講談社文庫作品一覧

エルニーニョ
エルニーニョ
著:中島 京子
講談社文庫
暴力男の留守を狙い、一週間ぶりに外出した瑛。公園で出会った謎の中年女は、『森のくまさん』を歌って言った。この歌にはあなたへのメッセージが隠れてる。「お嬢さん、今すぐそこから逃げなさい」。瑛は南へ旅立ち、ホテルで一本の留守番電話を聞いた。「ボート乗り場に十時でいいですか?」。瑛は待ち合わせ場所に向かうことを決める。それが運命を劇的に変える出会いだとは知らずに。直木賞作家渾身の、希望溢れる長編小説。 外出すら許さない暴力男の留守を狙い、一週間ぶりに遠出をした瑛。 上野公園で出会った謎の中年女は、『森のくまさん』を歌って言った。すべての歌には、物語には、受け取った人だけがわかるメッセージがある。この歌にも、あなたへのメッセージが隠れてる。 お嬢さん、今すぐそこから逃げなさい――。 男から逃れた南国のホテルで、瑛は一本の留守番電話を聞いた。 「とても簡単なのですぐわかります。市電に乗って湖前で降ります。とてもいいところです。ボート乗り場に十時でいいですか?」 待ち合わせ場所にいたのは、ニノと名乗る謎の少年だった。 直木賞作家渾身の、希望溢れる長編小説。
電子あり
東京影同心
東京影同心
著:杉本 章子
講談社文庫
金子弥一郎は慶応3年に異例の若さで定町回(じょうまちまわ)り同心となったものの、幕府は瓦解して町奉行も消滅。新政府に仕官した同僚の誘いにも気が進まず、元岡っ引の始めた料理茶屋に居候を決め込んだが、ひょんな縁で佐幕派の「中外新聞」で種取り記者として探索にあたることに。元「八丁堀」同心の矜持を描く傑作長編。(講談社文庫) 「江戸の町衆を守る」捕亡(とりもの)一筋の弥一郎が選んだ生き方とは? 御一新に「八丁堀」同心がつける男の始末。 金子弥一郎は慶応3年に異例の若さで定町回(じょうまちまわ)り同心となったものの、幕府は瓦解して町奉行も消滅。新政府に仕官した同僚の誘いにも気が進まず、元岡っ引の始めた料理茶屋に居候を決め込んだが、ひょんな縁で佐幕派の「中外新聞」で種取り記者として探索にあたることに。元「八丁堀」同心の矜持を描く傑作長編。
電子あり
タイムスリップ紫式部
タイムスリップ紫式部
著:鯨 統一郎
講談社文庫
古典の授業中、教師に鞭で打たれた本間香葉子は、そのショックで平安時代にタイムスリップ。『源氏物語』の作者・紫式部の身体に宿ってしまう。さらに、折りも折り、時の最高権力者・藤原道長が殺害される事件が発生。紫式部こと香葉子は、ライバル・清少納言とともに下手人探しを依頼される。果たして真相は? 『源氏物語』に秘められた謎と、藤原道長殺人事件の真相を、美人女子高生が解き明かす 『源氏物語』の肝が、これ1冊でわかります 古典の授業中、教師に鞭で打たれた本間香葉子は、そのショックで平安時代にタイムスリップ。『源氏物語』の作者・紫式部の身体に宿ってしまう。さらに、折も折、時の最高権力者・藤原道長が殺害される事件が発生。紫式部こと香葉子は、ライバル・清少納言とともに下手人捜しの依頼を受ける。果たして真相は?
電子あり
蛻
著:犬飼 六岐
講談社文庫
尾張藩の江戸下屋敷内に実在した、「御町屋(おまちや)」と呼ばれる宿場町。この町では、赤の他人が見せかけの夫婦(めおと)として割り振られた家に住まわされ、仮の商いを営み、藩主が遊覧する時だけ立ち退かねばならなかった。ところが、御町屋で連続殺人が発生し、偽の住人たちは疑心暗鬼に陥る。人心の謎と闇を射貫く、時代小説の決定版。 江戸に実在した「偽の宿場町(テーマパーク)」で連続殺人発生。すべてが偽で、すべてが嘘? 気鋭の作家が虚実を重ねて仕掛けた渾身の時代小説!
電子あり
人類資金5
人類資金5
著:福井 晴敏
講談社文庫
資本という魔物に食い尽くされつつある世界を救うには。呪われた遺産『M資金』の継承者たる自分がなすべきことは。求道者のごとく問い続けながら世界を彷徨していた笹倉暢人は、流れ着いたアジア辺境の小国でついにその答えと出会った。自分がしたことの真の意味を知った真舟の前に立ちはだかるものは。
電子あり
秘密
秘密
著:木原 音瀬
講談社文庫
真夏の夜、寝床を捜して深夜の街を彷徨っていた啓太は、杉浦充という男と出会いセックスを条件に部屋に泊めてもらう。男と寝たい訳ではなかったが、啓太は自分のアパートに帰りたくなかった。大きな冷凍庫が唸る部屋で、独り夢を見たくなかったからだ。悪夢を抱えていた啓太にとって、泊めてくれる杉浦は都合のいい相手だった。しかし、杉浦の一途な想いに心が揺れるようになり…。
電子あり
醜聞の作法
醜聞の作法
著:佐藤 亜紀
講談社文庫
さる侯爵が、美しい養女ジュリーを、放蕩三昧の金持ちに輿入れさせようと企んだ。ところが、ジュリーには結婚を誓い合った若者がいる。候爵夫人は、この縁談に胸を痛め、パリのみならずフランス全土で流行していた訴訟の手管を使う奸計を巡らせた。すなわち、誹謗文を流布させ、悪評を流して醜聞を炎上させるのだ。この醜聞の代筆屋として白羽の矢が立ったのは、腕は良いがうだつの上がらない弁護士、ルフォンだった。 18世紀末、フランスのTwitterは、「パンフレット」だった。 金持ちの狒々爺(エロじじい)との、ぞっとする縁談を壊すために侯爵夫人が取った手段は――誹謗文(パンフレット)。そう、パリ中に噂を撒けばよい。 『ミノタウロス』の著者が奏でる、エッジの効いた諷刺小説 猛火に包まれたゴシップが、パリを駆けめぐる―― いつの世も、人は醜聞(ゴシップ)がないと生きてゆけない。 さる侯爵が、美しい養女ジュリーを、放蕩三昧の金持ちV***氏に輿入れさせようと企んだ。ところが、ジュリーには結婚を誓い合った若者がいる。彼女を我が子同然に可愛がり育ててきた候爵夫人は、この縁談に胸を痛め、パリのみならずフランス全土で流行していた訴訟の手管を使う奸計を巡らせた。すなわち、誹謗文を流布させ、悪評を流して醜聞を炎上させるのだ。この醜聞の代筆屋として白羽の矢が立ったのは、腕は良いがうだつの上がらない弁護士、ルフォンだった。哀れルフォンの命運やいかに――。
正太郎の粋 瞳の洒脱
正太郎の粋 瞳の洒脱
著:山口 正介
講談社文庫
下町育ちの池波正太郎と都会派の山口瞳。ほぼ同年代のふたりは東京人として好対照だった。吉原に通いつめた正太郎、妻にも敬語を使った瞳。食・着こなし・仕事・時間術……二大人気作家を間近に見て育った、瞳の長男だからこそ書けた秘話満載のエッセイ。瞳が正太郎に送った弔辞も全文掲載。文庫書下ろし 父・瞳の生き方と、池波さんのたたずまい。 下町育ちの池波正太郎と都会派の山口瞳。ほぼ同年代のふたりは東京人として好対照だった。吉原に通いつめた正太郎、妻にも敬語を使った瞳。食・着こなし・仕事・時間術……二大人気作家を間近に見て育った、瞳の長男だからこそ書けた秘話満載のエッセイ。瞳が正太郎に送った弔辞も全文掲載。<文庫書下ろし>
電子あり
つぼやきのテリーヌ The cream of the notes 2
つぼやきのテリーヌ The cream of the notes 2
著:森 博嗣
講談社文庫
しなければならないことは、すべて自分がしたいことだ――。思いついたことを思いついた順に綴った100個の端的エッセィからあふれ出す森イズム。斬新な発想と知的ユーモアで、人生はこんなにも豊かにできる。文庫好きを公言する小説家・森博嗣の、著作265冊目にして記念すべき、初の文庫書下ろし! 「立派な母親像」から「モグラ退治」まで、正解のない世の中を見つめ直す100の森イズム。 しなければならないことは、すべて自分がしたいことだ――。思いついたことを思いついた順に綴った100個の端的エッセィからあふれ出す森イズム。斬新な発想と知的ユーモアで、人生はこんなにも豊かにできる。文庫好きを公言する小説家・森博嗣の、著作265冊目にして記念すべき、初の文庫書下ろし!
電子あり
遠き落日(下)
遠き落日(下)
著:渡辺 淳一
講談社文庫
日本では将来が望めず、無鉄砲にも単身渡米した野口英世。そんな彼に実力重視の米国は肌に合い、やがて新進気鋭の学者として世界中の注目を浴びる。日本への凱旋、老母との涙の再会。まさに立志伝中の人となるも、提唱した理論が揺らぎ、黄熱病の研究で再証明を試みるが――。野口の栄光と最期を描いた傑作伝記。
遠き落日(上)
遠き落日(上)
著:渡辺 淳一
講談社文庫
自堕落にして借金魔。しかし、その一方で、寝食を忘れるほど研究に没頭し、貧農の倅という出自の壁、火傷によって不自由となった左手のハンディ、日本人に対する西洋人の蔑視を撥ね除けた。偉人伝の陰で長く封印されていた野口英世の生身の姿を、見事に甦らせた傑作伝記長編。第十四回吉川英治文学賞受賞作品。
貨幣の鬼 勘定奉行 荻原重秀
貨幣の鬼 勘定奉行 荻原重秀
著:高任 和夫
講談社文庫
「貨幣は国家が造る物。たとえ瓦礫であっても構いませぬ」。活況に沸く元禄期、危機的な状況にあった幕府財政を、劇的なインフレ政策で切り抜けた勘定奉行・荻原重秀(おぎわらしげひで)。勘定所の下級役人から異例の出世を遂げた男は、新しい「マネー」の概念を打ち立てた革命児だった。 “貨幣改革”で元禄マネーの根本を覆す! 成り上がり経済官僚が幕府を変えた! おもしろい タメになる歴史経済小説。 「貨幣は国家が造る物。たとえ瓦礫であっても構いませぬ」。活況に沸く元禄期、危機的な状況にあった幕府財政を、劇的なインフレ政策で切り抜けた勘定奉行・荻原重秀(おぎわらしげひで)。勘定所の下級役人から異例の出世を遂げた男は、新しい「マネー」の概念を打ち立てた革命児だった。 ※本作品は、2009年11月に単行本として小社より刊行された『月華の銀橋 勘定奉行と御用儒者』を改題したものです。
トワイライト博物館
トワイライト博物館
著:初野 晴
講談社文庫
大叔父が遺した博物館は、時間旅行の秘密の実験場だった。天涯孤独になった勇介は、過去を彷徨う大切な人の魂を救うため、危険な旅路に出る。パートナーは碧い瞳の不思議な学芸員枇杷。「命綱」は堅くつないだ手。この手が離れれば二度と現代には戻れない。過酷な旅が今、始まる。新感覚ミステリー長編。 この手は離さない。それが君との約束だから 目覚めることのない大切な人の魂を救うため、少年は、過酷な時間旅行(タイムトラベル)にダイブする。 大伯父が遺した博物館は、時間旅行の秘密の実験場だった。天涯孤独になった勇介は、過去を彷徨う大切な人の魂を救うため、危険な旅路に出る。パートナーは青い瞳の不思議な学芸員枇杷。「命綱」は固くつないだ手。この手が離れれば二度と現代には戻れない。過酷な旅が今、始まる。新感覚ミステリー長編! ※本書は2009年5月に小社から刊行されたノベルスを大幅に加筆修正したものです。
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百蛇堂<怪談作家の語る話>
百蛇堂<怪談作家の語る話>
著:三津田 信三
講談社文庫
実話怪談の原稿を読んだ者に……迫り来る! この世には絶対人目に触れてはいけないものがある…。謎と怪異!衝撃の結末!作家に託された実話怪談の原稿。読んだ者には……。「作家三部作」第三編後編。
電子あり
都会のトム&ソーヤ(4) <四重奏>
都会のトム&ソーヤ(4) <四重奏>
著:はやみね かおる
講談社文庫
内人と創也が幽霊屋敷でロケ開始!ロケ先で仕組まれた頭脳集団(プランナ)の罠から逃げきれるのか!? 同級生のピンチを救うため、マラソン大会で脱走計画を実行した創也と内人は、幽霊屋敷の謎を追って、さらなる冒険へ。また、栗井栄太から新たな招待状がとどき、究極のゲーム制作競争にも新展開が……。シリーズ第4作も、目がはなせない!
ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録
ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録
著:西川 善文
講談社文庫
「不良債権と寝た男」死に物狂いの仕事人生 安宅産業崩壊、平和相銀・イトマン事件、「住銀の天皇」磯田追放、銀行大合併、郵政民営化。その現場にいたのは、いつもこの男・西川善文だった。 秘話多数収録!
女薫の旅 十八の偏愛
女薫の旅 十八の偏愛
著:神崎 京介
講談社文庫
いよいよ2学期が始まり、大地も受験勉強に集中するつもりだったが、サッカー部の悪友との話題は最近引っ越してきた新婚の美人妻。放課後に立ち寄った図書館で会った彼女の頬には、自転車通学で遠回りして見たときにはなかった青あざが。思わず声をかけた大地に新妻はため息をついて……。〈文庫オリジナル〉 青春官能小説の金字塔! いよいよ2学期が始まり、大地も受験勉強に集中するつもりだったが、サッカー部の悪友との話題は最近引っ越してきた新婚の美人妻。放課後に立ち寄った図書館で会った彼女の頬には、自転車通学で遠回りして見たときにはなかった青あざが。思わず声をかけた大地に新妻はため息をついて……。<文庫オリジナル> ※本書は、Web連載「女薫の旅――疾風篇」の2012年8月6日から2013年11月6日更新分までを加筆・修正し、まとめた文庫オリジナルです。
電子あり
BORDER 善と悪の境界 ミステリー傑作選
BORDER 善と悪の境界 ミステリー傑作選
編:日本推理作家協会
講談社文庫
警察組織の抜き打ち検査、随時監察(ズイカン)で発覚した被害届放置の不祥事。ベテラン巡査部長の真意を探る安東能明『随監』。 写真が示す野犬殺しの「証拠」。同級生とその祖母の疑惑を、少年が喝破する道尾秀介『夏の光』。事故として処理しかけた交通死亡事案。驚愕の真実がさらされる結城充考『雨が降る頃』。全8篇収録。
瓦礫の中のレストラン
瓦礫の中のレストラン
著:江上 剛
講談社文庫
戦争が終わり、すべてが瓦礫と化した街。復員した丑松(うしまつ)の脳裏に浮かんだのは「食堂の社長になりたい」という戦死した幼なじみが語った夢だった。大阪の闇市に向かった丑松は、戦争孤児や戦友とともに無一文から商売を始める。「皆が腹一杯になる世の中に」。復興を支えた「戦う男(ビジネスマン)」の物語。『ごっつい奴――浪花の夢の繁盛記』を改題。 あの頃の日本には、皆の満腹と笑顔のために戦う男たちがいた。 「ぶれない、負けない、諦めない。ゼロからのスタートだ」 戦争が終わり、すべてが瓦礫と化した街。復員した丑松(うしまつ)の脳裏に浮かんだのは「食堂の社長になりたい」という戦死した幼なじみが語った夢だった。大阪の闇市に向かった丑松は、戦争孤児や戦友とともに無一文から商売を始める。「皆が腹一杯になる世の中に」。復興を支えた「戦う男(ビジネスマン)」の物語。 ※本書は、2010年1月に小社より刊行された『ごっつい奴――浪花の夢の繁盛記』を改題して文庫化したものです。
電子あり
すらすら読める徒然草
すらすら読める徒然草
著:中野 孝次
講談社文庫
「古典の文言(もんごん)なのか、わが言葉なのか、区別がつかないくらいになり、わが生を導く」ようになった『徒然草』からの原文を、中野孝次が選び抜いて“わが徒然草”を作りあげた。総ルビつきの原文と現代語訳、そして思いを込めた解説。南北朝の乱世を生きた兼好の永遠の古典が、時代を超え「今に生きる言葉」として蘇る。 存命の喜び、日々に楽しまざらんや 著者の「心の中で鳴り続け」生き方を定めた「今を生きる言葉」 「古典の文言(もんごん)なのか、わが言葉なのか、区別がつかないくらいになり、わが生を導く」ようになった『徒然草』からの原文を、中野孝次が選び抜いて“わが徒然草”を作りあげた。総ルビつきの原文と現代語訳、そして思いを込めた解説。南北朝の乱世を生きた兼好の永遠の古典が、時代を超え「今に生きる言葉」として蘇る。
電子あり