講談社文庫作品一覧

世紀末の殺人
講談社文庫
裏社会でおこったアブノーマルな殺人ーーバブルが弾け散った世紀末、バニティ・フェアに渦巻く裏切り、情痴、そして暗殺。生き残りをかけた浅ましくも壮絶な死闘が、黒い紳士たちの間でいま繰り広げられる。魑魅魍魎の断末魔の叫びが響きわたる「闇世界」に引きずり込まれる志田司郎。長編ミステリーの真骨頂。バブルを清算する裏社会の非情の掟が巻き起こす事件の真相は?

自宅の妾宅
講談社文庫
妻公認の妾を敷地内のアパートに囲った男には、既に3人の愛人が……。さらに新たにもう一人と、夢のような日々のはずが……。女の執念と男の妄想を描く表題作をはじめとして、現実より実感のある不思議な夢に取りこまれ、夢の世界を生き始める男。現実と夢の狭間に入りこんだ男たちの姿を描く異色短篇集!
不思議で豊かな夢の世界を描く異色短篇集!奇妙な夢に取りこまれ夢の世界で生きはじめた男たちを待つものは……
妻公認の妾を敷地内のアパートに囲った男には既に3人の愛人が……。さらに新たにもう1人と、夢のような日々のはずが……。女の執念と男の妄想を描く表題作をはじめとして、現実より実感のある不思議な夢に取りこまれ、夢の世界を生き始める男。現実と夢の狭間に入りこんだ男たちの姿を描く異色短篇集!

何者でもない
講談社文庫
お金はないけど、でっかい夢はある! 劇団に生きる人々を優しく描く、青春小説。……ショウイチは劇団の奴隷だ。奴隷とは最下層の役者で、端役もやらせてもらえないーーショウジショウイチは、劇団二十一世紀少年の奴隷だ。奴隷とは最も下っ端の役者で、通行人はおろか、装置転換ぐらいしかやらせてもらえない。本業そっちのけでアルバイトに精を出し、住まいは当然風呂なしアパート。そんな彼らが唯一手にしているもの、それが夢なのだ。劇団に生きる人々をやさしく描く青春小説。

炎立つ 四 冥き稲妻
講談社文庫
仇の子となり奥州藤原氏の栄華を開いた忍ぶ男の戦い。安倍が滅び、出羽の清原一族が治めることとなった奥六郡に藤原経清の妻結有は忘れ形見の清丸とともに留まっていた。清原の嫡子武貞の妻としてである。亡き兄と夫の志を胸に秘め敵方の一族として忍従の戦いを続ける母子の前に源義家が陸奥守として現われる。清原一族の確執が「後3年の役」の嵐を呼び起こす。(講談社文庫)
仇の子となり奥州藤原氏の栄華を開いた忍ぶ男の戦い。
安倍が滅び、出羽の清原一族が治めることとなった奥六郡に藤原経清の妻結有は忘れ形見の清丸とともに留まっていた。清原の嫡子武貞の妻としてである。亡き兄と夫の志を胸に秘め敵方の一族として忍従の戦いを続ける母子の前に源義家が陸奥守として現われる。清原一族の確執が「後3年の役」の嵐を呼び起こす。

鷲の歌(下)
講談社文庫
琉球の苦衷を察した薩摩の新代官・市来四郎は、架空国家トカラを作り対外貿易に利用するが、琉球王朝内の薩摩憎しの声はおさえきれない。一方、薩摩藩内にも島津斉彬(なりあきら)の積極貿易をめぐる対立が顕在化していた。しかし、思いもかけぬ斉彬の急死が、状祝を一変させた。衝撃的な運命が、市来や琉球の親薩摩派親方たちの上に降りかかる! 史伝文学の巨匠が万感の想いをこめて描き上げた、幕未琉球の悲劇。薩摩と明国のエゴに悩む小国の行方! <上下巻>

鷲の歌(上)
講談社文庫
安政年間、琉球王国は日中両国に従属させられ、苦渋の中にあった。王朝高官は二派に分裂し、将来への確たる展望も見出せない。折しも、対外国貿易拠点としての利用を目論む薩摩藩主・島津斉彬(なりあきら)の圧力が、この島国を襲う。王朝の苦しみは、民衆の上にもさまざまな形で暗い影を落としはじめていた……。該博な知識と卓越した史観で、強大国の利害に翻弄される小国の悲哀と知識人の悩みを綴る歴史巨編。<上下巻>

夏姫春秋(下)
講談社文庫

夏姫春秋(上)
講談社文庫

雪に舞う剣
講談社文庫
激しく揺れた幕末・日本。明治という夜明けに向かって、若者たちは命をかけて立ち上がる。高杉晋作ら歴史に名を残す人物から、討ち死にし忘れ去られた数多くの武士、愛する人と刃を交えなければならなかった娘まで……。維新期の日本を生きた人々を、その心の葛藤までも見事に描いた、感動の歴史小説集。幕末を生きた武士たちの、真の姿が明らかに!

はやぶさ新八御用帳(四) 鬼勘の娘
講談社文庫
隠居するまでは、鬼勘と仇名されていた名御用聞き勘兵衛は、今も新八郎の老練な手足である。その娘で、利発なはねっかえりの小かんが、「一刻も争う」と、御用部屋を訪ねて来た。奉公先の佐竹右京大夫家に異様な内紛が生じて、次男の命が危いという……。武家の面目を保つ、意地と苦悩の難事件等8編を収録。 (講談社文庫)
武家の面目に関わる難儀を捌く、新八の手練。
隠居するまでは、鬼勘と仇名されていた名御用聞き勘兵衛は、今も新八郎の老練な手足である。その娘で、利発なはねっかえりの小かんが、「一刻も争う」と、御用部屋を訪ねて来た。奉公先の佐竹右京大夫家に異様な内紛が生じて、次男の命が危いという……。武家の面目を保つ、意地と苦悩の難事件等8編を収録。

女優志願
講談社文庫
人気女優の秘められた過去 MWA賞作家の人気シリーズ最新作 離婚スキャンダルで苦境に立つ若き天才監督マシュー・ワックスの伝記執筆のため愛犬ルルを伴ってハリウッドに乗り込んだホーギー。マシューを囲む人人には、それぞれ明かされたくない過去があった。そして、ついに殺人が……。愛と憎しみが交錯する映画界を舞台に謎に迫るホーギー。人気シリーズ最新作!

風の砦(下)
講談社文庫
愛も無力となるほどに苛酷な、蝦夷の大地。厳しい寒さと水腫病が、警備の藩士たちの生命を次々に奪った。和人たちの横暴を憎みながらも、心を開き始めるアイヌの若き女。人妻への思慕を断ち切れぬ、青年武士。苦悩の愛を抱えながら男たちは、寡黙に、生命を賭けて北の守りを固める。自然と歴史に立ち向う愛の群像。許されぬ愛の苦悩を背負い、歴史に立ち向かう、侍たちの姿!<上下巻>

風の砦(上)
講談社文庫
幕末の北海道に生きた若き武士たち。ロシアの樺太進出を恐れ、江戸幕府は、東北諸藩に蝦夷地の警固を命じた。厳寒の地で歴史の荒波に翻弄されながらも、土地を愛し人を愛して、まっすぐ生き抜こうとする男と女を描く、感動の歴史長篇。人妻との運命的な出会いは、侍の道を超え、純粋な愛の旋律を奏で始める。厳寒の地・北海道の警固を志願した若き侍たちの運命は? <上下巻>

時代小説傑作選 闇に立つ剣鬼
講談社文庫
周五郎、幻の名作から新鋭の力作までの17編。
幻の名作『生きている源八』をはじめとする短編小説の佳品を網羅。これ1冊で時代小説の面白さが存分に味わえる。<収録作家>山本周五郎・藤沢周平・森村誠一・隆慶一郎・清水義範・杉本苑子・永井路子・南原幹雄・古川薫・黒岩重吾・滝口康彦・佐江衆一・皆川博子・綱淵謙錠・村上元三・南條範夫・伊藤桂一

琉球の風(三)雷雨の巻
講談社文庫
裏に徳川政権の巨大な圧力をみせて殺到する薩摩軍。その薩摩に吸収されながら、明に対しては独立王国の体面を見せなければならない琉球の苦悩。しかし老いも若きも、男も女も、心に秘めた琉球の誇りを、しっかり握りしめていた。国再興へ、南海王国建設へ、人々の胎動が始まる。大ロマン完結編。〈全三巻〉

琉球の風(二)疾風の巻
講談社文庫
薩摩の侵攻に膝を屈するか、独立をかけて抵抗するか。薩摩軍の圧倒的な武力の前に苦悩する琉球。明の援軍は期待できるのか、できないのか?主戦・非戦と国論は2分したが、誰しもが祖国の誇りを守ろうと熱い血潮をたぎらせていた。──歴史の動乱のはざまで苦悩する沖縄の老若男女を描く。(全3巻)

琉球の風(一)怒濤の巻
講談社文庫
中国・明からの冊封使を迎えて琉球はわきかえっていた。時は紀元17世紀初頭、明では万暦34年、日本では慶長11年のことである。一見華やかな冊封の儀式だが、実はその裏で、琉球は大和と明の間で苦しい立場に置かれていたのである──沖縄、江戸、京都、薩摩、北京に展開する歴史ロマン。〈全三巻〉

ひねくれ一茶
講談社文庫
江戸の荒奉公で苦労の末、好きな俳諧にうち込み、貧窮の行脚俳人として放浪した修業時代。辛酸の後に柏原に帰り、故郷の大地で独自の句境を確立した晩年。ひねくれと童心の屈折の中から生まれた、わかりやすく自由な、美しい俳句。小林一茶の人間像を、愛着をこめて描き出した傑作長編小説。田辺文学の金字塔。

汚名
講談社文庫
徳川家康に信頼され重用されて、幕府草創期に辣腕を振った能吏・本多上野介正純(こうずけのすけまさずみ)。二代秀忠の世になり、「宇都宮釣り天井事件」の嫌疑で失脚、奥州に無惨な幽閉の身となる。権力の非情と冷酷、汚名に甘んじる自己犠牲。一切を黙して配所に赴く正純の潔い人間像を、陰密の目を通して骨太に描き出す、傑作歴史長編。権力の冷酷非情に甘んじる、自己犠牲の武士道!

柴錬大岡政談
講談社文庫
八代将軍・吉宗の治世、陰陽易占が隆盛をきわめ、妖怪変化が跳梁するという江戸市中、さらに胆を潰す面妖な事件が、次々と起こる。天狗か怪盗・闇法師の仕業か? 大岡忠相の懐刀、八の字眉に眇眼、おまけに獅子鼻の与力・石子伴作と、白面の素浪人・蝋燭ざむらいの推理合戦!! 奇想天外、一味も二味も違う大岡政談。