可愛くってずるくっていじわるな妹になりたい

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可愛くってずるくっていじわるな妹になりたい

カワイクッテズルクッテイジワルナイモウトニナリタイ

2014年から2019年までのTV Bros.連載に加え、各雑誌やWebに掲載されたエッセイ・評論・書評などをまとめた、5年分の鈴木涼美コラム集。

男と女、芸能と大衆、慣習と衝動など、割り切れない現代社会の機微を的確に捉え、渋谷と歌舞伎町と研究室と新聞社を越境するなかで培った天然のフィールドワークから得た知見を綴った名コラムの数々。

「J-POPは大抵、恋の労働者階級の賛歌である」(2014年)

「オンナには幸福になる権利が目一杯あるけど、不幸になる自由だってあるのですから」(2015年)

「今年33歳になる私は、まだピンヒールを脱がない生活のまま、愛の才能と正しさのない混沌を背負っていて、でも、ローファーで駆け下りていた地下鉄の階段は、あの頃よりもずっと慎重に降りる」(2016年)

「「殴る」「奪う」「吸う」とネガティブに逸脱したそれまでのヤンキーとは逆の、「買う」「踊る」「めかす」とポジティブな方向に逸脱するのが私の時代のギャルだった」(2017年)


「若い女の無垢な視線や肌のハリごときに踊らされているうちは、若い女の口の軽さや箸が転がっても大騒ぎするような大げさっぷりにせいぜい悩まされていろよ」(2018年)

「あーこれ欲しいな、欲しい欲しい欲しいなーと思うことはあって、それが手に入らないと気持ちが凹むし機嫌悪くなるから、なるべく一回は手に入れるようにしてきた。校則の緩い学校の生活も、ヴィトンの財布もCDも、キスキスとジャイロのスーツも、大学の合格も、キャバクラのナンバーワンも、マトラッセもマルチカラーも吉本隆明全集も、一人暮らしの部屋も、刺青も、入社試験も、有名人の男も」(あとがきより)


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目次

目次(抜粋)

はじめに 幸福でふるえたわけじゃない

<第1章>(アタマ良くてかっこよくてセンスがいい)お兄ちゃんが欲しいっ
サブカル男子の魅力にしなだれて
涙の数だけ、つくしてみせようホトトギス
オバサン・ドットコム
ビリギャルなんて呼ばないで
森高センパイ・マキ姉さん
オラオラオラっていう歌あったら売れそう
セルフィーって自慰行為グッズを連想するんだよね
いい店ヤレる店? そりゃ風俗のことだろう
愛の才能なんて、ないの
企業の顔面偏差値
脇役でイケることこそ本物
逆毛の王子様たち
トンネルを抜けると欠陥住宅だった件
不機嫌なコギャルたち
メンヘラの極意
スズミの知らない2.5次元の世界
オザケンなんて聞かないで
非アイドルがモーニングコールして
SMAPがなくとも世界はまわる
おそらく次のアイドルはオムツをして登場する
私の血はりぼんとJ-POPでできている
にこるんビームに殺傷能力はあるか
魅惑の1Q83
ボディはフィールズエグジットしてこそ
SWEET 29 BLUES
冬とデートと愛について書きたかった
紅白の歌声、君に届け。
しずかちゃんよりドラミちゃんになりたい派

<第2章>可愛くってずるくっていじわるな妹になりたい
ブスの話をしながら食べるのはいつも肉
ミーツー時代の生き方ハウツー
若い女には毒がある(ってだから何回も言ったのに)
おっさんにさよならしている場合ではない
勃起には困らないこんな世の中じゃ
「ふつうの女の子」が褒め言葉になったら君は疲れてる
ナンバーワンよりオンリーワンのあの歌も(一応)男の歌だし
終わりなきミミクリを生きろ
もし野球部のマネージャーがドラスティックにブスだったら
年の初めに男の値付け
後悔はしても反省はしないタイプ
死ニシズムからの解放なんてある?
思想と言う名の服を着て
カッコイケメンに限る、の実態
この世界のクソつまんない女たち
ウッディまで私を見捨てるの
リアルな悲しみよ、こんにちは
夢のホスティーランドは忘却の彼方に

<第3章>刺激的で難しくてオシャレな本と震えたい
「文化女子(笑)」に対する正当なアンチテーゼ
オトコを埋め合わせ、オンナを満たすもの
ARE WE BAD?
勇敢で平凡な「普通の女の子」
金井美恵子になれなかった
愚直な孤独との戦い
ポスカだらけで追悼・橋本治
パーティーの列のクリネックス
理解できぬものと寄り添うこと
沈黙を埋める言葉たち
穴だらけの檻の中で

<第4章>上品でつまんなくてゼツボー的な世界を蹴っ飛ばしたい
カチューシャしてアイフォーンを使いこなしたい
衣領樹をしならせて
ヘアサロン攻防 秋の陣
誰がためにグラスは鳴る
さよならなんて羨ましい
まつ毛の先のフィクションとソーシャル・ネットワーク
厚底の上から見た世界
浅はかな100万円の浅はかじゃない価値

おわりに ファンダメンタルな欲望

書誌情報

紙版

発売日

2020年01月31日

ISBN

9784065189016

判型

四六

価格

定価:1,760円(本体1,600円)

ページ数

272ページ

初出

収録作品参照。(収録作品の原稿を加筆・修正した)

収録作品

  • 作品名

    (アタマ良くてかっこよくてセンスがいい)お兄ちゃんが欲しいっ

    初出

    『TV Bros.』2014年11月8日号~2018年3月24日号

  • 作品名

    可愛くってずるくっていじわるな妹になりたい

    初出

    『TV Bros.』2018年6月号~2020年1月号

  • 作品名

    「文化女子(笑)」に対する正当なアンチテーゼ

    初出

    『TV Bros.』2014年8月16日号

  • 作品名

    オトコを埋め合わせ、オンナを満たすもの

    初出

    『文學界』2014年11月号

  • 作品名

    ARE WE BAD?

    初出

    『文春オンライン』2017年6月27日

  • 作品名

    勇敢で平凡な「普通な女の子」

    初出

    『講談社BOOK倶楽部』2017年10月1日

  • 作品名

    金井美恵子になれなかった

    初出

    『早稲田文学』2018年春号

  • 作品名

    愚直な孤独との戦い

    初出

    『文學界』2018年7月号

  • 作品名

    ポスカだらけで追悼・橋本治

    初出

    『ユイリカ』2019年5月臨時増刊号

  • 作品名

    パーティーの列のクリネックス

    初出

    『新潮』2019年7月号

  • 作品名

    沈黙を埋める言葉たち

    初出

    『新潮』2019年8月号

  • 作品名

    理解できぬものと寄り添うこと

    初出

    『文學界』2019年8月号

  • 作品名

    穴だらけの檻の中で

    初出

    『群像』2019年11月号

  • 作品名

    カチューシャしてアイフォーンを使いこなしたい

    初出

    『ユイリカ』2011年10月号

  • 作品名

    衣領樹をしならせて

    初出

    『文學界』2013年10月号

  • 作品名

    ヘアサロン攻防 秋の陣

    初出

    『新潮』2013年12月号

  • 作品名

    誰がためにグラスは鳴る

    初出

    『ユリイカ』2014年9月臨時増刊号

  • 作品名

    さよならなんて羨ましい

    初出

    『TV Bros.』2015年1月24日号

  • 作品名

    まつ毛のフィクションとソーシャル・ネットワーク

    初出

    『GQ』2017年8月号

  • 作品名

    厚底の上から見た世界

    初出

    『文春オンライン』2017年9月30日

  • 作品名

    浅はかな100万円の浅はかじゃない価値

    初出

    『文春オンライン』2017年12月29日

著者紹介

著・編: 鈴木 涼美(スズキ スズミ)

●1983年生まれ。東京都出身。慶應義塾大学環境情報学部卒業、東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。女子高校生時代はブルセラ少女として過ごし、大学在学中からキャバクラ嬢などを経験、20歳の時にAV女優デビュー。東大大学院で執筆した修士論文は、のちに『「AV女優」の社会学 なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか』(12年/青土社)として書籍化。新卒で日本経済新聞社に入社し、都庁記者クラブ、総務省記者クラブなどに配属され、5年半勤務した後、作家となる。著書は『身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論』(14年/幻冬舎)、『愛と子宮に花束を ~夜のオネエサンの母娘論~』(17年/幻冬舎)、『おじさんメモリアル』(17年/扶桑社)、『オンナの値段』(17年/講談社)、『女がそんなことで喜ぶと思うなよ 愚男愚女愛憎世間今昔絵巻』(19年/集英社)など。

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