講談社文庫作品一覧

鈴姫異変
講談社文庫
澄みきった秋空のお鷹野、将軍・家光にピタリと照準があてられた……。父の無念をはらさんとする、美しい鈴姫の危機一髪をみたび救う、眉目秀麗、着流しの浪人者。はたして、鈴姫の冒険の結末はいかに? という表題作のほかに、「初冬物語」「抜打ち侍」「金四郎日和」「鼠小僧次郎吉」を収録。とりわけ心躍る、傑作痛快時代小説集。

特攻
講談社文庫
最後の証言と機密資料を掘り起こし、特攻の真相を追う。戦闘員の死を予め前提にした戦術は、いかなる経緯で立案されたのか。神風特攻、回天、桜花、震洋という人間兵器の誕生から結末までと、そこにかかわった人間たちの悲痛なドラマを、丹念な取材でたどる。ついに突きとめえた“真実”のドキュメント。

春秋戦国志(上)
講談社文庫
中国故事名言の9割以上を産んだとされる春秋戦国時代は、また、国家形態の原型が造られ、諸子百家などすぐれた思想家を輩出させた、世界的に稀有な時代でもあった。その550年を軽妙につづる、出色の歴史物語。本巻は東周王朝成立から、管仲、鮑叔が大活躍する斉桓公の「覇王時代」までを描く。(全3冊)

浮世絵ミステリ-ゾ-ン
講談社文庫
江戸人の旺盛な好奇心と明けっぴろげな欲求に最も敏感だった情報メディア・浮世絵。その絵をじっくり“読む”ことから、遊び心と知恵に溢れた暮らしの豊かさ、楽しさがはっきり見えてくる。浮世絵の不思議な魅力を語りつつ、江戸の社会を考察し、人々の日常の実相を解き明かす軽妙で含畜に富むエッセイ。

悲劇が進む 新版・四番目の恐怖
講談社文庫
フクシマが起きた今だからこそ……原発の危険性を証明し、廃絶を訴えた、歴史的名著! ーー原子力が危険すぎる事実を、すでに国民の誰もが知ってしまった。スリーマイル島、ウィンズケール、チェルノブイリ……。それでも、一部の原子力関係者が強硬論を吐き、1億2000万人を断崖から突き落とそうとしている。彼らは、なぜ原子力を愛するのだろう。いま世界の誰もが原発の廃絶を望んでいるのに! 美浜原発、青森・六ヶ所村再処理工場……生存のために残された唯一の選択をするとき!

シンボーの人間模様
講談社文庫
普通の人々との愉快な出会い、楽しい会話、そして懐かしい想い出をつづるエッセイ。韓国、フィリピン、中国から日本の各地へと旅して出遇った「普通人」と、たくまずに繰りひろげる人間コメディ。こんなにも心の通う世界があったのかと、驚かずにはいられません。シンボーの優しい眼が、人間の輪を拡げます! 人間のやさしい心があふれています。

雪のコンチェルト
講談社文庫
雪を求めてゲレンデからゲレンデへと1年中放浪の旅を続けるタヌ公こと田沼義晴と白人のジムは、伊能御子と由香利という女子大生と、立山のスキー場で知り合う。由香利はジムに熱を上げ、放浪の旅に同行、御子は由香利の親から頼まれて彼女を東京へ連れ戻すが、自分が二人と旅に出てしまう。自由を求めて生きる青春群像を描い名作。風間トオルや石田純一らで映画化された、スキー場で燃え、スキー場で散ってゆく、切なくも美しい恋の物語。白いゲレンデにしか咲かない恋もある!
自転車いっぱい花かごにして
講談社文庫
自然と語るいちえさんの初めてのエッセイ集四季折々、風のささやき花のつぶやきを耳をそばたてて聞いてみた静かで慈愛にあふれた小さな世界がひろがります。椎名誠の写真を添えて構成する宝石のような一冊

撃墜(下)大韓航空機事件
講談社文庫
この事件は空の安全のために何を残したか。大韓航空機撃墜事件の根本的謎は解明されなくとも、事件発生のさまざまな要因を可能なかぎり想定することによって、再発防止のための方策を立てることはできるーー
大韓航空機の謎を多角的に解明してきた著者が、その後さらに驚くべき新事実を発見。ここに、コース逸脱の核心に迫り、スパイ説の虚構をはぐ。事件全体がブラック・ボックスに封じ込められたまま、歴史の中に置き去りにされようとしている。再発防止のための方策を立てる上で、この事件から何を学ぶべきか。ソ連側の新情報を加えて検証した事件の真相、ノンフィクションの金字塔! <全3巻・完結>
大蔵省証券局
講談社文庫
証券不正事件を惹起した証券局の徹底分析.損失補てん,インサイダ-取引など戦後初の証券スキャンダルに震撼とする業界・行政の癒着の構造を明らかにする.証券局や東証の人脈,天下りの実態を暴くルポ.

小説巨大証券
講談社文庫
インサイダー取引、主幹事をめぐる激烈な争い、会社乗っ取り――バブル経済を演出し、上場企業・投資家を手玉にとった証券会社。そこには果てしない野望とダーティな思惑が交錯していた!“株”という妖怪を巧みに操りながら、経済界に暗躍した巨大証券の現場を、克明に活写したドキュメント・ノベル。

「名探偵」に名前はいらない
講談社文庫
依頼人は美女、老人、ヤクザ! 内容も夫の浮気からポルトガルまで遺産渡しへ行く国際的活動まで様々。皮肉な寂しい中年探偵は金もなく愛を求めながら今日も街を歩く。(講談社文庫)
命を狙われながら謎を追う私立探偵の活躍!
依頼人は美女、老人、ヤクザ! 内容も夫の浮気からポルトガルまで遺産渡しへ行く国際的活動まで様々。皮肉な寂しい中年探偵は金もなく愛を求めながら今日も街を歩く。

名もなき道を(下)
講談社文庫
死んでしまった教え子槙山の孤独に見えた人生に苑子という女性がいた。四高、東北大学時代の奇行学生をよやうく理解した恩師吉松は、槙山の7回忌で同級生たちから新たな槙山像を知る。戦中戦後を流されないで生きた1人の男の生涯を、絶妙の筆致で描き切った名作長篇。第1回柴田錬三郎賞受賞作品。

私を殺したのは誰?
講談社文庫
被告人・南茂・23歳。不法監禁・強姦・殺人容疑で起訴。南は、女子中学生を郊外の一軒家に3日間閉じ込め、レイプ殺人を犯したという。しかし、本人は少女の方からしかけられたと主張。そして何と、傍聴人席には、殺されたはずの少女がすわっていた! 奇怪なロリコン殺人の真相を解き明かす、弁護士夫婦の推理の冴え!

美智子妃
講談社文庫
羨望と期待を一身にうけ、初の民間出身の妃として嫁がれて、およそ30年。3人のお子様にかこまれ、まさに日本を代表する理想の家族像を見せてもくださる。未来の皇后として、どのような役割を果たしてこられたのか、秘話をもとに皇太子妃としてすごされたその半生を綴る感動のベストセラー、文庫版化。

名もなき道を(上)
講談社文庫
ただ1人、四高時代の教え子の中にどうしようもなく破滅的に見える男がいた。退職した教授吉松は、卒業後20年も司法試験を受け続けてきた槙山の、壮絶な人生の謎を追っていく。病院長の息子で、不器用に人から非難され奇行の限りを尽しながら、なぜか人の心に大きなものを残した男の青春。
改訂新版 公園には誰もいない
講談社文庫
私立探偵真木が活躍、ハードボイルド秀作。失踪したシャンソン歌手を調査するうちに死体を発見、悲劇的な家庭の事件に巻き込まれる。抑制された文体が心地よいリズムを生む日本の私立探偵小説不朽の名作。

モテるモテないは紙一重
講談社文庫
野性味を失いつつある男たちを叱咤する。男は手ぶらが一番、後生大事に鞄をかかえて歩くなど女の生まれ変りか、男が美形をきどったらおしまいよ、といった女からみた現代の男への注文と理想像ーー女性から「いい人ね」といわれたら、それは色恋の対象外よ、との決定的宣告である。では男は、惚れた女性に対して、どうふるまえば「いい人」にならなくてすむか。どう動けば「いい男」にみえるか。その答えが、あまたの具体例を添え、本書で展開される! 痛快筆致で定評ある、女の本音の恋愛術、好エッセイ。

ラトビアの霧
講談社文庫
文化交流使節団に入ってラトビアを訪れた新聞記者・瀬尾は、通訳の美女ナターリアに心ひかれた。ところが団員のひとりが“誘拐”され、怪事件に発展する。4年前に神戸で起きた殺人、さら40余年前の中国大陸で発生した出来事が、いま歴史の霧を破って暴露される! 現地取材によって情緒豊かに描かれた、傑作長編ミステリー。
神戸,中国大陸,ラトビアを結ぶ惨劇の真相ラトビアへの文化使節団の中で,ひとりが誘拐された.新聞記者がその謎を追ううちに浮かび上がった過去の惨劇とは?現地取材にもとづく,国際色あふれる推理長編

東眺西望 歴史エッセイ
講談社文庫
寄せては返す歴史の波。営々とはてしのない悠久の流れ。古今東西人類万歳! 生ある地球を語り救う思想と人物! ーー古今東西、人類は果てしない歴史の営みを継続してきた。秦の始皇帝陵のおびただしい兵馬俑、草原に展開する遊牧と定住のドラマ……。文明の波は全世界に寄せては返し、人間存在の重みを証明している。過去・現代・未来への流動と息づきを、地球規模で展望し、人の英知と歴史の知恵を模索する名エッセイ。