文芸(単行本)作品一覧

蚊トンボ白鬚の冒険
蚊トンボ白鬚の冒険
著:藤原 伊織
文芸(単行本)
裏社会の経済戦争に巻き込まれ、年上の恋人・真紀がさらわれた――。 心に闇を抱え、傷ついた者たちの凄絶な戦いがはじまる! 2年半の沈黙を破る待望の新作長編小説 ランナーの道を断念して以来の全力疾走をした日、若い水道職人・達夫は、羽音とふしぎな声を聞く。奇妙な能力を持った蚊トンボ白鬚(シラヒゲ)が頭に侵入してきたのだった。 達夫はシラヒゲの力で、オヤジ狩りに遭っていたアパートの隣人・黒木を救う。黒木は、株取引で巨額の損失を暴力団に与え、血眼で行方を追われる身だった。彼らは、黒木の居場所を達夫に吐かせるため、恋人・真紀をターゲットにしたが、凶悪な気を放つ赤目の男の介入に、達夫は闇社会に真っ向から挑む道を選んだ。
ザ・勝負
ザ・勝負
著:清水 義範
文芸(単行本)
さあ、どっち! 人物・食材・風土・宗教、森羅万象を勝手にリングに上げ、闘わせて遊ぶ知的対決小説 〈十番勝負〉 1.始皇帝VS.アレキサンダー大王 2.ゾロアスター教VS.ジャイナ教 3.ソースVS.醤油 4.シンデレラVS.白雪姫 5.米VS.麦 6.長嶋茂雄VS.王貞治 7.レオナルド・ダ・ヴィンチVS.ミケランジェロ 8.嫁VS.姑 9.東京VS.大阪 10.砂VS.水
春風落月
春風落月
著:阿川 弘之
文芸(単行本)
不思議に命永らへて 想ふは懐しき友のこと 語りつくせぬ師のおもかげ 傘寿をこえて 一片の氷心玉壺にあり 典雅なユーモアと達意の文章 名随想52篇
「人を好きになってはいけない」といわれて
「人を好きになってはいけない」といわれて
著:大沼 安正
文芸(単行本)
「思い切り普通な現代の地獄巡り」――村上龍 夢があったから、生きてこられた。 心の自由を求めて信念を貫いた、18歳、感動の自叙伝(ノンフィクション) 「『人を好きになっちゃいけない』 どんなシーンでいわれたか覚えていない。でもそれは日常的なことで、僕はお母さんをおかしいとは思えなかった。なぜこのセリフが飛び出したのか、なんとなくわかっていたから……」(本文より) 新興宗教信者の両親との闘い、家出、小学校中退、引きこもり、新宿2丁目、大検合格……驚くべき10代の日々。 少年の魂の叫び。大きな感動をあなたに。
ピース宮本武蔵全4巻セット
ピース宮本武蔵全4巻セット
吉川 英治
文芸(単行本)
新聞連載時の全挿画を収めた愛蔵決定版
いいわけ劇場
いいわけ劇場
著:群 ようこ
文芸(単行本)
心のスキ間、コレで埋めてます。 何かに依存するあまり、どこか本末転倒な人々。 苛立たしくも哀しくも可笑しい小説集 食べてさえいれば幸せ。夫婦生活なんていらない――「満腹家族」 こんなに体にいいのに、なんで嫌うの――「無添加青年」 借金踏み倒して友達なくしても、お洋服を買いたい――「欲望の女」 図々しい孫より近所のネコやカラスの方が何倍も可愛い――「餌やり爺さん」 店での愛想笑いに疲れて家では笑えない――「ぶりぶりママ」 男はいなくてもいいや。麻雀さえあれば――「炎の勝負師」
ザ・ジョーカー
ザ・ジョーカー
著:大沢 在昌
文芸(単行本)
着手金は100万。 仕事は「殺し」以外のすべて。 私立探偵にも逃がし屋にも依頼できないトラブルを、たったひとりで引き受ける最後のプロフェッショナル。 東京の闇と、そこで生きる男のプライドを描いた新シリーズ! 「殺しは仕事にしたことがない。殺しをしなかったとはいわないが」 男は六本木の裏通りのバーで客を待つ。 ジョーカーはつながらない数と数のあいだを埋めるのに使う最後の切り札。使われたあとは用はない。そこに捨て置かれるか、別の人間が使う――。
黒絹睫毛
黒絹睫毛
著:宇佐美 游
文芸(単行本)
美しい人の真似をする15歳少女の愛と哀しみ、そして性。 運命が燦めきながらねじれていく。 私はまるで、買い物をするような軽さで計画を進行させた。(中略) ガスは最初しか感じなかった。 先端を顔に近づけ、ガスが直接顔に当たるようにすると、冷たいガスの風はシンナーのにおいに変わった。 早く、早く。 私はなるべくたくさん息を吸うようにした。吸い込むごとに、踏切の音が頭の中で大きく響いた。 カンカンカンカン カンカンカンカン やがて耳の奥、鼻の穴、目、口、肛門が、火箸を挿し込まれたような痛みに貫かれた。 痛い。あまりに痛い。――(本文より)
事故係生稲昇太の多感
事故係生稲昇太の多感
著:首藤 瓜於
文芸(単行本)
警察小説の新境地 江戸川乱歩賞受賞第1作 正義は負ける、こともある。 昇太、22歳。独身。愛宕(おたぎ)南署交通課巡査。 事故処理のプロを目指して、まずは交通整理から。
この晩年という時
この晩年という時
著:高橋 たか子
文芸(単行本)
書き残しておきたい自伝的事実、著者晩年の想い 祈りと回想のエッセイ集 自らの生い立ちと日々の随想、埴谷雄高氏ら芸術家への追悼、ジュリアン・グリーンを巡る考察、キリスト教信仰者の霊性について等、著者ならではのエッセイ53篇。 「この晩年という時、これまで決して言語化しなかったいくつかの自伝的事実を、きちんと書いておこうという気になり、この本に収めたエッセイのうちのいくつかが、それに当たる。――略――私は誰か?私自身でさえ答えられぬというのに、他人たちが私の死後に勝手な思い込みで私という者を書かぬようにとの、心からなる願いを言っておこう。いったい私は誰なのか?これほど自分をよく知っている私が、そう言い、そう思うのだ」――「あとがき」より
各務原・名古屋・国立
各務原・名古屋・国立
著:小島 信夫
文芸(単行本)
淡々と語られる老夫婦の哀切な日常 「生きてゆくこと」の深淵を描き出す傑作連作小説集 「老小説家・小島信夫」に縁のある3つの土地、各務原、名古屋、国立で語り始められる連作小説集。記憶障害をもつ妻「アイコさん」との生活を中心に紡がれてゆく日常と回想。淡々とした中には上質なペーソスとユーモアに包まれる傑作作品群。
随筆 宮本武蔵
随筆 宮本武蔵
著:吉川 英治
文芸(単行本)
伝記、史料、口碑、遺跡紀行から成る、名作『宮本武蔵』創作の背景 小説で描いた武蔵、描かなかった武蔵、そして、描けなかった武蔵。吉川・武蔵がここにいる。
煌めく誉生
煌めく誉生
著:森村 誠一
文芸(単行本)
「誉生」が極意 人生に「たそがれ」はない 逆風の時代を生きぬくキーワードを社会派推理作家が熱く語る最新エッセイ集 人間の平均寿命が延びて、停年後まだ20年も生きるとなると、余った生などとは言ってられなくなる。昔の老人は、今日では老人ではない。第3のステージの生き方によって、人生の総決算が行われるとなると、余生は誉れある生でなければならない。これが全うされた晩節である。――「誉生の条件」より
涙堂 琴女癸酉日記
涙堂 琴女癸酉日記
著:宇江佐 真理
文芸(単行本)
日本橋通油町(とおりあぶらちょう) この町と人々を慈しみ、元同心の妻・琴が綴る笑いと涙と優しさに溢れた日々。 江戸市井小説の名手が描く連作短編集。 「白蛇騒動」 弥生25日。4代目鶴屋南北の「於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)」、大層な評判なり。 「近星」 皐月19日。願人坊主になる物乞い、うたって踊るのが大層流行する。 「魑魅魍魎」 葉月10日。何としたことか米価下落する一方。 「笑い般若」 長月20日。今度はきたな細工の料理が流行す。 「土中の鯉」 霜月晦日。新和泉町、境町、葺屋町が全焼す。火はさらに新乗物町にも及ぶ 「涙堂」 師走大晦日。妾の涙堂、中ぐらい。琴。
パンドラの娘
パンドラの娘
著:藤本 ひとみ
文芸(単行本)
キャリアガールも姫君も、女の悩みは変わらない! 男より夢中になれるもの、愛ゆえのあやまち、命をかけた美への執念……。 女のホンネを明かす、人気作家の痛快歴史エッセイ。 ●慎みに欠けるトイレ ●恐ろしきダイヤと女 ●ベッドの中ですること ●ギロチン女 ●ヴァレンタイン・デーの下心 ●すさまじきメンクイ ●騎士の脚にご用心 ●ありがたくて面倒なビジュアル系 ●今どきの結婚式 ●化粧と女心の深い関係 ●テロが作った歴史 ●はるかな街に恋して ●ロマンなクリスマス ●誕生日の薔薇 (目次より)
よもつひらさか往還
よもつひらさか往還
著:倉橋 由美子
文芸(単行本)
グラスの向こうに冥界が見える 酔いしれてさまよい遊ぶ 黄泉平坂(よもつひらさか)のぼりおり カクテルストーリー15 花の雪散る里/果実の中の饗宴/月の都に帰る/植物的悪魔の季節/鬼女の宴/雪女恋慕行/緑陰酔生夢/冥界往還記/落陽原に登る/海市遊宴/髑髏小町/雪洞桃源/臨湖亭綺譚/明月幻記/芒が原逍遥記
流砂
流砂
著:藤田 宜永
文芸(単行本)
能登の小さな町に、さざ波が起こり、 男と女は、情欲の炎(ほむら)を再び燃えあがらせた。 直木賞作家にして恋愛小説のニュートップが満を持して放つ愛の軌跡! 押し殺したような声が漏れた。それまでほとんど受け身でしなかなった志津子に変化が起こった。なよやかな指が私の肌を滑り下り、股間で止まった。志津子を慈しむ気持ちと、女の肉体を犯したいという男の欲望とが分かちがたく手を結んで、私を攻め立ててきた。私は乱暴に志津子の両足を開かせると、志津子の中に入った。
手書き作家の本音 風のように
手書き作家の本音 風のように
著:渡辺 淳一
文芸(単行本)
ワープロより、鉛筆が好き。 作家の日常感覚を見事に伝える好エッセイ 「週刊現代・風のように」待望の最新版! ときどききかれるのは、「原稿は、いつ書くのですか?」という質問である。この答えは簡単で、「締切りが迫ってきたとき」ということになる。 でも、締切りが迫れば、いつでも書けるというわけでもない。迫ってきても、書く内容がかたまらずに、苛々することも多い。 「さあ、どうしよう、どうしよう」焦りながら、その実、雑誌を読んだり、テレビを見たり、コーヒーを飲んで時間を空費している。 ――このあたりが、ものを書く仕事の面白いところで、実際に書いているときより、書く内容を考えているときのほうがはるかに真剣で懸命である。――(おかしな仕事)
十時半睡事件帖 東海道をゆく
十時半睡事件帖 東海道をゆく
著:白石 一郎
文芸(単行本)
わが子の死に目にあえぬならば、それも定めでござる。 重病の息子を見舞うため、帰郷の旅に出る十時半睡は、敢えて陸路をゆっくりと進む。 「死」と「運命」を見つめた、人気シリーズ待望の最新作! 「生きる者は生き、死ぬ者は死ぬ」 弥七郎の生死は弥七郎の運である。間に合うか間に合わぬかなどと案じることは、弥七郎の天運に棹さすようなもので、生死とは何のかかわりもない。運があれば弥七郎は生きのびるであろう。そのことを弥七郎のために信じてやりたい。……(本文より)
南へ下る道
南へ下る道
著:岡崎 祥久
文芸(単行本)
走れ醜男 旅立て夫婦 注目の新鋭が描く低速ロード・ノベル -芥川賞候補作- これ1冊で日本縦断の気分です。 夏が終わる夜明け、北方の地より、 醜男はオートバイで走り出す。 海沿いの道を下って、南へ――。 秋――リストラで失業した夫婦は、 借りたクルマで旅に出る。 国道1・2・3号線を、南へ――。