(さえず)っちゃあいるが、そんなものは正真の目利きでもなんでもねえ。この世界で本当に適用するのは、良い物と悪い物を見極める眼、ただそれ1つッきりしかねえのさ」――(本文より)

家族善哉
文芸(単行本)
オカン、たよりにしてまっせ。
めげない家族の愛と侠気を描いた長編小説。
大阪の母と娘が、なんと高校の同級生に――。
高校2年で中退して娘を産んだ母親が、一念発起で娘と同じ高校に再入学。情愛を書かせたら大阪一の著者が初めて描いた、大阪らしいヘンな家族の笑いと涙の物語。
自分より大事な生き物がおる、という感情を美佐緒や新哉はいつ知るんやろう。
二人とも好きな異性がおるみたいやけど、そんなものとは比べものになれへんような感情を。
(石井咲子・34歳・主婦・高校2年生)
あかんやろな。なんぼ松田聖子が好きやったからっていって、SAYAKAのこと好きになる男なんかおれへんもんな。
(石井美佐緒・17歳・高校2年生)
俺はストーカーなんかとちゃう。ただ好きな女の子が住んでる家の壁だけでも見たかったんじゃい。
(石井新哉・16歳・高校1年生)
悪いこと言うたり、悪いほうに考えるのはようない。ええことばっかり考えよう。暴走族はコトダマっちゅうやつを大事にするねん。
(石井紘太郎・37歳・トラック運転手)

環蛇錢
文芸(単行本)
おれは、触れてしまった。あの呪いの古銭に。
――妖しく、美しく織りなす夢幻の恐怖。待望の書下ろし長編小説。
――その古銭に触れた者は終わりなき呪いの連鎖に組み込まれ、二度と逃れることは叶わない。親友を、そして自分自身を救うため、八百比丘尼(やおびくに)伝説の迷路に迷い込む青年。紀伊、高野山、若狭と彷徨(さまよ)い歩き、青年が得た恐るべき真実とは?

太っ腹対談
文芸(単行本)
女にゃ弱いが食べ物にも弱い
カレー王、早食い王、うどん王、DNA研究者、美人女将……
斯界の権威に学びつつ新三大日本料理を決定するまでの偉大な歩みがここにある!
人気のふたりが食の世界を解明する対談集。
大胆かつ遠慮がち、いじましく時には太っ腹に絶妙の間合で進む対談の空間が楽しめる好著。いま話題の食の仕掛け人たちや美人女将をゲストに食べ物を語り尽くす対談。
〈GUEST〉
小野員裕(カレー王)
冨田勝(DNA研究者)
小山薫堂(放送作家)
新井和響(早食いチャンピオン)
たま(「三櫂屋」女将)
田尾和俊(さぬきうどん王)

韓国ナマ中継
文芸(単行本)
美味しかった!面白かった!疲れた! 足かけ7年のソウル暮らし、珍味・奇談・快勉パレード。 ●バスは停留所に停まらない ●通夜の席でも花札開帳 ●曲番号だけでカラオケ歌合戦 ●おみ足ツルツルの男たち ●名前でわかる親子の順 ●CM美女の世界一コワイ顔 ●爆弾酒の混ぜ方と呑みほし方 ●「アオ勝て」「シロ勝て」、アカいずこ?
美味しかった!面白かった!疲れた!
足かけ7年のソウル暮らし、珍味・奇談・快勉パレード。
見ちゃった!知っちゃった!
●バスは停留所に停まらない
●通夜の席でも花札開帳
●曲番号だけでカラオケ歌合戦
●おみ足ツルツルの男たち
●名前でわかる親子の順
●CM美女の世界一コワイ顔
●爆弾酒の混ぜ方と呑みほし方
●「アオ勝て」「シロ勝て」、アカいずこ?

ゴッホ殺人事件 下巻
文芸(単行本)
ゴッホは自殺か、他殺か
100万読者を震撼させた『写楽殺人事件』『北斎殺人事件』『広重殺人事件』の浮世絵3部作。
今、ふたたび〈名画ミステリー〉の新しい伝説が始まる。
自宅に盗聴器が仕掛けられ、由梨子はホテルに避難していた。元恋人・由梨子を案じて、塔馬双太郎は、パリへ向かう。日本人の画商がオルセーに鑑定を依頼した1枚の画をめぐり、双太郎は独自の推理を展開する。

ゴッホ殺人事件 上巻
文芸(単行本)
「名画」に隠された秘密
貸金庫に遺された謎のリスト。ゴッホ研究者たちが追う喪われた名作とは。
待望の〈名画ミステリー〉シリーズ。
パリで美術品修復家をしている加納由梨子の母が、東京で死に、貸金庫にドイツ語で書かれたリストが遺された。「ヴィンセント」の文字はゴッホと関係があるのか。パリに戻った由梨子のもとへ、オルセー美術館ゴッホ研究者がたずねてきた。

本能寺の変
文芸(単行本)
本能寺は、こっぱ微塵!
420年前の6月2日、「天下は夢か」で書かれなかった本能寺から小栗栖、信長と光秀破滅への刻々を見事に描く疾風のような秀作。
画期的な視点、傑作歴史長篇
本能寺の地下に煙硝蔵があったのは、「信長公記」をはじめ、どの資料にも記されていなかった。
私は信長については、ひと通り書いたつもりであったので、光秀についてはあまり興味をそそられず、5年ほどが過ぎた。
リストラのはげしい世の中になって、道をうつむきがちに歩く中年の人々が目につくようになった。私は、野戦の素人といってもいい男であった光秀が、当時としては老人の年頃になり、毛利攻めにかりだされ、眼前に破滅の危険を見て、自分を危地へ追いやる信長を殺そうとした心情がわかるようになった。――「あとがき」から

めぐる季節を生きて
文芸(単行本)
書くことは生きること
あふれる想いを胸に一筋に歩んだ道
櫂・寒椿・春燈・朱夏・仁淀川 エッセイでたどる名作
茫々30年の歳月
虚構を取去った生の私の姿が至るところに息づいている。
いまさら素顔をさらすのはとても恥しいが、そのときどきの私の真実をお汲取り頂きたい……。
「女のこよみ」「女のあしおと」「花のきもの」より収載。愛蔵版自伝随想集。

をんなだゆう
文芸(単行本)
天保の改革が、すべてを奪っていった……。
政(まつりごと)に翻弄されながら、芸の道に一途に生きた娘浄瑠璃の哀歌。
新進気鋭が書下ろす、長編時代小説
10年前の天保の改革の時、風紀を乱すということで、寄席や芝居小屋が厳しく取り締まられたことがあった。
その改革の中、娘浄瑠璃は、真っ先に寄席から締め出された。
江戸の風紀を乱す、淫らがましい演芸とみなされたのである。
その後、水野忠邦が失脚するに至り、にわかに規制のゆるんだ江戸市中には、「雨後の筍(たけのこ)」と揶揄されるほど寄席が乱立した。しかし、娘浄瑠璃だけは、いまだに興行を打つことを禁じられている。

寿宴
文芸(単行本)
魅惑の中華料理小説
「満漢全席」では飽き足らない!
南宋皇帝の伝説の大宴がよみがえる
知られざる美味の世界へご招待。
酒と食をこよなく愛し、中国各地に美味佳肴を探訪する英文学者・でふ氏こと南蝶氏は、敬愛する恩師の喜寿を祝って大宴会を企画。
8年前に催した「満漢全席」に続き、南宋宮廷の名高い祝宴「寿宴」を再現しようという未だかつてない試みだ。
押し寄せる不況の波を振り切って、でふ氏一行は食都・杭州へ飛んだ――。

フランシスコ・X
文芸(単行本)
パーデレ、日本はそんなによいところでしょうか?
布教に燃える若きザビエルは島津貴久、大内義隆、大友義鎮に謁見、京へ上る――。
時は大航海時代。
商人、宣教師、ユダヤ人が同じ船に乗ってアジアを目指した。
「日本人より優れている人々は異教徒のあいだでは見つけられない」
「私たちはテングやカッパという化け物に似ているのだそうです」
「まさにその化け物が地球の裏側から来たことに驚いているのだよ。
たとえ、彼らが私たちの教えにすぐには従わなくても、ポルトガルの船が運んでくる商品を見れば、目の色を変える。(略)
信者になる貧しい人たちに、全ての商品を与えよう。もちろん、金は受け取らない。
代わりに神に奉仕してもらうのだ」

コリアン・サラリーマンの秘密の生活
文芸(単行本)
韓国サラリーマンの過激な毎日。
日本も負けてはいられない。
発禁本『Lies/嘘』の著者、コリアン・ノヴェル第2弾!
ソウル在住、平凡なサラリーマンの主人公は、ずっと妻の妹に憧れていた!
「あ~あ、こんな生活やんなっちゃう」と感じている日本のサラリーマンの皆さん、お隣韓国のご同業の毎日を、ちょっと覗いてみませんか?
ワールドカップより面白い、韓国不倫ノヴェル。

少女伝
文芸(単行本)
こんなに健気で闊達な少女が、東京にいた!
大御所による初の自伝的長篇小説
戦前の十番、少女の勇気とお転婆ぶりを生々と描く見事な筆力。
愛と哀しみを乗り超える秀作。
死ぬまで〈少女〉でありたいと希い、頑迷に〈少女〉でありつづける種族がいる。純白の亡びの衣裳を纏(まと)い、真っ赤な落日に向かってどこまでもゆく。
「たけくらべ」の一葉がそうであり、「山梔(くちなし)」の野溝七生子がそうだった。彼女たちは、現世の〈幸福〉を代償として神に差し出し、代わりに〈少女〉という、官能的な〈貴族〉の称号を手に入れる。
「少女伝」は、大野靖子という永遠の少女が綴った、奇蹟の《聖書》である。
――(久世光彦)

負け犬
文芸(単行本)
愚連隊と呼ばれた。
ズベ公と呼ばれた。
みんな生き急いで、駆け抜けて、死んだ。男と女の悔悟と、最後の誇り。
その過去は、振り返るにはあまりに苦すぎた。
アウトローとしてしか生きられなかった男たちが、人生の分かれ道に舞い戻ったときに思い知る「時」の重さと残酷さ。柴田錬三郎賞受賞第1作となる、切ない短編集。
妙な気持ちだ。
いざ訪ねてきてみると、とくべつの感傷もわいてこない。
あのころの記憶のすべてに、痛みがともなっていることを確認するくらいだ。……(本文より)

冬の旅人
文芸(単行本)
芸術の悪魔(ディアーヴァル)に魅入られた女は、失われた「あの絵」を求めさすらい続ける。
欲望と情熱が渦巻く革命前夜の露西亜。
『死の泉』から5年、待望の大河歴史ロマン。
19世紀末、帝政露西亜。17歳の川江環は、日本人で初めて画学生として留学をゆるされる。がんじがらめの女学院を抜け出し、混沌のペテルブルグ、流刑地シベリアと憑かれたように彷徨い、それぞれの土地で絵筆を執り続ける環。露西亜という船に運命を託した環は、やがて革命の大きな渦へと呑み込まれてゆく――。

蚊トンボ白鬚の冒険
文芸(単行本)
裏社会の経済戦争に巻き込まれ、年上の恋人・真紀がさらわれた――。
心に闇を抱え、傷ついた者たちの凄絶な戦いがはじまる!
2年半の沈黙を破る待望の新作長編小説
ランナーの道を断念して以来の全力疾走をした日、若い水道職人・達夫は、羽音とふしぎな声を聞く。奇妙な能力を持った蚊トンボ白鬚(シラヒゲ)が頭に侵入してきたのだった。
達夫はシラヒゲの力で、オヤジ狩りに遭っていたアパートの隣人・黒木を救う。黒木は、株取引で巨額の損失を暴力団に与え、血眼で行方を追われる身だった。彼らは、黒木の居場所を達夫に吐かせるため、恋人・真紀をターゲットにしたが、凶悪な気を放つ赤目の男の介入に、達夫は闇社会に真っ向から挑む道を選んだ。

ザ・勝負
文芸(単行本)
さあ、どっち!
人物・食材・風土・宗教、森羅万象を勝手にリングに上げ、闘わせて遊ぶ知的対決小説
〈十番勝負〉
1.始皇帝VS.アレキサンダー大王
2.ゾロアスター教VS.ジャイナ教
3.ソースVS.醤油
4.シンデレラVS.白雪姫
5.米VS.麦
6.長嶋茂雄VS.王貞治
7.レオナルド・ダ・ヴィンチVS.ミケランジェロ
8.嫁VS.姑
9.東京VS.大阪
10.砂VS.水