講談社文庫作品一覧

冷たい校舎の時は止まる(下)
講談社文庫
第31回メフィスト賞受賞作!
いとおしくなるほどの懐かしい記憶
「こんなことはいつか終わりになればいい」
――大丈夫、いつか、絶対に大人になれるから――
学園祭のあの日、死んでしまった同級生の名前を教えてください――。「俺たちはそんなに薄情だっただろうか?」なぜ「ホスト」は私たちを閉じ込めたのか。担任教師・榊はどこへ行ったのか。白い雪が降り積もる校舎にチャイムが鳴ったその時、止まったはずの時計が動き出した。薄れていった記憶、その理由は。

冷たい校舎の時は止まる(上)
講談社文庫
エンターテインメント界注目の大型新人・辻村深月が贈る青春小説
閉じ込められた8人の高校生――雪はまだ降り止まない
「ねえ、どうして忘れたの?」
雪降るある日、いつも通りに登校したはずの学校に閉じ込められた8人の高校生。開かない扉、無人の教室、5時53分で止まった時計。凍りつく校舎の中、2ヵ月前の学園祭の最中に死んだ同級生のことを思い出す。でもその顔と名前がわからない。どうして忘れてしまったんだろう――。第31回メフィスト賞受賞作。

債権奪還
講談社文庫
非情で理不尽な巨大銀行 男は誇りを取り戻せるか
統合とリストラの嵐の中、早期退職に応じ銀行を去った藤倉。妻を亡くし、娘は結婚して一人暮らしをはじめた彼は、次第に酒浸りの毎日となっていった。だが、ある男と出会い、古巣の理不尽さを目の当たりにしたことから、藤倉の人生は再び動き出す。巨大銀行相手に闘いを挑む彼。失った誇りは取り戻せるのか?

岳飛伝(一) 青雲篇
講談社文庫
こんなにも血湧き肉踊る物語があったのか!!
『創竜伝』『銀英伝』の著者が放つ大河歴史スペクタクル!
宋の八代皇帝・徽宗(きそう)の世。黄河に近い岳(がく)家に生まれた男児・飛(ひ)は、生後3日目にして大洪水に流される。だが、彼こそは後に北方の侵略者から祖国を守るため激闘する、中国史上最大の名将なのである。若き英雄の誕生と成長、そして力強い仲間を得て旅立つ様を描く、一気読み必至の大河歴史スペクタクル第1巻!

源氏物語 巻八
講談社文庫
宇治に隠棲した故光源氏の異母弟・八の宮のもとへ通う薫は、老女弁の君より自らの出生の秘密を知らされる。2人の姫君を遺して八の宮死後、薫は姉の大君に求愛し妹・中の君と匂宮の間を取り結ぶが、大君は薫の愛を拒み通して他界。傑作「宇治十帖」の物語がドラマティックに展開する。
源氏物語千年紀
気品あふれる現代語でよみがえった最高のラブストーリー
憂き世に新しい恋が花ひらく第八巻
成長した薫の君は、宇治に隠棲した源氏の異母弟・八の宮の美しい姫宮二人を垣間見た。姉の大君(おおいきみ)に求愛するがどこまでも拒まれる一方で老女・弁の君から自らの出生の秘密を明かされる。匂宮(におうのみや)と妹宮・中の君との愛の行方は……。傑作「宇治十帖」の物語が華麗にその幕を開ける。

キマイラの新しい城
講談社文庫
「わが死の謎を解ける魔術師を呼べ」フランスの古城を移築後、中世の騎士として振舞い始めた江里。750年前の死の真相を探れ、という彼の奇想天外な依頼で古城を訪れた石動戯作(いするぎぎさく)は、殺人事件に遭遇する。嫌疑をかけられた江里が向かった先は……。ミステリの枠に留まらない知的エンタテインメントの傑作! (講談社文庫)
移築された中世の城で起る奇抜な殺人事件! 750年前に起った殺人事件の真相究明を要請された石動戯作は、助手のアントニオと共に現地に赴く……。意表をつく設定、胸のすく展開、ミステリを超えた傑作!

センティメンタル・ブルー 蒼の四つの冒険
講談社文庫
はじめてのガールフレンドは、深い闇のような秘密を抱えていた(「ブルーハート、ブルー スカイ」)。私立向稜高校で鬱屈した生徒たちを結びつけたのは世間を騒がせた「あの事件」だった――(「ベルゼブブ」)。ほか、蒼が12歳から20歳までに出合った4つの事件の物語。蒼のひたむきさが胸に迫る、傑作番外編。(講談社文庫)
探偵・蒼が心の闇と謎を解き明かす!
はじめてのガールフレンドは、深い闇のような秘密を抱えていた(「ブルーハート、ブルー スカイ」)。私立向稜高校で鬱屈した生徒たちを結びつけたのは世間を騒がせた「あの事件」だった――(「ベルゼブブ」)。ほか、蒼が12歳から20歳までに出合った4つの事件の物語。蒼のひたむきさが胸に迫る、傑作番外編。

新装版 尻啖え孫市(下)
講談社文庫

新装版 尻啖え孫市(上)
講談社文庫

捜査官ガラーノ
講談社文庫
秀麗、明敏、謎に包まれた生い立ち 新ヒーロー誕生!
犯罪撲滅のための新たな構想とは何か?
褐色の肌、漆黒の髪、さまざまに変化する瞳。秀でた容姿と確かな手腕を持つウィンストン・ガラーノは、20年前の老女殺害事件を再捜査するよう命じられる。だが、彼が動き出そうとした矢先に、脅迫と不吉な予言がなされる。バーボンを愛しハーレーを駆るニューヒーロー誕生! コーンウェルの新シリーズ開幕!

カタコンベ
講談社文庫
あの事件から5年、ひとつの決意が闇に眠った殺人事件を呼び覚ます! ーー水没するまでのタイムリミットは、約5時間。それまでに、洞窟に閉じこめられた調査隊を助け出さなければ……。「もう同じ過ちは繰り返さない」。強い決意を秘めたケイブダイバー・東馬亮は、単身救助に向かう。大きな闇に包まれた洞窟には、5年前の事件の真相と、殺人犯が潜んでいた。第50回江戸川乱歩賞受賞作。
◎「作家にはまことしやかに嘘をつく能力が必要とされるが、その意味で、神山裕右は稀代の嘘つきである」<「解説」より>

辻斬り
講談社文庫
殺す以外にはない。それが答えだった
同心だった作之助は主犯を取り逃がし今や無役の貧乏御家人。どこにも本当の居場所はない。恋川春町に出入りしながらいっぱしの戯作者(げさくしゃ)を気取り、かろうじて矜持を保つ日々。ふと芽生えた殺意を抑えきれず、飾り職人を刺してしまう。人を殺める暗い歓びを知った作之助に、追っ手は迫る。これぞ時代暗黒小説(ノアール)。

夢の島
講談社文庫
1枚の絵に隠された亡き父の想いとは
2歳で別れてから24年。音信不通だった父が亡くなった。その知らせを受けて以来、駆け出しのフリーカメラマン・絹田信一の身辺は急に騒がしくなる。唯一遺品として受け取った、父が描いた絵。それをめぐり、不穏な動きを見せる人間たち。恋人、友人も様々な事件に巻き込まれ、信一は絵に秘められた謎に挑む。

キルプの軍団
講談社文庫
高校生の僕は、ディケンズの『骨董屋』を読み、作中のキルプにひかれる。そして、刑事の忠叔父さんと一緒に原文で読み進めるうちに、事件に巻き込まれてしまう。「罪のゆるし」「苦しい患いからの恢復(かいふく)」「癒し」を、書くことと読むことが結び合う新たな語り口で示した大江文学の結晶。
「罪のゆるし」「みずからの癒し」
若い人に語りかける小説
高校生の僕は、ディケンズの『骨董屋』を読み、作中のキルプにひかれる。そして、刑事の忠叔父さんと一緒に原文で読み進めるうちに、事件に巻き込まれてしまう。「罪のゆるし」「苦しい患いからの恢復(かいふく)」「癒し」を、書くことと読むことが結び合う新たな語り口で示した大江文学の結晶。若い読者に向けて、今復刊。

金沢殺人事件
講談社文庫
東京から金沢へ 2つの事件を光彦が追う
浅見光彦の自宅近くにある平塚神社で商社マンが殺された。買い物に出ていた浅見光彦は実況検分に遭遇する。そして、金沢で女子大生が遺体で発見される。兼六園に近い「美術の小径」の石段から突き落とされたのだ。彼女は東京で商社マンの最期を目撃していた。2つの事件の繋がりを求め、光彦は北陸へ飛んだ。

逃亡くそたわけ
講談社文庫
「どうしようどうしよう夏が終わってしまう」軽い気持ちの自殺未遂がばれ、入院させられた「あたし」は、退屈な精神病院からの脱走を決意。名古屋出身の「なごやん」を誘い出し、彼のぼろぼろの車での逃亡が始まった。道中、幻聴に悩まされ、なごやんと衝突しながらも、車は福岡から、阿蘇、さらに南へ疾走する。(講談社文庫)
「どうしようどうしよう夏が終わってしまう」軽い気持ちの自殺未遂がばれ、入院させられた「あたし」は、退屈な精神病院からの脱走を決意。名古屋出身の「なごやん」を誘い出し、彼のぼろぼろの車での逃亡が始まった。道中、幻聴に悩まされ、なごやんと衝突しながらも、車は福岡から、阿蘇、さらに南へ疾走する。

真夏の凶刃 武者とゆく(三)
講談社文庫
俊吾、怒りの追跡行!
友を殺めた下手人は誰か?灼熱の街道に二天一流の剣が閃く。
桜井俊吾が手習い所をひらく本所界隈で凄惨な殺しが続いた。俊吾を慕う船宿の亭主中造も闇討ちの犠牲に。姿を晦(くら)ましていた権十という暴れ者の仕業なのか。怒りに震える俊吾は、愛犬武者と利根川を下る。だが、ならず者の手によって武者の命が……!? さわやかな読み味が評判のシリーズ第3弾。〈文庫書下ろし〉
不祥事
講談社文庫
正論で文句ある? 新ヒロイン誕生の連作集銀行の常識は通用しない――支店のミスをチェックする部署に異動になった花咲舞は、凝り固まった組織に正論で立ちむかうが、そこには大きな壁が……痛快連作集。

新しいもの古いもの
講談社文庫
私の秘密、父母、師友。旅や滋味の楽しみ。人生の喜びに溢れたエッセイ。
「私の父は、どこまでも不運であった」。ある晩、別れて久しい父とばったり出合い、「お父さん」と呼びかけるが、泣き出しそうな顔で「お前さんはだれだい?」と返されてしまう(「私の中の日本人」)。ほか、フランスや京都への旅の想い出、今日のごはん、芝居や映画のことなど、66編を収録した珠玉の随筆集。

NO.6〔ナンバーシックス〕#3
講談社文庫
絶望も希望も許されない そんな世界に僕たちは生きる!!
沙布が《NO.6》に囚われた――
紫苑とネズミは救出に向かうのか!?
これだから、人間はやっかいだ。深く関わりあえばあうほど、枷(かせ)は重くなる。自分のためだけに生きるのが困難になる。火藍(からん)から沙布が治安局に連行されたことを告げるメモを受け取ったネズミはそれをひた隠すが、事実を知った紫苑は救出に向かう決心をする。成功率は限りなく0に近い――物語は疾走する!