文芸(単行本)作品一覧

風致の島
風致の島
著:赤松 利市
文芸(単行本)
東南アジアでの巨大リゾート開発推進のため日本のスーパーゼネコンから現地役員として「島」に乗り込んでいた青木は、資金として投入された莫大な裏金の一部を着服して会社を離れ、計画が頓挫した後も島で隠遁生活を送っていた。現地で飼い殺しにされている元同僚の西村から、カジノを中心とする新たな開発計画の存在を聞いた青木は、その利権に食い込むため動き出す。 一方で青木は、島の男の二番目の妻になっていた日本人の女ミチコを「飼って」いた……。 金、酒、官能、暴力、逆転に次ぐ逆転……すべてが“過剰”な物語。
ガラスの50代
ガラスの50代
著:酒井 順子
文芸(単行本)
「『負け犬の遠吠え』著者が50代女性の心を代弁。こんな人生の先輩がいてくれると心強い」 (NHKひるまえほっと「中江有里のブックレビュー」) 共感の声、続々! グレイヘアをきらめかせ、好きに生き始めるお年頃。 なのに職場では怖がられ、恋の8050問題を抱え、母親はさらに重さを増す。 女性の生き方をリアルタイムで捉え続けてきた人気エッセイストのライフステージエッセイ、最新版。 「令和の50代」のリアルがここに! Webマガジン「ミモレ」大反響連載、単行本化 巻末に「50代読者大アンケート」結果を収録 「今、ハマっていることを教えてください」 「これから挑戦してみたいことを教えてください」 「誰にも言えない秘密を教えてください」 「50代までにしておいてよかったと思うことを教えてください」 「50代になったらやめた方がよいと思うことを教えてください」 「50代でできるようになったこと、好きになったものを教えてください」 ほか
ようこそ! アマゾネス☆ポケット編集部へ2
ようこそ! アマゾネス☆ポケット編集部へ2
著:ジェントルメン 中村
文芸(単行本)
文壇(ギョーカイ)益々(モアモア)沸騰中(ヒートアップ)!! 斜陽だなどと誰が言う! 女傑(ウチ)らが重版(ベストセラー)請負人(エージェント)!!! 出版業界人、書店員から熱いラブコール続々! すべての働く人たちに捧ぐ ”労働賛歌(ラヴソング)” 第2章! 「求道者的(まっすぐ)な作家(プロ)」に寄り添い、「創作(うみ)の苦しみ」を分かち合い、時には「やる気(ギア)を上げる為の燃料(ガソリン)」を提供する……それが「編集者」! 文芸誌「アウト☆ポケット」編集部に配属された新人・白柳紀乃子が、ハートもボディーもタフな先輩に囲まれ、日々、成長を遂げる。 作家、編集者、販売部、広報部、書店員 etc…一冊の本を読者の元に届けるため、さまざまな人々が今日も自分の持ち場で奮戦する…! 『セレベスト織田信長』の異才が放つ、暑苦しいくせに最終的にはホッコリするお仕事漫画。
電子あり
復讐の協奏曲
復讐の協奏曲
著:中山 七里
文芸(単行本)
私の仕事は無罪にすることで、 真相を明らかにすることではない。 御子柴が元〈死体配達人〉だと知る 事務員・洋子が殺人容疑で逮捕された。 大人気「御子柴弁護士シリーズ」衝撃の最新刊! 12ヶ月連続刊行企画 第11弾! 一度心に巣くった獣は簡単に消えはしない―― めぐる因縁そして〈復讐〉の結末は!? 三十年前に少女を惨殺した過去を持つ弁護士・御子柴礼司。 事務所に〈この国のジャスティス〉と名乗る者の呼びかけに応じた八百人以上からの懲戒請求書が届く。 処理に忙殺されるなか事務員の洋子は、外資系コンサルタント・知原と夕食をともに。 翌朝、知原は遺体で見つかり、凶器に残った指紋から洋子が殺人容疑で逮捕された。 弁護人を引き受けた御子柴は、洋子が自身と同じ地域出身であることを知り…….。
攫い鬼 怪談飯屋古狸
攫い鬼 怪談飯屋古狸
著:輪渡 颯介
文芸(単行本)
行方知れずの子供そして 古狸の主(あるじ)・亀八はどこに? 人と猫に優しい虎太が歩けば、幽霊と犬に当たる!? 『古道具屋 皆塵堂』の著者、人気シリーズ大団円! 怖がりなのに、困っている人は幽霊でも見過ごせない虎太ゆえ……       怪談を聞かせるか“怖い場所”に行くと無代(ただ)なる妖しい飯屋「古狸」。 そこに看板娘・お悌と好物の茄子を目当てに通う二十歳の若者・虎太。 「うちの子を捜して」と告げる女の幽霊が出る場所に泊まり込んだ虎太は、 「しんきち」という子供を捜すことになるが……。 そして九ヵ月前に家を出たお悌らの父・亀八はどこに? シリーズ完結!
人類最強のヴェネチア
人類最強のヴェネチア
著:西尾 維新
文芸(単行本)
一万年に一人の最強ヒロイン。 名探偵にして、人類最強の請負人・哀川潤(あいかわじゅん)。 美女二人と連続殺人犯を追う、ノンストップミステリー 「あたしの旅路を邪魔するな。ぶっ殺すぞ」 人類最強の請負人・哀川潤。 今回の任務は、十九歳にして心理学の権威・軸本みよりの現地調査への同行だ。 完璧すぎるメイド・班田玲も加わって楽しい旅行になるはずが、 目的地のヴェネチアでは、観光客カップル、有名女優らが 相次いで溺死させられる、残忍な殺人事件が発生していた。 “溺殺魔”と呼ばれる犯人の魔手は、彼女たちにも迫り――!? 『掟上今日子の備忘録』の西尾維新がおくる、とびきりハードで危険な探偵譚!
電子あり
小麦の法廷
小麦の法廷
著:木内 一裕
文芸(単行本)
自分以外、全員敵。 掟破りの裁判が始まる。 杉浦小麦、25歳。新人女性弁護士。 彼女にとっての初めての刑事裁判は、1日で公判が終わるような仲間内で起きた傷害事件。 被疑者との面会を終えて拘置所を出た小麦は、大勢のマスコミに囲まれてしまう。 「あなたは殺人犯のアリバイ作りに協力しているんですか!?」 --えっ! なに? どういうこと!? 彼女が引き受けた取るに足らない国選弁護の仕事は、やがて世間を震撼させる大事件へと変貌する。 敵は法律を知り尽くした悪党と、司法の穴。 それでも、私は、私の正義のために闘う。 捜査機関にはできなくて、弁護人にはできることは。
いつの空にも星が出ていた
いつの空にも星が出ていた
著:佐藤 多佳子
文芸(単行本)
好きなチームといる喜び。 光輝くスタジアムの幸せ。 本屋大賞受賞作『一瞬の風になれ』の著者が描く どこまでも熱くて、かぎりなく純粋な、人生と応援の物語! 「愛すべきチームと愛すべき自分の人生。僕がいつも思っていることがこの本に一杯に溢れていました」 クレイジーケンバンド/小野瀬雅生 物静かな高校の先生。 予備校に通う女子高生。 家業の電気店を継いだ若者。 少年野球のピッチャー、洋食店のシェフーー 一見なんのつながりもない人たちを結んでいる、 強くてまっすぐな気持ち! 「何かのために見るんじゃない。見たいから見るんだ」 なにかを心から「好き」でいる、 すべての人へ贈る爽快な感動!
完全犯罪の恋
完全犯罪の恋
著:田中 慎弥
文芸(単行本)
「人は恋すると、罪を犯す。 運命でも必然でもなく、独りよがりの果てに。 その罪を明かさないのが、何よりの罰」              ーー中江有里 「私の顔、見覚えありませんか」 突然現れたのは、初めて恋仲になった女性の娘だった。 芥川賞を受賞し上京したものの、変わらず華やかさのない生活を送る四十男である「田中」。編集者と待ち合わせていた新宿で、女子大生とおぼしき若い女性から声を掛けられる。「教えてください。どうして母と別れたんですか」 下関の高校で、自分ほど読書をする人間はいないと思っていた。その自意識をあっさり打ち破った才女・真木山緑に、田中は恋をした。ドストエフスキー、川端康成、三島由紀夫……。本の話を重ねながら進んでいく関係に夢中になった田中だったが……。 芥川賞受賞後ますます飛躍する田中慎弥が、過去と現在、下関と東京を往還しながら描く、初の恋愛小説。
ブロークン・ブリテンに聞け Listen to Broken Britain 
ブロークン・ブリテンに聞け Listen to Broken Britain 
著:ブレイディ みかこ
文芸(単行本)
EU離脱、広がる格差と分断、そしてコロナ禍……。政治、経済、思想、アート、映画、テレビ番組、王室、英語、パブ…など英国社会のさまざまな断片から、激動と混沌の現在を描く、時事エッセイ集。 〈目次〉 君は「生理貧困、ミー・トゥー!」と言えるか #芸術がウザくなるとき ブレグジットとUKコメディ 英国英語はしちめんどくさい エモジがエモくなさすぎて シェイクスピア・イン・エモジ パブvs.フードホール抗争に見る地べたの社会学 緊縮の時代のフェミニズム モナキー・イン・ザ・UK―ーMonarchy in the UK 『Brexit: The Uncivil War』 に見るエビデンスと言葉の仁義なき戦い Who Dunnit ?  マルクスの墓を壊したやつは誰だ 『負債論』と反緊縮――グレーバーが「経済サドマドキズム」と呼んだもの グレーバーの考察――労働者階級の「思いやり」が緊縮マインドを育てる 「UKミュージック」なるものの終焉 英国ワーキングクラス映画の巨匠が復活――ケン・ローチとシェーン・メドウズ 多様性はリアルでトリッキーでちょっとハードーーLGBT教育のもう一つの側面 「数字音痴」の弊害――英メディアが常に予想を外す理由 『さらば青春の光』とEU離脱 ブレグジットと英国王室の危険な関係(ちょっとしょぼいけど) 後戻りができないほどの後退 闇落ちしなかったジョーカーーー『ポバティー・サファリ』のロキについて 「言(ことば)」とレゲインーー『プリズン・サークル』が照らす闇 閉じて開いて――ブレグジット・ブリテンの次の10年 ザ・コロナパニックーーわたしを英国嫌いにさせないでくれ コロナの沙汰も金しだい ロックダウンのポリティクスーー右やら左やら階級やら そしてまた振り出しへ あなたがニュー・ディールですって? 隔世の感にファックも出ない
ファーブル君の妖精図鑑
ファーブル君の妖精図鑑
著:井上 雅彦
文芸(単行本)
特別奨学金までもらって進学した美術大学を中退し、母親の地元で働くことになった遠野真亜梨は、移動の電車の中で不思議な青年に出会った。車内の盗難事件の容疑者にされていた彼は、全身黒づくめので、虫眼鏡、虫取り網に胴乱を持ち、昆虫学者ファーブルのような出で立ちだった。刑事から、彼の持ち物であるスケッチブックを間違って渡された真亜梨はそこに記されていた観察記録に目を奪われた。そこには聞いたことのない生き物が、未来の死体の周りでスキップすると書かれていた……。不思議なもの達が生息する村で真亜梨とファーブル君のペアが謎の事件を解決する。
電子あり
扇物語
扇物語
著:西尾 維新,イラスト:VOFAN
文芸(単行本)
“洒落にならない化物でして。吸血鬼さえ、敵ではないほどの” 友人の食飼命日子に彼氏との仲違いを相談された阿良々木暦。 自身も戦場ヶ原ひたぎから別れを告げられたばかりだった――謝罪の言葉と共に。 騒動は怪異の仕業だと推理した暦は、 裏面にして怪異のエキスパート・忍野扇のもとへ向かう。 これぞ現代の怪異! 怪異! 怪異! 【収録作】おうぎライト/おうぎフライト
電子あり
その果てを知らず
その果てを知らず
著:眉村 卓
文芸(単行本)
幻想の世界と現実の世界を自由に行き来できる、世界でも希有な作家だった。 ――南山 宏(作家・元SFマガジン編集長) この人が歩んできた道の果てに、今の日本SFの輝きがある。 ――池澤春菜(声優・SF愛好家) 日本SF第一世代として活躍した眉村卓が晩年の病床で書き継いでいた遺作。SF黎明期に起こったこと、そして未来はどうなるのか―― 今から60年以上前、大学を卒業して会社員となった浦上映生は文芸の道を志し、SF同人誌「原始惑星」や創刊されたばかりの「月刊SF」に作品を投稿し始めた。サラリーマン生活を続け、大阪と東京を行き来しての執筆生活はどのように続いていったのか。 晩年の彼が闘病しつつ創作に向き合う日常や、病床で見る幻想や作中作を縦横無尽に交えながら、最期に至った“この世界の真実”とは。 これぞ最後の「眉村ワールド」!
揺籠のアディポクル
揺籠のアディポクル
著:市川 憂人
文芸(単行本)
孤立した無菌病棟に、少年と少女。 翌朝、一人だけになった。 ウイルスすら出入り不能の密室でーー 彼女を誰が殺した? ☆☆☆ 『ジェリーフィッシュは凍らない』の著者による 甘く切ない青春の痛みをまとった 本格ミステリ ☆☆☆ 半人形――それがコノハの最初の印象だ。 隻腕義手の痩せた少女が、タケルのただひとりの同居人だった。 医師の柳や看護師の若林とともに、病原体に弱い二人を守るはずだった無菌病棟、通称《クレイドル》。 しかし、ある大嵐の日、《クレイドル》は貯水槽に通路を寸断され、外界から隔絶される。 不安と焦燥を胸に、二人は眠りに就き、 ――そして翌日、コノハはメスを胸に突き立てられ、死んでいた。 外気にすら触れられない彼女を、誰が殺した?
ザ・ベストミステリーズ2020
ザ・ベストミステリーズ2020
編:日本推理作家協会
文芸(単行本)
短編ミステリー界の「日本代表」、ここに集結! 第73回日本推理作家協会賞短編部門受賞作 矢樹 純『夫の骨』も収録! プロの読み手たちが驚愕、興奮、大絶賛! 厳格な選考を勝ち抜いた珠玉の傑作のみを豪華収録。 極上の読書体験を約束する“唯一無二”のアンソロジー! 昨年1年間に発表されたあらゆる短篇推理小説の中から、日本推理作家協会の厳格な選考を通過した珠玉の傑作だけを豪華厳選収録。新鋭からベテランまでキャリアに関係なく、「とにかく面白くて優れた」短篇のみを集めました。巻末には昨年のミステリー界の動向を記した「推理小説・二〇一九年」に加え、推理小説関係の受賞作を完全網羅したリストも収録!
わたしが消える
わたしが消える
著:佐野 広実
文芸(単行本)
第66回江戸川乱歩賞受賞作! 綾辻行人氏(選考委員)、推薦。 「序盤の地味な謎が、物語の進行とともに厚み・深みを増しながら読み手を引き込んでいく」  元刑事の藤巻は、交通事故に遭い、自分に軽度認知障碍の症状が出ていたことを知り、愕然とする。離婚した妻はすでに亡くなっており、大学生の娘にも迷惑はかけられない。    途方に暮れていると、当の娘が藤巻を訪ね、相談を持ちかけてくる。介護実習で通っている施設に、身元不明の老人がいる、というのだ。その老人は、施設の門の前で放置されていたことから、「門前さん」と呼ばれており、認知症の疑いがあり意思の疎通ができなくなっていた。     これは、自分に課せられた最後の使命なのではないか。そう考えた藤巻は娘の依頼を引き受け、老人の正体を突き止めるためにたった一人で調査に乗り出す。  刻一刻と現れる認知障碍の症状と闘いながら調査を続ける藤巻は、「門前さん」の過去に隠された恐るべき真実に近づいていくーー。 残された時間で、自分に何ができるのか。 「松本清張賞」と「江戸川乱歩賞」を受賞した著者が描く、人間の哀切極まる社会派ミステリー!
pray human
pray human
著:崔 実
文芸(単行本)
ねえ君、わたしは生きていく。このクソみたいで美しい世界を。 魂を揺るがす、少女たちのレジスタンス。 創作が芥川賞候補になったわたしは、意外な人物からの電話を受ける。17歳のとき入院した精神科で、患者たちのボスを気取っていた「安城さん」だ。8年ぶりに再会した彼女は、別人のように痩せこけ点滴に繋がれながらも、変わらず悪態をつき、わたしの封印した記憶を甦らせていく。精神病棟で出会った仲間たちとの日々、救えなかった親友、そして子供時代の傷―ー。長い沈黙を越えて、わたしは真実を語り始める。 デビュー作『ジニのパズル』で群像新人文学賞、織田作之助賞、芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞した注目の新鋭が、傷ついた魂の再生を描く圧倒的感動作。第33回三島由紀夫賞候補作。
デリバリールーム
デリバリールーム
著:西尾 維新
文芸(単行本)
儘宮宮子のもとに一通の招待状が届いた。書かれていたのは―ー ・参加費50万円 ・幸せで安全な出産と、愛する我が子の輝かしい未来を獲得する未曽有のチャンスを進呈 ・デリバリールームへの入室が必須 尋常ではない申し出に困惑しつつも、宮子はこの招待を受けることにする。それぞれの事情を抱えた妊婦5人がそこに集った。一体何が始まるのか? そして誰に安産の女神は微笑むのか!?
電子あり
半沢直樹 アルルカンと道化師
半沢直樹 アルルカンと道化師
著:池井戸 潤
文芸(単行本)
★★★「半沢直樹」シリーズ6年ぶりとなる待望の最新作!★★★ 半沢直樹が絵画に秘められた謎を解く――。江戸川乱歩賞作家・池井戸潤の真骨頂ミステリー! 「やられたら、倍返しだ」。 明かされる真実に胸が熱くなる、シリーズの原点。 大ヒットドラマ「半沢直樹」シリーズ待望の最新刊、ついに登場! *** 東京中央銀行大阪西支店の融資課長・半沢直樹のもとにとある案件が持ち込まれる。大手IT企業ジャッカルが、業績低迷中の美術系出版社・仙波工藝社を買収したいというのだ。大阪営業本部による強引な買収工作に抵抗する半沢だったが、やがて背後にひそむ秘密の存在に気づく。有名な絵に隠された「謎」を解いたとき、半沢がたどりついた驚愕の真実とは――。 ***
私は女になりたい
私は女になりたい
著:窪 美澄
文芸(単行本)
これは私の最後の恋、なのだろうか。 妻でもなく、母でもなく、娘でもなく、ひとりの女になりたい。 恋愛小説の名手があなたを揺さぶる。 赤澤奈美は47歳、美容皮膚科医。カメラマンだった夫とは別れ、シングルマザーとしてひとり息子を育て、老いた母の面倒を見ながら仕事一筋に生きてきた。ふとしたことから、元患者で14歳年下の業平公平と、事故に逢うように恋に落ちてしまう。心を閉ざすように生きてきた奈美の、モノクロームだった世界が、色と音を持ち始めた。 もう一度、軽やかな私へ 美しい人生讃歌小説 ”本読みのプロ”たちから、続々と応援コメントが到着! タイトルのストレートさにざわついた。主人公の年齢も窪さんと重なっており、否が応にも自身の恋愛観や体験、女としての感情が色濃く反映されている。ぜひ、体性感覚で堪能していただければと思う――唯川 恵(作家) 生傷から血が滴るような序章にぐっと気持ちを掴まれた。恋とは時に凶器にもなり得ることを改めて突き付けられた――山本文緒(作家) 渡辺淳一の『失楽園』と好対照を成す作品。人生の秋を迎えた女性を主人公にして、女性の性を通した命の在り処に切り込んだのだ――内藤麻里子(書評家) 一人の女として、いくつになっても誰かを恋する自由を、そのことがごく当たり前のこととして認められる自由を、心を縛られない自由を欲しいのだ――吉田伸子(書評家) 一人の女性の鮮烈な生き様を描いた作品。ままならぬ空気の中で運命に翻弄されながらも強かに生きる女性の姿は著者の生き方そのものだ――内田剛(書評家) 大人になってこそ恋が必要なのかもしれない。年齢でもなく、世間でもなく、自分への諦めでもなく。だれかに恋をすることが、世界をちがったものにしてくれる――三宅香帆(書評家) 担当者より  大きな翼を持つ人生讃歌小説 かつて小説雑誌がたくさん読まれていたとき、「中間小説」と呼ばれるジャンルがありました。もともとは、純文学と大衆小説の中間の作品、と言った意味合いで、人生そのものを活写した大人の読み物がそれに当たると言われています。 窪美澄さんは、中間小説の当代一の書き手だなあとこの作品を読んで改めて感じました。人生には素晴らしいこともたくさん起こりますが、理不尽なこともたくさん転がっています。現実の憂さを、痛快なエンターテイメント小説で晴らすことも素敵ですが、窪作品のように理不尽を直視しつつ読者に寄り添ってくれる小説が、もっともっと読まれて欲しいと思います。 本作品の中心テーマは「アラフィフ女性の恋」ですが、それにとどまらない大きな翼を持っています。ぜひご一読ください。