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2024.11.14発売
アストロノミカ
講談社学術文庫
本書は、紀元1世紀、帝政を迎えた古代ローマに生きた詩人マルクス・マーニーリウスによる、天文学・占星術について記された最古の文献の一つです。作者マーニーリウスについては『アストロノミカ』の著者であること以外、確かなことは知られておらず、本作に見られる記述から初代皇帝アウグストゥスから第二代皇帝ティベリウスの時代に書かれたことを推測できるにすぎません。
古代において、天文学と占星術のあいだの区別は存在しませんでした。執筆当時のローマを見れば、アウグストゥスが生まれた日に占星術師プブリウス・ニギディウスが「地上世界の主が生まれた」と断言したと伝えられ、アウグストゥス自身も天文学や占星術を利用していたことが知られています。未来を知ることができる技術がとりわけ政治家にとって重要な意味をもつことは想像に難くないでしょう。だからこそ、マーニーリウスは本作の第一巻の序歌にこう記しました。
「生きた身ながら果てしない大空を巡ること、そして星座や
逆行する惑星の動きを知ることは喜ばしい。
だがこれらの知識だけでは不充分だ。大宇宙の心臓部さえも知悉すること、
それが星座を介して生物を生み出し支配する方途を
認識すること、そしてアポッローンの調律に従い
それを詩に語ることはいっそう激しい喜びとなる。」(1.13-19)
つまり、星座の分布や天体の動きに関する知識だけでなく、それらがいかなる力をもって地上に働きかけるのかという問題にまで踏み込んでいく必要がある、言い換えれば「天文学」の知だけでなく「占星術」の知をも身につけて初めて宇宙について知ることができる、と詩人は宣言しているわけです。
それゆえ、本書には古代の宇宙に関する知識のすべてが書かれています。「教訓詩」と呼ばれる韻文としてそれを綴った本作は、きわめて貴重な古典にほかなりません。残念なことに、本作にはラテン語原典から韻文の形で日本語に訳出したものは存在しませんでしたが、気鋭の訳者を得て、ここにその偉業が成し遂げられました。星空を眺め、宇宙に思いを馳せながら、ぜひ手にしていただきたい1冊です。
[本書の内容]
第一巻
第二巻
第三巻
第四巻
第五巻
訳者解説
訳者あとがき
図 表

2024.11.14発売
切手の歴史
講談社学術文庫
1840年――日本で天保の改革が行われていた頃、イギリスで誕生した小さな紙片が、世界の通信網を一気に変えた! 発売初日に410万枚も売れた英国切手「ペニー・ブラック」伝説。東欧で大ブレイクしたヌード切手の謎。19世紀末に、毎週5万フラン(当時の大英博物館館長の年俸10年分)もの大金をつぎこんだ、オーストリアの貴族蒐集家のお話。12歳の少年が売った1セント切手が50年後に1億円相当に高騰するオークションのからくり。独裁時のヒトラーの切手と第三帝国崩壊後の諷刺切手や、精巧な贋作から幼稚な偽物まで玉石混合、切手偽造名人列伝。まさかのまさかのミス切手紹介まで・・・・・・。圧倒的点数の切手写真と逸話から、社会背景と時代を丁寧に解説した前代未聞の「切手の世界史」。
「趣味の王者・王者の趣味」といわれた、切手の歴史と魅力を網羅する!
★国王の顔に消印禁止! イタリア
★なぜ天地逆? 逆刷500文切手の妙 日本
★世界一優雅で繊細な凹版切手 オーストリア
★名画に加筆…切手と著作権をめぐる事件 アメリカ
★0が17桁! インフレ切手に窮余の策を ハンガリー
三角、八角、ダイヤ型、金箔にアルミ箔まで…変形、珍素材切手も大集合!
・本書の原本は、1976年11月、講談社より刊行されました。
・掲載切手に関しましては,口絵2-8をはじめとする著者私物の他、画像の鮮明化のため、解説者・田辺龍太氏の私物を撮影し、一部差し替えしております。

2024.11.14発売
インドの宗教とキリスト教
講談社学術文庫
「キリスト教のライバルは存在するか」。『聖なるもの』(一九一七年)で知られるドイツの宗教学者ルードルフ・オットーは、ヒンドゥー教の一派、ヴィシュヌ派こそが値すると考えた。「救済」をめぐって驚くほど類似が見られる両者の徹底的な検討を通して、宗教の本質に迫る。比較宗教学の古典。
「ヌミノーゼ」と名付けられた、非合理的な神秘経験を宗教経験の本質として析出した『聖なるもの』。ルター派の敬虔なプロテスタント神学者ルードルフ・オットー(1869-1937年)による洞察は、その後ミルチャ・エリアーデやロジェ・カイヨワに引き継がれ、宗教を研究するうえで重要な柱となる「聖と俗」をめぐる研究の土台を築いた。
『聖なるもの』と同時期に研究が進められていたと考えられるのが、本書『インドの宗教とキリスト教』である。18世紀後半、英国による植民地化を通じてサンスクリット文献がもたらされたヨーロッパでは、『リグ・ヴェーダ』や『バガヴァッド・ギーター』など次々にそれらの翻訳がおこなわれ、ヨーロッパの起源のひとつとしてオリエントへの関心が急激に高まっていた。
そのような文脈のなかで、オットー自身も『ヴィシュヌ・ナーラーヤナ』などのサンスクリット文献の翻訳・注釈に取り組み、そしてヒンドゥー教、そのなかでも彼が「献信の宗教」と呼ぶヴィシュヌ派に、キリスト教に匹敵する救済論を見出す。ルター派とヴィシュヌ派の比較の末に見いだされる、真の救済とは―。
オットーが終生、一貫して求めたものは、「聖なるもの」の普遍的な弁証であった。ルター派という一つの神学に自らの立場を置きながら、他の神学にも心を開き、あまつさえ神学を有しない宗教体験に対しても視野を開いたオットーの独自性がいかんなく発揮されたインド宗教研究の古典にして比較宗教学の名著。(原本:『インドの神と人』人文書院、1988年)
【本書の内容】
序
第一章 キリスト教のライバル―ーインドの恩寵(恵み)の宗教
第二章 神をめぐる戦い――シャンカラとラーマーヌジャ
第三章 救済の問題ー―いかにして達成されるか
第四章 インドの恩寵の宗教とキリスト教――異なる精神、異なる救い主
結 び
補 説
一 隠れたる神と献信者の神
二 贖いと贖罪
三 本源的堕落の理念
四 同一性神秘主義の同一体験
五 神は個人的存在ではない
六 すべては恩寵から
訳者あとがき
学術文庫版あとがき

2024.11.14発売
『孫子』の読書史 「解答のない兵法」の魅力
講談社学術文庫
華々しい戦史も、将軍たちの勇壮な逸話も、ましてや必勝の極意もない小さな兵法書は、なぜ2400年にわたる世界史的ベストセラーになりえたのか?
曹操、蒋介石、毛沢東、山鹿素行、吉田松陰、旧陸海軍、公安警察、労働組合、電通、そしてイギリス軍やアメリカ軍へと読み継がれてきた歴史を辿りつつ、形篇や勢篇、行軍篇など実際のテキストを吟味し、その「魅力」の源泉に迫る!
【目次】
はじめに
中国王朝名一覧
■第一部 書物の旅路ーー不敗への欲望
第一章 戦いの言語化ーー『孫子』の原型
第二章 成立と伝承
第三章 日本の『孫子』ーー江戸時代末期まで
第四章 帝国と冷戦のもとで
■第二部 作品世界を読むーー辞は珠玉の如し
第一章 帝王のためにーー『群書治要』巻三三より
第二章 形と勢ーー永禄三年の読み
第三章 不確定であれーー銀雀山漢墓出土竹簡「奇正」
第四章 集団と自然条件ーー西夏語訳『孫子』より
おわりに
参考文献
学術文庫版へのあとがき
【本書の主なトピック】
□『孫子』古典化の秘密は非万能・抽象・非戦志向にあり
□日清・日露戦争の勝利で進んだ『孫子』の聖典化
□米軍を『孫子』研究に向かわせた毛沢東率いる人民解放軍の脅威
□電通PRセンター初代社長が仕掛けた企業経営者向け『孫子』キャンペーン
□帝王・皇族は『孫子』から何を学んだのかーー『群書治要』
□なぜ勝ち負けが生ずるのかーー形篇・勢篇
□無限に変化し、不確定であれーー銀雀山漢墓出土竹簡「奇正」
□”China Rising”で『孫子』は21世紀世界の必読書へ

2024.11.14発売
ルーヴル美術館 ブランディングの百年
講談社選書メチエ
なぜ、数ある美術館のなかで、ルーブルだけが特別なのか?
世界中の人が「人生に一度は」《モナリザ》《サモトラケ島のニケ》《ミロのヴィーナス》をひと目見たいと願っている。
だが、かつては時代遅れのみっともない美術館として「ルーヴルは国の恥」「若者よ、ルーヴルに行くな」と言われたこともあった。1793年、フランス大革命によって成立した第一共和制政府が王室コレクションを「略奪」して公開する場所として誕生したこの美術館は、その後、さまざまなコレクションを吸収して肥大化した挙げ句、近代化に乗り遅れた「カオスの迷宮」となり果てていたのである。
それが、いかにして世界中から憧れられる場所となったのか?
繰り返される国内紛争と政権交代に翻弄された苦難の時代を経て、現代アート、モードや漫画をも「古典」と成して飲み込み文化国家フランスを荘厳する「偉大なるルーヴル」が生み出されるまでの百年は、戦略と欲望、政治と資本が渦巻く歴史に彩られている。
◯なぜ《ニケ像》だけが大階段の前に据えられているのか?
◯印象派が十年間だけ所蔵された顛末とは?
◯ケネディ米大統領を《モナリザ》に「拝謁」させたフランス初代「文化大臣」の恐るべき手腕とは?
豊富な図版と多彩なエピソード満載、驚くべき発見と鋭い洞察に満ちた興奮の美術史!
【本書の内容】
序章 ルーヴル美術館の現在
第一章 ルーヴル美術館の歴史―─誕生から巨大化への長い道のり
第二章 コレクションと展示室の発展―─第三共和政前期(一八七〇―一九一四)
第三章 一九二〇年代、「迷宮」からの再出発
第四章 ルーヴル美術館の「ナショナリゼーション」―─近代化に隠された意味
第五章 ルーヴルの「顔」―─ブランド・イメージの創出と《サモトラケ島のニケ》の秘密
第六章 ルーヴル・マジック、もしくは古典の誘惑
第七章 幕間劇 空白の二十年(一九三九―五九年)と一九三〇年代の「忘却」
第八章 「世界一の美術館」の誕生―─《モナリザ》とともに
第九章 「ルーヴルへの回帰」―─グラン・ルーヴル計画
第十章 グローバル・ブランド「ルーヴル帝国」への「進化」
第十一章 「ルーヴル美術館展」の歴史―─学芸員による展覧会活動
【本書より】
ルーヴル美術館は、過去の作品を祀るだけの神殿であることを止め、芸術作品を「解体」し、「変容」させていった。展示空間の大改革を進めることによって、過去の作品を「眠り」から目覚めさせ、新しい「後世」の形象を与えていったのである。翼を広げた《ニケ像》は後世、すなわち未来に向かって飛び立ったのであり、それは、そのまま、みずから変容しようとしていたルーヴルの姿に重なっていたと言ってよいだろう。

2024.11.14発売
15歳の昆虫図鑑
虫オタ×悩みアリな中学生たち!?
虫オタな転校生が、悩める4人のクラスメイトの魅力を「昆虫」にたとえはじめると、
クラスメイトたちが次々と「新しい自分」を発見する!
●第64回講談社児童文学新人賞佳作入選!
●令和7年度 長野県 課題図書・指定図書に選出!
●令和7年度 岡山県 課題図書・指定図書に選出!
【こんな人におすすめです!】
・まわりに気遣いすぎて自分をだせない
・同性の友人に恋心を抱いているかもしれない自分にとまどっている
・田舎の閉塞感に不満を募らせている
・親や友だちにもっと大事にされたい
・・・みんな虫オタの蛍子が、あなたの魅力を教えてくれます!
「推しの作品です!」──児童文学作家 村上しいこさん推薦!
●著者紹介
五十嵐美怜
福島県出身。日本児童文芸家協会正会員。図書館司書の仕事をしながら、児童書の執筆をしている。主な作品に、「恋する図書室」シリーズ、「花とつぼみと、きみのこと。」シリーズ(いずれも集英社みらい文庫)、『きみがキセキをくれたから』(青い鳥文庫)などがある。本作の『15歳の昆虫図鑑』は第64回講談社児童文学新人賞佳作入選作。

2024.11.14発売
ピーチとチョコレート
「美しい 醜い 誰が決めた 作者不詳の詠み人知らず
それなら 穴掘り 捨てろ 埋めろ
いまここに ルッキズムの墓たてろ!」
デビュー作にしてリアルで壮快な読後感に絶賛の嵐!
太めの体型を気にしながらも、明るいキャラで乗り切ってきた、萌々(もも)、中学2年生。
どんな習い事も続かない帰宅部だったはずなのに、ある日出会った、派手でかっこいい女性に誘われたヒップホップクラスにうっかり顔を出してみることに。
そこにいたのは、クラスメイトから恐れられている孤高の莉愛!
リズムや韻を考えぬいて、ほんとうの気持ちをぶちかますラップに夢中になっていく二人。
「すべてはイメージ すべて虚構 いまここにいる わたしだけがリアル
Big Up! Big Up! わたしはわたしのままで この人生を謳歌してみせる」
でも、ありのままの自分で人生を謳歌するなんてできるんだろうかーー?
*第64回講談社児童文学新人賞佳作入選作

2024.11.14発売
学習障害(LD)がわかる本 気づいて、支えるために
健康ライブラリー
【ひと目でわかるイラスト図解】
【うまく読めない、書けない、計算できない…】
学習障害(LD)とは、発達障害の一つです。読み書きや算数といった、学習の特定の分野で困りごとが起こります。
LDは幼児期では気づきにくく、たいていは小学校生活のなかで「みんなと同じようにできない」ということに直面して初めてわかります。うまくいかない状態が長引くほど、子どもは勉強が嫌になり、ひいては学校に行きたくなくなることもあります。だからこそ、早いうちに気づき、適切な支援につなげることが重要です。
LDの特性による困りごとは、アプローチのしかたで減らすことができます。勉強がうまくいかないのは、その方法が合っていないからです。
本書は、LDの基礎知識だけでなく、困りごとに合わせた工夫(アプローチ)も紹介しています。子どもの困りごとに「もしかしたら?」と思ったら、本書を手に取ってく
ださい。LDの理解と子どもを支えるために役立つ一冊です。
【主なポイント】
*学習障害(LD/SLD)は発達障害の一つ、知的な遅れではない
*「読む・書く」「計算・推論」「聞く・話す」など、苦手なことによってタイプが分かれる
*小学校に入学してから気づくことが多い
*ほかの発達障害のADHDやASDと併存することがある
*境界知能やギフテッドと併存する場合は困りごとが見えにくい
*通常学級で合理的配慮を受けるには
*学校でのサポートを本人、クラスメイトへどう伝えるか
*家庭での特訓や見守りは逆効果になることも
【本書の内容構成】
第1章 Q&A LDってなに? 気になること・知りたいこと
第2章 気づいてあげたい、学習面の困りごと
第3章 学校ではどんな支援が受けられる?
第4章 学校で学びやすくするには
第5章 家庭で親ができること

2024.11.14発売
MR.MEN LITTLE MISS あいての きもちを たいせつに Caring
講談社の絵本
イギリスの国民的絵本シリーズMR.MEN LITTLE MISS(ミスターメン リトルミス)から、子ども向けの多様性と感情マネジメントをテーマにした絵本シリーズ「Discover You」登場。
MR.MEN LITTLE MISS は、イギリスの Roger Hargreaves(ロジャー・ハーグリーブス)氏によって 1971 年に誕生したキャラクター。全世界で17ヶ国語に翻訳され、世界30ヶ国以上で累計2.5億冊以上も販売されています。
「みんなちがって、たのしいね」をテーマに、人間の持つ様々な性格や特徴を表現した個性豊かなキャラクターたちが繰り広げる楽しく笑える物語を通じて、人にやさしくすることの大切さ、悲しい気持ちとのむき合い方、自分と人とのちがいの受け止め方など、子どもたちの自己肯定感、忍耐力、多様性を尊重する心を育てる絵本シリーズです。
「あいての きもちを たいせつに(Caring)」
友達が困っているとき、元気がなさそうなとき、どんなことがしてあげられるでしょう。
あたたかい気持ちは、みんなに伝わってしみ込んでいく。思いやりの大切さが学べる絵本です。
(C) 2024 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. L653634

2024.11.14発売
MR.MEN LITTLE MISS わけあうって たのしいね Sharing
講談社の絵本
イギリスの国民的絵本シリーズMR.MEN LITTLE MISS(ミスターメン リトルミス)から、子ども向けの多様性と感情マネジメントをテーマにした絵本シリーズ「Discover You」登場。
MR.MEN LITTLE MISS は、イギリスの Roger Hargreaves(ロジャー・ハーグリーブス)氏によって 1971 年に誕生したキャラクター。全世界で17ヶ国語に翻訳され、世界30ヶ国以上で累計2.5億冊以上も販売されています。
「みんなちがって、たのしいね」をテーマに、人間の持つ様々な性格や特徴を表現した個性豊かなキャラクターたちが繰り広げる楽しく笑える物語を通じて、人にやさしくすることの大切さ、悲しい気持ちとのむき合い方、自分と人とのちがいの受け止め方など、子どもたちの自己肯定感、忍耐力、多様性を尊重する心を育てる絵本シリーズです。
「わけあうって たのしいね (Sharing)」
おもちゃや、食べ物や、おやつをお友だちと分け合うのってとっても楽しい!
でも、分けるのが難しいときもあります。どうすればみんなで楽しめるようになるかを教えてくれる絵本です。
(C) 2024 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. L653634

2024.11.14発売
ミーコ
講談社の絵本
ぼくのうちで、猫を飼うことになった。名前は「ミーコ」。かわいらしい猫だけど、ほかの猫みたいに元気に遊ばない。祭りを見せにつれていったら腰抜かす。ぶさいくなミーコ、あほのミーコ。でも、そのうちミーコは歩けなくなっていた。
ちいさな生きものとの出会い、そして別れを描いた、著者の実体験から生まれた一冊。
好評の『てんごくのおとうちゃん』『おかあちゃんがつくったる』『おおにしせんせい』につづく、著者の自伝的絵本シリーズです。

2024.11.14発売
透析を止めた日
「私たちは必死に生きた。しかし、どう死ねばよいのか、それが分からなかった」
なぜ、透析患者は「安らかな死」を迎えることができないのか?
どうして、「緩和ケア」を受けることさえできないのか?
10年以上におよぶ血液透析、腎移植、再透析の末、透析を止める決断をした夫。
その壮絶な最期を看取った著者による、息をのむ医療ノンフィクション!
<序章>より
「夫の全身状態が悪化し、命綱であった透析を維持することができなくなり始めたとき、
どう対処すればいいのか途方に暮れた。
医師に問うても、答えは返ってこない。
私たちには、どんな苦痛を伴おうとも、たとえ本人の意識がなくなろうとも、
とことん透析をまわし続ける道しか示されなかった。
そして60歳と3ヵ月、人生最後の数日に人生最大の苦しみを味わうことになった。
それは、本当に避けられぬ苦痛だったか、今も少なからぬ疑問を抱いている。
なぜ、膨大に存在するはずの透析患者の終末期のデータが、死の臨床に生かされていないのか。
なぜ、矛盾だらけの医療制度を誰も変えようとしないのか。
医療とは、いったい誰のためのものなのか」
<目次>
序章
《第一部》
第1章 長期透析患者の苦悩
第2章 腎臓移植という希望
第3章 移植腎の「実力」
第4章 透析の限界
第5章 透析を止めた日
《第二部》
第6章 巨大医療ビジネス市場の現在地
第7章 透析患者と緩和ケア
第8章 腹膜透析という選択肢
第9章 納得して看取る
献体――あとがき
解説 南学正臣(日本腎臓学会理事長)

2024.11.14発売
発達障害・精神疾患がある子とその家族が もらえるお金・減らせる支出
こころライブラリー
★知らないと損! うっかりしていると一生つかえなくなる制度もあります!★
★複雑な経済的支援の制度、その使い方が漫画でサクッとわかる優れもの!★
発達障害、うつ病、統合失調症などの
精神疾患・発達障害を抱える子とその家族には
国が金銭面でさまざまな支援を行っています。
つまり「もらえるお金・減らせる支出」があるということです!
それだけでなく、国とは別に、自治体が独自の経済的支援を行っていて、
しかも国と自治体の支援どちらももらえる可能性があるのです!!
ところが経済的支援は、制度のことを知っていて、
かつ自ら申請しなければ受けることができません。
なかにはその存在を、あるいは仕組みを知っておかないと
ちょっとしたミスで一生、利用できなくなる制度もあります。
本書では精神疾患・発達障害を抱えつつもがんばって生きている
22歳くらいまでの子とその家族なら受けられる可能性のある
経済的支援制度の「仕組み」や「申請方法」を紹介します。
当事者だけでなく、ソーシャルワーカー、相談員、支援員、
そして医療従事者など、支援者として関わる方々にもおすすめです!
<本書で紹介する制度>
●障害者手帳
●特別児童扶養手当、児童扶養手当、障害児福祉手当、特別障害者手当、自治体が独自に支給する手当
●障害者扶養共済制度
●障害年金
●高額療養費制度、子ども医療費助成、自立支援医療(精神通院医療)、自治体が独自に行っている医療費助成
●生活保護制度

2024.11.14発売
黒人理性批判
講談社選書メチエ
「黒人」の歴史は奴隷制や植民地の過去と切り離すことができない。1957年にカメルーンに生まれ、フランスやアメリカで学んだアシル・ムベンベ(Achille Mbembe)は、主著となる本書(2013年)を「世界が黒人になること」と題された「序」から始めた。それは、奴隷制や植民地が特定の人種に限られたものではないこと、そしてすでに過去のものとなった事態ではないことを冒頭で宣言することを意味している。新たな奴隷制や植民地、そして人種差別は形を変えて席捲しうるし、現にしている。それを可能にする構造が今の世界にはある、ということにほかならない。
だからこそ、不幸や苦痛、弾圧や収奪の歴史だった「黒人」の歴史を知り、共有しなければならない。そのとき「黒人」には新たな意味が与えられる。著者は言う。「途上にある者、旅に出ようとしている者、断絶と異質性を経験する者の形象として、「黒人」を新たに想像しなければならない。しかし、この行路と大移動の経験が意味をもつためには、アフリカに本質的な役割を与えなければならない。この経験は私たちをアフリカに回帰させ、または少なくともアフリカというこの世界の分身を通じて方向転換しなければならない」。
アフリカから到来する何か、「黒人」から到来する何かにこそ、悲惨にあふれ、いや増すことを予感するしかない現在の世界を普遍的に、そして原理的に転換する可能性はある。歴史的事実を踏まえつつその意味を明らかにした本書は、エドゥアール・グリッサンの言葉を借りるなら〈全-世界〉に向けられる希望の書である。
[本書の内容]
序 世界が黒人になること
眩暈するような組み立て/未来の人種
1 人種主体
仮構作用と精神の閉域/新たな等級化/「黒人」という実詞/外観、真実、幻影/囲い地の論理
2 幻想の井戸
猶予中の人類/所属決定、内面化、そして反転/白人の黒人と黒人の白人/名前のパラドックス/世界の巨像/世界の分割/国家‐植民地主義/軽薄さとエキゾティズム/みずから理性を失うこと/友愛の限界
3 差異と自己決定
自由主義と急進的悲観主義/誰もと同じ人間/普遍的なものと特殊なもの/伝統、記憶、そして創造/諸々の世界の交通
4 小さな秘密
支配層の諸々の歴史/謎の鏡/商品のエロティシズム/黒人の時間/身体、彫像、肖像
5 奴隷のためのレクイエム
多様性と超過/ぼろぼろの人間/奴隷と亡霊について/生と労働について
6 主体の臨床医学
主人とその黒人/人種の闘争と自己決定/人間への上昇/大いなる喧噪/被植民者の解放的暴力/栄光の影/民主主義と人種の詩学
エピローグ
たった一つの世界しかない

2024.11.14発売
心の哲学史
心についての問題意識はプラトン・アリストテレスなどの古代哲学から連綿と続いているが、一般向け書籍で述べられる心理学史では、近代に始まる「科学的心理学」から述べられることが多い。たとえば「19世紀後半に科学としての心理学が内観から始まり、20世紀になると、それを否定したワトソンの行動主義が隆盛をきわめ、やがて認知革命に至った」と。
しかしそれは心理学史の或る一面の流れであって、哲学と心理学が分岐する前の19世紀後半を凝視するならば、それとは異なり現代まで展開していくもう一つの心理学史が見えてくる。
本書では、1874年という年に刊行された二つの書物『経験的立場からの心理学』(ブレンターノ)と『生理学的心理学綱要』(ヴント)を起点とし、新しい心の科学と哲学の始まりと見なした。それに対して、ブレンターノから哲学を学んだフッサールは、心の哲学としての心理学として独自の現象学を展開し、志向性・身体性・世界内存在など、心のあり方を解明する上で重要な役割を果たす諸概念を開発した。実際現在では、それらの諸概念は、新たに展開し始めた、認知科学や神経科学の知見を理解するうえでも重要な役割を演じるようになっている。本書では、このような心理学と心の哲学のいわば隠れた歴史の流れを、内観、発達心理学、脳科学、方法論論争など多様な側面から明らかにすることによって、心の哲学の歴史を展望する。
[本書の内容]
第一章 心の哲学史の始まり――一九世紀、科学と哲学の交叉
第二章 心の科学・心の哲学・身体の現象学――内観・行動主義から心と身体への展開
第三章 認知システムと発達の理論展開――他者論から現代発達研究へ
第四章 心理学の哲学を基礎づけたもの――その認識論的背景と現象学的心理学
第五章 認知神経科学と現象学――身体と自己の起源を探る潮流
第六章 心理的なるものを超えた心理学――歩く・食べる・眠るの心理学へ
コラムI エーレンフェルスからゲシュタルト心理学へ
コラムII 意志と行為の構造化
コラムIII 心の理論パラダイムと発達研究
コラムIV 現象学的精神医学の興隆と衰退

2024.11.13発売
死んだ木村を上演
文芸(単行本)
死が、かけがえのない生を輝かせる。
啓栄大学演劇研究会卒業生の元に届いた脅迫状。
『誰が木村を殺したのか、八年前の真実を知りたければ、2024年1月9日14時、雛月温泉の宿・極楽へ来い』
集められたのは、庭田、咲本、羽鳥、井波の4人。
木村が死んだあの日の夜、劇研4年生だった皆には、それぞれ秘密にしていることがあったーー。
奇跡は、舞台で起きる!

2024.11.13発売
撮ってはいけない家
文芸(単行本)
「その旧家の男子は皆、十二歳で命を落とす――」映像制作会社でディレクターとして働く杉田佑季は、プロデューサーの小隈好生から、モキュメンタリーホラーのプロットを託される。「家にまつわる呪い」のロケのため山梨の旧家で撮影を進める中、同僚で怪談好きのAD・阿南は、今回のフィクションの企画と現実の出来事とのおかしな共通点に気付いていく。そして現場でも子どもの失踪事件が起こり……。日本推理作家協会賞短編部門受賞『夫の骨』著者の最新作!

2024.11.13発売
元保育士のグズらない声かけ145 イヤイヤ期のトリセツ
Amazonランキング7冠達成!
「家庭教育」 「幼児教育・家庭教育」「児童心理」「幼児教育・学参・受験」の売れ筋ランキング1位(2024-09-20調べ)
・「妊娠・出産・子育て」「教育・学参・受験」「人文・思想の教育学」の新着ランキング 1位(2024-09-20調べ)
元保育士・イヤイヤ期ヲタクのふじこせんせい発! イヤイヤ期の子どもとの会話でそのまま使える声かけや会話のやり取りなど、充実の145のアイデアを掲載!
子どもはイヤイヤしない、親はイライラしない。肩の力を抜いて親子で一緒に笑える時間が増えるよう、すぐ真似できるフレーズを厳選しました♪
なぜイヤイヤしているのかが分かれば、親の気持ちも対処も変わるはず。本書では、イヤイヤシーン別に、イヤイヤや癇癪が発動するメカニズムとその背景にある子どもの脳や身体の発達について、元保育士ならではの専門的な視点で解説しています。その上で、解決策となる具体的な声かけ・遊び・環境設定について豊富なアイデアをご紹介。
「ふじこ家の日常」と題したふじこせんせい一家のほっこり育児漫画をはじめ、イラスト満載でドタバタの育児の日々でも読みやすいのが魅力です。
実践したママ・パパからは、「真似してみたらイヤイヤせず、スムーズに次の行動に移れて、親もストレスが減りました!」など、たくさんの声が届いています。
一部のページでは、QRコードからふじこせんせいが声かけを実践しているInstagramの動画が見られます。声のトーンや表情も参考にしてみてください!
<こんなイヤイヤありませんか?>
第1章 ご飯のイヤイヤ(ご飯を食べない/食事中に立って歩き回るetc.)
第2章 お着替えのイヤイヤ(着替えをしない/帽子を被らないetc.)
第3章 お出かけのイヤイヤ(帰りたがらない/チャイルドシートに乗らないetc.)
第4章 マナーのイヤイヤ(スーパーで走り回る/公共の場でさわぐetc.)
第5章 トイレのイヤイヤ(おむつ替えを拒否/トイレに行きたがらないetc.)
第6章 お風呂・歯磨きのイヤイヤ(お風呂に入らない/仕上げ磨きを嫌がるetc.)
第7章 ねんねのイヤイヤ(読み聞かせが終わらない/寝ないで遊びたがるetc.)
第8章 家でのイヤイヤ(おもちゃを片付けない/TVやYouTubeをやめられないetc.)
第9章 家族・お友だちのイヤイヤ(パパはイヤ・ママはイヤ/お友達に手が出るetc.)
第10章 イヤイヤにほとほと困ったときは(癇癪が止まらない/下品な言葉を使うetc.)

2024.11.13発売
小説 星降る王国のニナ
青い鳥文庫
星の神のごとき深き青――瑠璃色の瞳を持つ少女ニナは、その美しき瞳ゆえに、フォルトナ国第二王子、アズール・セス・フォルトナに見出される。 三ヶ月後に、大国ガルガダの王位継承権を持つ第一王子のもとに嫁ぐはずだった姫巫女アリシャの身代わりとして。 姫として作法を学び、美しく着飾り、大国を欺くことを求められたニナは、運命に翻弄されながら、一生に一度の恋に出会う。王宮恋愛ファンタジーの幕開け!
<小学中級から すべての漢字にふりがなつき>

2024.11.13発売
ひなたとひかり(8)
青い鳥文庫
「壱弥……。どうしよう。」ここは、壱弥のスタジオ。オーディション番組が終わるまで、日向と壱弥は会わない約束をしていたけれど、大事件が起きてしまい、壱弥が自分のマンションに日向を連れてきた……。なんと、週刊誌に光莉の熱愛報道が出るとのこと! 落ちこむたび、いつも日向を助けてくれた、頼りがいのある光莉。そんな双子の姉の大ピンチに、日向はどうする……!!
<小学中級から・すべての漢字にふりがなつき>