講談社文庫作品一覧

呉越春秋 湖底の城 五
講談社文庫
楚王の死去を知った伍子胥は呉王・僚を討つ。公子光は呉王闔廬となり、その子・終累は太子となった。子胥は闔廬の命で呉の外交を任されている季子のもとを訪れる。季子は「斉に対して呉は事を構えずと伝えるべし」と述べ、子胥がその使者となった。斉に入った子胥は、その足で孫武と、孫武のもとに預けた褒小羊を迎えにいく。孫武の献策により、次々と敵を懐柔していく闔廬。いよいよ、子胥の悲願でもある楚との決戦が迫ってきた!
楚王の死去を知った伍子胥は呉王・僚を討つ。公子光は呉王闔廬となり、その子・終累は太子となった。子胥は闔廬に後年『孫子』で名を馳せる孫武を推挙する一方、闔廬の命で呉の外交を任されている季子のもとを訪れる。季子は「斉に対して呉は敵対する意志がないことを伝えるべし」と述べ、子胥がその使者となった。斉に入った子胥は、その足で孫武と、孫武のもとに預けた褒小羊を迎えにいく。孫武の献策により、次々と敵を懐柔していく闔廬。いよいよ、子胥の悲願でもある楚との決戦が迫ってきた! 決戦前夜、伍子胥篇第五弾!

大江戸妖怪かわら版 (6) 魔狼、月に吠える
講談社文庫
大欧州から渡来船が来る! 浮足立つ大江戸で謎の奇病が流行り出す。異形の者たちが織りなす人情噺にほだされる人気シリーズ第六弾。

闇に香る嘘
講談社文庫
村上和久は孫に腎臓を移植しようとするが、検査の結果、適さないことが分かる。和久は兄の竜彦に移植を頼むが、検査さえも頑なに拒絶する兄の態度に違和感を覚える。中国残留孤児の兄が永住帰国をした際、既に失明していた和久は兄の顔を確認していない。27年間、兄だと信じていた男は偽者なのではないか――。全盲の和久が、兄の正体に迫るべく真相を追う。
村上和久は孫に腎臓を移植しようとするが、検査の結果、適さないことが分かる。和久は兄の竜彦に移植を頼むが、検査さえも頑なに拒絶する兄の態度に違和感を覚える。中国残留孤児の兄が永住帰国をした際、既に失明していた和久は兄の顔を確認していない。
27年間、兄だと信じていた男は偽者なのではないか――。
全盲の和久が、兄の正体に迫るべく真相を追う。

赤ヘル1975
講談社文庫
一九七五年――昭和五十年。広島カープの帽子が紺から赤に変わり、原爆投下から三十年が経った年、一人の少年が東京から引っ越してきた。やんちゃな野球少年・ヤス、新聞記者志望のユキオ、そして頼りない父親に連れられてきた東京の少年・マナブ。カープは開幕十試合を終えて四勝六敗。まだ誰も奇跡のはじまりに気づいていない頃、子供たちの物語は幕を開ける。
一九七五年――昭和五十年。広島カープの帽子が紺から赤に変わり、原爆投下から三十年が経った年、一人の少年が東京から引っ越してきた。
やんちゃな野球少年・ヤス、新聞記者志望のユキオ、そして頼りない父親に連れられてきた東京の少年・マナブ。カープは開幕十試合を終えて四勝六敗。まだ誰も奇跡のはじまりに気づいていない頃、子供たちの物語は幕を開ける。

殺人出産
講談社文庫
人は人生で4度、殺意を覚える--。芥川賞受賞作家、村田沙耶香の最大の衝撃作はコレだ!--今から100年前、殺人は悪だった。10人産んだら、1人殺せる。命を奪う者が命を造る「殺人出産システム」によって人口を保つ日本。会社員の育子には十代で「産み人」となった姉がいた。蝉の声が響く夏、姉の10人目の出産が迫る。未来に命を繋ぐのは彼女の殺意。昨日の常識は、ある日突然変化する。表題作、他三篇。
祝!芥川賞受賞
村田沙耶香 最大の衝撃作はコレだ!
10人産んだら、1人殺せる。「殺意」が命を産み出す衝動となる。
今から100年前、殺人は悪だった。10人産んだら、1人殺せる。命を奪う者が命を造る「殺人出産システム」によって人口を保つ日本。会社員の育子には十代で「産み人」となった姉がいた。蝉の声が響く夏、姉の10人目の出産が迫る。未来に命を繋ぐのは彼女の殺意。昨日の常識は、ある日突然変化する。表題作、他三篇。

錠前破り、銀太
講談社文庫
腕扱きの盗人だった銀太は、今や足を洗って蕎麦屋の主。しかし、続発する詐欺事件を前に、被害者を救うため悪徳質屋に忍び込む!

武家屋敷の殺人
講談社文庫
孤児院育ちの美女から生家を探してほしいとの依頼を受けた弁護士・川路。唯一の手がかりは、20年前の殺人と蘇るミイラについて書かれた異様な日記のみ。友人・那珂の助けを借りてついに家を突き止めるが、そこは江戸時代から存続するいわく付きの武家屋敷だった。そして新たな殺人が……。謎とトリック2倍増しミステリ!

蓬莱 新装版
講談社文庫
面白い。文句なく、面白い。大沢在昌氏絶賛!今野敏警察小説の見事な源流!この中に「日本」が封印されている。ゲーム「蓬莱(ほうらい)」の発売中止を迫る不可解な恫喝。なぜ圧力がかかるのか、ゲームに何らかの秘密が隠されているのか!? 混乱の中、製作スタッフが変死する。だが事件に関わる人々と安積警部補は謎と苦闘し続ける。今野敏警察小説の原型となった不朽の傑作、新装版。
面白い。文句なく、面白い。大沢在昌氏絶賛!
多重する謎を解いてゆく不朽の傑作、新装版。
今野敏警察小説の見事な源流!
強大な力が葬ろうとする「蓬莱」の秘密とは!?
この中に「日本」が封印されている―。
ゲーム「蓬莱(ほうらい)」の発売中止を迫る不可解な恫喝。なぜ圧力がかかるのか、ゲームに何らかの秘密が隠されているのか!? 混乱の中、製作スタッフが変死する。だが事件に関わる人々と安積警部補は謎と苦闘し続ける。
今野敏警察小説の原型となった不朽の傑作、新装版。

戦国BASARA3 徳川家康の章/石田三成の章
講談社文庫
豊臣秀吉を倒し、“絆の力”で日の本の国を統一せんと願い、ついに動き始めた徳川家康。彼は雑賀孫市の力を借り、戦国最強・本多忠勝と共に関ヶ原を目指す。群雄割拠する乱世の天に、彼の祈りは届くのか!? 人気沸騰のスタイリッシュ英雄(HERO)アクションゲーム・ノベルが文庫化! 4ヵ月連続刊行最終巻!

忍者烈伝ノ続
講談社文庫
妖術、謀略、血闘! この漢たち、烈し過ぎる!! 発売即重版の人気シリーズ、待望の続刊。大和国を得た松永久秀の元に、幻術士・果心居士が現れた。伊賀忍者・笹児一味は、主の命を受け、難敵果心を追う。同じ頃、美濃を攻略した織田信長は、秀吉・家康らを従えて、天下統一へとひた走っていた。立ちはだかる信玄、謙信、そして久秀。動乱の世で暗闘する、忍びたちの終生を描く人気シリーズ。いざ佳境へ!

二度泣いた少女 警視庁犯罪被害者支援課3
講談社文庫
支援員・村野秋生の電話から聞こえた被害者家族の名前に、隣の松木優里は衝撃を受けた。青木那奈――それは支援課に赴任し担当した少女の名だった。八年前に父が殺された少女が、義父の死体を発見した。こんなことが二度起こるのか? 義父の死に涙を見せない少女へ、疑惑の目は向けられていく。大人気文庫書き下ろし・支援課シリーズ、第3弾にして最高傑作!
警視庁犯罪被害者支援課――犯罪被害者の家族などの心の支援を行うセクション。
帰庁の時刻となった頃、電話が鳴った。応対した支援課の村野秋生の隣に座る、松木優里はスピーカーフォンから聞こえた被害者家族の名前に、強烈な衝撃を受けた。
青木那奈……被害者の娘の名前は、八年前、自身が支援課員として初めて担当した少女の名だった。
父を殺され、叔母に引き取られた少女。八年の時が流れ、義父が殺されたのだという。
支援課に緊張が走る中、村野たちは、文京区にある病院へと急行する。
こんな偶然は二度起こるのか? 涙を見せず、気丈に振る舞う少女は、やがて自分自身が大きな疑惑に呑み込まれようとしていた――。
堂場瞬一の真骨頂! 文庫オリジナル書き下ろしシリーズ第三弾。感動のラストに、あなたも二度泣くことになる!

ドント・ストップ・ザ・ダンス
講談社文庫
「にこにこ園」園長兼探偵・花咲慎一郎。彼の携帯に調査依頼が入った。洋菓子店『若草』の職人・内野の身辺調査をしてほしいと。一方、にこにこ園で大事件が起こる。並木浩太郎の父親が路上で襲われ意識不明となったのだ。父子家庭の浩太郎のため、花咲は母親の久美の居場所を探す。さらに『若草』の内野には恐るべき過去があった。一人待つ少年のために、花ちゃんは今日も走る! 大人気<保育士探偵・花咲>シリーズ、第5弾!
新宿にある「にこにこ園」園長・花咲慎一郎の電話が鳴った。城島探偵事務所の城島耕助からだ。保育所のために探偵稼業もしている花咲への今回の依頼は、世田谷にある老舗洋菓子店『若草』のパティシエ・内野の身辺調査だった。依頼者は秘せられているが、経費は自由に使えるという内容に、焦臭さを感じながらも花咲はその依頼を引き受けることにした。
一方、保育所で事件が起こる。年長組の並木浩太郎の父親・俊太郎が新宿の路上で暴漢に襲われ意識不明になったのだ。母親が出て行ってしまったため浩太朗のめんどうはすべて父親が一人でしていた……。
浩太郎のため、母親の久美を探す花咲。同時に内野には恐るべき過去があることを知る。二つの出来事に翻弄され、不眠不休で疾走する花咲。やがて、それぞれの人物に奇妙な関連性が見え始めるころ、事件は大きな展開をむかえる。花咲は、保育所で一人待つ少年のために、今日もも走り続ける!
テレビドラマ化もされた大人気<保育士探偵・花咲慎一郎>シリーズ、第5弾! 柴田ミステリの真骨頂、ここに登場!

渦巻く回廊の鎮魂曲 霊媒探偵アーネスト
講談社文庫
霊媒師・アーネストのもとに持ち込まれたのは、十六年前、画家・藤村透基の屋敷から消えた少女の捜索依頼。屋敷には渦巻き状の奇妙な回廊があり、最深部には「持ち主の運命を狂わせる」と噂される人形が飾られている。依頼を引き受けた友人のことが気にかかって、若き喫茶店店主の佐貴も藤村邸に同行することに。年に一度開かれる紫陽花観賞会に招かれた二人の前で、新たな殺人事件が発生してしまい――。

峠越え
講談社文庫
弱小の家に生まれ、幼少期を人質として過ごした家康は、織田と同盟を組むが、家臣同然の忍従を強いられる。信長の命で堺にいるとき、本能寺の変が起きた。三河へ戻るには、明智の追っ手から逃れ、敵が潜む伊賀を越えねばならぬ。杓子定規の石川数正、武田の家臣だった穴山梅雪ら、部下たちもくせ者揃い。己の凡庸さを知る家康は、四面楚歌の状況から脱出できるのか? 本能寺の大胆仮説もふくむ大仕掛け、注目の著者の歴史小説!

尾木ママの「思春期の子どもと向き合う」すごいコツ
講談社文庫
「うちの子、スマホやLINEに夢中で勉強しなくて困ってます」「なにかと反抗的で、言うこと聞かなくて」などなど、SNSの影響も加わり、最近の10代の子どもを育てる親の不安はより強くなっています。本書は、「尾木ママ」こと人気教育評論家の尾木直樹先生が、そんな子どもへの接し方、SNSへの対処法、親の姿勢など、今日から役立つ対策をアドバイス! これを実践すれば、子どもが「わかる」「伸びる」こと確実です!

歌わない笛
講談社文庫
岡山には珍しい大雪の翌日、美貌の音楽教師の服毒死体が発見される。しかし、その手に抱かれたフルートは、なぜか左右の構えが逆になっていた。警察が「自殺」で幕引きを図る中、今度はその婚約者が溺死体となって川に浮かぶ。音大移設を巡る汚職と、交錯する愛憎が招いた殺人に、浅見光彦の名推理が冴える!

霊感検定
講談社文庫
成仏できない女子高生の霊を救え。きっと泣ける、限りなく切ない、癒し系青春ホラー転校生の修司は風変わりな司書・馬渡に、図書室の奥で奇妙な試験「霊感検定」を無理矢理受けさせられる。霊検3級で霊に取り憑かれている、と診断された修司。脩司の肩に漂う霊気を優しく払うのは、クラスメイトの不思議少女、霊検準1級の空だった。「霊研」所属の生徒たちと、成仏ができない霊たちが織りなす癒し系青春ホラー。
読者支持ナンバーワン『記憶屋』で大ブレイク!
成仏できない女子高生の霊を救え。
きっと泣ける、限りなく切ない、癒し系青春ホラー
イラスト・loundraw(『記憶屋』『君の膵臓をたべたい』)
転校生の修司は風変わりな司書・馬渡に、図書室の奥で奇妙な試験「霊感検定」を無理矢理受けさせられる。霊検3級で霊に取り憑かれている、と診断された修司。脩司の肩に漂う霊気を優しく払うのは、クラスメイトの不思議少女、霊検準1級の羽鳥空だった。図書室の奥は馬渡が主催する心霊現象研究会の部室になっていた。「霊研」所属の生徒たちと、成仏ができない霊たちが織りなす癒し系青春ホラー。
【日本ホラー小説大賞選考委員も注目!】
最後の最後に軽やかな投げ技で一本!
こういうところが織守さん、侮れない。 ――綾辻行人
この作品の主人公修司は、霊感検定三級、ときどき視えたり感じたりする程度の霊感の持ち主です。この作品には、自分の霊感を肯定的にとらえている人も、そうでない人も登場しますが、修司は後者で、彼にとっては、霊感はどちらかというと重荷です。でも、一度は視えることを拒絶した彼も、転校先で霊研(心霊現象研究会)のメンバーたちと出会って変わっていきます。
この作品を読んでくださった方が、読み終えて誰かに優しくしたくなったり、好きな人には好きと言おうと思えたり、今の自分を受け入れて一歩ずつ前に進もうという気持ちになれたりしたら、とても嬉しいですが、ただ単純に、読んでいる間、彼らの日常や、成長の物語を楽しんでいただけたら、それだけで、私は幸せです。――織守きょうや

戦国スナイパー 壊れた歴史を修復せよ篇
講談社文庫
陸上自衛隊員・笠間慶一郎は宿敵・善住坊を倒した後、現代に帰還する。しかしそこは歴史が改変され、存亡の危機にさらされた別の日本だった。歴史修復のミッションを託された慶一郎は再びタイムスリップ、歴史に介入していくが、仲間が一人また一人と消されていく……。大人気『戦スナ』シリーズ、怒涛の最終章!
「戦国スナイパー」終幕のご挨拶。
第5巻、舞台となりますは歴史の書き換えられた現代の日本に限りなく近い日本。全然、戦国ではない。看板に偽りありではないか、と思われる方もおいでかも知れません。しかしながら私は、今の日本を取り巻く状況は戦国時代と同じだと思っています。世界を見ると下剋上と力ずくが横行しているではありませんか。そんな中で笠間慶一郎が活躍するのですから、やはり戦国スナイパーで正しいのではないかと私は思うのです。―柳内たくみ

お父さんと伊藤さん
講談社文庫
34歳のフリーター・彩はバツイチの54歳・伊藤さんと同棲している。ある日、彩のもとに兄から「お父さんを引き取ってくれないか」との依頼が。彩は申し出を拒むが、74歳の父は身の回りの荷物を持って、部屋にやってきてしまった。父は「この家に住む」と譲らない。その日から六畳と四畳半のボロアパートでぎこちない共同生活が始まった。誰にでも起こりうる家族問題を、笑いと緊張の絶妙なタッチで描く傑作。
上野樹里主演、タナダユキ監督で2016年秋映画公開!
34歳のフリーター、彩はバツイチの54歳・伊藤さんと同棲している。ある日、彩のもとに兄から「お父さんを引き取ってくれないか」との依頼が。彩は申し出を拒むが、74歳の父は身の回りの荷物を持って、部屋にやってきてしまった。
伊藤さんの存在を知り、驚く父。それでも「この家に住む」と譲らない。その日から六畳と四畳半のボロアパートでぎこちない共同生活が始まった。ところが父にはある重大な秘密が……。
誰にでも起こりうる家族問題を、笑いと緊張の絶妙なタッチで描く傑作。
第8回小説現代長編新人賞受賞作。
選考委員を満場一致でうならせた「家族小説」。
思わず家とは何かを考えさせられた。角田光代
台詞の上手さは出色。石田衣良
安心して読める文章力。伊集院静
登場人物の体温を感じた。杉本章子
テンポよく読めた。花村萬月

唐玄宗紀
講談社文庫
則天武后以来の女禍の時代を終わらせ、唐全盛期をもたらした玄宗には影の如き名臣があった。唐6代皇帝、玄宗。彼が「将軍」と呼んだ宦官にして名臣に高力士(こうりきし)があった。二人は女禍の時代に幕を引き、開元の治と呼ばれる繁栄を実現する。しかしやがて、楊貴妃の出現、安禄山の大乱によって国は止め処なく乱れゆく。唐帝国最盛期をもたらした皇帝の一生とその影となり支えた忠臣を見事に描く歴史大河小説。
皇帝と忠義の宦官の大河長編。圧巻の面白さ!
則天武后以来の女禍の時代を終わらせ、唐全盛期をもたらした玄宗には影の如き名臣があった。
玄宗皇帝と「将軍」と呼ばれた名臣の波乱万丈。
唐6代皇帝、玄宗。彼が「将軍」と呼んだ宦官にして名臣に高力士(こうりきし)があった。二人は女禍の時代に幕を引き、開元の治と呼ばれる繁栄を実現する。しかしやがて、楊貴妃の出現、安禄山の大乱によって国は止め処なく乱れゆく。唐帝国最盛期をもたらした皇帝の一生とその影となり支えた忠臣を見事に描く長編歴史小説。
(本文より)
玄宗は四海の民を肩に乗せて屹立していた。その姿は眩いばかりの光輝を放っている。
「大家……」
高力士は身体の芯が熱くなるのを感じながら平伏した。玄宗は身の安全よりも民の幸せを優先しようとしている。このような考え方のできる皇帝が他にいたであろうか。玄宗の偉大さに改めて触れて、高力士はこれまでの人生を肯定されたように思った。この人を選んで、支えてきたのは間違いではなかった。