講談社文庫作品一覧
雨の日のショ-ト・ストッパ-ズ
講談社文庫
あたかもガラス細工のような男と女の関係.母親の介在しない別れた父と子の食卓,息子はいつまでもショ-トストッパ-であった父の存在を覚えていてくれるだろうか.軽やかで乾いた心情を描き出す短篇集.

ナイン
講談社文庫
愛しき町の息吹を描き出す「私」の東京物語少年の日の熱い感動とレギュラ-9人のその後の人生を語る「ナイン」、よりを戻す男女の話を盗みぎきする話「太郎と花子」など街に生きる歓びをうたう短篇連作集。(講談社文庫)
懐しい町の匂いを求めて、私はときどき駅を降りてみる。四谷しんみち通り、20年前の野球少年たちはどうしているだろう。ぷーんと木の香をさせていた職人のおじさんは元気にしているだろうか。バスの窓から見る風景も、雑踏の中で垣間見るドラマも、東京の町はすべて通りすがりの私の胸に熱く迫ってくる。

メルセデスの伝説
講談社文庫
狂気の天才ヒトラーが日本へ贈った悪魔的名車、グロッサー。伝説の霧に包まれる未曽有のスーパーカーを追って、TVプロデューサー島本理江の野心は燃える。彼女の仕事に関わった鳥井貢は、白銀のメルセデスに隠された父親の死という、もう1つの謎に突きあたる。昭和史の闇に挑んだ傑作スーパーロマン!

フォト・ルポ 七つの海で泳ぎたい
講談社文庫
揺れ動く世界のなかで、何が変わり、何が根づこうとしているのか。モルディブ諸島からフィリピン、イベリア、アルゼンチン、延吉などの海峡のはざまから考える。海を行き丘の陰にくつろぐとき、そこで接する普通の人々の生活に、何か素直に肌で感じとれるものがある。民衆のホンネをくみあげるカラー文庫。

トム=ソーヤーの冒険
講談社文庫
遊びのことならまかせとけ! わんぱく少年トムのいたずらは、いつだってゆかいでスリル満点。海賊になろうと家出をしたり、洞窟を探検して迷子になったり……。おかげでポリーおばさんは、はらはらどきどきの連続です。ミシシッピ川沿岸の小さな町を舞台に、少年の夢と冒険をいきいきと描いたアメリカ文学の最高傑作。何度でも読みたい、腕白トムのスリルと笑いあふれる愉快な物語。子供の世界の楽しさ、のびやかさを描いた名作。
いちどは読みたいアメリカ文学の最高傑作!ミシシッピ川沿岸の小さな町を舞台に,いたずら好きなわんぱく少年トムが,海賊ごっこや宝さがしなど,スリルと笑いのあふれる大冒険をつぎつぎにひきおこします
新横浜発12時9分の死者
講談社文庫
消えた人妻と手書き地図の謎!本格推理秀作アメリカから一時帰国中の人妻が消えた.遺産相続をめぐる陰謀があったのか.彼女の手書きの地図をもとにライタ-浦上は真相を追う.アリバイ崩しの冴える長編.

誘惑魔
講談社文庫
警備会社に転職した江原光彦は、派遣先のスーパーできれいな顔をした女が万引するのをつかまえた。正式の取調室をいやがる女を江原はラブホテルヘ連れ込んだ。泣きながらかぶりを振る女に江原は強引に挑みかかった。悪徳ガードマンの赤裸な日常をあますところなく描いたピカレスクロマンの長編傑作。

改訂新版 青春の門 <再起篇>
講談社文庫
ぬくぬくと居心地のいい冬眠の季節はもう終りだ。人生の目的を見つける過程が青春なら、信介は、いまやそのただなかにいる。若さに賭けて、再会した織江とともに未知の芸能の世界へ踏みこんでゆく。いま信介の新天地への出発! 混沌とした現代をいちずに生きる若者の魂が、熱い共感を呼ぶ大河ロマン(講談社文庫)
50年代のいちずな青春群像を描く大河小説人生の目的をみつける過程が青春なら、信介はいまやその渦中にいる。若さに賭けて、再会した織江とともに未知の歌の世界へと踏みこんでゆく。大河ロマン第6部。

アリバイ特急+-の交叉
講談社文庫
寝台特急「富士」に乗っている男が、同時刻に他の場所で殺人を犯すことができるだろうか? 日向・札幌・東京で起こった殺人事件の真犯人を追って、黒江壮と笹谷美緒の探偵コンビが、犯人のめぐらした鉄壁のアリバイ崩しに挑む。宮崎→北海道→東京を結ぶ、傑作トラベル・ミステリー長編。

幻世
講談社文庫
現代の諸相の奥に潜む真実を抉るエッセイ集ーーさまざまなメディアに取り巻かれ、その情報によって客体化された世界に生きる、われわれ。メディア時代の大衆は、実物よりメディアにより複製化された虚像の方に事実を感ずる感受性を持つ。『東京漂流』で大きな反響を呼んだ著者が、内視鏡を巧みに操るように、現代の諸相の内奥に潜む「真実」を、鋭い感性で抉る。

氷海からの生還
講談社文庫
カモメを食い、死の恐怖と闘った16日間。極限状況の中でどう戦い抜いたのか? ーー北洋漁業船「第71日東丸」は、サハリン東海域で操業中に突然沈没し、船長以下16人の乗組員全員の死亡が伝えられた。しかし、絶望的な死の漂流を続けた、3人の生還者がいた。苛酷な自然の中で闘い抜いた男たちの、強靱な精神力と驚嘆すべき生命力を感動的に描く。
静かなスパイ
講談社文庫
アメリカ政界深部の陰謀を描く長編推理小説夫は出世の階段を登りつめ、今や国務長官に。だがその夫にスパイの疑いが――。元花形テレビレポーターの妻が真相を探ろうとした時、怪奇な殺人事件が続発した。

この胸に光は消えず
講談社文庫
交通事故で車椅子での生活となった著者。流れる水で手を洗った日、ボタンがかけられた日、ベッドを叩いて泣いた。あの日の空の深々と青く、温かな色を忘れない――青春を打ち砕き、人生を決定的に変えた事故、その日から13年。恋人の死が、父親の死があった。涙をぬぐって「生きるための力」として綴った、車椅子の冬・春・夏・秋……1年間の魂の自伝的な黙想ノート。
車椅子で力強く生きる女性の魂の黙想ノート青春を打砕いた事故、人生を決定的に変えた病気…その日から13年。退院し笑顔を十字架に“自分の枷”として綴った車椅子での冬・春・夏・秋…1年の黙想ノート

ハ-ド・ラック・ウ-マン
講談社文庫
シンこと石森信たちのロックバンド「ナイトメア」のグルーピーが殺された。誰も彼女の本名を知らない。メンバーにも疑いがかかるが……。待望の長編ロック小説。(講談社文庫)
悪い星の下に生まれた女、ライの哀しい過去。
シンこと石森信たちのロックバンド「ナイトメア」のグルーピーが殺された。誰も彼女の本名を知らない。メンバーにも疑いがかかるが……。待望の長編ロック小説。

ツァラトゥストラの翼
講談社文庫
この本は1頁から順には読めません。あなたにささやきかける陰の声に対するあなた自身の選択と決断に従って物語が作られていきます。宝石“ツァラトゥストラの翼”を盗んだ犯人を追って、ただ1つの正解をめざしスタートして下さい。岡嶋二人が贈る、数千万、数億通りの変化が楽しめる究極のミステリー。
旅の幻燈
講談社文庫
五木文学の原点をなす、初めての自伝小説。禁じられた性の目覚めに震える少年の日の記憶。亡き母への清冽な思慕。学生時代に出逢った女たちへの淡い回想。白いアカシアの花影に五木文学の詩と真実が揺れる

時のカフェテラス
講談社文庫
喫茶店で見た油絵は、亡父が宝物にしていた高名画家の作に似ている。そこから回想はわが家の過去にと及ぶ。父の死、経済危機、姉による絵の売却、さらに姉の私生活の秘密とその死。あの絵は、幾多の人生模様を眺めてきた。人生での休息点「時のカフェテラス」を舞台に人間の哀歓を巧みに描く秀作集。
感傷戦士 五月香ロケーションPART1
講談社文庫
現代の戦いの女神、梨羽五月香18歳の死闘傑出した能力をもつ台湾・飛虎族を父に、飛彈忍者の末裔を母に、生まれながらの戦士として誕生した五月香。クーデター計画にまきこまれた彼女の決死の旅が始まる

夜の虹
講談社文庫
一年に一度だけ、箱根のリゾートホテルに集まる「七夕会」の優雅なメンバーたち。しかし、ある年、そのメンバーが次々と怪死してしまう。すべての事件の発端は、6年前の女子大生暴行事件にあった。恋人同士の俊之と美由紀が、ベッド・ディテクティブで、事件の真相に迫る。都会派本格長編ミステリー!

小説の如く奇なり
講談社文庫
事実が小説よりも面白い、というのは間違いだ。小説のように面白い、と考えるのが正当ではないか。作家の自負心から、小説という虫メガネで事実をとらえてみたいと志した著者が、札幌の屋台、元横綱の断髪式、温泉場の芸者さん、能古島の愉しい漁師、シンガポールのラッフルズ・ホテルなどをたずね歩いた、出色の読みもの12編。奇なる事実の背後にある小説的なおもしろさを、作家の自負をこめ作家の目で捉え、ユニークな題材に挑んだルポルタージュ!