講談社文庫作品一覧

LAST
講談社文庫
外国人窃盗団に雇われ、通帳から現金をおろす出し子の男が最後に打った手は(「ラストドロー」)。住宅ローンに押し潰されそうな主婦が選んだ最後の仕事とは(「ラストジョブ」)。リアルで凶暴な世界に、ぎりぎりまで追い詰められた者たちが、最後に反撃する一瞬の閃光を描く。明日への予感に震える新境地の連作集。(講談社文庫)
もう、あとがない!でも明けない夜はない。
LAST RIDE/LAST JOB/LAST CALL/LAST HOME/LAST DRAW/LAST SHOOT/LAST BATTLE
“現実”に押しつぶされそうになった7人の、予想もできない反撃!
外国人窃盗団に雇われ、通帳から現金をおろす出し子の男が最後に打った手は(「ラストドロー」)。住宅ローンに押し潰されそうな主婦が選んだ最後の仕事とは(「ラストジョブ」)。リアルで凶暴な世界に、ぎりぎりまで追い詰められた者たちが、最後に反撃する一瞬の閃光を描く。明日への予感に震える新境地の連作集。

影笛の剣
講談社文庫
門前仲町老舗の奉公人が次々に襲われた。主人たちに依頼され、警護の任にあたる始末人・蓮見宗二郎。敵は“影笛の剣”の使い手・峰崎京之介を刺客に送る。――哀しい笛の音、後に残るは首を一太刀にされた屍――渋沢念流・宗二郎はその残忍な刃を見切ることができるか!
始末人の復讐劇の幕が開く、書下ろし長編!宗次郎ら始末人を仕切る鳴海屋の拠点深川で強請や殺し等凶悪事件が続発。やがて始末人仲間が殺られ、宗次郎が窮地に…。渋沢念流の怒りが燃えるシリーズ最新作!

いま、抗暴のときに
講談社文庫
暴走する国家に萎えるか、抗うか
アメリカの大規模な戦争犯罪について沈黙し、看過することは視えない共犯の環に加わることだ。いまほど戦争という絶対暴力に抗わなければならないときはない。――プチ独裁者・コイズミの本質を暴き、大量殺戮を追認するマスメディアに憤る。反人間的時代を生きる「知」を満載した怒りの同時代論第2弾。

妻敵討ち 鴉道場日月抄
講談社文庫
柳は緑、花は紅 あるがままを受け入れる極意の剣!
江戸・小石川の貧乏剣術道場、柳花館で病に倒れた道場主の代わりを務める師範代・高森弦十郎。門弟とその姉が胡乱(うろん)な浪人に付け狙われていることを知った弦十郎は2人を匿(かくま)うが、裏には意外な事情が隠されていた。表題作ほか、世の不条理、時代の波に翻弄される人情の機微を描く、書き下ろし時代小説連作集。

影の王国
講談社文庫
『ミスティック・リバー』デニス・ルヘイン、『サイレント・ジョー』T・ジェファーソン・パーカー、『曇りなき正義』ジョージ・P・ペレケーノスらの傑作をおさえ、ハメット賞を受賞したスパイ・スリラーの最高傑作!
パリに住むハンガリー人モラートは、2つの顔を持っていた。ひとつは広告代理店の共同経営者、もうひとつは秘密活動を行うスパイである。第2次大戦開戦直前のパリで、優雅な暮らしを満喫しながら、一方でヒトラーに抗い、祖国を守ろうと暗躍した男の姿を描いた傑作スパイ・スリラー。ハメット賞受賞作。
モラートもヘミングウェイと同じように虚無感を抱えている。が、それでも彼は伯父の求めに応じてスパイ活動に飛びこんでいき、どんな目にあっても泣き言をいわず、ストイックに行動していく。歴史小説の要素がどうのという以前に、男も惚れるヒーローの物語として、この小説はたまらなく魅力的なのだ。この点を考えると、本書がダシール・ハメットの名を冠した賞を受賞したのは、実は非常に当を得たことではないかと思えてくる。――<「訳者あとがき」より>

アンの夢の家
講談社文庫
ふたりで見れば世界は輝く。いつも驚かされるめぐりあいの不思議さ。ーーギルバートと結婚したアンは、アボンリーを離れ、フォア・ウインズに見つけた「夢の家」で暮らしはじめる。おだやかな内海沿いに建つ家に訪ねて来る、人間味豊かな隣人たちとの、出会い、ふれあい、別れ。そして、やがておとずれる新しい命。魂の邂逅が、いっそうの愛情あふれる人生をかたちづくる。講談社だけの完訳版『赤毛のアン』シリーズ全10巻の5。

マーダー・リング
講談社文庫
なにげない日常から殺意は生まれる。取り違えた鞄に3千万円が。本来の所有者は何者かに殺された。着服したい男は、犯人を突きとめようとするが? (「殺意を運ぶ鞄」)。倒産会社の残務処理に追われ、ホテルの1室で憤死した男が最後に会ったのは? (「武士の情」)。悪意が醸成される都会の日常にこそ人生の陥穽(かんせい)が口を開ける。森村ミステリーの粋。(講談社文庫)
なにげない日常から殺意は生まれる。取り違えた鞄に3千万円が。本来の所有者は何者かに殺された。着服したい男は、犯人を突きとめようとするが? (「殺意を運ぶ鞄」)。倒産会社の残務処理に追われ、ホテルの1室で憤死した男が最後に会ったのは? (「武士の情」)。悪意が醸成される都会の日常にこそ人生の陥穽(かんせい)が口を開ける。森村ミステリーの粋!

滅びのモノクローム
講談社文庫
CM制作者・日下(くさか)が骨董市で偶然手に入れた、古いフライフィッシング用のリールとスチール缶。その中から発見した16ミリフィルムの映像をCMに利用しようと考えた日下だったが、そのことが戦時中の封印された犯罪を暴き出し、新たな殺人を引き起こす結果に!? 第48回江戸川乱歩賞受賞作、待望の文庫化。(講談社文庫)
1本のフィルムが暴く日本人の恥ずべき犯罪!
CM制作者・日下(くさか)が骨董市で偶然手に入れた、古いフライフィッシング用のリールとスチール缶。その中から発見した16ミリフィルムの映像をCMに利用しようと考えた日下だったが、そのことが戦時中の封印された犯罪を暴き出し、新たな殺人を引き起こす結果に!? 第48回江戸川乱歩賞受賞作、待望の文庫化。

似せ者
講談社文庫
芸に生きる人間たちの愛、業、人情、切なさ
「似せ者とわかっていながら、なぜこんなにも心が騒ぐのだろうか」。時は江戸。歌舞伎芝居の名優のそっくりさんが二代目を名乗り、人々は熱狂して迎えるが……。表題作のほか、若い役者2人の微妙な関係を描く『狛犬(こまいぬ)』、お仕打が東奔西走する『鶴亀』、幕末混乱期の悲恋をめぐる『心残して』の全4編を収録。

時生
講談社文庫
「あの子に訊きたい。生まれてきてよかった?」
悩む妻に夫が語る、過去からの伝言
不治の病を患う息子に最期のときが訪れつつあるとき、宮本拓実は妻に、20年以上前に出会った少年との想い出を語りはじめる。どうしようもない若者だった拓実は、「トキオ」と名乗る少年と共に、謎を残して消えた恋人・千鶴の行方を追った――。過去、現在、未来が交錯するベストセラー作家の集大成作品。

路上探偵事務所
講談社文庫
手がかりは道端にある。魅力的な謎が満載の珍本! ーー徹底的な調査、計測、尾行、記録の上に、大胆極まる推理を開陳。追われる者は本能的に左回りの道を行く、というのは本当なのか? 路上観察の達人が、観察から一歩踏み出した、目からウロコの調査リポート。日本最初の喫茶店、世界最古の雪ダルマ、忍び返しの楽しみ方など、魅力的な謎満載。伝説の奇書が蘇った!

人形幻戯
講談社文庫
美女たちの“論理の神業”が冴えまくる
巨大シャンデリアの落下事件は、“意図した超能力”による犯行か、あるいは“意図せぬ超能力”によるものか?極めて情緒的な動機を、精妙な論理で解き明かす表題作ほか、いつものメンバーに、神麻嗣子(かんおみつぎこ)の属する<超能力者問題秘密対策委員会>の“上司”神余響子(かなまりきょうこ)も加わって美女たちの推理が冴えまくる!

トリック・ミュージアム ミステリー傑作選
講談社文庫
推理短編の精華、ここに極まれり!
取調室では強盗殺人の容疑を認めた被告・湯本が、初公判で一転、起訴事実を全面否認した。捜査を担当した刑事の朽木は、はたして湯本のアリバイを崩すことができるのか――「沈黙のアリバイ」(横山秀夫)。「リトル・マーメイド」(篠田節子)、「十八の夏」(光原百合)など、選び抜かれた傑作短編10作品を収録。
「リトル・マーメード」――篠田節子
「沈黙のアリバイ」――横山秀夫
「十八の夏」――光原百合
「神の言葉」――乙一
「ザプルーダの向かい側」――片岡義男
「物証」――首藤瓜於
「九五年の衝動」――古処誠二
「エンドコールメッセージ」――山之内正文
「十八面の骰子」――森福都
「僕はモモイロインコ」――北川歩実

情事の契約
講談社文庫
スゴ腕融資課長の担保審査は、ベッドの上で。丸ノ内銀行のエース夏目幹太郎は無類の女好き。女たちを牝獣に変える。

リンゴの唄、僕らの出発
講談社文庫
戦争は終わった。しかし、出征した兄は帰ってこない。肩身の狭い疎開の日々は、なお続く。不甲斐ない父と、変節する大人たち。少年は哀しみを抱きつつも、試練を乗り越え成長していく……。教科書に収録され読み継がれてきた、知る人ぞ知る傑作。戦後のあの青空と唄声が鮮やかによみがえる。

熱氷
講談社文庫
愛する者のために男は闘いを選んだ
姉弟として育てられた朱音(あかね)の突然の訃報を、氷山ハンター石澤恒星(いしざわこうせい)はカナダ沖の氷山採取船で聞く。帰国後、朱音の遺児・光晴と心を通わせるが、光晴は誘拐されてしまう。「俺は人は撃たない。撃つのは氷だけだ」という石澤に、総理を狙うテロリストは、解放の条件として“仕事”を課した。息詰まる3日間の攻防!

隅田川浮世桜
講談社文庫
文化の花咲く明治の世。興隆を極める歌舞伎界の御曹司・人気役者の羽村市之助が、大事な舞台に穴を空け、失踪した。市之助と馴染みの芸妓・志津香が苦衷の日を過ごす一方、志津香を育てた向島芸者・お良(りょう)の身辺には陰謀の影が迫っていた。梨園と花柳界を舞台に描く、芸と愛と人情の物語。(『花の堤』改題)
人気役者が突然失踪 粋筋を脅かす陰謀の影
文化の花咲く明治の世。興隆を極める歌舞伎界の御曹司・人気役者の羽村市之助が、大事な舞台に穴を空け、失踪した。市之助と馴染みの芸妓・志津香が苦衷の日を過ごす一方、志津香を育てた向島芸者・お良(りょう)の身辺には陰謀の影が迫っていた。梨園と花柳界を舞台に描く、芸と愛と人情の物語。(『花の堤』改題)

分冊文庫版 狂骨の夢(下)
講談社文庫
「実に、見事な左道であった」。謎の寺院、聖宝院文殊寺に乗り込んだ京極堂。白丘、降旗、そして朱美……、照魔鏡(しょうまきょう)をかかげるがごとく記憶の深淵が明らかにされたとき、歴史の底に凝(こご)っていた妄執が、数百年の時空を超えて昭和の御代に甦る。いくつもの惨劇を引き起こした邪念は果たして祓(はら)い落とせるのか。

分冊文庫版 狂骨の夢(中)
講談社文庫
「あなたの夢こそ鍵になるでしょうね」。京極堂は刑事・木場とともに店の敷居を跨いだ降旗にそう言った。逗子湾に浮かぶ金色(こんじき)の髑髏(どくろ)、葉山の山中で起きた男女集団自決に絡まり縺(もつ)れるようにして殺された老作家・宇多川。やはり犯人は朱美か?目撃された「復員服の男」とは何者なのか?謎は謎を呼ぶ。

分冊文庫版 狂骨の夢(上)
講談社文庫
「妾(わたし)は人を殺したことがあるんでございますよ」。湘南の保養地、逗子で遊民・伊佐間(いさま)は朱美と名のる女と出会う。彼女は幻想小説界の大御所・宇多川崇の妻。しかも奇怪なことにこれまでに何回も夫を手にかけたという。あまりに妖しい告白を聞かされた元精神科医の降旗と牧師・白丘は激しく惑乱して……。