講談社文庫作品一覧

蛇の王(上) ナーガ・ラージ
蛇の王(上) ナーガ・ラージ
著:東郷 隆
講談社文庫
炎熱と騒乱に煙る19世紀中頃のインド。植民地支配の手が隅々まで伸びつつある彼の地を訪れたアイルランド人記者ダニエルは、秘密殺人結社「タグ」の首領に出会う。かつて“蛇の王(ナーガ・ラージ)”と呼ばれた老人が語った半生は、他民族を恐怖に陥れる血塗られた日々だった。インド史絵巻を壮大に描く傑作エンターテインメント!
電子あり
ああ、懐かしの少女漫画
ああ、懐かしの少女漫画
著:姫野 カオルコ
講談社文庫
“カオルコ少女”が5~10歳の頃夢中になった、昭和40年代の少女漫画。『なかよし』『りぼん』『マーガレット』、舟木一夫モノや、王道の恋愛&スポーツ、初めて見たヌード……驚異の記憶力と共に、鮮やかに甦(よみがえ)る漫画たち。知らない人でもなぜか懐かしく笑える、不思議なノスタルジック・エッセイ。〈文庫オリジナル〉
隠居学 おもしろくてたまらないヒマつぶし
隠居学 おもしろくてたまらないヒマつぶし
著:加藤 秀俊
講談社文庫
森羅万象、世の中はおもしろいことだらけ。なにかを知って、ああ、おもしろいねえ。きょうも物知りになった、と夜、寝る前に満足感にひたりながらニヤニヤできれば、それでいいのだ。現役をはなれて自由になった隠居には目的なんかなくてよろしいのである――人生を味わいつくした碩学(せきがく)による極上随筆集。(講談社文庫) 森羅万象、世の中はおもしろいことだらけ。なにかを知って、ああ、おもしろいねえ。きょうも物知りになった、と夜、寝る前に満足感にひたりながらニヤニヤできれば、それでいいのだ。現役をはなれて自由になった隠居には目的なんかなくてよろしいのである――人生を味わいつくした碩学(せきがく)による極上随筆集。
電子あり
おまえさん(下)
おまえさん(下)
著:宮部 みゆき
講談社文庫
救えるはずだと思った。 父親が殺され、瓶屋を仕切ることになった一人娘の史乃。気丈に振る舞う彼女を信之輔は気にかけていた。一方、新兵衛の奉公先だった生薬(きぐすり)問屋の当主から明かされた二十年前の因縁と隠された罪。正は負に通じ、負はころりと正に変わる。平四郎の甥っ子・弓之助は絡まった人間関係を解きほぐすことができるのか。 (目次) 「おまえさん」(十九~二十一) 「残り柿」 「転び神」 「磯の鮑」 「犬おどし」
おまえさん(上)
おまえさん(上)
著:宮部 みゆき
講談社文庫
『ぼんくら』『日暮らし』に続くシリーズ新作 痒み止めの新薬「王疹膏(おうしんこう)」を売り出していた瓶屋の主人、新兵衛が斬り殺された。本所深川の同心・平四郎は、将来を嘱望される同心の信之輔と調べに乗り出す。検分にやってきた八丁堀の変わり者“ご隠居”源右衛門はその斬り口が少し前に見つかった身元不明の亡骸と同じだと断言する。両者に通じる因縁とは。 (目次) 「おまえさん」(一~十八)
ロードムービー
ロードムービー
著:辻村 深月
講談社文庫
運動神経抜群で学校の人気者のトシと気弱で友達の少ないワタル。小学五年生の彼らはある日、家出を決意する。きっかけは新学期。組替えで親しくなった二人がクラスから孤立し始めたことだった。「大丈夫、きっとうまくいく」(「ロードムービー」)。いつか見たあの校舎へ、懐かしさを刺激する表題作他、4編(「街灯」/「道の先」/「トーキョー語り」/「雪の降る道」 )収録。(講談社文庫) 物語が終わっても、彼らの道は続いていく。 「あの頃の僕に伝えたい。『大丈夫、いつかきっと平気になるときが来るから』って」 運動神経抜群で学校の人気者のトシと気弱で友達の少ないワタル。小学五年生の彼らはある日、家出を決意する。きっかけは新学期。組替えで親しくなった二人がクラスから孤立し始めたことだった。「大丈夫、きっとうまくいく」(「ロードムービー」)。いつか見たあの校舎へ、懐かしさを刺激する表題作他、4編。 『冷たい校舎の時は止まる』の原点。 「きっと、同い年で同じ教室にいたら、君は僕になんて見向きもしなかった。だけどいま、僕はきちんとここで立っている。僕は昔より楽に呼吸が出来ている。――だから安心していいんだよ」 いつかどこかで出会った彼ら。本を閉じても続く、あの懐かしい「校舎」へ。 「街灯」/「ロードムービー」/「道の先」/「トーキョー語り」/「雪の降る道」
電子あり
ニッポンありゃまあお祭り紀行 秋冬編
ニッポンありゃまあお祭り紀行 秋冬編
著:椎名 誠
講談社文庫
まだまだあります! 全国の仰天お笑いよろこびまつり。秋冬編まとまりました。 日本全国、男たちが本気で探したのは「ありゃまあ」と思わず言いたくなる“ちょっとヘン”なお祭り。そんな10月から3月までのお祭りを集めた秋冬編。泥の神様に抱きつかれ、悪態にまみれ、燃えさかる火に気おされる。でも「ありゃまあ」って癖になるのだ。あなたもいざ、本書を手に“ありゃまあ祭り”の旅へ! ※本書は、2008年3月、「自遊人」の連載に加筆してカラット社より単行本として刊行されたものを再編成し、未収録の2本を加えて秋冬編としたものです。
コッコロから
コッコロから
著:佐野 洋子
講談社文庫
抱きしめたくなるような、ピュアな恋愛小説、ありマス。 追悼、佐野洋子さん 忘れられない出会い。永遠の一冊 私、恋って、どっか美人だけがするもんだって思ってた――彼氏いない歴21年、こけしそっくり顔の亜子が、人生で初めて恋をした! コッコロから=心からでないとなにかを「好き」と言えない亜子の、人生最初の恋。相手は超美形の東大生って、怪しい? 佐野洋子が遺してくれた恋の本質、改訂版。 解説・角田光代 ※本書は1993年7月マガジンハウスより刊行、2003年4月に小社より刊行された文庫の改稿新装版です。
覇王の番人(下)
覇王の番人(下)
著:真保 裕一
講談社文庫
忍びの情報は、真か偽か? 光秀に信長を討たせ、真に時代を動かした者は誰か―― 血みどろの戦を重ね、光秀は信長を「天下人」へ押し上げる。だが、冷酷非情な信長は無惨な虐殺をくりかえし、自らを神と称するようになる。悩んだ光秀は、ついに決断を下す……。亡き親の敵(かたき)と信長をうらむ小平太は忍びとなって、光秀を助けるべく本能寺へと急ぐ! 史上最大の謎が今ここに解き明かされる。 歴史は勝者によって描かれていく。山崎の合戦で敗者となった明智光秀は、その勝者である秀吉を賞賛するためだけの人物へと貶められていったのである。この物語を書き終えた今、私は確信している。明智光秀こそが、実は戦国時代を終わらせた真の武将なのだ、と。(後記より)
覇王の番人(上)
覇王の番人(上)
著:真保 裕一
講談社文庫
明智光秀――信長を担ぎ上げ、そして葬った男。 真保裕一が、「本能寺」というミステリーに勝負を挑む! 戦乱の世を我が手でしずめてみせる! その決意を胸に秘め、明智光秀は一人の武将に目をとめる。その男とは――織田信長。やがて光秀は天下統一の夢を信長にたくし、織田軍団の先頭に立って戦いの日々へと突きすすんでいく。歴史に葬られた男・明智光秀の真実を掘り起こし、戦国の定説をくつがえす歴史巨編、堂々登場! 「武士たる者、一国を守るために命を散らすか。すべての武家をまとめて、万民に安寧をもたらすために生きるか」光秀は声に力を込めた――そのどちらを選ぶのが、まことの男であるか、と。
屈折光
屈折光
著:鏑木 蓮
講談社文庫
父と娘、師と教え子の絆は、せめぎ合うことで強くなる――細胞のように。天才脳外科医・内海遼一の脳に異変が襲ったころ、遼一に勘当されていた娘・綾子は、創薬コーディネーターの恋人の変死体と対面し、慟哭の最中にあった。厳格な父と亡き恋人の知られざる接点が判明したその時……事件究明の鍵を握る父の記憶は、まさに崩れ落ちようとしていた。生と死の葛藤を描いた心震える医療サスペンス! (講談社文庫)
電子あり
異端のメス 心臓外科医が教える病院のウソを見抜く方法!
異端のメス 心臓外科医が教える病院のウソを見抜く方法!
著:南淵 明宏
講談社文庫
医療現場の驚愕エピソード満載……レントゲン写真は自ら保存すべし。薬価のカラクリ。「善人医者」は恐ろしいーー20年間にわたり、心臓外科の最前線に立ち続けるカリスマが、皮膚で感じた、医療現場のあるがままの混乱とカラクリ、そして希望を、ホンネで熱く吐露した。望ましいのはとにかく臆病な医者、高価な最先端医療機器は信用できるか、新薬は「新」たに儲かる「薬」、新しい手術方法の問題点……。目からウロコが落ちる医療エッセイ。
電子あり
混沌 交代寄合伊那衆異聞
混沌 交代寄合伊那衆異聞
著:佐伯 泰英
講談社文庫
必ずやそなたのもとに藤之助、戻って参る。 交易船隊を率い、大海原をゆくサムライ・トウノスケに、江戸城から風雲急を告げる呼び出しが。 佐伯泰英の新・幕末小説 第十五巻! 時代小説書下ろし 幕政の混迷をよそに、大海原を走る快速帆船(クリッパー)レイナ一世号。座光寺藤之助は和人唐人混成の東方交易の商船隊長(コマンダンテ)として、上海に再上陸した。だが歓迎の埠頭で、英国商会の預かり金を洋卑(ようひ)殺人団に強奪されてしまう。阿片窟の女豹の誘いに乗り、藤之助は単身、闇深き迷宮へ。“誇り”を奪還せよ、サムライ・トウノスケ!
狂い咲き正宗 刀剣商ちょうじ屋光三郎
狂い咲き正宗 刀剣商ちょうじ屋光三郎
著:山本 兼一
講談社文庫
命をやりとりする刀に魅せられた光三郎。駆け引きたっぷりの裏世界、町人たちの人情、心意気を直木賞作家が描く。幼いころから、刀がもつ摩訶不思議な美しさに憑かれてきた光三郎。将軍家の刀管理を司る御腰物奉行の長男に生まれながら、名刀・正宗を巡って父・勝義と大喧嘩をし、刀剣商に婿入りする。ある日、絶縁したはずの父が弱り果てて訪ねてくるが……。親子、夫婦、師弟の人情をじっくり描く時代小説。(講談社文庫)
電子あり
新装版 日暮らし(下)
新装版 日暮らし(下)
著:宮部 みゆき
講談社文庫
こつこつ積み上げてきた毎日。いつまでもこんな日々が続けばいいのに。 葵殺しの裏に見え隠れするのは、二年前に鉄瓶長屋で起きた事件から尾を引く、大店湊屋のお家事情。絡まった心を解きほぐそうとする平四郎。「叔父上、ここはひとつ白紙(まっさら)に戻してみてはいかがでしょう」。弓之助の推理が過去の隠し事の目くらましを晴らしていく。進化する著者の時代ミステリー感動の結末へ。
新装版 日暮らし(上)
新装版 日暮らし(上)
著:宮部 みゆき
講談社文庫
十八年前に生き別れた母と子。聞きたいことは山ほどあった。それなのに。 佐吉が人を殺めた疑いで捕らえられた。しかも殺した相手は実の母、葵だという。生き別れた親子に何があったのか。「この世のことを一人で全部背負(しょ)い込むわけにはいかないんだよ」。辛くても悲しくても決して消えてなくならない遺恨と嘘。本所深川の同心、平四郎と超美形の甥っ子、弓之助は真実を探り始める。
フェンネル大陸 偽王伝5 風牙天明
フェンネル大陸 偽王伝5 風牙天明
著:高里 椎奈
講談社文庫
我こそが唯一絶対の王であると宣言し、他国を圧倒的な力で侵略する宗教国家シスタス。この大国に対抗すべく小国連合を作らんと大陸を駆けるフェンたちだったが、小国連合を統率する王と見込んだ人物は、暗殺者に殺されてしまう。希望失われしその時、大国に弓引く者出現。その者、自らを「偽王」と名乗る! (2011年9月、講談社文庫として刊行) シリーズ名に秘められた謎が、ついに明らかに 偽王、ここに立つ! 「君はどんな人こそ王に相応しいと思う?」 我こそが唯一絶対の王であると宣言し、他国を圧倒的な力で侵略する宗教国家シスタス。この大国に対抗すべく小国連合を作らんと大陸を駆けるフェンたちだったが、小国連合を統率する王と見込んだ人物は、暗殺者に殺されてしまう。希望失われしその時、大国に弓引く者出現。その者、自らを「偽王」と名乗る!
電子あり
新・燃ゆるとき
新・燃ゆるとき
著:高杉 良
講談社文庫
企業風土の違いをいかに乗り越えるか? セクシャル・ハラスメント、ユニオン問題……次々と襲い来る文化摩擦の難題に立ち向かう! 東洋水産の米国法人は、長年の赤字から脱却して米大陸の即席麺のシェアでトップを達成。経営スタイルがまったく異なる米国で文化摩擦に正面から取り組み、日本型経営を貫いた企業(エクセレントカンパニー)を描いた傑作経済小説。主要人物名を「実名」に替え、さらに迫力を増して新刊行! ※この作品は、2005年9月に角川文庫より刊行された『ザ エクセレント カンパニー 新・燃ゆるとき』を改稿するにあたり、主要人物名を実名に替え、改題したものです。
企業戦士
企業戦士
著:江上 剛
講談社文庫
仕事の代わりはいくらでもいるが、家族の代わりは誰にもできない。地元の大手ゼネコンで働く僕は、ある日突然死んでしまった。過労死を訴える家族に、会社は冷たい態度を崩さない。妻は僕の仕事の痕跡を確認したいだけなのに。死んだ僕はその戦いを、ただ見守ることしかできないのか。働く全ての人の必読書。 死んだら働けない。でも死ぬまで働く。 仕事の代わりはいくらでもいるが、家族の代わりは誰にもできない。地元の大手ゼネコンで働く僕は、ある日突然死んでしまった。過労死を訴える家族に、会社は冷たい態度を崩さない。妻は僕の仕事の痕跡を確認したいだけなのに。死んだ僕はその戦いを、ただ見守ることしかできないのか。働く全ての人の必読書。 指名入札制から、一般入札制へ。僕が働くゼネコンは、談合廃止に揺れていた。 社員を思い、人を育てる企業になるためにこの会社は一度、壊れなくてはいけない。僕の熱意は届くのだろうか。 ※本書は2009年1月、実業之日本社より単行本として刊行された『いつもそばにいるよ』を改題の上、文庫化したものです。
電子あり
新装増補版 自動車絶望工場
新装増補版 自動車絶望工場
著:鎌田 慧
講談社文庫
働く喜びって、何だろう。自動車工場で働きはじめた34歳のぼくを待っていたのは、人間性を奪うほど苛酷で絶望的な仕事だった。考える暇もなく泥のように眠る毎日、悲鳴をあげる身体、辞めていく同僚たち。読みやすい日記形式で「働くこと」の意味を問うルポルタージュの歴史的名作に、最新の情勢を加筆した新装増補版。 (2011年9月、講談社文庫として刊行) 働く喜びって、何だろう。 時代を超えて「働くこと」の意味を考えさせる、ルポルタージュの記念碑的名作。 新たに一章を書下ろし、現代に問う! 働く喜びって、何だろう。自動車工場で働きはじめた34歳のぼくを待っていたのは、人間性を奪うほど苛酷で絶望的な仕事だった。考える暇もなく眠る毎日、悲鳴をあげる身体、辞めていく同僚たち。読みやすい日記形式で「働くこと」の意味を問うルポルタージュの歴史的名作に、最新の情勢を加筆した新装増補版。 『自動車絶望工場』が過去のものになってくれない時代や社会は、確かに不幸である。だが、『自動車絶望工場』を手に取ることのできない時代や社会は、もっともっと不幸なのではないか。――重松清(新装増補版 解説より) ※本書は1973年に現代史出版会から単行本として刊行後、1983年に講談社文庫に収録された『自動車絶望工場―ある季節工の日記―』を改題したものです。 ※新装増補版の刊行に際しては1983年刊の講談社文庫版を底本とし、「補章の補章 キカンコーとハケン」を加筆したほか、新たに著者あとがきと重松清氏の解説を収録しました。
電子あり