ピストルと荊冠 〈被差別〉と〈暴力〉で大阪を背負った男・小西邦彦

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ピストルと荊冠 〈被差別〉と〈暴力〉で大阪を背負った男・小西邦彦

ピストルトケイカンヒサベツトボウリョクデオオサカヲセオッタオトココニシクニヒコ

講談社+α文庫

部落解放運動の闘士は暴力団の構成員だった。二足のわらじをはき莫大な富と権力を握った小西邦彦。晩年に「飛鳥会事件」で逮捕され失意のなかにこの世を去った。バブル時代には1ヵ月に呑み代1000万円、その力は市行政、警察、税務署、財界にまで及んだ。昭和44年、部落解放同盟支部長に就任、40年の長きにわたりその職にあった。人生の「貧富と清濁」を体現した”極道支部長”の波乱万丈、74年の生涯を描く本格評伝!


部落解放運動の闘士は暴力団の構成員だった。二足のわらじをはき、莫大な富と権力を握った男、小西邦彦。晩年に「飛鳥会事件」で逮捕され失意のなか、2007年にこの世を去った。バブルの時代には1ヵ月に呑み代1000万円、その力は市行政、警察、税務署、財界にまで及び権勢をふるった。昭和44(1969)年、部落解放同盟の支部長につき、40年の長きにわたりその職にあったが、次第に人生の目的は福祉事業へと変わってゆき、特別養護老人ホームや保育園の経営に邁進する。それは解放運動の関係者による不祥事が続き、運動が退潮してゆく時期となぜか重なった。
人生の「貧富と清濁」を体現した男の波乱万丈、74年の生涯を描く本格評伝!


目次

プロローグ
1975年5月8日、大阪市立飛鳥解放会館の開館式典で、小西邦彦が挨拶に立った。
第一章 支部長誕生
1969年、同和対策法が施行された年に、小西は部落解放同盟飛鳥支部長となり、活動家のスタートを切る。
第二章 ふたつの顔
1970年代、高揚する部落解放運動の中で小西は統率力を発揮し、解放同盟大阪府連幹部に抜擢される。一方、組から抜けるためとった行動とは――
第三章 銭の花
小西は”同対事業の申し子”だった。呑み代月1000万円といわれたバブル時代には、三和銀行と組み貸金業、不動産取引で荒稼ぎする。稼いだ金100億円は、何に使われたのか?
第四章 母の教え
1980年代に入り、運動に距離を置き始めた小西は、福祉活動に力を注ぐ。しかし、暴力団との関係は切れず、抗争の余波で命を狙われる。
第五章 ゆがんだ棺
小西への包囲網は狭まっていた。2006年5月8日逮捕。反撃すべく、控訴はしたものの、すでにそのとき強靭な肉体はガンに蝕まれていた。
エピローグ
人目に触れることがなかった”遺言ビデオ”で、小西本人があるメッセージを残していた。長女が語った父の思い出、ドン亡き後の被差別部落は――

書誌情報

紙版

発売日

2017年01月20日

ISBN

9784062817103

判型

A6

価格

定価:814円(本体740円)

通巻番号

ページ数

320ページ

シリーズ

講談社+α文庫

電子版

発売日

2017年01月27日

JDCN

0628171000100011000W

初出

本書は、2012年10月に小社より刊行された『ピストルと荊冠 〈被差別〉と〈暴力〉で大阪を背負った男・小西邦彦』を文庫化にあたり、加筆・修正したものです。

著者紹介

著: 角岡 伸彦(カドオカ ノブヒコ)

1963年、兵庫県生まれ。関西学院大学社会学部卒。神戸新聞記者などを経てフリーに。著書に『被差別部落の青春』(講談社文庫)、『ホルモン奉行』(新潮文庫)、『はじめての部落問題』(文春新書)、『とことん!部落問題』(講談社)、『ふしぎな部落問題』(ちくま新書)、『ゆめいらんかね やしきたかじん伝』(小学館文庫)、共著に『百田尚樹「殉愛」の真実』(宝島社)などがある。『カニは横に歩く 自立障害者たちの半世紀』で第33回講談社ノンフィクション賞受賞。

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