講談社現代新書作品一覧

戦争の日本古代史 好太王碑、白村江から刀伊の入寇まで
戦争の日本古代史 好太王碑、白村江から刀伊の入寇まで
著:倉本 一宏
講談社現代新書
今日の近隣諸国との関係は、近現代史を追うだけではわからない!好太王碑が語る対高句麗戦惨敗の衝撃。史上最大の敗戦「白村江」。壬申の乱と北東アジア情勢。藤原仲麻呂独裁政権の新羅征討計画。藤原道長ら平安貴族を襲った「刀伊の入寇」――。話題作『蘇我氏』の著者が帝国日本の源流を探り、日本人の「異国」観がつくられていく過程を辿る、日本古代史の決定版! 今日の近隣諸国との関係は、近現代史を追うだけではわからない! 好太王碑が語る対高句麗戦惨敗の衝撃。 史上最大の敗戦「白村江」。 壬申の乱と北東アジア情勢。 藤原仲麻呂独裁政権の新羅征討計画。 藤原道長ら平安貴族を襲った「刀伊の入寇」――。 話題作『蘇我氏』の著者が帝国日本の源流を探り、日本人の「異国」観がつくられていく過程を辿る、日本古代史の決定版!
電子あり
みんなの朝ドラ
みんなの朝ドラ
著:木俣 冬
講談社現代新書
一時期、低迷していた朝ドラは、なぜ“復活”したのか。おしん、ちゅらさん、ちりとてちん、ゲゲゲの女房、カーネーション、あまちゃん、ごちそうさん、花子とアン、マッサン、あさが来た、とと姉ちゃん、べっぴんさん、ひよっこ……名作の魅力を解き明かすとともに、朝ドラが時代の鏡として日本人の姿をどれくらい映し出してきたかを、考察。朝ドラの“気になるところ”を脚本家に聞いてみた、制作者インタビューも特別収録! 一時期、低迷していた朝ドラは、なぜ“復活”したのか。 おしん、ちゅらさん、ちりとてちん、 ゲゲゲの女房、カーネーション、あまちゃん、 ごちそうさん、花子とアン、マッサン、あさが来た、 とと姉ちゃん、べっぴんさん、ひよっこ…… 名作の魅力を解き明かすとともに、 朝ドラが時代の鏡として日本人の姿を どれくらい映し出してきたかを、考察。 ---------- SNSでの反応って気になるものですか? 朝ドラだからできること、できないことの制約ってあるのですか? 朝ドラの“気になるところ”を脚本家に聞いてみた、 制作者インタビューも特別収録! ---------- ファン待望、著者渾身の朝ドラ論! あなたにとって、「思い出の朝ドラ」は何ですか? ---------- ◆本書のおもな内容◆ 序 章 2010年代、朝ドラの何が変わったのか ――『ゲゲゲの女房』ほか 第1章 国際結婚とつかこうへいイズム――『マッサン』 第2章 食らうことは生きること――『ごちそうさん』 第3章 妾と女中と正妻と――『あさが来た』 第4章 純愛と道ならぬ恋――『花子とアン』 第5章 生涯独身ヒロイン、あらわる――『とと姉ちゃん』 第6章 シングルマザーの現実と誇り――『私の青空』 第7章 産めよ育てよ働けよ――『べっぴんさん』 第8章 辛抱だけじゃなかった――『おしん』 第9章 人生なめ過ぎな主人公――『まれ』 第10章 朝ドラを超えた朝ドラ――『カーネーション』 第11章 影武者に光を――『あまちゃん』 第12章 朝ドラはこうしてつくられる:岡田惠和インタビュー ――『ちゅらさん』『おひさま』『ひよっこ』 第13章 “朝ドラらしさ”とは何か:大森寿美男インタビュー ――『てるてる家族』
電子あり
東芝解体 電機メーカーが消える日
東芝解体 電機メーカーが消える日
著:大西 康之
講談社現代新書
 巨大な負債を抱え、会社解体の危機に喘ぐ東芝――いや、東芝だけではない。かつて日本企業を代表する存在だった総合電機が軒並み苦境に陥っている。東芝・ソニー・日立ほか大手8社の歴史や経営を詳細に分析することで日本の総合電機がはまった巨大な陥穽を描く。名著『失敗の本質』総合電機版とも言える1冊。 【担当者挨拶】 本書が生まれたきっかけは、著者となるジャーナリストの大西康之氏が語った次のセリフでした。 「東芝をはじめとする日本の大手電機メーカーは、国内に築かれた、ある二つの巨大な『ファミリー』に所属することで、これまで計り知れぬほどの恩恵を受けてきました。そしてそのファミリーというシステムそのものが、結果的に総合電機を衰退させる大きな原因にもなりました。その構造を知らずに、昨今の総合電機の凋落を真に理解することは難しいんです」 日本の電機メーカーが属していた二つの「ファミリー」とは何か。そのファミリーがなぜ、電機メーカーを育て、そして衰退させる原因になったのか――本書の序章はその「謎解き」「種明かし」。ファミリーの正体について大胆に迫っていきます。 続く第1章~第8章では、日本を代表する大手電機メーカー8社を詳細に分析し、日本の電機が負け続けた「本当の原因」「失敗の本質」に迫っています。目次を一部抜粋してみます。 東芝・・・      待ち受ける”廃炉会社”への道 NEC・・・      通信自由化時代30年を無策で過ごした シャープ・・・    台湾・ホンハイ傘下で再浮上 ソニー・・・     脱エレクトロニクスで見えてきた光明 パナソニック・・・ 「車載電池」「住宅」の次に目指すもの 日立製作所・・・ 「技術の日立」を過信し、消費者を軽んじた 三菱電機・・・   実は構造改革の優等生? 富士通・・・    進取の気性を失い、既得権にしがみつく 表現に最新の注意を払いつつも、本書では「次に危ないのはどこ?」「生き残る会社は?」といった点にも触れています。大西氏の言葉を借りるならば、そのヒントは「適者生存」「恐竜は滅ぶ。生き残るのは哺乳類」といったあたりにありそうです。(HA) 【内容紹介】  巨大な負債を抱え、会社解体の危機に喘ぐ東芝――かつて日本企業を代表する存在だった総合電機が軒並み苦境に陥っている。東芝・ソニー・日立ほか大手8社の歴史や経営を詳細に分析することで日本の総合電機がはまった巨大な陥穽を描く。名著『失敗の本質』総合電機版とも言える1冊。
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真説・企業論 ビジネススクールが教えない経営学
真説・企業論 ビジネススクールが教えない経営学
著:中野 剛志
講談社現代新書
日本経済はなぜ長期停滞しているのか。起業の活力もイノベーションの条件も不足しているからなのか。通説を覆し本当の可能性を探る。 ベンチャー企業とイノベーションについて本書で言及する5つの論点。 ・アメリカはベンチャー企業の天国ではない。アメリカの開業率はこの30年間で半減している。 ・アメリカのハイテク・ベンチャー企業を育てたのは、もっぱら政府の強力な軍事産業育成政策である。 ・イノベーションは、共同体的な組織や長期的に持続する人間関係から生まれる。 ・アメリカは新自由主義的改革による金融化・グローバル化が進んだ結果、生産性は鈍化し、画期的なイノベーションが起きなくなっている。 ・日本はアメリカを模範とした「コーポレート・ガバナンス改革」を続けた結果、長期の停滞に陥っている。 これらの実態を知ったうえで、企業が目指すべき方向とは?
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タロットの秘密
タロットの秘密
著:鏡 リュウジ
講談社現代新書
タロットカードは、なぜ謎めいた存在になったのか。最新の研究成果を盛り込み、タロットカードが占いのために使われるようになった歴史や背景を解明する。また、絵の図像の文化的背景から、「鏡リュウジ流」解釈までを丁寧に解説し、具体的な占い方までを紹介。これ一冊で、タロットのすべてがわかる。タロットはもちろんのこと、西洋魔術やオカルト、ユング心理学に興味を持つすべての人、必携の本格的入門書。 タロットカードは、なぜ謎めいた存在になったのか。 最新の研究成果を盛り込み、タロットカードが占いのために使われるようになった歴史や背景を解明する。また、絵の図像の文化的背景から、「鏡リュウジ流」解釈までを丁寧に解説し、具体的な占い方までを紹介。 これ一冊で、タロットのすべてがわかる。 タロットはもちろんのこと、西洋魔術やオカルト、ユング心理学に興味を持つすべての人、必携の本格的入門書。
電子あり
勇敢な日本経済論
勇敢な日本経済論
著:高橋 洋一,著:ぐっちーさん
講談社現代新書
面白くて簡単に日本経済再生の論点がつかめて、読んだその日から政治経済ニュースの見え方が一変する、「ザ・対談」が実現しました! 消費税を上げないと財政破たんするのか? そもそも円高がいいのか円安がいいのか? 少子高齢化は悪いことばかりなのか? アベノミクスは失敗なのか? トランプ大統領とどう付き合えばよいのか? 論客二人が役人の問題を明らかにして日本経済復活への近未来を大胆かつ華麗に予測しました。 面白くて簡単に日本経済再生の論点がつかめて、読んだその日から政治経済ニュースの見え方が一変する、「ザ・対談」が実現しました! 財務省から地方自治体まで役人のどこが問題か、マスコミ報道にはどんなバイアスがかかっているのかが明らかになります。 本当に消費税を上げないと財政破たんしてしまうのか? なぜ多くの地方再生が苦戦しているのか? 規制緩和はなぜ進まないのか? そもそも円高がいいのか円安がいいのか? 少子高齢化は本当に悪いことばかりなのか? アベノミクスは失敗なのか、そうでないのか? そしてトランプ大統領のアメリカとどう付き合えばよいのか? 日本経済の底力を知り、役人の限界を知る二人が、時に真っ向対決、時に知恵を出し合い、近未来を大胆かつ華麗に予測しました。 ぐっちーさんは、トランプ大統領の窮地を救った過去があり、高橋センセイは安倍首相の絶頂とどん底時代に付き合っており、日米トップをよく知っています。経済知識と具体的提案と話芸の共演、必読です!
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捨てられる銀行2 非産運用
捨てられる銀行2 非産運用
著:橋本 卓典
講談社現代新書
ベストセラー『捨てられる銀行』が明らかにした森信親・金融庁長官の金融大改革。第2弾は「資産運用の大改革」だ。キーワードは「フィデューシャリー・デューティ」。いま、銀行や生保、証券会社が売る金融商品の多くは高額手数料を取れる金融機関本位の商品ばかり。森長官の資産運用改革はここに厳しいメスを入れつつある。「愛される」のか「捨てられるのか」。森長官の真意をいち早く見抜くために全金融機関関係者必読の書。 ベストセラー『捨てられる銀行』が明らかにした森信親・金融庁長官の地域金融大改革。実は、森長官の金融改革にはもう一つの大きな柱がある。それが資産運用の大改革である。日本の「資産運用」が、何も産まない「非産運用」になり、「悲惨運用」となっている現実を変えようというのだ。 キーワードは「フィデューシャリー・デューティ」。 受託者責任と訳されてきたが、森長官の定義は「真に顧客本位の業務運営をする義務」となる。 いま、銀行や生保、証券会社が「お客様の資産運用のため」というトークで売る金融商品の多くは高額手数料を取れる金融機関本位の商品ばかり。銀行の窓口で勧められる「外貨建て貯蓄性保険商品」はその最たる例だ。 森長官の改革は顧客本位でない営業姿勢を続ける全金融機関を「見える化」して、自然淘汰に追い込む。 金融庁ではなく顧客の方を見るべきとの真意をいち早く見抜き「信じられる金融機関」に体質改善しないと、銀行も生保も証券会社も「捨てられる」時代が来る。 1995年の家計金融資産を1とすると、米国は3倍強、英国は2.8倍に膨らんでいるが、日本は1.47倍止まり。その差を家計に取り戻すための大改革が始まるのだ。 金融機関関係者必読、今後10年の資産運用の趨勢を掴んだものだけが生き残る。
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牙を研げ 会社を生き抜くための教養
牙を研げ 会社を生き抜くための教養
著:佐藤 優
講談社現代新書
胃袋がちぎれるような毎日を送る企業人必読! 〈知の巨人〉が、ビジネスパーソンに送る、知力と人間力を高める驚きの講義!「旧日本陸軍マニュアルに学ぶ仕事術」「世界のエリートの思考法を理解するための宗教入門」「論理の崩れを見抜く力の鍛え方」「地政学を知ることで、激動する国際情勢がわかる」「資本主義という世の中のカラクリを掴む」「エリートの数学力低下という危機」「本をいかに選び、いかに読むか」…… 胃袋がちぎれるような毎日を送る企業人必読! 〈知の巨人〉が、ビジネスパーソンに送る、知力と人間力を高める驚きの講義! ・旧日本陸軍マニュアルに学ぶ仕事術 ・世界のエリートの思考法を理解するための宗教入門 ・論理の崩れを見抜く力をいかに鍛えるか ・地政学を知ることで、激動する国際情勢がわかる ・資本主義という世の中のカラクリをつかむ ・これだけは知っておきたい日本近現代史 ・エリートの数学力低下という危機 ・本をいかに選び、いかに読むか…… 会社の内外を生き抜くために欠かせないほんとうの教養とは? 組織論から宗教学の基本まで、知の巨人が総合知を伝授! 「私は『教養のための教養』という類いの教養主義には反対だ。教養は、直接もしくは間接に、仕事や生活と結びつかなくてはならないと思っている。私自身が過去に教養関連で出したのはほとんどが、『間接に』役立つ、哲学、神学、マルクス経済学、歴史学などの本だった。今回は、『直接に』役立つ本を作ってみようと思った」 「ビジネスパーソンは、激しい競争のなかで生きている。この現実を踏まえたうえで、教養について考えてみた。誰も公言はしないが、組織のなかで生き残るためには『狡さ』が必要だ。例えば、本書のなかでも強調しているのが、独断専行だ。一般には独断専行は、旧大日本帝国の悪弊で、組織の病理であると断罪されている。しかし、実際、官庁でも民間企業でも、仕事で評価される人は、独断専行の使い方をよく心得ている。ただし、状況判断をせずに独断専行をすると、過剰な責任を追及されるリスクがある。落とし穴に落ちないように注意しつつ、上手に立ち回る方法についても本書ではかなり踏み込んで書いた」--(「まえがき」より)
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カラー版 東京の森を歩く
カラー版 東京の森を歩く
著:福嶋 司
講談社現代新書
東京散歩に必携の一冊!水元公園、飛鳥山公園、新宿御苑、明治神宮、自然教育園、石神井公園、神代植物公園、野川、八国山、横沢入、高尾山、御岳山……東京の自然は、これだけ豊かだった! 高層ビル、住宅地に囲まれた都会の多様な自然を楽しむための決定版ガイド。カラー写真多数! 東京散歩に必携の一冊! 東京の自然は、これだけ豊かだった! 高層ビル、住宅地に囲まれた都会の多様な自然を楽しむための決定版ガイド。カラー写真多数!  本書に登場する東京の森 東京低地の森 「浜離宮」/「清澄庭園」/「東京港野鳥の森公園」/「水元公園」 武蔵野台地東部の森 「皇居・東御苑」/「飛鳥山公園」/「小石川植物園」/「六義園」/「新宿御苑」/「明治神宮」/「自然教育園」/「林試の森公園」/「石神井公園」/「井の頭公園」 武蔵野台地西部の森 「神代植物公園/「小金井公園」/「野川と国分寺崖線」/「武蔵国分寺」/「府中市大國魂神社」 武蔵野台地と奥多摩をつなぐ「丘陵地の森」 「八国山」/「横沢入」 東京の山地・奥多摩の森 「高尾山」/「御岳山」/「水源林」/「三頭山」 守り・育て・創られている森 「柳窪」/「一橋大学」/「海の森」
電子あり
京都のおねだん
京都のおねだん
著:大野 裕之
講談社現代新書
お地蔵さんの貸出料は3000円、発売第一号の抹茶パフェは1080円、では舞妓さんとのお茶屋遊びは? 京都では値段が前もって知らされないことも多く、往々にして不思議な「おねだん」設定に出くわす。京都を京都たらしめているゆえんともいえる、京都の 「おねだん」。それを知ることは、京都人の思考や人生観を知ることにつながるはず。京都歴二十余年、サントリー学芸賞受賞の気鋭の研究者が解読する、京都の秘密。 なぜこれがこんな高いのか、あんな安いのか、なんで無料なのか、そもそもあんなものになんでおねだんがつくのか―― 大学進学以来、京都住まい二十余年。往々にしてそんな局面に出くわした著者が、そんな「京都のおねだん」の秘密に迫る。 そもそも「おねだん」の表示がされていない料理屋さん、おねだん「上限なし」という貸しビデオ屋、お地蔵さんに生ずる「借用料」。 そして究極の謎、花街遊びにはいくらかかる? 京都人が何にどれだけ支払うのかという価値基準は、もしかしたら京都を京都たらしめているゆえんかもしれない。 京都の「おねだん」を知ることは、京都人の思考や人生観を知ることにつながるはず。 2015年サントリー学芸賞芸術・文学部門を受賞、気鋭のチャップリン研究者にして「京都人見習い」を自称する著者による、初エッセイ。
電子あり
2025年 日本の農業ビジネス
2025年 日本の農業ビジネス
編:21世紀政策研究所
講談社現代新書
低迷する日本経済復活の切り札は「農業輸出大国化」だ! 経済・IT・農政のプロたちが描く、新たな農業のビジネスモデルと力強い未来像。 【担当者挨拶】  「もっと大規模化、もっと企業による組織化が進まなければ、日本の農業に未来はありません」。最初、研究会のメンバー――いずれも農業・農政の専門家――が口々にそう主張するのを末席で拝聴しながら、正直な話、私は強い反発を覚えていました。「じゃあ、安い輸入品に押されながらも、なんとか細々と続けている小規模農家はどうするんだ」と。元来、私は疑り深い性格なので、話を聞いているうちに、「経団連のシンクタンクで行われている研究会だから、はじめから企業寄りのスタンスで結論を出そうとしているんじゃないか」と勘ぐったこともありました。しかし、あるメンバーの次の一言が耳に刺さりました。「日本は農業を守ることにこだわりすぎて、結果的に農業を衰退させてしまったんだと思います」。それから、約半年にわたって、メンバーの皆さんの話を聞き続けました。「日本の農産物の中には、海外で人気が出そうなものがたくさんあるのに、制度やシステムの不備によって『農業輸出大国』になりきれずにいる」「これまでの日本の農政が農業を衰退させてきただけでなく、消費者に高い負担を強い続けてきた」「ITや農政改革、国家戦略特区の創設によって、新しい農業のスタイルが少しずつ日本にも誕生しつつある」……。こうした話を聞き、そして実際に自分でも調べてみることで、「なるほど」と思うことが次第に増えていきました。日本の農業の未来について書かれた本は、いくつか存在しますが、「制度」や「構造」といったマクロな視点から、「何が問題で」「どうすればいいのか」をしっかり論じた本は意外とありません。本書は、農政・IT・経済そして農業の専門家が、それぞれの分野から「日本農業の未来」を分析した真面目でかつわかりやすい本です。日本の農業の未来を案じる方、そして以前の私のように「農業の組織化・大規模化」に対してなんとなく警戒心や反発を感じる方にこそぜひ読んでいただけたらと思っています。ちょっと制度や仕組みや考え方が変われば、すぐに日本農業の明るい未来が見えてくるはずです。(HA)
ビートたけしと北野武
ビートたけしと北野武
著:近藤 正高
講談社現代新書
俳優としてこれまでドラマ・映画に数多く出演したきたビートたけしは、金嬉老、3億円事件の犯人、大久保清、東条英機、田岡一雄、千石剛賢など、実にさまざまな実在する人物を演じてきた。そこでは、差別・暴力・宗教など、日本社会ではタブーとされがちなテーマが取り上げられている。そうした出演作品を軸に、現代社会の「欺瞞」、そして「ビートたけし」と「北野武」の「二面性」にも迫った、画期的論考! 差別・暴力・宗教・科学… 現代社会の「欺瞞」、そして「ビートたけし」と「北野武」の 「二面性」にも迫った、画期的論考! ----- 今年1月、「お笑いBIG3」の一人、ビートたけしが古希を迎えました。 もともと漫才師として出発した彼は、本名の北野武名義で 映画監督として活躍すると同時に、 俳優としてもドラマ・映画に多く出演し、存在感を示してきました。 そこでは、実在する著名人や現実に起こった社会的事件の当事者を 演じたことも少なくありません。 たとえば、1968年の出来事と出演したドラマを重ねると、こんな感じになります。 ・2月、ビートたけし(A)が静岡県で暴力団員を殺害後、寸又峡の旅館に立て籠もる ・12月、ビートたけし(B)が東京・府中市で現金輸送車を乗っ取る ・なお、この強奪現場と塀を挟んで向こう側の府中刑務所には、強姦致傷事件でビートたけし(C)が服役していた もちろん、実際には、(A)=金嬉老、(B)=3億円事件の犯人、(C)=大久保清 となるわけですが、これら以外にも、たけしは東条英機、田岡一雄、千石剛賢、 エホバの証人輸血拒否事件で死亡した男児の父親、豊田商事会長刺殺事件の 犯人など、実に多くの人物を演じてきました。 以上の作品では、宗教・暴力・差別など、日本の社会ではタブーとされがちな テーマが取り上げられています。 そこで本書では、出演したドラマ・映画作品を補助線としつつ、 彼の半生や二面性について、戦後ニッポンの変容を重ね合わせながら論考します。 これまでにないたけし論、日本社会論として一気読み必至の一冊! ----- ◆本書のおもな内容◆ 序 章 たけしの演じた人物で年表をつくってみた 第1章 母親の喪失――大久保清と北野武を分けたもの 第2章 差別と暴力――金嬉老・三億円事件・写真週刊誌 第3章 宗教と科学――イエスの方舟・エホバの証人・バイク事故 終 章 戦後ニッポンに内在する二面性と欺瞞
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日本経済入門
日本経済入門
著:野口 悠紀雄
講談社現代新書
日本経済は構造的問題を抱えている。1990年代以降、多くの指標が長期にわたる日本経済の低迷を示してきたが、抜本的な改革には手をつけられることはなく、25年以上が浪費した。数年来、大規模な金融の量的緩和が問題を解決するような錯覚を与えているが、幻想にすぎない。事実、株価こそ上がったもの、実態経済が回復する兆しは見えない。危機的な状況にある日本経済のリアルな実態とはいかなるものか。 本書はリアルな日本経済の入門書である。単に日本経済の現状がどうなっているかを説明するだけではなく、現状の認識の上に立って、どこにどのような問題があるかを明らかにし、問題の処方箋を呈示している。 日本経済は様々の困難な問題を抱えている。とりわけ問題なのは、1990年代の中ごろをピークとして、さまざまな経済指標が減少傾向を示している点だ。背景には、人口構造が高齢化しつつあるという問題があるが、それだからこそ、経済の生産性を向上させる必要に迫られている。 しかし、日本では、この3年間、金融緩和政策に大きな関心が集まり、日本経済の抱える問題が金融緩和によって解決されるような錯覚に陥ってきた。しかしながら、結局のところ、未曾有の量的緩和政策は、株価を一時的に上昇させただけで、実態経済は依然として低迷している。日本経済の抱える問題は、金融緩和だけで解決できるものでないのだ。 日本はこの3年間という貴重な時間を無為に過ごし、無駄にした。しかし今からでも遅くはない。日本経済の発展のためになすべきことはたくさんある。それを明らかにするのが本書の目的だ。
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新版 うつ病をなおす
新版 うつ病をなおす
著:野村 総一郎
講談社現代新書
旧版の刊行から12年。うつ病に関する研究および治療は大きな発展を遂げました。本書は、旧版では取り扱われなかった「現代うつ病」「双極性障害との違い」「適応障害」「老年うつ病」などといった、最新知見を取り入れてアップデート。もっとも信頼される名医が回復法を紹介します。 もっとも信頼される名医によって体系的に治療法が書かれた旧版は、版を重ねて現在13刷になります。 しかし、うつ病に関する研究や治療法はこの10年で大きな変化を遂げました。 この新版では、あらたに登場した「現代うつ病」の治療法や、元は一緒にされてしまっていた「双極性障害との治療法の違い」、患者数が増加している「適応障害」についても述べます。 うつ病の最新知見を盛り込み、その実際の治療をわかりやすく教える一冊。 <主な内容> プロローグ 新版の刊行にあたって 1章 うつ病の症状と診断 2章 メランコリー型うつ病 3章 現代うつ病 4章 特殊なタイプのうつ病 5章 うつ病との鑑別が必要な病気 6章 うつ病の治療メニュー 7章 うつ病にかからないための考え方改造法 8章 うつ病はなぜ生じるのか おわりに
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海の向こうから見た倭国
海の向こうから見た倭国
著:高田 貫太
講談社現代新書
倭も百済、新羅、加耶などの朝鮮半島の国々の歴史も従来は、すでに国が存在することを前提として語られてきました。しかし近年の日韓両国の考古学の進展により、事実はそれよりも複雑だったことが明らかになってきました。交易の主役は「中央」ではなく様々な地方の勢力だったのです。倭一国だけを見ていては見えないことが、朝鮮半島という外部の目から見えてくる。歴史研究の醍醐味を味わうことのできる1冊です。  倭も百済、新羅、加耶などの朝鮮半島の国々の歴史も、従来は、すでに国が存在するものとして語られてきました。強力な権力を有する中央(倭の場合にはヤマト王権)が鉄などの必需品の対外交易を一手に掌握し、地方の権力者に分配していたというイメージです。  しかし近年の日韓両国の考古学の進展により、事実はそれよりももっと複雑だったことが明らかになってきました。  日本の古墳からは朝鮮系の遺物が、朝鮮半島の古墳からは倭系遺物が数多く出土しています。のみならず、朝鮮半島南西部には倭独自の古墳である前方後円墳が築かれた時期さえありました。両者の交易は多様で、その中心をになったのは「中央」ではなく、むしろ大小様々な地方の勢力だったのです。  対外交易ルートをヤマト王権が手中に収めたのは通説よりもかなり遅い六世紀の前半で、北九州の「君主」だった磐井を倒したことによって、ようやくその長いプロセスは完成した、そう著者は考えます。  倭一国の中だけを見ていては見えないことが、朝鮮半島という外部の目を使うことによって見えてくる。歴史研究の醍醐味を味わうことのできる1冊です。
電子あり
アメリカ帝国の終焉 勃興するアジアと多極化世界
アメリカ帝国の終焉 勃興するアジアと多極化世界
著:進藤 榮一
講談社現代新書
世界を徘徊するポピュリズムとテロリズムという二匹の妖怪。ブレグジット、トランプ・ショック、その次は? アメリカ大衆の反逆、泥沼化する中東、勃興するアジア型資本主義――、多極化世界の新しい見取り図とは? 変貌する国際関係を追跡してきた著者が、アメリカ・デトロイト、インドネシア・ジャカルタ、中国・寧夏、日本・北海道を歩きながら描き出す、グローバリズムを日本が生き抜くための知恵。 世界を徘徊するポピュリズムとテロリズムという二匹の妖怪。ブレグジット、トランプ・ショック、その次は? アメリカ大衆の反逆、泥沼化する中東、勃興するアジア型資本主義――、これが多極化世界の新しい見取り図だ! 世界最大の自動車生産都市として栄華を誇ったアメリカ・デトロイトの荒廃が示す、「ものづくり資本主義」から「金融証券資本主義」への変貌。首都ワシントンの職業政治家、ウォール街への大衆の反逆。 アフガニスタン、イラク、そしてシリアと、中東でつづけられる「もっとも長い戦争」の裏で進む、アメリカの「軍産官複合体」国家化。 その一方で、インドネシア・ジャカルタや中国・寧夏の喧噪が示す、欧米型とは異なる新興アジア型資本主義の興隆。 米欧日などの先進国から、中国やインドなど新興国への主軸転換、南北が逆転しつつある、新しいグローバリズムを、北海道・十勝をはじめとした、日本の地方の中小企業はどう生き抜こうとしているのか。 トランプ・ショック以後の、「同盟の作法」を、長年、国際政治を追跡してきた著者が描き出す。
電子あり
楽しく学べる「知財」入門
楽しく学べる「知財」入門
著:稲穂 健市
講談社現代新書
知的財産権には主なものだけで、著作権、商標権、特許権、実用新案権、意匠権という5つの権利がある。しかし日本人は、そんな様々な知的財産権が、頭の中できちんと整理できていない。本書は、5つの権利の違いやその関わり合い方を正しく理解してもらうこと、さらに、「その行為は権利侵害なのか?」という判断についても、ある程度正しくできるスキルを自然と身につけてもらうことを目指したものである。 これからの時代、知的財産の世界をどこまで知っているかどうかが、企業や個人が生き残る決め手となる!! 知的財産権には、小説・絵画・音楽などの著作物に関する「著作権」、発明に関する「特許権」、物品の形状や構造などの考案に関する「実用新案権」、物品のデザインに関する「意匠権」、商品・サービスに付ける営業標識に関する「商標権」などがある。 これらについて、「具体的にどんなものなのかよくわからない」「自分の仕事や生活と関係ないから別に知らなくてもいい」という方は多いのではないだろうか? だが、悠長なことなど言っていられない。たとえば、パソコンやスマートフォンの爆発的普及と通信網の発達によって、私たち自身も、他人が創作したコンテンツを自分のコンテンツに取り込むことで、無意識のうちに他人の知的財産権を侵害している可能性もある。 現代社会において知的財産権に関する知識をしっかり身に付けることは、企業や個人が生き残るために必要不可欠となっているのだ。本書は、知的財産権を本格的に勉強したことのない一般読者の方々に、知らないでは済まされない「知財」について理解してもらうことを目指した。 そのために、次のような面白くてためになる具体的事例を、ふんだんに取り上げている。 ●佐野研二郎氏の「東京五輪エンブレム」は何が問題だったのか? ●エコハちゃんはピカチュウの著作権侵害ではなかった? ●槇原敬之氏と小保方晴子氏が『銀河鉄道999』をパクった? ●「ファイトー、イッパーツ」も登録商標!? ●なぜ「どこでもドア」は登録OKで、「お魚くわえたどら猫」は登録NGだったのか? ●「1・2・3・ダァーッ!」と叫んだら商標権侵害なのか? ●鳩山幸氏が発明したキッチンパーツの特許出願の行方 ●メリー喜多川氏の考案した「早変わり舞台衣裳」の秘密 ●孫正義氏が特許を取ったゴルフシミュレーションゲーム環境装置とは? ●「自撮り棒」と「3Dプリンタ」の特許出願は早すぎた? ●スーパーカブの権利とヤクルト容器の権利が突然復活したワケ ●東京ドームを勝手に撮影したら肖像使用料を取られる? 知的財産の世界が、大笑いできるほど面白かったなんて!
電子あり
話すための英語力
話すための英語力
著:鳥飼 玖美子
講談社現代新書
「英語をうまくしゃべれるようになりたい」は見果てぬ夢でしょうか。日本人の「英語苦手意識」の根幹には、外国人を前にすると緊張し、言葉を即座に発することができないことにあります。短い言葉で切り抜けようとしたり、思い出せるフレーズを連発するだけで、話が続かない、自分の意見を言わない等、落ち込んでしまいます。こうした状況を打破する最良のストラテジーを同時通訳者としての経験豊富な著者が丁寧に指導します 幕末から現在に至るまで、日本人を魅了してやまない「英語」。 「英語をうまくしゃべれるようになりたい」は見果てぬ夢なのでしょうか。日本(もしくは日本人)が抱えている「英語コンプレックス」の根幹にあるのは、外国人を前にすると萎縮してしまい、言葉を発することができないことにあります。いわゆる「外国語不安」です。 短い言葉で切り抜けようとしたり、思い出せるフレーズを連発するだけで、相手と話が続かない(続けようとする意思がないと見られても仕方がない応答をします)、自分の意見を言わない(そうした日本人特有の習慣があることも事実です)等、相手よりも話し手の自分の方が落ち込んでしまうのが現状です。 こうした「英語コンプレックス」を打破するための最良の「コミュニケーション・ストラテジー」を同時通訳者としての経験豊富な著者が丁寧に教授します。 1・会話の「目的」は何か 2・会話では「場」を読む 3・会話の「参加者」と向き合う 4・困った時の最強の作戦 5・異文化コミュニケーション理解 6・英語学習の真実 以上に的を絞って分かりやすく解説します。
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入門 東南アジア近現代史
入門 東南アジア近現代史
著:岩崎 育夫
講談社現代新書
6億4000万人の巨大市場の「いま」がわかる決定版!土着国家から欧米の植民地へ、日本による占領統治、戦後の経済発展、ASEAN経済共同体の誕生――。ホー・チミン、スカルノなど独立指導者のドラマ。ベトナム戦争、カンボジア内戦の悲劇。シンガポール、マレーシアの経済発展の光と影。フィリピン、タイ、ミャンマーの民主化運動――、ASEAN地域の過去・現在・未来を読む。 6億4000万人の巨大市場の「いま」がわかる決定版! 土着国家から欧米の植民地へ、日本による占領統治、戦後の独立と経済発展、そしてASEAN経済共同体の誕生――。 ベトナムやタイを流れるメコン川、ボルネオ島のジャングル、バリ島の棚田、近代都市シンガポールやクアラルンプールの高層ビル群……。東アジアの中国、南アジアのインドとくらべると、一つのイメージではとらえられない東南アジア。 東南アジア全体に駐在している日本人の数でいえば、中国よりも多い、関わりの深い地域であるにもかかわらず、多くの日本人にとってはよくわからない、東南アジアの現在に至る歩みを、「多様性の中の統一」というキーワードに着目しながら描き出す。 ベトナムのホー・チミンやインドネシアのスカルノなど、独立指導者のドラマ。 ベトナム戦争、カンボジア内戦の悲劇。 シンガポール、マレーシアの経済発展の光と影。 フィリピン、タイ、ミャンマーの民主化運動――、 500年の人びとのドラマを辿りながら、存在感を増すASEAN地域の過去・現在・未来を読む。
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<軍>の中国史
<軍>の中国史
著:澁谷 由里
講談社現代新書
<軍-をキーワードに、古代から現代にいたる長い中国の歴史を繙くことによって、中国という国の知られざる「本質」が解き明かされてゆきます。 「よい鉄は釘にならず、よい人は兵にはならない」、中国で古来、そう言い習わされてきました。儒教の教えを国是とする「文の国」では、大昔から軍隊は軽蔑の対象でしかなかったのです。  とは言え、島国日本とは違って常に北方の遊牧民族の脅威にさらされていた中国は、軍隊を蔑ろにするわけにも行きません。軍が弱くなれば、あっという間に異民族に征服されてしまうからです。この脅威に、近代における日本の侵略に至るまで、中国は長い間さらされ続けていました。-軍-という「必要悪」といかにうまく付き合うか、このジレンマが、じつは中国史を背後から動かす、もっとも重要なファクターだったのです。  現在、中国の示威的な行動が、国際社会との軋轢を生み出しています。なぜ中国がこのような理不尽な行動に出るのか、われわれには不可解なばかりですが、著者の見立てでは、これは習近平をトップとする現在の中国の基盤の脆弱さの表れだということです。戦前の関東軍ではありませんが、軍部の暴走を指導部が押さえることができず、追認している可能性さえもあるのです。仮に指導部が軍に対して強硬手段に出ると、暴力の刃は逆に自分たちに向けられるかも知れない。前近代の皇帝たちと同じジレンマに、じつは現代中国も悩まされており、指導部は、非常に危ういバランスの上に立った舵取りを強いられているのです。 <軍-をキーワードに、古代から現代にいたる長い中国の歴史を繙くことによって、中国の知られざる「本質」が解き明かされてゆきます。
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