創文社オンデマンド叢書作品一覧

ニーチェと言語 詩と思索のあいだ
ニーチェと言語 詩と思索のあいだ
著:薗田 宗人
創文社オンデマンド叢書
〈あいだの世界〉に身を置き、様々な仮面をとりかえつづけるニーチェの転身の軌跡を鮮やかに浮かび上らせる。 ニーチェの、特に表現において表われるその思想世界を「詩と認識のジレンマ」「詩と思索のあいだ」と規定し、この「あいだの世界」に展開される緊張・葛藤関係を手繰りながら、ニーチェと言語という問題を考察する。 【目次より】 序論 第一部 ニーチェの言語観 第一章 芸術と言語 初期ニーチェの著作をめぐって 一 文化論としての『悲劇の誕生』 二 ディオニュソスとアポロ 三 ギリシア的自然と芸術 四 芸術と生 五 ソクラテス主義と言語 六 悲劇研究の周辺 第二章 学問・認識と言語 一 芸術と科学 二 言語の立法 『道徳外の意味における真と偽』 三 知の収蔵と言語 『生に対する歴史の利と害』 四 ショーペンハウアーとヴァーグナー 第三章 存在の真理と言語 一 自由なる精神 二 詩人のあり方 三 「私の哲学」 『曙光』と『楽しい知識』 第二部 『ツァラトゥストラ』における言語の問題 第一章 『ツァラトゥストラはこう語った』の成立と作品の性格づけ 一 前史 二 第一部から第四部までの成立 三 詩と思索のあいだ 第二章 『ツァラトゥストラ』の世界構造 一 第一部への序説 神の死と超人 二 遊戯の世界 三 詩人ツァラトゥストラ 四 「永遠回帰思想」と言語 五 『ツァラトゥストラ』第四部の性格づけ 六 雄弁と沈黙 真理伝達の問題としての『ツァラトゥストラ』 第三部 ニーチェと文学の諸問題 第一章 『ツァラトゥストラ』以後の著作における言語の問題 一 文法、文字と著作、仮面 二 遺稿に見られる言語の問題 偉大なる様式とデカダンス 第二章 ニーチェと文学史 一 文学史の問題 二 ニーチェと二十世紀初頭のドイツ文学 三 ディオニュソス ニーチェとドイツ・ロマン主義 結び 注 あとがき 文献表
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近世日本の訴訟と法
近世日本の訴訟と法
著:大平 祐一
創文社オンデマンド叢書
本書は、新発見の幕府評定所民事判例集を素材にして享保改革期における金銭債権保護の特質を明らかにするとともに、「〈伺・指令型〉司法」、「秘密法・問答法・くり返し法など法の特殊な存在形態」、「民事司法における金銭債権の特異な取扱い・内済に対する江戸人の評価・裁判機関に持ち込まれた民事紛争の終わり方」、「刑事司法における〈無罪〉の多発・日本的特質の連続性論」、「行政庁への訴願の訴状・手続」など、多方面に亙り江戸時代の訴訟と法の実態に迫った著者渾身の作。 【目次より】 目次 序論 第一編 総論編 第一章 伺・指令型司法 第二章 法が生まれるとき 第二編 民事編 第一章 江戸幕府評定所民事判例集と相対済令 第二章 「金公事」債権の保護 第三章 内済と裁判 第四章 「出入」の終了 第五章 判決が出たあと 付論 書評・神保文夫著「江戸幕府出入筋の裁判における本公事・金公事の分化について」 第三編 刑事編 第一章 刑事裁判と「無罪」 第二章 「精密司法」と江戸幕府の刑事手続 付論 書評・山田勉著「延岡藩の刑事内済」 第四編 訴願編 第一章 訴願と訴状 第二章 訴願の手続 結論 あとがき
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都市と権力(現代自由学芸叢書) 飢餓と飽食の歴史社会学
都市と権力(現代自由学芸叢書) 飢餓と飽食の歴史社会学
著:藤田 弘夫
創文社オンデマンド叢書
都市は食糧生産を行なわないにもかかわらず、農村よりも飢餓が少ないのはなぜか? この大胆な仮説から、都市の成立根拠を権力に求め、複雑きわまりない都市現象のなかから、都市の理念型を描きだし、都市の理論を根本から重層的に構想する本書は、現代自由学芸の騎士による挑戦の書である。人々がより安全で快適な生活を営むために生み出されてきたはずの権力は、人々の生活を保障すると共に支配するという二つの働きを合わせもつものである。権力によって作り出される多種多様なルールから、古今東西の数千年にわたる都市の歴史を読みとって、雄大な〈飢餓と飽食〉に歴史社会学を展開する著者は、その豊かな想像力によって既存の社会科学を突破して、21世紀の魁然たる社会理論を提唱する。 【目次より】 まえがき 第一章 都市と文明 第一節 人類の発展と都市 第一項 都市の表情 第二項 歴史の都市・現代の都市 第二節 都市と農村のバラドックス 第一項 飽食と飢餓 第二項 パラドックスとしての都市と農村 第二章 都市の概念と論理 第一節 都市の概念 第一項 さまざまな都市概念 第二項 都市概念の二重性 第二節 都市の論理 第一項 都市と食糧 第二項 権力と統合機関 第三節 都市とコミュニケーション 第一項 権力と支配 第二項 都市と交通 第三章 都市と国家 第一節 都市の権力と国家 第一項 政治権力と都市 第二項 国家権力の形態と展開 第三項 政治権力の重層性と都市 第二節 権力と正統性 第一項 社会と秩序 第二項 国家と宗教 第三項 正統性と犠牲 第三節 都市と民衆 第一項 権力と秩序 第二項 食糧の生産と分配 第三項 国家と食糧 第四節 都市の論理と国家の論理 第一項 首都と国家 第二項 都市と民衆 第三項 首都の警備 第四章 都市と文化 第一節 文化と支配 第一項 権力と文化 第二項 文化と管理 第二節 象徴としての都市 第一項 意味世界と都市 第二項 都市とシンボル 第三節 劇場都市・劇場国家 第一項 みせびらかしの権力 第二項 秩序と無秩序 第三項 都市と犠牲 第四節 文化の頗廃と都市 第一項 都市の病理 第二項 分離と集権 第五章 人間と都市 第一節 都市の論理と国家 第一項 中心と周辺 第二項 国家と〈都市 農村〉 第二節 都市と人間 第一項 文化と交換 第二項 都市の論理と人間 注 あとがき
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中世の法と国制(歴史学叢書)
中世の法と国制(歴史学叢書)
著:フリッツ・ケルン,訳:世良 晃志郎
創文社オンデマンド叢書
著者は「中世を理解するには中世人の用いた言葉や概念をそのまま用いなければならない」という素朴な見解に対し、明確な方法的批判の上に立ち、たんなる法制度史や、法理論史ではなく、ヨーロッパ中世における一般民衆の法意識を生きた形で見事に解明している書である。また「抵抗権」という現代における切実な問題についても貴重な示唆を与える。 【目次より】 凡例 序論 一 法 1 法は古いものである 2 法は良きものである 3 良き古き法は非制定的・不文的である 4 古き法はより新しき法を破る 5 法の改新は良き古き法の再興である 6 法律観と法生活 二 国制 1 法的制約の原則(君主は法に拘束される) 2 人民代表の原則(君主の同意取得義務) 3 責任の原則(抵抗権) 4 過渡形態 追加 三 時間的中世と概念的中世 訳注 訳者あとがき
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抽象と直観 中世後期認識理論の研究
抽象と直観 中世後期認識理論の研究
著:稲垣 良典
創文社オンデマンド叢書
トマスとの比較を通してオッカム認識論の革新性を解明する。近世認識論への道筋をも示した画期的業績。 【目次より】 まえがき 目次 1 序論 第一章 霊魂論の崩壊と認識理論の変容 第二章 トマスの霊魂論 自己認識の問題 第三章 「オッカムの剃刀」 中世後期の精神的風土 2 本論 第四章 認識におけるスペキエスの役割について 第五章 観念、スペキエス、ハビトゥス 第六章 抽象と直観 第七章 オッカムにおける直観的認識の問題 第八章 学知の対象について 第九章 個体における存在と本質 第十章 「もの」と「記号」 オッカムの個体主義についての一考察 第十一章 普遍と個体 個体化の原理について 3 結語 知性的認識の問題 あとがき 人名・事項索引
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中国家族法の原理
中国家族法の原理
著:滋賀 秀三
創文社オンデマンド叢書
秦漢時代から清末までの家族のあり方を法理論的・体系的に把握し、中国家族法について明晰、堅実かつ全体的なイメージを提供する労作。日本学士院賞受賞。 【目次より】 目次 省略記号 序説 第一章 基本的諸概念 第一節 親族について 一 宗族と外姻 二 同姓不婚、異姓不養 第二節 家について 一 「家」の語義 二 中国の家と日本の家 三 同居共財と家産分割(分家) 第三節 相続について 一 承継 二 承受 三 父子一体、夫妻一体 第二章 家の法律的構造 第一節 家父長型の家 直系親の同居共財 一問題の所在 二家産の処分をめぐる父の権能 三 家産の分割をめぐる父の権能 四 父の権能の制約 五 理論的総括 第二節 複合型の家 傍系親の同居共財 一 兄弟同居の家における家産の処分 二 兄弟同居の家における家産の分割 三 おじおい・いとこ同居の家 第三節 生前に家産分割を行った父と子の関係 一 法律関係 二 日常生活の様式 第四節 家務の管理 「家長」と「当家」 第三章 実子なき者をめぐる諸問題 第一節 擬制による承継人 「嗣子」 一 嗣子となりうる適格者 二 嗣子の選定 立嗣 三 嗣子の地位 第二節 未成年死亡者 第三節 承継人の不存在 「戸絶」 第四章 婦女の地位 第一節 妻 一 子なき寡妻の地位 二 寡婦の改嫁 三 母子同居の家 第二節 未婚女子 第三節 宗への所属関係 一 女性と祭祀 二 結婚と離婚 第五章 家族員の特有財産 一 官俸その他格別な動労所得 二 妻の持参財産その他無償で取得せられた財産 三 婦女の個人財産 四 まとめ 特有財産の相続 第六章 不正規な家族員 第一節 妾 第二節 義子 一 乞養 二 随母改嫁 第三節 招壻と招夫 一 招壻(贅壻) 二 招夫(接脚夫) 主要な参考文献
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他者の原トポス 存在と他者をめぐるヘブライ・教父・中世の思索から
他者の原トポス 存在と他者をめぐるヘブライ・教父・中世の思索から
著:宮本 久雄
創文社オンデマンド叢書
哲学とは自己を探求することであり、自己は他者との出会いを契機に、はじめて成立する。アウシュヴィッツに象徴される他者の抹殺と崩壊(ショアー)という20世紀の負の遺産は、われわれに「他者とは何か」という痛切な問を投げかける。著者は今日に至るまでヨーロッパ思想の基底に流れる“存在‐神‐論”の視点から、他者への思索の生成と展開の原トポスともいうべき聖書や哲学、神学など広範なテキストに聴従し、他者概念の真相を見極める。存在、神、そしてロゴスとは何か。これら思想基盤を支える概念が、他者論といかに関わってきたのか、自己と他者との共生は可能か。現代における他者忘却の意味とそれを克服する方向性を示して、現代の思想的課題に正面から答えた問題作。 【目次より】 序論 他者と存在-神-論 本論 存在と他者のトポスへ 第一部 原トポスの哲学 教父・中世哲学と他者 第一章 ニュッサのグレゴリオス(三三〇頃-三九四頃) I 一期一会 『雅歌講話』に即して II 出会いの解釈学 第二章 アウグスティヌス(三五四-四三〇) I ロゴスの転位と他者の拓け 『告白』に即して II 汝の近みゆえに我在り 第三章 トマス・アクイナス(一二二五--七四) I 他者のトポス・存在判断 II 「存在-神-論」の彼方 第四章 マイスター・エックハルト(一二六〇-一三二八) 第二部 原トポスの神学 ヘブライ・新約思潮 第五章 他者の誕生と喪失 『創世記』に即して 第六章 ハーヤー存在論と他者のエチカ 『ルカ』の「善きサマリア人の譬え」より 第七章 死と甦り 『マルコ』の空虚の墓の物語より 第八章 プネウマ言語と他者の記憶 『ヨハネ』十三-十七章 むすびとひらき あとがき 初出一覧 註 文献表
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創造力の論理 テクノ・プラクシオロジー序論 カント、ハイデガー、三木清、サルトル、…から、現代情報理論まで
創造力の論理 テクノ・プラクシオロジー序論 カント、ハイデガー、三木清、サルトル、…から、現代情報理論まで
著:中田 光雄
創文社オンデマンド叢書
「想像力」は理性や知性に比べて低位の能力とされてきたが、今日では逆に基礎能力、それ以上に、動物にはあり得ない人間存在に固有の全体「構想力」とされるようになってきた。今日・今後の技術と情報に溢れかえる時代と文明を、この「想像力・構想力」をより生産的で強靭な「創造力」へと拡充することによって正しく方向づけていくには、どうすべきか。近現代の諸哲学とともに考える。 【目次より】 要旨 序 構想カ・想像カ・創造力 第一章 基準の創定、世界の賦活 カント 補章 カントとカッシラー 象徴概念をめぐって 第二章 世‐開・リヒトゥングへと「構」え「想」う ハイデガー 第三章 〈exhibitio originaria〉(世界の根源的‐自己形成) 三木清 第四章 世界の意味を現働化する:〈reel〉と〈irreel〉の弁証法 サルトル 第五章 〈vivre l'invecu〉(非‐生を生きる)、「語れ、飛べ、創れ!」 バシュラール 第六章 創造者は現象を救う、〈image a priori〉 の脱‐弁証法 シモンドン 第七章 知覚と創造、潜勢秩序の現働化 ボーム 第八章 無意識の魔術、「異」と「同」と新たな「類」の創定 アリエティ
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西洋中世法の理念と現実
西洋中世法の理念と現実
著:世良 晃志郎
創文社オンデマンド叢書
生涯を通じて追究しつづけられた西洋中世法の観念と性格をめぐる全論文および書評・学会報告を集成し、「世良法史学」の歩みを辿る。 【目次より】 目次 一 西洋封建法の基本的性格 二 法の歴史 三 西洋中世法の性格 四 封建社会の法思想 五 国家権力と法 西洋封建社会を中心として 六 法と権力 七 封建社会の法・社会思想 八 中世法の理念と現実 九 オットー・ブルンナーの「ランデスヘルシャフト」観について 身分制社会研究ノート 一〇 「良き古き法」と中世的法観念 一一 西洋中世における法と倫理 一二 中世的法観念をめぐる―つの問題 K・クレッシェルの考え方の検討 一三 書評一:石川武「ドイツ中世の平和運動における『公共性の理念』」、堀米庸三「自由と保護」 一四 書評二:オットー・ブルンナー著『ヨーロッパ その歴史と精神』 一五 学会報告:成瀬論文におけるブルンナー理論 一六 書評三:堀米庸三著『ヨーロッパ中世世界の構造』 一七 書評四:吉岡昭彦 成瀬治編『近代国家形成の諸問題』 一八 書評五:西川洋一「古代末期 中世初期における流血刑 ガリア・ゲルマーニアを中心として」 世良晃志郎先生略歴 世良晃志郎先生業績目録 編者あとがき
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西洋中世国制史の研究1:教会から国家へ 古相のヨーロッパ
西洋中世国制史の研究1:教会から国家へ 古相のヨーロッパ
著:山田 欣吾
創文社オンデマンド叢書
初期中世の政治秩序を比較国制史の視点から考察し、国家形成史を宗教的秩序の世俗化過程として構想する。 宗教と政治の未分化な古相ヨーロッパの秩序構造を明快につかみだし、叙任権闘争期に遂行された聖俗概念の分離とその国制史的表現を具体的に解明する。ヨーロッパ史の基本理解を本格的に問い直す、挑戦の論集。 【目次より】 目次 I 教会から国家へ 「世俗化」過程としてのョーロッパ国家形成史 II 「教会」としてのフランク帝国 西ヨーロッパ初期中世社会の特色を理解するために III  カロリンガー時代の十分の一税 IV 西ヨーロッパ初期中世の修道院蔵書 V 国王・大公・教会 カロリンガー後期からオットーネン初期の国制をめぐって VI 「ドイツ国」のはじまり レーグヌム・テウトニクム概念の出現と普及をめぐって VII 十─十二世紀ドイツにおける大公領の展開領邦国家成立史への予備的考察 VIII 「叙任権闘争」とレガリア パスカリス二世の特権状(一一一一年)を中心として あとがき 西洋中世国制史の研究II 『国家そして社会ー地域史の視点』目次 I 国家史を記述すること II 十二・十三世紀のドイツ国家 III 十二・十三世紀中東ドイツのブルクグラーフ制 IV ヒルデスハイム司教コンラート(二世)の領国形成政策 V 十三世紀中葉のヒルデスハイム司教領国 VI ヒルデスハイム司教座聖堂参事会の人的構成 VII 領邦国家とレーソ制 VIII 低地オーストリアのバンクイディングについて IX 中世末期オーストリアにおける領主制の諸問題 X 地域史研究と歴史協会 XI ドイツにおける地域史の諸相
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生と死について 詩篇90篇講解
生と死について 詩篇90篇講解
著:マルティン・ルター,訳:金子 晴勇
創文社オンデマンド叢書
ルター晩年の「詩編90編“モーセの祈り”の講話」には、彼の死生観が現れている。いかに生き、いかに死ぬのか。宗教の改革者はどう考えたのか。 【目次より】 まえがき モーセの祈り 小序 詩篇の主題について 詩篇の表題について 第一節  第二節  第三節  第四節  第五節・第六節  第七節  第八節  第九節  第十節  第十一節  第十二節  第十三節  第十四節  第十五節  第十六節  第十七節  訳注 解説
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アインシュタイン 物理学と形而上学
アインシュタイン 物理学と形而上学
著:細川 亮一
創文社オンデマンド叢書
アインシュタインは、自らを「形而上学者」と呼び、「物理学は一種の形而上学である」と書く。「物理学=自然学(Physik)と形而上学(Meta-Physik)」という斬新な視点からアインシュタインの物理思想を解明し、アインシュタインを西洋形而上学の歴史のうちに位置づける。アインシュタイン全集を踏まえて、「原理の探究」、「質点と場という実在をめぐる戦い」、「人間精神の自由な創造」という独自な視点からアインシュタインの全体像を鮮明に描き、特殊相対性理論への道を説得力のある仕方で解明する画期的な研究である。 【目次より】 略号 序章 物理学と形面上学 一 物理学の目標 ~ 五 本書の課題・方法・展開 第一章 特殊相対性理論への道 第一節 運動と変換 一 運動する観測者と光のパラドックス ~ 五 マイケルソンの実験 第二節 ローレンツ理論との格闘 一 ローレンツ理論から特殊相対性理論へ ~ 五 突破口としての時間変換 第三節 ヒュームとマッハ 一 ヒュームとマッハの批判的な思惟 ~ 五 有害な害虫を根絶できるだけ 第二章 原理理論 第四節 時間 一 同時刻性の定義 ~ 五 自由裁量に従ってなしえた設定 第五節 相対性原理と光速度一定の原理 一 二つの原理の独立性 ~ 五 不変量論としての特殊相対性理論 第六節 原理理論としての特殊相対性理論 一 構成理論と原理理論 ~ 五 相対性理論は絶対主義である 第三章 実在をめぐる戦い 第七節 光量子 一 深刻な形式的な相違 ~ 五 量子力学に対する批判 第八節 特殊相対性理論から一般相対性理論へ 一 私の生涯の最も素晴らしい思想 ~ 五 一般相対性理論とマッハ 第九節 場の導入によって開始された革命 一 アインシュタインにとっての革命 ~ 五 実在をめぐる戦いは終っていない 第四章 理性と実在 第十節 数学的に考えうる最も単純なものの実在化 一 羅針盤とユークリッド幾何学 ~ 五 神は数学する 第十一節 経験と理性 一 マッハ的な経験主義の批判 ~ 五 思弁としての理性の力 第十二節 人間精神の自由な創造 一 基礎の仮構的性格 ~ 五 概念との自由な遊びとしての思惟 第五章 形而上学 第十三節 自然のうちで自己を顕現する理性 一 神即自然(スピノザ) ~ 五 生成と存在(パルメニデス) 第十四節 物理学は一種の形而上学である 一 概念の創造としての形而上学 ~ 五 形而上学者アインシュタインの誕生 第十五節 形而上学者アインシュタイン 一 おとなしい形而上学者 ~ 五 知を愛し求める者
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正義、法‐権利、脱‐構築 現代フランス実践思想研究
正義、法‐権利、脱‐構築 現代フランス実践思想研究
著:中田 光雄
創文社オンデマンド叢書
70年代の「正義」概念によるアメリカ政治哲学の復興、80年代からの「法-権利」概念によるフランス政治哲学の再興。さらに旧政治哲学への回帰・後退を避けるべく、20世紀哲学の成果を踏まえて両者への架橋を企てるデリダの脱-構築理論の「法-正義」論への傾斜――三者の重合に新しい実践的展開への方途を探る。 【目次】 まえがき 現代思想状況 第一部 正義と法‐権利 序 問題の所在 I 現代アメリカ政治哲学vs現代フランス政治哲学 一 正義とエピエイケイア ロールズvsリクール 二 主体は間‐主体的である ロールズvsルノー 三 反省的判断力、政治の美学化か アーレントvsリクール 四 近代合理性の批判と再生 アーレント vs ルノー&ソソエ 五 文化の価値・権利の基準は?  Ch・テイラーvs P・リクール、A・ルノー& S・ムジュール II 概念の関係図式 一 正義、法、権利、係争と抗争、世界、神意と民意、《le reel》、《♀》、真理、乗り超え難い地平 補 アメリカ独立革命 vs フランス大革命 III L・フェリー& A・ルノーの「法‐権利」思想 一 なぜ《droit》か、「正義」でなく? 二 《droit》自律化の流産 ルソー 三 《droit》自律化の確立と不全 カント 四 《droit》協律としての自律 フィヒテ 五 フェリー&ルノー思想の独自性vs近現代諸思想、J・ハーバーマス 〈cogito〉はすでに〈co-agito〉である 六 「法的ヒューマニズム」と「リベラル共和国」 IV B・クリージェルの「法‐権利」思想 一 法と自然と人間本性 定義と立脚点 二 系譜学 サラマンカ学派、ボーダン、ホッブズ、スピノザ、ロック 三 多元性 国家の権利、人間の権利、市民の権利、民族の権利 四 「共和国」と「デモクラシー」 五 クリージェルvsフェリー&ルノー 六 法の批判主義vs法の自然主義 V 真理、正義、法‐権利 一 正義と真理 ロールズとハイデガー 二 法‐権利と真理 フェリー&ルノー 三 法‐権利と真理 クリージェル 四 法と正義 デリダ 五 真理と正義 A・バディウ VI 異相変換 〈存在の真理〉から〈人‐間〉の〈法‐権利〉へ 第二部 脱‐構築と理性の再建 序 問題の所在 I デリダと「権利」の観念 そして、「権利」とハイデガー? II A・ルノーにおける《droit》と「正義」 III 理性の二つの顔 自同性&自異・自乗性 一 (実定)法と正義 二 「主権の無制約性」を脱‐構築する 三 理性の「二つの顔」 四 「自己免疫不全症候」と「オスピタリテ」 五 「決断」と「引責」 六 デリダと現代実践思想
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神学と宗教哲学との間
神学と宗教哲学との間
著:武藤 一雄
創文社オンデマンド叢書
キェルケゴールの専門家である著者が、神学と宗教哲学の違いをカント、トレルチ、シュヴァイツァーなどの論をもとに解明する 【目次より】 序 第一章 カントからキルケゴールヘ 序論 第一節 カント 第二節 宗教的体験主義の立場(シュライニルマッヘル及びその他) 第三節 キルケゴールの宗教哲学 第二章 Apologetik(キリスト教弁証論)の諸問題 第一節 Apologetikの意義 第二節 宗教と哲学(信仰と理性) 第三節 神義論の問題 第三章 歴史主義の諸問題 第一節 トレルチの宗教哲学 第二節 神学における歴史主義と実存主義 第四章 終末論の諸問題 第一節 現代神学における終末論 特にツュヴァイツァーとブルトマンについて 第二節 時と永遠 聖書的時間論についての一考察 第五章 信仰と神秘主義 特に使徒パウロの神秘主義について
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神学的・宗教哲学的論集III
神学的・宗教哲学的論集III
著:武藤 一雄
創文社オンデマンド叢書
宗教哲学の新しい可能性を求めて60余年、あまたの試煉を経て到達した不動の境地――「武藤宗教哲学」の神髄がここに結実。 【目次より】 一 キリスト教における歴史観 二 キリスト教における死生観 三 キリスト教と無の思想 四 宗教における「内在的超越」ということについて 五 田辺哲学とキリスト教 六 神学主義と宗教主義 七 「種の論理」と「非神話化」論|ー田辺哲学とブルトマン 八 西谷宗教哲学とキリスト教 あとがき
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神学的・宗教哲学的論集II
神学的・宗教哲学的論集II
著:武藤 一雄
創文社オンデマンド叢書
論集1で展開された論点をさらに掘り下げて、キリスト教の聖霊的理解のために、知と信の問題に鋭く迫る、意欲的な論集。 【目次より】 序 一 神学的宗教哲学について 二 カントの宗教論について 三 ルターにおける信仰と神秘主義 四 脚下照顧 五 キリスト教における二重終末論 六 無即愛 田辺哲学とキリスト教 あとがき
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神学的・宗教哲学的論集I
神学的・宗教哲学的論集I
著:武藤 一雄
創文社オンデマンド叢書
現代の神学的状況への鋭い洞察を通して、新しい神学的宗教哲学の具体的な現実化した姿を、現代社会に大胆に提出する問題作。 【目次より】 序 一 学問のゆくえ 付論 1) 神学とは何か 2) 福音と律法 二 信仰の神と哲学者の神 三 ニヒリズムと宗教 四 終末論の二類型 五 シュライエルマッヘルの「絶対依存の感情」についての一断想 六 キェルケゴールヘの問い 七 異言と預言 付録 良心と悪 あとがき
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神学大全45 第III部 第84問題~第90問題
神学大全45 第III部 第84問題~第90問題
著:トマス・アクィナス,訳:稲垣 良典
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キリスト教に関わる事柄を初学者のために論述した、西洋中世思想を代表する必読文献。トマスは罪と悔悛の行為を、神の恩寵を視野に入れた超自然的秩序の中で理解しており、それはアリストテレスの自然的な倫理学の射程を完全に超え出るものであった。本巻では悔悛の秘跡における恩寵の働きと人間の自由意思との問題、悔悛の秘跡と悔悛の徳との関係、悔悛の秘跡は救いのために必要か、神の恩寵はどのように罪の赦しという結果を生じるのか、等が論じられる。 神学者トマスの最後の仕事となった悔悛神学を収める。第III部第84モ問題~第90問題。最終巻! 【目次より】 まえがき 第八十四問題 悔悛の秘跡について 第一項 悔悛は秘跡であるか ~ 第十項 悔悛の秘跡は反復されるべきか 第八十五問題 徳としての悔悛 第一項 悔悛は徳であるか ~ 第六項 悔悛は諸々の徳のうち第一であるか 第八十六問題 悔悛の結果について 大罪の赦しに関して 第一項 悔悛によってすべての罪が除去されるか ~ 第六項 罪過の赦しは徳であるかぎりでの悔悛の結果であるか 第八十七問題 小罪の赦しについて 第一項 小罪は悔悛なしに赦されることが可能か~ 第四項 小罪は大罪の赦しなしに赦されることが可能か 第八十八問題 悔悛によって赦された罪の戻りについて 第一項 赦された罪はその後の罪のゆえに戻ってくるか ~ 第四項 それのゆえに、後で犯される罪が先に赦された罪を戻らしめるところの忘恩は、特別な罪であるか 第八十九問題 悔悛による徳の回復について 第一項 徳は悔悛によって回復されるか ~ 第六項 死せる行為さえも後続の悔悛によって生命あるものとなるか 第九十問題 悔悛の諸部分について 総論 第一項 悔悛には諸々の部分があると見なすべきか ~ 第四項 悔悛が洗礼前の悔悛、大罪の悔悛、小罪の悔悛に区分されるのは適切であるか 訳者注 解説 トマスの「悔悛」神学
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神学大全44 第III部 第79問題~第83問題
神学大全44 第III部 第79問題~第83問題
著:トマス・アクィナス,訳:稲垣 良典
創文社オンデマンド叢書
13世紀、聖書解釈や神学者の注解を体系的に集大成した全45巻の中世キリスト教神学の金字塔。第III部第79問題~第83問題を収録。 キリスト教に関わる事柄を初学者のために論述した、西洋中世思想を代表する必読文献。本巻では、秘跡の結果および秘跡の現実的な行使・執行をめぐる様々の問題(例えば、聖別されたホスチアをねずみが齧った時はどうすべきかなど)が論じられる。トマスの聖体神学は、超自然的神秘に対しても日常生活で起こる出来事に対しても、驚くべき一貫性をもって考察が進められる。なお、犠牲としてのミサという問題を考察するにあたり取り上げる三つの異論には、16世紀の宗教改革者たちの議論が基本的にすべて含まれている。 【目次より】 まえがき 第七十九問題 聖体の秘跡の結果について 第八項 小罪によってこの秘跡の結果は妨げられるか 第八十問題 この秘跡の行使もしくは拝受について 第八十一問題 キリストが最初に自らそれを制定するにあたって行われたこの秘跡の授受 第八十二問題 この秘跡の奉仕者について 第八十三問題 この秘跡の祭儀について 訳者注 解説 トマスの聖体神学(続)
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神学大全43 第III部 第73問題~第78問題
神学大全43 第III部 第73問題~第78問題
著:トマス・アクィナス,訳:稲垣 良典
創文社オンデマンド叢書
13世紀、聖書解釈や神学者の注解を体系的に集大成した全45巻の中世キリスト教神学の金字塔。第III部 第73問題~第78問題を収録。 キリスト教に関わる事柄を、初学者のために「学習の順序」に従い論述した、西洋中世思想を代表する必読文献。感覚では明らかなパンとぶどう酒の「外観」と、信仰により肯定されるキリストのからだと血の「存在」とはどのように関係づけられるべきか。トマスはこの聖体の秘跡におけるキリストの現存の仕方、キリストのパンとぶどう酒への全実体変化は超自然的であり、アリストテレス哲学の射程を完全に超え出ていることを前提に論を進める。徴しとしての秘跡の三重構造を基に聖体が秘跡であることを説得的に説明する。 【目次より】 まえがき 目次 第七十三問題 聖体の秘跡について 第七十四問題 この秘跡の質料について 第七十五問題 キリストのからだと血へのパンとぶどう酒の変化について 第七十六問題 この秘跡におけるキリストの在り方について 第七十七問題 この秘跡のうちに存続する諸付帯有について 第七十八問題 この秘跡の形相について 訳者注 解説 トマスの聖体神学
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