講談社文庫作品一覧

死層(上)
講談社文庫
カナダとボストンで相次いで発生した謎の猟奇事件。遺体に「仕掛け」を施した真犯人の狙いは何か? 謎が謎を呼ぶ中、マリーノが罠に落ちた! 「検屍官」シリーズ第20弾。
「検屍官」シリーズ第20弾。スカーペッタのもとに、カナダの化石発掘現場で撮影したと思しき、耳の断片を映した謎の画像メールが寄せられた。一方、ボストンの湾内では女性の変死体が発見される。被害者はマリーノのツイッター交信相手だった。疑惑をかけられたマリーノを救えるのか。二つの事件に関連はあるのか。スカーペッタが動く。

なぞの転校生
講談社文庫
岩田広一が通う中学に山沢典夫という転校生が入ってきた。典夫はギリシャ彫刻を思わせる美男子であるのに加え、成績優秀でスポーツも万能だったが、なぞめいた雰囲気を持っていた。ある日とんでもない事件を起こした典夫の秘密とは? 1970年代のNHK少年ドラマシリーズシリーズとして映像化され人気を博した眉村卓がおくるSFジュブナイルの傑作。
岩田広一が通う中学に山沢典夫という転校生が入ってきた。典夫はギリシャ彫刻を思わせる美男子なのに加え、成績優秀でスポーツも万能だが、なぞめいた雰囲気を持っていた。ある日とんでもない事件を起こした典夫の秘密とは? 1970年代にドラマ化され人気を博したSFジュブナイルの傑作。 解説・岩井俊二

ぐるぐる猿と歌う鳥
講談社文庫
父の転勤で北九州の社宅へ引っ越して来た高見森(たかみしん)。同じ社宅に住む子どもたちと仲良くなるにつれ、彼らがある秘密を共有していることに気づく。そして「パック」と呼ばれる謎の少年には、ある役割があった――。理不尽な想いを抱える仲間を守り、仲間に守られながら生きる少年少女たちの、清々しく明るい物語。
かつて子どもだった人へ。
あの日あの場所で感じた切なさが、この物語でよみがえります。
父の転勤で北九州の社宅へ引っ越して来た高見森(たかみしん)。同じ社宅に住む子どもたちと仲良くなるにつれ、彼らがある秘密を共有していることに気づく。そして「パック」と呼ばれる謎の少年には、ある役割があった――。理不尽な想いを抱える仲間を守り、仲間に守られながら生きる少年少女たちの、清々しく明るい物語。

黄金の夢の歌
講談社文庫
口承によってうたい継がれてきた中央アジア・キルギスの英雄マナスは、永遠に年をとらない、とても元気な男の子。その「夢の歌」を聞きたいと旅をする「あなた」。氷河によって削られたジャイロの美しい牧地に心奪われ、その地を駆けめぐった多くの騎馬、狩猟民族の興亡に思いを馳せる。(講談社文庫)
トット、トット、タン、ト
「夢の歌」の旋律は、オオカミのようにステップ地帯を走りまわる
毎日芸術賞受賞作
口承によってうたい継がれてきた中央アジア・キルギスの英雄マナスは、永遠に年をとらない、とても元気な男の子。その「夢の歌」を聞きたいと旅をする「あなた」。氷河によって削られたジャイロの美しい牧地に心奪われ、その地を駆けめぐった多くの騎馬、狩猟民族の興亡に思いを馳せる。

迷子石
講談社文庫
本業は医師(見習い)副業はおまけ絵描き
そんな男がお家騒動を解決――だいじょうぶか。
薬売りに託した絵が藩の命運をにぎる!
このままでは、お国が乗っ取られる!
見習い医師・孝之助は、趣味で版画絵を描いている。「富山の薬売り」が売る薬に付けるおまけ絵だ。絵で小遣いを稼ぐ、宙ぶらりんのおまけ者のつもりが、偶然、富山藩の存亡に関わるお家騒動に巻き込まれる。江戸家老の大陰謀を国許に知らせねば。そこで孝之助が思いついたのが版画絵を2枚使った巧妙な細工だった――。

雪猫
講談社文庫
ぼくはタマオ。真っ白な猫だ。生まれたばかりのぼくの命を救ってくれた理々子に恋をしている。ある日あやしい車に追いかけられた彼女を助けようとしたぼくは青年の姿になっていた。夜限定の変身、寿命も縮む。でも愛しい理々子のために……。大人気「猫弁」シリーズの著者による、せつなすぎる涙の恋物語。
自分にこの美しい世界を与えてくれた少女に恋をした猫、タマオ。
小さな命で守り抜いた、小さな小さな恋物語。
ぼくはタマオ。真っ白な猫だ。生まれたばかりのぼくの命を救ってくれた理々子(りりこ)に恋をしている。ある日あやしい車に追いかけられた彼女を助けようとしたぼくは青年の姿になっていた。夜限定の変身、寿命も縮む。でも愛しい理々子のために……。
大人気「猫弁」シリーズの著者による、せつなすぎる涙の恋物語。

思惑 百万石の留守居役(二)
講談社文庫
幕政を握る大老酒井の狙いは、やはり外様潰しか。加賀藩主前田綱紀を次期将軍に推挙しようとする動きに、御三家はじめ江戸城内でも動揺が広がる。国元で唯一賛成の旗印を掲げ孤立した重臣人持ち組頭前田直作は、過激な御為派に狙われる。その直作の江戸召還に、護衛役で同行することになった瀬能数馬。御為派は中山道の難所碓氷峠で、一気に勝負を出た。数馬は血路を切り開けるか? そして藩の命運のかかった藩主の決断は?
徳川に藩主を渡せるかといきり立つ御為派(おためは)。藩主綱紀(つなのり)は国元で孤立する前田直作(なおなり)を江戸に呼んだ。数馬(かずま)がその護衛役に選ばれた。「堂々たる隠密」と加賀であだ名される五万石の筆頭家老本多政長は、出戻りの娘・琴を数馬と娶(めあわ)せる。その琴を金沢に残し中山道を急ぐ数馬。無事、峠越えを果たせるか!?<文庫書下ろし>

星と輝き花と咲き
講談社文庫
「竹本綾之介は天からの授かりもんだ」大阪で生まれた美少女は、竹本綾之助を名乗り、浄瑠璃で明治の日本中を魅了した。錦絵は即日完売、ファンの書生は人力車を“追っかけ”回し、芸能記者はスキャンダルを書きたてる。孤独と引き換えの栄華を手にした綾之助の傍には、いつも母お勝がいた。そんなある日訪れた突然の初恋。彼女の下した衝撃的な決断とは? 直木賞作家が実話をもとに描く、可憐な元祖アイドル半生記!
「竹本綾之介は天からの授かりもんだ」
大阪で生まれた美少女は、類稀なる浄瑠璃の才能を持っていた。彼女は、竹本綾之助を名乗り、男装の女義太夫として高座に上がる。可憐な少女は、たちまち新都東京、そして日本中の心をつかんだ。馬車鉄道には綾之介の錦絵が飾られ、ファンの書生は人力車を“追っかけ”る。
過密化するスケジュール、寄席と芸人の闘争、スキャンダルを煽る芸能新聞。栄華を極め、孤独に悩む綾之助の傍らにはいつも母お勝がいてくれた。
そんなある日、綾之助に初めての恋が訪れる。人目を忍んで育まれた愛は、芸能記者の格好の標的になってしまい……。
アイドル評論家、中森明夫氏も絶賛!
明治を駆け抜けた日本初のアイドル、竹本綾之助の半生を、直木賞作家・松井今朝子が描いた傑作小説。

エルニーニョ
講談社文庫
暴力男の留守を狙い、一週間ぶりに外出した瑛。公園で出会った謎の中年女は、『森のくまさん』を歌って言った。この歌にはあなたへのメッセージが隠れてる。「お嬢さん、今すぐそこから逃げなさい」。瑛は南へ旅立ち、ホテルで一本の留守番電話を聞いた。「ボート乗り場に十時でいいですか?」。瑛は待ち合わせ場所に向かうことを決める。それが運命を劇的に変える出会いだとは知らずに。直木賞作家渾身の、希望溢れる長編小説。
外出すら許さない暴力男の留守を狙い、一週間ぶりに遠出をした瑛。
上野公園で出会った謎の中年女は、『森のくまさん』を歌って言った。すべての歌には、物語には、受け取った人だけがわかるメッセージがある。この歌にも、あなたへのメッセージが隠れてる。
お嬢さん、今すぐそこから逃げなさい――。
男から逃れた南国のホテルで、瑛は一本の留守番電話を聞いた。
「とても簡単なのですぐわかります。市電に乗って湖前で降ります。とてもいいところです。ボート乗り場に十時でいいですか?」
待ち合わせ場所にいたのは、ニノと名乗る謎の少年だった。
直木賞作家渾身の、希望溢れる長編小説。

東京影同心
講談社文庫
金子弥一郎は慶応3年に異例の若さで定町回(じょうまちまわ)り同心となったものの、幕府は瓦解して町奉行も消滅。新政府に仕官した同僚の誘いにも気が進まず、元岡っ引の始めた料理茶屋に居候を決め込んだが、ひょんな縁で佐幕派の「中外新聞」で種取り記者として探索にあたることに。元「八丁堀」同心の矜持を描く傑作長編。(講談社文庫)
「江戸の町衆を守る」捕亡(とりもの)一筋の弥一郎が選んだ生き方とは?
御一新に「八丁堀」同心がつける男の始末。
金子弥一郎は慶応3年に異例の若さで定町回(じょうまちまわ)り同心となったものの、幕府は瓦解して町奉行も消滅。新政府に仕官した同僚の誘いにも気が進まず、元岡っ引の始めた料理茶屋に居候を決め込んだが、ひょんな縁で佐幕派の「中外新聞」で種取り記者として探索にあたることに。元「八丁堀」同心の矜持を描く傑作長編。

タイムスリップ紫式部
講談社文庫
古典の授業中、教師に鞭で打たれた本間香葉子は、そのショックで平安時代にタイムスリップ。『源氏物語』の作者・紫式部の身体に宿ってしまう。さらに、折りも折り、時の最高権力者・藤原道長が殺害される事件が発生。紫式部こと香葉子は、ライバル・清少納言とともに下手人探しを依頼される。果たして真相は?
『源氏物語』に秘められた謎と、藤原道長殺人事件の真相を、美人女子高生が解き明かす
『源氏物語』の肝が、これ1冊でわかります
古典の授業中、教師に鞭で打たれた本間香葉子は、そのショックで平安時代にタイムスリップ。『源氏物語』の作者・紫式部の身体に宿ってしまう。さらに、折も折、時の最高権力者・藤原道長が殺害される事件が発生。紫式部こと香葉子は、ライバル・清少納言とともに下手人捜しの依頼を受ける。果たして真相は?

蛻
講談社文庫
尾張藩の江戸下屋敷内に実在した、「御町屋(おまちや)」と呼ばれる宿場町。この町では、赤の他人が見せかけの夫婦(めおと)として割り振られた家に住まわされ、仮の商いを営み、藩主が遊覧する時だけ立ち退かねばならなかった。ところが、御町屋で連続殺人が発生し、偽の住人たちは疑心暗鬼に陥る。人心の謎と闇を射貫く、時代小説の決定版。
江戸に実在した「偽の宿場町(テーマパーク)」で連続殺人発生。すべてが偽で、すべてが嘘? 気鋭の作家が虚実を重ねて仕掛けた渾身の時代小説!

人類資金5
講談社文庫
資本という魔物に食い尽くされつつある世界を救うには。呪われた遺産『M資金』の継承者たる自分がなすべきことは。求道者のごとく問い続けながら世界を彷徨していた笹倉暢人は、流れ着いたアジア辺境の小国でついにその答えと出会った。自分がしたことの真の意味を知った真舟の前に立ちはだかるものは。

秘密
講談社文庫
真夏の夜、寝床を捜して深夜の街を彷徨っていた啓太は、杉浦充という男と出会いセックスを条件に部屋に泊めてもらう。男と寝たい訳ではなかったが、啓太は自分のアパートに帰りたくなかった。大きな冷凍庫が唸る部屋で、独り夢を見たくなかったからだ。悪夢を抱えていた啓太にとって、泊めてくれる杉浦は都合のいい相手だった。しかし、杉浦の一途な想いに心が揺れるようになり…。

醜聞の作法
講談社文庫
さる侯爵が、美しい養女ジュリーを、放蕩三昧の金持ちに輿入れさせようと企んだ。ところが、ジュリーには結婚を誓い合った若者がいる。候爵夫人は、この縁談に胸を痛め、パリのみならずフランス全土で流行していた訴訟の手管を使う奸計を巡らせた。すなわち、誹謗文を流布させ、悪評を流して醜聞を炎上させるのだ。この醜聞の代筆屋として白羽の矢が立ったのは、腕は良いがうだつの上がらない弁護士、ルフォンだった。
18世紀末、フランスのTwitterは、「パンフレット」だった。
金持ちの狒々爺(エロじじい)との、ぞっとする縁談を壊すために侯爵夫人が取った手段は――誹謗文(パンフレット)。そう、パリ中に噂を撒けばよい。
『ミノタウロス』の著者が奏でる、エッジの効いた諷刺小説
猛火に包まれたゴシップが、パリを駆けめぐる――
いつの世も、人は醜聞(ゴシップ)がないと生きてゆけない。
さる侯爵が、美しい養女ジュリーを、放蕩三昧の金持ちV***氏に輿入れさせようと企んだ。ところが、ジュリーには結婚を誓い合った若者がいる。彼女を我が子同然に可愛がり育ててきた候爵夫人は、この縁談に胸を痛め、パリのみならずフランス全土で流行していた訴訟の手管を使う奸計を巡らせた。すなわち、誹謗文を流布させ、悪評を流して醜聞を炎上させるのだ。この醜聞の代筆屋として白羽の矢が立ったのは、腕は良いがうだつの上がらない弁護士、ルフォンだった。哀れルフォンの命運やいかに――。

正太郎の粋 瞳の洒脱
講談社文庫
下町育ちの池波正太郎と都会派の山口瞳。ほぼ同年代のふたりは東京人として好対照だった。吉原に通いつめた正太郎、妻にも敬語を使った瞳。食・着こなし・仕事・時間術……二大人気作家を間近に見て育った、瞳の長男だからこそ書けた秘話満載のエッセイ。瞳が正太郎に送った弔辞も全文掲載。文庫書下ろし
父・瞳の生き方と、池波さんのたたずまい。
下町育ちの池波正太郎と都会派の山口瞳。ほぼ同年代のふたりは東京人として好対照だった。吉原に通いつめた正太郎、妻にも敬語を使った瞳。食・着こなし・仕事・時間術……二大人気作家を間近に見て育った、瞳の長男だからこそ書けた秘話満載のエッセイ。瞳が正太郎に送った弔辞も全文掲載。<文庫書下ろし>

つぼやきのテリーヌ The cream of the notes 2
講談社文庫
しなければならないことは、すべて自分がしたいことだ――。思いついたことを思いついた順に綴った100個の端的エッセィからあふれ出す森イズム。斬新な発想と知的ユーモアで、人生はこんなにも豊かにできる。文庫好きを公言する小説家・森博嗣の、著作265冊目にして記念すべき、初の文庫書下ろし!
「立派な母親像」から「モグラ退治」まで、正解のない世の中を見つめ直す100の森イズム。
しなければならないことは、すべて自分がしたいことだ――。思いついたことを思いついた順に綴った100個の端的エッセィからあふれ出す森イズム。斬新な発想と知的ユーモアで、人生はこんなにも豊かにできる。文庫好きを公言する小説家・森博嗣の、著作265冊目にして記念すべき、初の文庫書下ろし!

遠き落日(下)
講談社文庫
日本では将来が望めず、無鉄砲にも単身渡米した野口英世。そんな彼に実力重視の米国は肌に合い、やがて新進気鋭の学者として世界中の注目を浴びる。日本への凱旋、老母との涙の再会。まさに立志伝中の人となるも、提唱した理論が揺らぎ、黄熱病の研究で再証明を試みるが――。野口の栄光と最期を描いた傑作伝記。

遠き落日(上)
講談社文庫
自堕落にして借金魔。しかし、その一方で、寝食を忘れるほど研究に没頭し、貧農の倅という出自の壁、火傷によって不自由となった左手のハンディ、日本人に対する西洋人の蔑視を撥ね除けた。偉人伝の陰で長く封印されていた野口英世の生身の姿を、見事に甦らせた傑作伝記長編。第十四回吉川英治文学賞受賞作品。

貨幣の鬼 勘定奉行 荻原重秀
講談社文庫
「貨幣は国家が造る物。たとえ瓦礫であっても構いませぬ」。活況に沸く元禄期、危機的な状況にあった幕府財政を、劇的なインフレ政策で切り抜けた勘定奉行・荻原重秀(おぎわらしげひで)。勘定所の下級役人から異例の出世を遂げた男は、新しい「マネー」の概念を打ち立てた革命児だった。
“貨幣改革”で元禄マネーの根本を覆す!
成り上がり経済官僚が幕府を変えた!
おもしろい タメになる歴史経済小説。
「貨幣は国家が造る物。たとえ瓦礫であっても構いませぬ」。活況に沸く元禄期、危機的な状況にあった幕府財政を、劇的なインフレ政策で切り抜けた勘定奉行・荻原重秀(おぎわらしげひで)。勘定所の下級役人から異例の出世を遂げた男は、新しい「マネー」の概念を打ち立てた革命児だった。
※本作品は、2009年11月に単行本として小社より刊行された『月華の銀橋 勘定奉行と御用儒者』を改題したものです。