私の万葉集(五)

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私の万葉集(五)

ワタシノマンヨウシュウ

講談社現代新書

文化史上の奇跡ともいうべき防人歌、名門貴族の私的生活。天平時代の人間像をいきいきと伝える巻17から巻20まで、大好評シリーズ完結篇。 人間臭いエピソード――この時代の歌にはきわめてはっきりした特徴があります。「巻17」の最初の部分を除けば、「巻20」に至るまでの4巻は、共通してその成り立ちが甚だ私的な性格のものだという点です。その中心になっているのは、……大伴家持の、いわば「歌日記」です。家持自身の歌が大量に収められているばかりでなく、彼の周囲の人々、すなわち上(かみ)は左大臣橘諸兄(もろえ)から、下(しも)は東国の兵士(防人)たちの歌まで、……これ以前の巻々ではそれほど表面に出て来てはいなかった人間臭いエピソードをまじえて、年代順に歌が並んでいます。これらの歌によって、私たちは天平時代という、古代日本でもとりわけ私たちに親しい呼び名である時代の、いわばざっくばらんにうちとけた内幕を、少なくとも大伴家持という、自家が没落しはじめていることを痛いほど意識している古代の名門貴族の目を通して、かいま見ることができると言えます。――本文より


書誌情報

紙版

発売日

1998年01月20日

ISBN

9784061491748

判型

新書

価格

定価:704円(本体640円)

通巻番号

1174

ページ数

210ページ

シリーズ

講談社現代新書

初出

PR誌『本』(講談社)1996年8月号~1997年12月号の連載をまとめた

著者紹介

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