文芸(単行本)作品一覧

閉じたる男の抱く花は
閉じたる男の抱く花は
著:図子 慧
文芸(単行本)
傷つき、悔やみ、混乱し、わたしは毎晩泣いている。会いたい――。 殺人犯かもしれない男への焼けつくような執着。華道の家元後継者から注がれるやさしいだけの愛。23歳の女のひらかれゆく性を描ききった渾身の書き下ろしサスペンス!
妖しい風景
妖しい風景
著:髙樹 のぶ子
文芸(単行本)
この世の不思議を見つめ心のままに本音で語るエッセイ集 日常にひそむあやうい情景と微妙な男女の関係
想ひ草
想ひ草
著:鳥越 碧
文芸(単行本)
老いを目の前にした女性が、自分の人生を生きはじめる、その瞬間を描いた8つの物語。人生を喪わないために、女たちは密やかな選択をする。――だれも知らないところで。 老いを目の前にした女性が、自分の人生を生きはじめる、その瞬間を描いた8つの物語。 人生を喪わないために、女たちは密やかな選択をする。――だれも知らないところで。
電子あり
歩兵の本領
歩兵の本領
著:浅田 次郎
文芸(単行本)
浅田次郎が自らの体験を綴る青春グラフィティ。 世界一奇妙な軍隊――自衛隊。だが、この心地よさは、一体なんなのだろう。 自分が地連の勧誘員に誘われて、余り深く考えずに入隊した自衛隊の正体はそれだった。この2カ月間、頭と体がちぐはぐに動き続けた理由もようやくわかった。柵ひとつ隔てた外界――旧軍以来「娑婆」と呼び習わす一般社会との断絶が、自分の思考をばらばらにしていたのだ。――本文より
愛の俳句 愛の人生
愛の俳句 愛の人生
著:谷口 桂子
文芸(単行本)
文字で愛を伝えた俳人たち 男女各6人の「愛の俳句」を読み解く ●生涯理解者を求め続けた伝説のヒロイン――杉田久女 ●人間探求派俳人夫婦のライバル意識――加藤楸邨 ●美貌俳人の一途で随順な人生――橋本多佳子 ●愛妻俳句の第一人者が垣間見た狂気の世界――中村草田男 ●主観性を突き詰めた孤高の自己愛――三橋鷹女 ●万人に好かれた俳人の意外な「内面」――石田波郷 ●「スタイリスト」俳人の逸話続きの私生活――久保田万太郎 ●波乱の生涯と一途な恋の情念――鈴木真砂女 ●エロチシズムの才人と献身型の妻――日野草城 ●直情型の恋愛を繰り返した女の虚と実――鈴木しづ子 ●型破りな鬼才が希求した平穏な日常――西東三鬼 ●「女優」俳人の凄絶な自意識と孤独――稲垣きくの
泪壷
泪壷
著:渡辺 淳一
文芸(単行本)
10年に一度、特別作品集 愛のかたち、死のかたち! 若くして逝った最愛の妻の骨を手放したくなくて……肉体と心の交叉する瞬間を、名文で鮮やかにとらえた秀作! 一方、これを書く側からみると、長篇はなにか堂々と、人生や人間と正面からぶつかり合うような感じがあるのに対して、短篇を書く場合には、それらのある断面を取り出し、切り開いてみせるような感触がある。例えがおかしいかもしれないが、1本の大根を、長篇小説では縦に、芯のところを真っ二つに割っていくのに対して、短篇小説は1点だけ輪切りにして、その水々しさを示すような手法である。次に小説のテーマだが、これは基本的に長篇も短篇も変りはなく、端的にいって、人生や人間のなかに潜む「理でないリアリティ」みたいなものを抉り出すことだと考えている。――あとがきより
邪魔
邪魔
著:奥田 英朗
文芸(単行本)
暴走するクライムノベルの傑作! 狂おしいまでの孤独と自由。奥田英朗は、やっぱり凄い。 始まりは、小さな放火事件にすぎなかった。似たような人々が肩を寄せ合って暮らす都下の町。手に入れたささやかな幸福を守るためなら、どんなことだってやる――
灰の男
灰の男
著:小杉 健治
文芸(単行本)
新境地!10万人の死者が書かせた小杉健治の代表作。 昭和初年から平成の時代へ。なぜ、こんなに大勢の人が死ななければいけないのか。平和だが荒廃した現代への失望。燃え尽きた男は歴史の真実を語った。庶民から見た東京大空襲に迫る畢生の書下ろし1200枚。 東京大空襲は3月10日ということになっているが、私は子どもの頃に3月9日と聞いていた。警報の遅れなど、空襲に関しては謎が多い。なぜ、下町が狙われたのか。東京大空襲とはなんだったのか。下町に生まれた者として、どうしても立ち向かわなければならないテーマだった。が、書き上げるまで10年という歳月を要した。それだけ私には重たい作業だった。――小杉健治
ごろごろ
ごろごろ
著・その他:伊集院 静
文芸(単行本)
男たちの流浪を描く傑作長篇小説。 ベトナム特需に沸く横浜港に流れついた4人の男。ガン、サクジ、トミヤス、キサン。彼らの遊びはきまって1人が抜ける3人麻雀だった。 あてどのない流謫(るたく)の日々、つかのまの花見の宴。いつも男たちの胸に痞(つか)える大きな石のようなもの。悲しみと寂寥の正体は何なのか?
女人しぐれ
女人しぐれ
著:平山 壽三郎
文芸(単行本)
絶好調!時代小説大賞受賞作家・平山壽三郎、3作目にしてきわめた真骨頂。 文壇随一の浮気男・三上於菟吉と、大御所の女流作家・長谷川時雨。放蕩三昧の人気文士と、軍の幹部も一目置いた女名士の夫婦から、昭和の文士たちは目を離せなかった。 12歳年上の女房を、男は惚れて尽くして、そして泣かせた。 大正5年、垢抜けない文学青年・三上於菟吉と、12歳年上の美貌の女流作家・長谷川時雨が一緒になったとき、文壇のだれもが唖然とし、先行きを危ぶみ、羨望した。 美貌の姉さん女房に振り回されながら人気作家に成長した於菟吉は、待合を仕事場にし、さらには若い頃の時雨とそっくりな妾を囲いもするが、人気作品を生み出したその稼ぎは、時雨が主宰する大赤字の女流文芸誌「女人芸術」に惜しげもなく注ぎ込んでいった。 菊池寛、直木三十五、吉川英治、林芙美子、吉屋信子ら、大正・昭和に活躍した文壇のスターたちとのエピソードを織り込みながら描かれる、いっぷう変わった夫婦の情愛。
君の中の見知らぬ女
君の中の見知らぬ女
著:高橋 たか子
文芸(単行本)
恋愛小説、心理ミステリー小説、歴史小説、宗教小説……。多様な展開を見せつつ、人間存在の存在論的最奥に迫る長編小説。 「わたしって、成っていく者なのよ」男が女に贈った謎の詩を巡る壮大なドラマ
御町見役うずら伝右衛門・町あるき
御町見役うずら伝右衛門・町あるき
著:東郷 隆
文芸(単行本)
将軍吉宗から、町人まで、尾張藩江戸屋敷に舞いこむ無理難題の数々、伝右衛門が受けて立つ! 物売りの声が響く、水の町・江戸。藩屋敷に潜り込んだ浪人や、池の中に人を引きずり込む化生の正体をさぐり、異端の忍術集団「猿者」と戦い、好色絶倫の藩主の義母が愛用した張形や、将軍所望の名刀の行方をさがす。享保の世を伝右衛門が駆ける第2弾。
江戸方の女
江戸方の女
著:林 えり子
文芸(単行本)
生きることは許すこと 江戸の町に交錯する女たちの想い
六月黄
六月黄
著:宍戸 游子
文芸(単行本)
上海・蘇州・青島。傑作恋愛小説の出現。 激しく冴える女の時の時! 上海蟹は11月と言われるが、陽澄湖の6月の蟹の味は素晴らしい。閉経を迎えた女の格別な美しさ、中国人青年との新鮮な恋のときめきを見事にとらえ、転機に立つ女の像を描く書下ろし恋愛長篇!
異端の夏
異端の夏
著:藤田 宜永
文芸(単行本)
刑事は夏を駆け抜け、恋に身を焦がす。 佐久、軽井沢、東京、少年の消えた夏が迷走する。過去の秘密、疑心暗鬼、謎と愛に翻弄される人々の行方。 夏の盛りの別荘地で忽然と消えた12歳の少年。うろたえる家族や妻に手を挙げる画廊経営者に古傷を抉(えぐ)られた辰巳刑事は、少年の母・室谷康子に次第に惹かれていった。そして、捜査線上に現れた“疑惑の人々”は、室谷画廊に何らかの関係のある者ばかりだった。
二人のガスコン 下
二人のガスコン 下
著:佐藤 賢一
文芸(単行本)
西欧歴史小説の新しい金字塔 世々に読みつぐ歴史的名作! 献身につぐ献身。死力を尽くして女を救うが、男。フランス史上最大の謎に挑んだ2人に、別れの時が来た。英知に溢れた途轍もない秀作、遂に完結!
老博奕打ち 物書同心居眠り紋蔵
老博奕打ち 物書同心居眠り紋蔵
著:佐藤 雅美
文芸(単行本)
人気シリーズ“窓ぎわ同心”捕物帳最新刊! 見当違いをやりながら真相を探り当てる。紋蔵には、不思議な力がある。 千両二千両の大勝負。博奕は度胸の世界だ。男でも惚れ惚れするような親分・仁吉が殺しの指図をした疑いで、大番屋にしょっぴかれた。 仕事中でも、つい居眠りをしてしまう奇病をもつ藤木紋蔵は、15の歳に南町奉行所に見習い採用され、およそ30年が経つ。妻・里との間に5人の子がいるが、上の2人は片づいた。それでも生活は大変で、吟味方与力の蜂屋鉄五郎からもらう内職仕事で息をついている。 筆頭与力の安藤覚左衛門はしょっちゅう難題を吹っかけるが、南の定廻り・大竹金吾や、幼なじみの八官屋・捨吉らの力を得て、事件を解決していく。
はやぶさ新八御用旅――東海道五十三次
はやぶさ新八御用旅――東海道五十三次
著:平岩 弓枝
文芸(単行本)
大好評『はやぶさ新八御用帳』最新長編! 姿の見えない姫君護衛の密命を帯びて、東海道を上る新八郎。箱根では侍が現れ、斬り合いが。宇津ノ谷峠では虚無僧が走り去った崖の下に人が倒れていた……。新八郎は、お役を全うできるのか。
LIES/嘘
LIES/嘘
著:蒋 正一
文芸(単行本)
全身恋愛体験 コリア発禁、ベネチア騒然、映画化。 女子高生Y、18歳。会ったこともない男にすべてを捧げるため、列車に飛び乗った……。
白兵
白兵
著:北上 秋彦
文芸(単行本)
独自の史観に基づく感動の書下ろし 日露戦争に勝つべきではない。 兵士は消耗品なのか?日露戦争のターニングポイントとなった黒溝台の会戦を支えたのは、東北出身の若年兵たちだった。