講談社文庫作品一覧
徳川家康(六) 燃える土の巻
講談社文庫
信玄陣没の風聞に、家康は武田勝頼の機先を制して長篠城を手に収める。同じ日、信長は越前の亥山城で朝倉義景の首級をうけ取った。家康の二男結城秀康の誕生をめぐって、ついに大地は燃えあがる。築山殿の嫉妬の焔、お万の方とお愛の方の嫁した小谷の城も炎上した。
信玄陣没の風聞に、家康は武田勝頼の機先を制して長篠城を手に収める。同じ日、信長は越前の亥山城で朝倉義景の首級をうけ取った。家康の二男結城秀康の誕生をめぐって、ついに大地は燃えあがる。築山殿の嫉妬の焔、お万の方とお愛の方の嫁した小谷の城も炎上した。
徳川家康(五) うず潮の巻
講談社文庫
天下布武をめざす猛将信長と呼応して、輝かしい明日をひらくか、男の意地を貫き倒れるか、家康にとって三方ヶ原の合戦は、その生涯を決する運命の岐路だった。上洛せんの火蓋を切った名将武田信玄を迎え討つ若き家康――その乾坤一擲の雄図の前に、妻築山殿と家臣大賀弥四郎の思いがけぬ裏切りが待つ‥‥。
鳥葬の国―秘境ヒマラヤ探検記―
講談社文庫
世界で初めてとらえられた奇習”鳥葬”の 戦慄すべき実態と、個性豊かな個人より成り立つ探検隊内部の人間関係を大胆に公開した人間中心の秘境ヒマラヤ探検記。

おとこ・おんなの民俗誌
講談社文庫
一夜妻・よばい・色好み・ふんどし・赤不浄・中棒・密通・遊女・ぼんがま等々、性に関する言葉や行為、結婚の形態や古来からの慣習などの由来や変遷、地域的相違を、民俗採訪や多くの古典・文献をもとに論証。民俗学の性や結婚の分野を論じながら、興味本位に流れるのを避け、積極的に学問への道をさぐった好著。

日本歴史を点検する 対談 海音寺潮五郎/司馬遼太郎
講談社文庫
勝海舟、西郷隆盛、島津斉彬など傑者たちの幕末維新の活躍。幕府末期の政治。維新へ向けての薩摩・長州など諸藩の動静、近代統一国家への転換等々。歴史文学の巨匠が、蘊蓄を傾けて延々十時間も語りあかした日本の歴史。古今東西に亘る博識を縦横に抜瀝して、世界の中の日本民族を考察した快著。

実感・女性論
講談社文庫
女には男を無作法にさせるものがあり、着飾った妻にわけなく不機嫌になる夫がおり、目をつぶる女の性格に彼は油断ならぬものを感じ、そして女は……。男と女が顔つき合わせ、身体をつき合わせて暮らしている、愛着と軽蔑と哀しみと奇妙に親しげなおかしみに満ちた愛と性の姿。鋭い感性が把えた女性論、人間論。

駿河遊侠伝(下)富嶽二景
講談社文庫
世は維新政府となり、やくざ渡世も変貌する。清水次郎長は道中探索方となり、山岡鉄太郎、勝海舟に協力、清水港の開港をはじめ、晩年は開墾に従事する。という熱病にたおれるまでの次郎長一代記のほか、富士山を挾んで甲州黒駒の勝蔵との宿縁を描く「富嶽二景」を収録した長編傑作。<全3巻>
徳川家康(四) 葦かびの巻
講談社文庫
今川義元の死により解放された松平元康は、永禄五年清洲城に信長を訪ねて和睦し、駿府から妻子を迎え、家康と改名。永禄十年、信長は前将軍足利義輝の弟義昭を征夷大将軍にもりたてて、その実権を握る。時に三十五歳。二十七歳の家康は松平の姓を一門に残して、姓を徳川と称し、東海の一角に勢力を伸ばす。
徳川家康(三) 朝露の巻
講談社文庫
今川家の人質となった松平次郎三郎元信と名のり、翌年義元の姪鶴姫と結婚し、のち元康と改名。永禄三年、川中島に対峙した上杉と武田の勝負が膠着状態になったとき、上洛の行動を開始した今川義元は、信長の奇襲戦法に、田楽桶狭間の露と消え、元康の運命も大きく回転する。

鉄火奉行
講談社文庫
現将軍派の頭領、老中・水野越前は、大御所派に属する遠山左衛門尉を失脚させ、自派の鳥居忠耀を奉行職に就かせようと画策し、兇悪五人組の召捕りに、ひと月の日限を切った。しかし、金さん自ら張込む陣頭指揮、町方躍起の探索にもかかわらず、連日市中を荒し回る傍若無人ぶりに、就任当時は江戸市民に人気のよかった金さんにも、「あんまり当てにならねえな」と、非難の声が起こり出した。窮地に立つ金さん! そして、仲秋8月15日、深川八幡祭りの夜、意外な事件が突発した。御家人くずれの馬場陣十郎に行手を阻まれた遊人風の男を見て、笠井小平太は思わず叫んだ。「あっ、親玉が危い!」……。

駿河遊侠伝(中)
講談社文庫
駿河一円に名をあげた親分・清水の次郎長も、金毘羅代参の石松の非業な死、義理にからんだ争いから、甲州の暴れん坊・黒駒の勝蔵との対決……、と因果な渡世は続くが、時勢はご維新に移り、遊侠の世界も変ってゆく。幕末下の任侠道に生きぬく次郎長一家の浮沈を、実録風に描く傑作。<全3巻>
徳川家康(一) 出生乱離の巻
講談社文庫
動乱の戦国時代、孤城岡崎の幼主と生まれた竹千代は、松平一族の希望の星であった。が、今川、織田の対立の下、一族の前途はなお暗く、生母於大は政略のため他家へ嫁ぐ‥‥。剛毅と知謀を兼ね備えて泰平の世を開いた名将家康の波瀾の生涯を描いて現代人の心に永遠の感動を刻む世紀のベストセラーの発端編。

もぐらの言葉
講談社文庫
その柔軟な感性と、したたかな批評眼で、文壇随一の文明批評家と定評ある著者が、身をひそめて人の世の動向を鋭敏に察知する「もぐら」的人間への、憧憬と共感をこめて贈る、軽妙洒脱な随想集――《私の鑑賞席》《わがまち東京》ほか、ルポルタージュ・文学論・人生断想など、多彩でユニークなエッセイ、45編を収録。

日本医家伝
講談社文庫
日本初の人体解剖を行った山脇東洋、『解体新書』の翻訳という偉業を達成した前野良沢、日本で最初の種痘法をロシヤ抑留中に習得した中川五郎治、ドイツ医学採用に狂奔し晩年は悲惨だった相良知安、自らの屈辱感をバネに医学の道を邁進した荻野ぎん等、近代医学の先駆者12人の苦難の生涯をえがく。
徳川家康(二) 獅子の座の巻
講談社文庫
六歳の竹千代は今川家へ人質として送られる途中、織田方の手中に落ちる。父広忠が非業の死を遂げて岡崎の城は今川に明け渡され、竹千代は今川の手にある織田信長との人質交換で駿府へ送られる。一方、斎藤道三の娘を娶った信長は暗愚をよそおい、四面楚歌のなかで、ひとり時機の到来を待っている‥‥。

フランクリン自伝
講談社文庫
貧しい印刷工から身を起こした著者は、勤勉と向上心を信条にして、人々の信望を得、ついに指導的人物になった。常に市民の側に立って発言・行動し、人間の向上を目指したフランクリン――その生涯の自伝は、人生の指針と知恵を授ける「永遠の教科書」である。「富にいたる道」も併せた新訳。

ティヴォリの情炎
講談社文庫
5月の暑いローマで、人妻となった耀子と再会した信介の胸にあざやかによみがえったのは、6年前のある夜、東京の青山の深夜スナックで、はじめて顔を合わせ、その後ともに過した夜の苦い思い出だった。日本人離れした妖艶な美貌と、奔放で大胆な姿態は変わることなく、ローマの郊外ティヴォリで、誘われるままに、白昼夢のような甘美な一時を持った。マロニエの街並に消えた日本娘への思慕。若く美しいパリジェンヌとの快美な情事。異国情緒を豊かに散りばめ、海外に材を得て展開する華麗な情事の飛跡……。他に「トレドの遠い夢」など4編を収録。<「パリは今日も雨降る」改題作品>
こがね虫たちの夜
講談社文庫
「こがね虫は、虫だ、金倉たてた、虫だ、なぜ虫だ、やっぱり、虫だ‥‥」。この奇妙な響きに二度と帰らぬ季節への訣別の想いをこめた「こがね虫たちの夜」。車を駆り虚空へ飛び去る若き魂の一瞬の燃焼を謳う「自由をわれらに」。他に「聖者が街へやってきた」「モルダウの重き流れに」「星のバザール」。青春への清冽な鎮魂歌、五篇を収めた。

古典落語(続々々)
講談社文庫
日本民族の文化遺産、古典落語の集大成を文庫版で試みる待望の第5巻。各作品は、いずれも数代にわたる名人芸によって磨きぬかれた名作の全篇無削除版である。本巻総収録作品36編、東京篇「狸賽」「付き馬」「禁酒番屋」「高田の馬場」など30編、上方篇、「馬の田楽」「愛宕山」「景清」など6編。
日本民族の文化遺産、古典落語の集大成を文庫版で試みる待望の第5巻。各作品は、いずれも数代にわたる名人芸によって磨きぬかれた名作の全篇無削除版である。本巻総収録作品36編、東京篇「狸賽」「付き馬」「禁酒番屋」「高田の馬場」など30編、上方篇、「馬の田楽」「愛宕山」「景清」など6編。

駿河遊侠伝(上)
講談社文庫
14、5の年から博奕を打ち、家出、放浪のあげく、いかさま骰子を使う、暴れん坊・清水の次郎長こと、駿河清水港・米屋次郎八の養子・長五郎。もって生まれた度胸と筋の通った義理と人情で、やくざ仲間で頭角をあらわし、海道筋一の親分と慕われてゆく。俗にいう清水二十八人衆の活躍と、若き日の次郎長親分の人物像を描く。<全3巻>