講談社文庫作品一覧

余燼(上)
講談社文庫
天明6年、田沼意次(おきつぐ)が失脚、将軍家治(いえはる)も没し、飢饉と政権の空白に、江戸は一触即発の危険を孕んでいた。馬庭念流の遣手、影井誠一郎は、心ならずも幕閣派のかつての友をひと太刀で倒した。その時から、誠一郎は次期政権をめぐる暗闘の渦中へ引き込まれ、松平定信を推す沢井小平太を守るため、剛剣を振るう!

はやぶさ新八御用帳(七) 寒椿の寺
講談社文庫
旗本、本庄新兵衛が殺された。蔵前の札差、板倉屋の離れで、左胸に出刃包丁を突き立てられ、こと切れていたのだ。板倉屋の娘お栄は、本庄との祝言を目前に控えていた……。町奉行根岸肥前守の懐刀、ご存じ隼新八郎が鮮やかにさばく怪事件。表題作はじめ、珠玉の江戸捕物7編を収めた大人気シリーズ第7集。(講談社文庫)
旗本、本庄新兵衛が殺された。蔵前の札差、板倉屋の離れで、左胸に出刃包丁を突き立てられ、こと切れていたのだ。板倉屋の娘お栄は、本庄との祝言を目前に控えていた……。町奉行根岸肥前守の懐刀、ご存じ隼新八郎が鮮やかにさばく怪事件。表題作はじめ、珠玉の江戸捕物7編を収めた大人気シリーズ第7集。

花櫓
講談社文庫
江戸芝居町・中村座。8代目・中村勘三郎には、二人の娘があった。妾の子・お菊。正妻の子・お珊。気性も、抱く夢も違う二人の、娘から女への成長と葛藤。市川団十郎、松本幸四郎、尾上菊五郎ら、きら星のごとき名優たちの息づかいの中に描かれる、凛々しくも、真珠のように輝く、恋物語。櫓が上がり、柝(ひょうしぎ)が鳴る。恋の舞台の幕が開く。

江戸川乱歩賞全集(7)伯林-一八八八年 高層の死角
講談社文庫
ドイツ娘との恋に煩悶する留学中の医学生・森鴎外が伯爵殺害事件に遭遇、究明に乗り出す。事件の背後には鉄血宰相ビスマルクが!?『伯林――1888年』
東京――福岡。ワンマン社長と美人秘書の連続殺人を繋ぐ鍵は?巨大ホテルを舞台に展開する密室トリックとアリバイ崩しに挑む本格推理。『高層の死角』

江戸川乱歩賞全集(8)殺意の演奏 仮面法廷
講談社文庫
芸能ショーの人気司会者が自室で死体となって発見された。残された暗号日記は遺書なのか、それとも?芸能界の陰影と密室の謎に挑む。『殺意の演奏』
10億円の土地売買をめぐり不動産屋と弁護士が殺される。事件の陰に暗躍する謎の女、利権に群がる地面師。民事裁判の虚実を抉る法廷推理。『仮面法廷』

蘭と狗 長英破牢
講談社文庫
蘭学者・高野長英が、火を放ち牢を破って、逃亡した! 岡っ引の瓢六は、「地獄まで追ってやる」と獰猛に吼えた。密偵役の女房が、巻き添えをくって焼死したからだ。世直しの信念に燃える長英は、瓢六の執念の深さが掴めぬまま、必死に逃亡する。逃げる長英、追う瓢六。サスペンス溢れる12年の闘いを描く、時代小説大賞受賞作。

閉じられた環(上)
講談社文庫
騙すつもりが騙されて船上の恋に落ちた詐欺師
1931年、豪華客船-女王陛下号-(エンプレス・オブ・ブリテン)に乗りこんだ詐欺師コンビ、ガイとマックスの目にとまった絶世の美女ダイアナ。父親は有名な投資家、まさに絶好のカモだった。恋する男を装って罠を仕掛けるマックス。だが大いなる誤算、ふたりは本当の恋に落ちてしまう。歴史と人生の変転を見事に描くゴダードの最高作登場。

野ざらし忍法帖 山田風太郎忍法帖(13)
講談社文庫
駆落ちした美男・隼人は、出世のため、美人妻お圭を、醜男の忍者枯葉塔九郎に売ってしまう。3年後、2人を偶然見た隼人は、お圭に欲望するが、彼女の股間には……。人の心のありようを描いた「忍者枯葉塔九郎」他、立場が人を変えるさまを活写した「忍者服部半蔵」など、生と死を見据えた異色9短編を収録。

海将(下)
講談社文庫
海を知り船を自在に操る小西行長は、豊臣秀吉の西国征服で重要な役割を果たす。だがその心のうちは、宇喜多家に仕えながら小西家の繁栄を願い、悩みに揺れていた。才智の男として歴史に名を残した行長の表と裏を丹念に描いた感動の歴史大作。吉川英治文学賞に輝いた海洋歴史小説の第一人者の筆が冴える(講談社文庫)。
海を知り船を自在に操る小西行長は、豊臣秀吉の西国征服で重要な役割を果たす。だがその心のうちは、宇喜多家に仕えながら小西家の繁栄を願い、悩みに揺れていた。才智の男として歴史に名を残した行長の表と裏を丹念に描いた感動の歴史大作。吉川英治文学賞に輝いた海洋歴史小説の第一人者の筆が冴える!

海将(上)
講談社文庫
堺の薬問屋・小西隆佐は、まだ信長の家臣の1人にすぎない羽柴秀吉に己と一族の将来を賭ける。時は天正、西国の毛利家に対抗するための要となる備前・宇喜多家へ、隆佐は手塩にかけて育て跡継ぎと考えていた18歳の弥九郎を送り込む。わずか10数年後に24万石大名となる小西行長の若かりし日を描いた傑作長編(講談社文庫)。
堺の薬問屋・小西隆佐は、まだ信長の家臣の1人にすぎない羽柴秀吉に己と一族の将来を賭ける。時は天正、西国の毛利家に対抗するための要となる備前・宇喜多家へ、隆佐は手塩にかけて育て跡継ぎと考えていた18歳の弥九郎を送り込む。わずか10数年後に24万石大名となる小西行長の若かりし日を描いた傑作長編。

家族シネマ
講談社文庫
失われた家を求め、映画出演を決めた家族を描いた「家族シネマ」、同棲中の部屋を飛び出した登校拒否の過去を持つ女を描いた「真夏」、転校生といじめを題材にした「潮合い」──心に傷を負った人間が強く生きようとする姿を描き、家族が価値あるものかを現代に問う名作。芥川賞に輝く表題作を含むベストセラー。

手跡指南 神山慎吾
講談社文庫
公金横領の罪で父が切腹、失意のうちに故郷を捨て、江戸で手習師匠となった神山慎吾。だが幽閉された当主の丹波守から遣わされた使者・加奈の言により、心ならずも暴政吹き荒れる修羅場へ舞い戻る羽目に。奸計、嫉妬の渦巻く中、奮闘する慎吾の前に明らかになった父の死の意外な真相とは!? 痛快時代長編。(講談社文庫)
公金横領の罪で父が切腹、失意のうちに故郷を捨て、江戸で手習師匠となった神山慎吾。だが幽閉された当主の丹波守から遣わされた使者・加奈の言により、心ならずも暴政吹き荒れる修羅場へ舞い戻る羽目に。奸計、嫉妬の渦巻く中、奮闘する慎吾の前に明らかになった父の死の意外な真相とは!? 痛快時代長編。

浪人列伝
講談社文庫
浪人とはいえ、傘張りや楊枝削りの貧乏暮しではない。仇討ちに武辺の意地を示す者、大坂城で壮烈な死花を咲かせる後藤又兵衛やキリシタン武将、奇才・平賀源内まで、逆境に怯まず昂然と己の意志に生きる剛気な男たちの、この痛快な生き方!! 戦国から幕末まで、有名無名の浪人を歴史の虚実を縫って描く連作。

天正十年夏ノ記
講談社文庫
天正年間ーー信長は天下統一をめざし、将軍・義昭、武田信玄、上杉謙信、顕如上人らとの戦いに、勝利を続ける。天皇を凌ぐ神の座に就こうとする征服者との交渉役をつとめた正親町(おおぎまち)天皇の秘書官・勧修寺晴豊。この青年貴族の目を通して、未曾有の動乱期をしたたかに生き抜いた天皇と公家たちを描く、渾身の歴史小説。信長上洛! 青年公家が見続けた征服者の貌(かお)。

時代小説傑作選 美女峠に星が流れる
講談社文庫
歴史に立ち向かった人々の意欲・人生を、時代小説の名手たちが鋭く鮮やかに切り取り、物語性豊かに描いた厳選16短編。
〈収録作家〉神坂次郎・瀬戸内寂聴・永井路子・皆川博子・宮城谷昌光・戸部新十郎・白石一郎・杉本章子・田辺聖子・古川薫・宮本徳蔵・黒岩重吾・中村彰彦・泡坂妻夫・村上元三・童門冬二

アジア・旅の五十音
講談社文庫
旅の贅沢……たとえば、夜行バスに乗って、暮れゆく街の風景を眺め、そろそろ眠くなってくるころ、タイの屋台で「目玉焼きもつけてね」と注文するとき。理想の宿、値切りの極意、下痢と闘う、賄賂の問題、蚊と闘う、正しい昼寝、旅先のパンツ、屋台の楽しみ……。好奇心全開で、アジアの路上をひたすら歩く旅人が、「あ」から「ん」まで言葉に託して綴る旅のエッセンス。心地よい眠りと美味しい食べもの旅は、最高の道楽だ!

ゆるやかな絆
講談社文庫
わが子、光へ──真摯な魂の贈り物。 ノーベル賞作家夫妻が綴り、描く家族の共生と命の軌跡 。「この10年間に、こうしたかたちで日々の感想を書き続けた文章が──家内の絵に穏やかに傍証されるようにして──本になって残ったということは、なにより僕自身にとって思いがけないほどありがたい贈り物です(文庫版あとがきより)」
わが子、光へ──真摯な魂の贈り物。
ノーベル賞作家夫妻が綴り、描く家族の共生と命の軌跡
「この10年間に、こうしたかたちで日々の感想を書き続けた文章が──家内の絵に穏やかに傍証されるようにして──本になって残ったということは、なにより僕自身にとって思いがけないほどありがたい贈り物です(文庫版のあとがきより)」ノーベル賞作家夫妻が、家族の共生と魂の軌跡を心をこめて描く、感動の記録。

顧客名簿
講談社文庫
ロシア皇帝の秘宝〈ファベルジェの卵〉とは?
金持ちの未亡人から一儲けを企む謎の投資会社。裏を探る法律事務所の調査員・アーチイの大活躍
ハンサムでお調子者、口が達者で浮気者のアーチイ。父の法律事務所で“秘密調査”を担当しているが、顧客の未亡人が儲け話を持ちかけられた。帝政ロシアの秘宝〈ファベルジェの卵〉に50万ドル。胡散(うさん)臭い話にアーチーが裏を探ると、一味とおぼしき謎の古美術商が殺された。フロリダが舞台のコミカル・ミステリー。

文庫版 魍魎の匣
講談社文庫
箱を祀る奇妙な霊能者。箱詰めにされた少女達の四肢。そして巨大な箱型の建物――箱を巡る虚妄が美少女転落事件とバラバラ殺人を結ぶ。探偵・榎木津、文士・関口、刑事・木場らがみな事件に関わり京極堂の元へ。果たして憑物(つきもの)は落とせるのか!?日本推理作家協会賞に輝いた超絶ミステリ、妖怪シリーズ第2弾。

春秋の名君
講談社文庫