講談社文庫作品一覧

口は災い
口は災い
著:リース・ボウエン,訳:羽田 詩津子
講談社文庫
アイルランド系移民の栄光にしのびよる影 移住希望者ひしめくエリス島で起きた殺人。美人逃亡者モリー・マーフィーが、持ち前の勇気と知恵と行動力でニューヨークの街を駆け巡る。 20世紀初頭、殺人を犯してアイルランドの実家を飛び出したモリーは、かくまってくれたキャスリーンの子供たちを、肺病の彼女に代わって夫の待つニューヨークに連れていくことに。しかし、船のなかでモリーの嘘を嗅ぎ付けて脅してきた男が入国目前のエリス島で殺されて……。アガサ賞最優秀長篇賞を受賞。 モリーはとにかく威勢がいい。弱者、とりわけ女性は耐え忍ぶのが当然、という古い時代の中で、正しいと思ったことをズバズバいい、誰かに頼るのではなく自分で運命を切り開いていこうとする。それでいて、おしゃれにも気を遣い、ハンサムな男性には胸をときめかす。実際にモリーのような女性がいたら、友だちになって、ひと晩しゃべり明かしたくなりそうだ。――<「訳者あとがき」より>
傷つけ合う家族 ドメスティック・バイオレンスを乗り越えて
傷つけ合う家族 ドメスティック・バイオレンスを乗り越えて
著:藤木 美奈子
講談社文庫
止むことのない家庭内暴力・虐待に、どう立ち向かうのか? ーー11歳で義父から受けた性的虐待。崩壊寸前の家庭から逃げるように結婚した相手からの激しい暴力。長年にわたるドメスティック・バイオレンスを、著者はどう乗り越え、自らの尊厳にめざめたのか? DV防止法施行後も止むことのない家庭内暴力。「弱者いじめ」に立ち向かう心と術(すべ)を説く、感動のノンフィクション。
電子あり
夜の明けるまで 深川澪通り木戸番小屋
夜の明けるまで 深川澪通り木戸番小屋
著:北原 亞以子
講談社文庫
生きるのが辛くなった人々をやさしく迎えてくれる木戸番小屋があった―― 江戸の片すみ・澪通りの木戸番小屋に住む笑兵衛(しょうべえ)とお捨(すて)。心やさしい夫婦のもとを、痛みをかかえた人たちが次々と訪れる。借金のかたに嫁いだ女、命を救ってくれた若者を死なせてしまった老婆、捨てた娘を取り戻そうとする男……。彼らの心に温かいものが戻ってくる物語全8作。 第39回吉川英治文学賞受賞作
電子あり
疾風のヴァンパイヤー 九鬼鴻三郎の冒険(2)
疾風のヴァンパイヤー 九鬼鴻三郎の冒険(2)
著:笠井 潔
講談社文庫
暴力と破壊の芸術家、凄絶なる帰国! 闇を切り裂き銃火を交わす殺しのプロフェッショナル! モスクワの上流訓練学校で破壊工作技術を叩き込まれた九鬼鴻三郎は、数年ぶりに日本の土を踏んだ。秘密工作員となった彼に与えられた任務は、全身が凶器と化したアメリカ人2人の来日目的を探ることから始まる。接触の一瞬後には、生死を分かつ闘いの分水嶺が待っていた! 〈『ヴァンパイヤー風雲録』改題〉(講談社文庫) 暴力と破壊の芸術家(アーティスト) 凄絶なる帰国! 東京の闇を切り裂き銃火を交わす殺しのプロフェッショナル――! モスクワの上流訓練学校で破壊工作技術を叩き込まれた九鬼鴻三郎は、数年ぶりに日本の土を踏んだ。秘密工作員となった彼に与えられた任務は、全身が凶器と化したアメリカ人2人の来日目的を探ることから始まる。接触の一瞬後には、生死を分かつ闘いの分水嶺が待っていた! 〈『ヴァンパイヤー風雲録』改題〉
電子あり
佃の渡し 臨時廻り同心日下伊兵衛
佃の渡し 臨時廻り同心日下伊兵衛
著:押川 國秋
講談社文庫
表もあれば、裏もある 理不尽だけは許されめぇ 別れたはずの女は不治の病なのか。事件を追う伊兵衛に、翳を落とす。 別れた女が不治の病と知ったとき―― 八丁堀同心として年輪を重ねた日下伊兵衛。見世物小屋で男に働かされる女に同情し、芝居に興奮した侍に父親を斬り殺された子の世話を焼く。そんなとき医師玄朴から、足繁く通っていたおさわの消息を聞く。苦悶して死んだ玄朴の妻と同じ病だというのだ。〈文庫書下ろし〉
電子あり
すきもの
すきもの
著:前川 麻子
講談社文庫
みだらさの中の切なさ……男の欲望が、私の望む愛! ーーお金なんていらない。欲しいものはセックスだけ。自分にとっての男の価値は、生活や人生を守ってくれることではない。それは愛とは思わない。欲しいと求められて、はじめて自分の存在が必要とされていると思う。欲望こそ愛なのだAV業界の「なんでもあり」のなかのしぶとさや優しさを描く表題作ほか。
電子あり
私刑連鎖犯(下)
私刑連鎖犯(下)
著:ジャン・バーク,訳:渋谷 比佐子
講談社文庫
FBIの「指名手配凶悪犯リスト」に挙げられている10名が、次々に「処刑」されていく。市民の支持を集め始めたエクスタミネーター。その過去に、ブランドン刑事は着目した。 犠牲者の会を名乗る犯人達は、FBIのリストに記載された指名手配犯を次々に惨殺。治安の悪化に不満を抱いていた市民からは歓迎ムードすら漂い始める。逆さ吊り、拷問の痕……ブランドン捜査官は10年前に起きた女性連続殺人との共通点に気づく。法の秩序を無視した私刑の連鎖を止めることはできるのか。 「『NINE(本作の原題)』は10点満点」――オーランド・センティネル紙 「魅力的な設定、第1級のミステリー」――USAトゥデイ
私刑連鎖犯(上)
私刑連鎖犯(上)
著:ジャン・バーク,訳:渋谷 比佐子
講談社文庫
新ヒーロー登場! 指名手配中の凶悪犯が逆さ吊り死体で発見された。法秩序を無視した私的な処刑は続くのか?山と正義を愛する男、ブランドン刑事が「執行人」を追う。 指名手配犯が逆さ吊りの惨殺体で発見された。犯人は自警団を気取り、FBIに先んじて死刑を執行したことを宣言するかのごとく、現場に「9」の数字を残していった。残虐な「私刑」はまだ続くのか? エドガー賞受賞の名手が生み出した新ヒーロー、アレックス・ブランドン刑事が活躍する圧倒的サスペンス。
奥能登に吹く殺意の風
奥能登に吹く殺意の風
著:西村 京太郎
講談社文庫
十津川班の刑事、北条早苗は、旅行中の能登で何者かに狙撃され負傷する。当初、人違いで撃たれたのかと思われたが、犯人から早苗殺害を予告する挑発的な電話が。また東京・国立ではバスが爆破され、早苗の同僚、清水刑事が死亡した……。不可解な犯人の狙いに、十津川警部が鋭利な推理で挑む傑作ミステリー。(講談社文庫) 謎めく犯行動機 苛立つ十津川! 十津川班の刑事、北条早苗は、旅行中の能登で何者かに狙撃され負傷する。当初、人違いで撃たれたのかと思われたが、犯人から早苗殺害を予告する挑発的な電話が。また東京・国立ではバスが爆破され、早苗の同僚、清水刑事が死亡した……。不可解な犯人の狙いに、十津川警部が鋭利な推理で挑む傑作ミステリー。
電子あり
異人伝 中島らものやり口
異人伝 中島らものやり口
著:中島 らも
講談社文庫
寝言は寝てから言え! 生き続ける魂の言葉 52歳は「失っていく」年。けれど逆に一種のすがすがしさがある。2004年7月に52歳で亡くなった著者が、死の直前に人生をふり返り、酒とクスリ、社会と家族、娯楽作家の業、そして自らの「死」と「生きること」を直感的に語る。死ぬのも怖くない。貧乏も怖くない。ただ愛が怖い。中島らも最後のメッセージ。
源氏物語 巻六
源氏物語 巻六
訳:瀬戸内 寂聴
講談社文庫
四十の賀を盛大に祝った源氏に兄である朱雀院の愛娘・女三の宮が降嫁し、絢爛を誇った六条の院に思わぬ波乱が生じはじめる。愛情の揺らぎを感じた紫の上は苦悩の末に倒れ、柏木は垣間見た女三の宮に恋慕を募らせるがその密通は源氏の知るところとなり……。 源氏物語千年紀 みやびな現代語で読める!わかる!愛と世のはかなさを知る物語 男と女が綾なす圧巻のドラマが展開する第六巻 四十の賀を盛大に祝った源氏に兄である朱雀院の愛娘・女三の宮が降嫁し、絢爛を誇った六条の院に思わぬ波乱が生じはじめる。愛情の揺らぎを感じた紫の上は苦悩の末に倒れ、柏木は垣間見た女三の宮に恋慕を募らせるがその密通は源氏の知るところとなり……。
電子あり
風のまつり
風のまつり
著:椎名 誠
講談社文庫
謎の女と疑惑の目 心騒がす旅の長篇小説 謎の女が島にいた。図鑑の撮影で訪れただけのカメラマン・神田六平を、南の島の人々は怪しんで、あれこれと勘繰る。台風が近づき、選挙に沸く島で、六平の身辺は一触即発となる。ほのかな恋情を胸に、年に1日だけの「風のまつり」を見た六平は、その静かで激しい光景に呆然とする。シーナ式旅の長篇小説。
新装版 俄(下) 浪華遊侠伝
新装版 俄(下) 浪華遊侠伝
著:司馬 遼太郎
講談社文庫
電子あり
新装版 俄(上) 浪華遊侠伝
新装版 俄(上) 浪華遊侠伝
著:司馬 遼太郎
講談社文庫
電子あり
チェルシー
チェルシー
著:桜井 亜美
講談社文庫
死へと向かっていく少女たちの心の闇を描くネット掲示板「メビウスゼロ」に書き込みをする“チェルシー”と名乗る少女。その掲示板では集団自殺旅行が計画されていた。チェルシーによる、死の旅の結末は? (講談社文庫) 将来の希望は「死ぬ」こと――。4人の男女は樹海をめざした。 文庫化にあたり大幅に加筆修正! ネット掲示板「メビウス・ゼロ」に書き込む、“チェルシー”というハンドルネームを持つ少女。その掲示板では、集団自殺旅行『フェアウェル・ツアー』が計画されていた。死への旅に向かったチェルシーたち4人の男女が、行き着いた場所は? 若者たちの心の闇をリアルに描き、生きることの意味を問う衝撃作。
電子あり
コイン・トス
コイン・トス
著:幸田 真音
講談社文庫
佐藤さん
佐藤さん
著:片川 優子
講談社文庫
僕は、「佐藤さん」が怖い。ナイフを持っているわけではないし、不良でもない。ごく普通のクラスメイトの女の子を僕が怖がる理由は、彼女に憑いているアレのせい――。気弱な高校生の僕と、佐藤さんの不思議な関係は幽霊から始まった。青春時代のみずみずしさがあふれる第44回講談社児童文学新人賞入選作。 除霊から始まった――「僕」と「彼女」の奇妙な関係 僕は、「佐藤さん」が怖い。ナイフを持っているわけではないし、不良でもない。ごく普通のクラスメイトの女の子を僕が怖がる理由は、彼女に憑いているアレのせい――。気弱な高校生の僕と、佐藤さんの不思議な関係は幽霊から始まった。青春時代のみずみずしさがあふれる第44回講談社児童文学新人賞入選作。
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未・フレンズ
未・フレンズ
著:魚住 直子
講談社文庫
「心きれい」なんて言わないで! 『非・バランス』の著者が描く「友だちって何?」ーーもし私だったら、そんなふうに生き残りたくないと深澄(みすみ)は思う。自分からまっすぐに矢のように落ちていく……。小さいときから「仕事ニンゲン」の両親に自立を強いられて育ち、15歳になった深澄。お嬢様学校になじめず、いつも不機嫌な毎日を送っていたが、ある日、街はずれの崖の上で不思議な異国の少女に出会う。友だちになろうとする二人の前に、お金、親子、学校、仕事……大人たちの世界が冷たく立ちはだかる。 ◎「自分は、やっぱりひ弱なんだろうなと、ちょっと恥ずかしい。でも、ひ弱な人間も、生きていかなくちゃいけない。だからこそ、もう少し重なりたい。もうちょっとだけ、つながりたい。」<あとがきより>
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Gift
Gift
著:飯田 譲治,著:梓 河人
講談社文庫
消えた記憶と51億円……俺は一体誰なんだ!? ーー病院で目覚めた由紀夫は、みずからの記憶を失っていた。どうやら彼は、消えた51億円の行方を掴んでいるらしく、周囲には、謎の女社長・奈緒美ら、怪しげな面々が……。奈緒美の考案で、頼まれたものは何でも運ぶ「届け屋」となった由紀夫。はたして彼は、失くした過去を取り戻せるか? ミステリータッチで描く、感動のストーリー。
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わが家の夕めし
わが家の夕めし
著:池波 正太郎
講談社文庫
変わらない食卓の風景。変化する昭和の街角。人生の達人が綴る、豊かなる暮しの情景。 作家として多忙な日々を送る著者が、毎日、楽しみにしていたわが家の夕めし。子供の頃から好きな冷奴に、ついつい食べ過ぎるとろろ飯……。自作が、テレビドラマになったときの感想のほか、瀬戸内寂聴さんに「マジメ人間にして、大淫乱」と評された話など、暮しの達人が多彩な面を垣間見せる、随筆51編を収録。
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