講談社文庫作品一覧

影帳 半次捕物控
講談社文庫
相模屋の店先で雪駄(せった)が一足盗まれた。上野山下の助五郎親分は、懸命に追い、下手人・仙八を挙げた。そこで相模屋出入りの岡っ引・判次は、穏便に赦免してもらおうと、親分に頼みこんだ。ところが、うまくいかない。単純に見えた事件は意外な展開をみせはじめ、やがて大きな謎が……。直木賞作家の傑作捕物帳。(講談社文庫)
直木賞作家のサスペンスあふれる新・捕物帳相模屋の店先から雪駄が一足盗まれた。岡っ引・半次は助五郎親分に挙げられた下手人を、穏便に赦免してもらおうとした。だが単純に見えた事件の裏には深い謎が…

降りしきる
講談社文庫
激しく降り続ける雨の中、女が一人壬生村の新選組屯所に駆け込んだ。好きで来たわけではない、と自棄ぎみにからむ芹沢鴨の女を、沖田総司や土方歳三は、強引に追い返そうとする。その夜、屯所内では凄惨な斬り合いが――。幕末から明治にかけて、時代の奔流に浮き沈みする男女の哀歓を描く、名作短編集。

謀略の首 織田信長推理帳
講談社文庫
天下統一を目前にした織田信長にとって、最大にして最後の敵は一向宗の総本山石山本願寺であった。彼らを壊滅すべく、配下の九鬼水軍では秘密兵器、鉄甲船の建造に着手した。本願寺と組む毛利家はスパイを信長の側近に送り込み、計画の妨害を狙った……。怪事件に信長の推理が冴える!長編歴史ミステリー。

SF三国志
講談社文庫
『三国志』の英雄たちが宇宙に飛び出し大活躍ーー三惑星共和国を、独裁的に支配しようとする曹操。自由な世界を守るため、関羽・張飛ら猛者を引き連れ、劉備はついに立ち上がる。とはいえ、まったく不利な状況。名参謀・諸葛孔明や美女・蝶蝉を味方に引き入れ、どう戦うのか? 大人気『三国志』の英雄豪傑美女が宇宙で活躍する、興奮の傑作スペース・ファンタジー!

二人の天魔王「信長」の真実
講談社文庫
〈天魔王〉織田信長とは、一体どのような武将であったのか。豊富な文献・資料を縦横に駆使し、従来とはちがった驚くべき実像を浮きぼりにする。信長は父・信秀の嫡統だったのか。出自の解明から数々の奇行、合戦に隠された謎に迫る。そして、もう1人の天魔王・足利義教との対比から「信長」の真実を明かす。

不義にあらず
講談社文庫
武家の奥向きにふさわしくない卑賎の女と、その女・やすを憎悪する隠居。親に押しつけられた妻を離別し、やすを手許に置こうと望む当主。かたくなな父子を和解させようと、いじらしく知恵を絞るやすの身は……。体面にしばられる武士の家庭を描いて、人間らしい幸せを求める男女の、愛憎の果てを語る秀作短編集。

炎立つ 参 空への炎
講談社文庫
大敗を喫した源頼義・義家は謀議を尽くして巻き返しをはかる。安倍一族の内紛、出羽清原氏の参戦で安倍貞任・藤原経清の苦闘がつづく。陸奥の運命を担う2人の男は大きな炎となって空を染めようとしていた。源氏と安倍氏の存亡をかけた凄絶な戦いが、戦さ場に生きる人々の愛と哀しみをたたえながら始まる。(講談社文庫)
大敗を喫した源頼義・義家は謀議を尽くして巻き返しをはかる。安倍一族の内紛、出羽清原氏の参戦で安倍貞任・藤原経清の苦闘がつづく。陸奥の運命を担う2人の男は大きな炎となって空を染めようとしていた。源氏と安倍氏の存亡をかけた凄絶な戦いが、戦さ場に生きる人々の愛と哀しみをたたえながら始まる。

炎立つ 弐 燃える北天
講談社文庫
黄金の輝きが招いた戦乱を制した安倍頼良・貞任父子だが朝廷は源氏の総帥源頼義を陸奥守(むつのかみ)として任命した。安倍一族と源氏の永い宿命の戦いがいま始まる。朝廷側に身を置きながらも、蝦夷たちの真実に触れ、藤原経清(つねきよ)はもののふの心を揺さぶられる。後に「前9年の役」と歴史に記される戦いへと時は流れる。(講談社文庫)
黄金の輝きが招いた戦乱を制した安倍頼良・貞任父子だが朝廷は源氏の総帥源頼義を陸奥守(むつのかみ)として任命した。安倍一族と源氏の永い宿命の戦いがいま始まる。朝廷側に身を置きながらも、蝦夷たちの真実に触れ、藤原経清(つねきよ)はもののふの心を揺さぶられる。後に「前9年の役」と歴史に記される戦いへと時は流れる。

炎立つ 壱 北の埋み火
講談社文庫
陸奥の豪族安倍頼良(よりよし)の館では息子貞任(さだとう)の婚儀が盛大に始まった。平将門の乱が平定されてすでに100年を越え朝廷は蝦夷(えみし)たちを俘囚(ふしゅう)と悔るばかりだった。源平の武士たちの台頭を前に東北の地に黄金の楽土を築こうとした藤原氏の夢がこの夜大きな炎となって燃えあがる。著者渾身の大作歴史ロマン全5巻刊行開始!! (講談社文庫)
陸奥の豪族安倍頼良(よりよし)の館では息子貞任(さだとう)の婚儀が盛大に始まった。平将門の乱が平定されてすでに100年を越え朝廷は蝦夷(えみし)たちを俘囚(ふしゅう)と悔るばかりだった。源平の武士たちの台頭を前に東北の地に黄金の楽土を築こうとした藤原氏の夢がこの夜大きな炎となって燃えあがる。著者渾身の大作歴史ロマン全5巻刊行開始!!

スキャンダル(下)
講談社文庫
出る杭は打てとばかりに、妬心に燃えるアンジェラの執拗な攻撃がディアンナを襲う。不気味な手紙の内容が次第にエスカレートする中、アンジェラが殺された。そして、第2の殺人が……。次第に追いつめられていくディアンナを、必死に守ろうとするフィンの努力も虚しく、ついに、彼女までもが消えてしまった!

霧枯れの街殺人事件
講談社文庫
霧で人間まで草のように枯れていく……。霧深い北の街の奇怪な事件。本格ミステリーーー北国の街、久寿里。1年の半分は霧に、冬は雪と氷に閉ざされた所だ。真夏でもぐずつくことの多い空に人々の心は晴れない。この街で、さらに陰鬱な事件が起こった。若い女性の首吊り死体と密室の中の首なし死体が発見されたのだ。署長に嫌われ捜査の主流から外れた4人の刑事が犯人を追う! <『霧の町の殺人』改題作品>

よい病院とはなにか
講談社文庫
先端医療の技術を人間的部分が支えている「病院的世界」。心臓外科、がん医療、脳神経外科、そして老人病棟と取材を重ね、人はいかに死ぬか=人間は何のために生きるかを問いかけた話題の一冊。希望と目的を持って生き、尊厳を保ちつつ老い、死んでいきたいひとびとのために捧げる待望のドキュメンタリー。

あやつり法廷
講談社文庫
柊茂(ひいらぎしげる)検事の法廷推理の冴え美人刑事も応援!
京都嵐山のもみじ祭りの日、川に浮かぶ舞扇に血痕が!裏に潜む殺人事件の謎とは
京都嵐山の「もみじ祭り」で大堰川に浮かんだ”車折芸能船”から撒(ま)かれた舞い扇の中に血塗られた松竹梅の絵柄の扇があった。その血痕には恐るべき殺人の秘密が隠されていた!おなじみ、赤かぶ検事こと柊茂と、弁護人・秋月沙知子の虚々実々の駆け引きが冴える法廷推理長篇傑作。毒キノコが事件の鍵に!?

スキャンダル(上)
講談社文庫
テレビ界での成功を夢見るディアンナ。トークショーの女王、アンジェラの後番組で人気を博し、海外特派員、フィンとの恋も得た矢先、思いがけないスキャンダルが彼女を襲う。さらには「あなたを見ています」と記された不気味な手紙が行く先々に届き始め……。熾烈な競争社会を描いて迫力のスーパーミステリー!

黄金宮(4) 暴竜編
講談社文庫
アフリカ・マラサンガ王国のジャングルに黄金郷を求めて迷い込んだ5人の日本人探検隊は、オムオムオムと響く不気味な太鼓の音を聞いた。そしてついに幻の黄金宮に近づく。しかし黄金宮を死守する五老鬼の秘術の前に5人は恐怖の運命をたどる。雄大な構想のもとに鬼才が描く伝奇SFシリーズの巨篇第4作。

長崎オランダ村
講談社文庫
世界とは、文明とは何かを問いかける傑作。
世界中の大道芸人を集めたイベンター・ナカムラ君のてんやわんや騒動顛末記。
高校生時代の後輩ナカムラへの義理で長崎での講演会を引きうけた小説家ケン。ナカムラがまかされた長崎オランダ村ワールド・ミュージック・フェスティバルの騒動顛末をきいて、ケンの想像力は突然、爆発するのだった。世界とは何か、文明とは何かを真摯に追求する、久々の書下ろし長編小説、待望の文庫化。

運転士
講談社文庫
地下世界の妖しい輝き!芥川賞受賞作品。
トンネルの闇と駅の光が都市生活者の貌(かお)を照し出す。現代の深層を官能的に描く。
時刻ヨーシ、方向切替ヨーシ、発車。電車はスピードを急速に上げ、間もなく軌道が緩やかに下り始め、徐々に傾斜がきつくなっていく。傾斜角1000分の35。都市と都市生活者の様々な貌(かお)をトンネルの闇と駅の輝きが怪しく繋ぐ。カミソリのように光る2本のレールの上に現代を官能的に描く。第107回芥川賞受賞。

娘とわたしのおしゃれごっこ
講談社文庫
女の子ならいつまでも心に残るもの、「赤毛のアン」や「大草原の小さな家」のリバティやグラニープリントの服、着せたいな。そんな親の思いをよそに、頑固な好みが芽生え始めた娘と、成長ぶりがちょっとまぶしい母親の、しどろもどろのおしゃれごっこ。覗いてみませんか? 袋物やエプロンのアイディアもいっぱい。女の子なら、心に残る服、着せたいですね!

鎌倉誘惑夫人
講談社文庫
有閑マダムを襲う甘い罠……スリル&エロス!
院長夫人綾香が病院に敵意を持つ一味に誘拐された。目的は金、それとも怨恨?
「あン……」乳首を吸うにつれ、綾香の熟れた肉体は反り返っていく。鎌倉の院長夫人は真昼間から大学講師秋津との情事に余念がない。夫もピチピチの看護婦と浮気をしている始末である。そんな中、、病院に敵意を持つ一味が彼女を誘拐するという暴挙に出た。秋津は彼女を救い出せるのか!?エロス&スリルの傑作。

心臓告知
講談社文庫
「はっきり告知された方がいいと思いますね。僕は……それが自分の場合であっても」ーー医者は私の顔を見つめながら「3年です」とはっきりした発音でそれを告げた――。古稀を迎えて、戦死した海軍の同期生の3倍以上も生きている直木賞作家が、「寿命3年」と告知された今、思うこと、感じること。生と死を見つめ、老年と「家族」を凝視して、強く静かにつづる、感動の連作私小説集。
生と死を見つめ静かに綴る感動の連作小説集。
「はっきり告知された方がいいと思いますね。僕は……それが自分の場合であっても」、医者は私の顔を見つめながら「3年です」とはっきりした発音でそれを告げた──古希を迎えて、戦死した海軍の同期生の3倍以上も生きている直木賞作家が、老年と死と「家族」を凝視して、強く静かに綴る感動の連作私小説集。