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生物学者と料理研究家が考える「理想のレシピ」
セイブツガクシャトリョウリケンキュウカガカンガエルリソウノレシピ
私たち人間の体は、私たちを構成する分子のレベルで考えると、一秒たりとも休むことなく生まれ変わっている。一年足らずで私たちの体は、「まったく別人のように」変わってしまう。にもかかわらず、私たち人間はそうした変化を感じることもないし、決して動きを止めることのない変化に混乱なく生命を維持し続ける。こうした生命の在りようを著者の生物学者福岡伸一氏は「動的平衡」と呼ぶ。
「動的平衡」の在りようをわかりやすく示した表現として、福岡伸一氏は鎌倉時代に鴨長明が著した『方丈記』の冒頭の一節をあげる。
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」
当然のことながら、そうした人間の「動的平衡」状態を維持するためには「食」が必須条件である。そして、その「食」がいかなる「材」と「質」と「加工」によって構成されているかが、人間という生命の「動的平衡」の健全度、健康度を大きく左右することになる。
本書の前半部では、第一線の生物学者である福岡伸一氏が、この「動的平衡」についてわかりやすく解き明かしながら、人間にとっての「食」の意味、理想の「食」のあり方を生物学的観点から解説。後半部では、福岡伸一氏の主張を踏まえながら、料理研究家である松田美智子氏が「理想のレシピ」を紹介。そのレシピ、食材についての福岡伸一氏が解説。
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書誌情報
紙版
発売日
2024年01月31日
ISBN
9784065344620
判型
A5
価格
定価:1,760円(本体1,600円)
ページ数
240ページ
初出
本書の第1部は福岡伸一氏の書き下ろし原稿です。第2部は「日刊ゲンダイ」(2019年4月4日号から2020年5月1日号)に連載された福岡伸一氏と松田美智子氏による「ようこそ不老不死レストランへ」の記事から主要部分を抜粋し、大幅に加筆、修正して再構成したものです。
著者紹介
1959年東京生まれ。京都大学卒。ハーバード大学研究員、京都大学助教授などを経て、現在、青山学院大学教授・米国ロックフェラー大学客員教授。生物学者・作家。専門分野で論文を発表するかたわら、一般向け著作・翻訳も手がける。代表作『生物と無生物のあいだ』(講談社)は、サントリー学芸賞および中央公論新書大賞を受賞し、88万部を超えるベストセラーとなる。他に『世界は分けてもわからない』(講談社)、『プリオン説はほんとうか?』(講談社ブルーバックス、講談社出版文化賞)、『生命と食』(岩波書店)、『動的平衡』シリーズ(木楽舎/小学館新書)。小説に『ドリトル先生ガラパゴスを救う』(朝日新聞出版)など著書多数。大のフェルメールファンとしても知られ、リクリエート・フェルメール展を監修、著書に『フェルメール光の王国』、『フェルメール隠された次元』がある。また、2025年開催の大阪・関西万博のテーマ事業プロデューサーに就任、パビリオン「いのち動的平衡館」の建設を進めている。
1955年東京生まれ。鎌倉育ち。清泉小学校、中学校、高等学校卒業後、女子美術大学卒業。 料理家であり、西洋料理に関する多くの著作を持つ鎌倉在住のホルトハウス房子氏に師事し、西洋料理、日本料理、中国料理など各国の家庭料理を学ぶ。1993年より、東京・恵比寿で「松田美智子料理教室」を主宰。旬の素材そのものの味、風味を重視した料理を開発、指導している。加えて、健康面にも配慮したオリジナルメニューを開発。楽しく作って、美味しく食べて、体も心も健康な料理をモットーに活躍。メニューの開発はもとより、システムキッチンの開発も手掛ける。雑誌の料理ページ、料理本、エッセイの執筆、講演など幅広く活躍。
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