文芸(単行本)作品一覧

アジアパー伝
文芸(単行本)
アジアに蠢(うごめ)く日本の快男子たち。天才サイバラと気鋭のジャーナリストカモシダが遂に世に出した痛快アンサクセス・エイジアンストーリー!
ガンジャ、マリハナ、メコンウイスキー。酒と煙が立ちこめるアジアの魔界。鴨志田穣が血と涙で活写し、西原理恵子が堂々180ページの漫画でそれをオマージュする。これは夫婦愛の本でもある。(ウソだけど)

僕の昭和歌謡曲史
文芸(単行本)
口ずさまずにはいられない!ヒット曲、名曲の数々。
街には歌が溢れていた──。笑えて、泣けて、情けない、みんなの思い出を詰めながら。あの頃流行った歌謡曲で綴る、胸がきゅんとなるエッセイ集。
小学2年生の東京オリンピックの頃……だと思うが、一度だけどこかからチケットをもらって、新宿のコマ劇場で催された“オールスター歌謡パレード”の類いに連れていってもらったことがあった。〈中略〉ライトが当たって、正に後光が射すようにステージの歌い手だけが輝いている。まだテレビが白黒だったこともあって、ナマで見る歌手という人たちの色彩やリアルな存在感にいっそう圧倒された。そんな、華やかな劇場ショーの時代の歌が、僕にとって「歌謡曲の原風景」的なものになっている。──「あとがき」より

ぼんくら
文芸(単行本)
著者真骨頂の長編時代ミステリー
長屋からひとりずつ人が消えていく
店子を襲った殺し屋、差配人の出奔、謎の新興宗教騒ぎ。江戸下町の長屋で連続する事件の裏の陰謀に、同心・井筒平四郎と超美形少年・弓之助が挑む。
奉行所きっての怠けもの同心・井筒平四郎、超美形少年の弓之助のほか、神出鬼没の隠密同心・黒豆、回向院の茂七の手下・政五郎、驚異の人間テレコ・おでこ、若き差配人・佐吉と伝書鳩の官九郎など、最強キャラクターが続々登場!

鳥の水浴び
文芸(単行本)
名作「夕べの雲」から35年の時が流れ、多摩丘陵の家は夫婦2人だけの暮らしになった。
よろこびの輪をひろげ小さな楽しみを見つける愛に満ちた穏やかな日々
子供が大きくなり、結婚して、家に夫婦2人きりで暮すようになってから年月たった。孫の数もふえた。そんな夫婦がどんなことをよろこび、どんなことを楽しんで毎日を送っているかを書いてみたい。庭の水盤に来た四十雀やメジロがちゃんと水浴びをしてくれるかどうか、書斎から私は眺めている。たっぷり水浴びしてくれれば満足する。せっかく水盤の近くまで来ていながら、ろくに水浴びをしないで去るのがいると、がっかりする。私は飽きずに見守っている。──あとがきより

蔓の端々
文芸(単行本)
その日、2人は椿の枝を残して消えた。その夜、藩内抗争の火蓋が切られた。
藩権力に翻弄される下級武士たち。その中で、若き剣術師範は、手探りしながらも誠実に生きようとする。待望の書下ろし長編時代小説。
7歳で父の組子・瓜生仁左衛門に預けられた禎蔵は、剣術に自力で這い上がる道を見出し、出世した。しかし、否応なく藩内の大きな力に巻き込まれていく下級武士の悲哀を身近に感じながらも、幼なじみの失踪と、父の死の謎を問い続ける。

アフリカの絵本(下)
文芸(単行本)
人はなぜ夢を見るのか。アフリカの大地に見果てぬ夢の絵を描いた男と女の物語。
この世にたしかなものなど何もない。あるとすれば人と人が出逢えたことだ。それとて幻想なら、美しい幻想を見て生き抜こうではないか。アフリカの王に立ち向かう男が見たものは……。

奴の小万と呼ばれた女
文芸(単行本)
せっかくこの世に生まれたからには、くわっと熱くなる思いがしてみたい。
身の丈6尺に迫る、雪のように肌の白い美少女は、愛しい男を守るために、角材を手にして大立ち回りを繰り広げる──。
時代小説大賞受賞作家が描く200年前の大阪で、まっとうな世間と戦い続けた強すぎる女の半生。
大阪屈指の豪家に生まれた三好正慶尼こと木津屋お雪。型破りの振る舞いばかりが語り草となったが、この女性の真実の姿にはだれも目を向けようとしなかった。「奴の小万」という役名で、女侠客として昭和に至るまで舞台に登場し続けた、1人の女性の実像がいま初めて明かされる。

アフリカの絵本(上)
文芸(単行本)
人はなぜ旅をするのか。漂泊の作家・伊集院静が初めて上下巻、900枚で問う一大ロマン。
ひとりの酔いどれ編集者が訪れたアフリカの地で、自分に似た酔いどれ画家と出逢った。2人の友情が人類のゆりかごの地に夢の絵を描きはじめる……。

嘘をもうひとつだけ
文芸(単行本)
誰もが平気で嘘をつくわけではない。
正直に生きていきたいと望んでいたのに、落とし穴にはまりこみ思わぬ過ちを犯してしまった人間たち。そしてそれを隠すため、さらに秘密を抱え込む……。
バレエ団の事務員が自宅マンションのバルコニーから転落、死亡した。事件は自殺で処理の方向に向かっている。だが、同じマンションに住む元プリマ・バレリーナのもとに1人の刑事がやってきた。彼女に殺人動機はなく、疑わしい点はなにもないはずだ。ところが……。嘘にしばられ嘘にからめとられていく人間の悲哀を描く、新しい形のミステリー!

殉霊
文芸(単行本)
あたしは、自殺しない。
阪神大震災を描いた衝撃作『未明の悪夢』の著者が、奇想を駆使して現代人の生の希薄さを抉り出す書下ろし本格ミステリイ!
1903年、一高生・藤村操、華厳の滝に投身。同地が自殺の名所となる。
1933年、三原山火口猟奇自殺事件。5000人以上の死の連鎖が起きる。
1986年、歌手・岡田有希子、事務所屋上から投身。後追い自殺者、50人以上。
そして1994年、1人のアイドル歌手が不可解な死を遂げた──。
「自殺」のメカニズムを通じて孤独な魂の救済を試みる、渾身の書下ろし問題作!

鬼あざみ
文芸(単行本)
たかだかの命。華やかに散れ。
白昼堂々、金品を強奪する荒稼ぎで、江戸を騒がせた鬼坊主清吉と、情婦・おもん。悪に魅入られた若者たちは破滅に向かってつき進んでいった。
【鬼坊主清吉】兇賊、強盗追剥等を犯し天下に出没す勢州にて縛に就き文化二年四月廿六日江戸に押送せられ六月廿六日他賊2人と引き廻しの上千住に梟(きょう)せらる辞世の狂歌「武蔵野に名も蔓(はび)こりし鬼薊(おにあざみ)今日の暑さに乃(かく)て萎(しお)るる」浅草新鳥越町妙光山円常寺に墓あり(街談文々集要)

刺青白書
文芸(単行本)
女子大生。アイドル。主婦。それぞれに人生は気楽なはずだったが……!?
同級生連続殺人事件の犯人と、その原因は!?
中学卒業6年後に起きた同級生連続殺人事件の謎は……!?サントリーミステリー大賞読者賞受賞&直木賞候補作家が、リリカルな筆致で描く長編青春ミステリー!!

ひとたびはポプラに臥す(6)
文芸(単行本)
「こんな旅は、もう生涯二度とできない」
宮本輝が往く宿命の地シルクロード
人は何を幸福と感じて生きるのか、死とは何か……世界最後の桃源郷・フンザの静謐な夜空に生と死を想い、インダスの銀河に亡き父の面影を映す。少年のころの誓いを生涯懸けて果たした人、鳩摩羅什(くまらじゅう)の足跡を追うシルクロード6700キロの旅は、終着の地ガンダーラへと辿りついた。熱砂の大地に作家・宮本輝の原点を刻み、新たな出発を告げる稀有なる「人生の紀行」ついに完結!

GO
文芸(単行本)
僕はアッケなく恋に落ちた
彼女はムチャクチャ可愛らしい日本人だった
Non-Stop、既視感Zero、新時代の扉をケリとばす革命的《在日》ポップ・ノベルの大傑作、『GO』!!
「ねえ、ここを出ない?狭くて、窮屈で、うるさくて、退屈だと思わない、ここ」
“GO”──A BOY AND A GIRL IN THE PEACEFUL REVOLUTION.
サビついた神話は過去のもの。瑞々しいエッジで「いま」を切り開く新鋭、爽快にデビュー!
第123回直木賞受賞

旅する帽子
文芸(単行本)
新しい人間、流浪する魂。
あわれ桜花に届くか、明治を透視する異端者(アウトサイダー)の詩情は?ヨーロッパの孤児、いずれの国にも属さぬ世界人と日本!
10年をかけて完成させた書下ろしの傑作長篇。
放浪を希求する魂の孤独。それこそが明治日本に新しい空気と風をもたらしたにちがいない。京都在住のオーストラリア人が一個の人間の創造精神を探る希有の小説。

奇跡の象モードック
文芸(単行本)
本当にあった信じられないような感動秘話
世界中を涙で濡らしたベストセラー
同じ日の同じ時刻に生まれた象と少年がたどる数奇な運命

美食探偵
文芸(単行本)
食道楽の作家村井弦斉が解く明治・湘南の謎
大磯を中心に開けゆく西洋文化の足音とともに新たに生じる人間の謎。大作『全宗』で大人気の気鋭が明治の青春をダンディな洋行帰えりの作家の眼でとらえた傑作。

柳影
文芸(単行本)
退廃と爛熟の江戸を揺るがす神隠し事件。時、同じくして紛失した長逆家伝来の朱槍。死の影が、ひたひたと柳次に忍び寄る。
られん香の柳次は、手裏剣の名手にして売れっ子陰間。死の影をまとい、人生の表と裏の狭間に生きる。

冤罪
文芸(単行本)
渾身の長編時代サスペンス
一夜限りの女のために獄門台に首をさらすのか。
無実を晴らすことができるのは、倉賀野宿で出会った女郎だけ。だが、女は大店の主と幸せを掴もうとしていた。
故郷から江戸にもどってくると、見に覚えのない押し込みの疑いがかけられていた。追手を振り切った半次郎は、殺しのあった夜、一緒にいた宿場女郎を探し出す。だが、女は大店の若主人に身請けされ、盛大な婚礼を間近にひかえていた。

明治おんな橋
文芸(単行本)
時代小説大賞受賞第一作
江戸から明治へ。女たちは「それぞれの橋」を渡った。
大奥での「秘め事」を胸に商家に嫁いだ女、戦に狂わされた過去を捨てて生きる会津の女、苦界から大料亭の女将へ這い上がった女は、それぞれの維新をどう生きたか。