文芸(単行本)作品一覧

ベア・ナックル
ベア・ナックル
著:盛川 友基
文芸(単行本)
拳だけが金を生む! 元プロボクサーが描く渾身のボクシング・ノワール。 階級なし、引き分けなし、倒すか倒されるか、力ある者だけがトップに立つ、闇の世界の賭けボクシングには、ビッグマネーと欲望が渦巻く。 ベア・ナックル=熊の拳、熊の爪、熊の腕、 裸の拳で戦っていたボクシング創成期、本当の強さを求めたファイトを、人々はこう呼んでいた。今、それは、ボクシングであってボクシングではない、裏の世界で行われるエンターテインメントなのだ。
音漬日記
音漬日記
著:佐伯 明
文芸(単行本)
音楽サイト「BARKS」の超人気コラムが待望の単行本化! アーティストの「創造の根源」に迫る。 インターネット超人気連載が愛蔵保存版に! メジャーサイト「BARKS」の超人気連載エッセイ「音漬日記」に、書き下ろし、豊富な図版、さらにアーティスト索引を加えてバージョンアップした完全保存版。 アーティストたちの素顔が溢れている
東京の空の下、今日も町歩き
東京の空の下、今日も町歩き
著:川本 三郎
文芸(単行本)
『東京人』人気連載! 「町」をめぐる記憶と物語のエッセイ集。東京の「町」を味わう16の随想。――「町歩き」は日常の生活圏とは違う町を歩く。ちょっとした旅のようで楽しい。旅に出るときは、ほとんどひとり旅だが、町歩きもひとり。勝手気ままに路地に入りこむ。草土手を歩く。夕暮れどきともなれば見知らぬ居酒屋にもぐりこむ。「暇人」にとって最高にうれしい遊びである。――「あとがき」より
電子あり
千の風になって
千の風になって
訳:新井 満
文芸(単行本)
大切な人をなくしたときに、悲しみをいやしてくれるのは、この詩かもしれない。 悲しみの中で読みつがれてきた、一篇の詩があった。 9.11米国、同時多発テロで、父親を亡くした11歳の少女が、一周忌に朗読した。 IRA(アイルランド共和軍)のテロで命を落とした24歳の青年が、“私が死んだときに開封してください”と両親に託した手紙の中に、この詩が入っていた。 女優マリリン・モンローの二十五回忌に朗読された。 朝日新聞『天声人語』が紹介し、大反響となった“死と再生の詩”作者不明の英語詩を、作家・新井満が日本語詩に。
ねむりねこ
ねむりねこ
著・その他:伊集院 静
文芸(単行本)
何かを求めてさまよい、出逢い、愛し、別れる。 無頼の果てに、今たどる追憶の日々 愛する人のこと、松井秀喜のこと、武豊のこと、色川武大のこと、熊谷守一のこと “生きる”という名の旅が紡ぐ、珠玉のエッセイ集 「ときめき、出逢い、悦び、戸惑い、嘆き、別離する……。 生とはいったい何なのだろうか? それを知りたくて、おそらく旅人は歩き続けているのだろう。 私も、旅をすることでしか、その詩に出逢えないと思う一人である」 ―― 一瞬の夢(本文より)
ぼくと未来屋の夏
ぼくと未来屋の夏
著:はやみね かおる
文芸(単行本)
「未来を知りたくないかい?」六年生の夏休み前日、作家を夢みる風太は未来を百円で売る<未来屋>猫柳さんに呼びとめられた。風太の住む髪櫛町では、昔からかくれんぼをすると最後まで見つからない子がいるといわれる神隠しの森や首なし幽霊の話、人喰い小学校の噂、人魚の宝の謎が言い伝えられていた。宝物が隠されている!? そんなことを信じるほど、子どもじゃない。だけど猫柳さんの口から出ると、ひょっとすると本当に宝物があるんじゃないかって思えてくる。二人の自由研究の先に、どんな結果が待ちうけているのか、未来屋の猫柳さんには見えているのだろうか……。
魔女の死んだ家
魔女の死んだ家
著:篠田 真由美
文芸(単行本)
昔、あたしは高い石の塀で囲まれた大きなおうちに、おかあさまとばあやとねえやと四人で暮らしていた。うちにはお客さまのない日の方がめずらしいくらい。お客さまたちのことを、おかあさまの「すうはい者」と呼ぶのだとばあやは教えてくれた。ある春のこと、おかあさまはピストルで殺された。その日のことをあたしはよく夢に見る。「魔女だからね。魔女は昔から火炙りに決まっているからね。」という男の人の声が聞こえる。すると急にあたしは自分の手の中に硬い冷たいピストルの感触を覚えるのだった……。充実の一途を辿る著者がくりひろげる耽美の世界、もつれた謎が鮮やかに解き明かされるエンディングをご堪能ください。
虹果て村の秘密
虹果て村の秘密
著:有栖川 有栖
文芸(単行本)
推理作家にどうしてもなりたい12歳の少年・秀介は、憧れの作家二宮ミサトを母にもつ同級生の優希(刑事になりたくてしょうがない)と、虹果て村にあるミサトの別荘で夏休みを過ごすことになった。虹にまつわる七つの言い伝えがあるのどかな村では、最近、高速道路建設をめぐって賛成派と反対派の対立が激しくなっていた。そんな中、密室殺人事件が起こり、二人は事件解明におとなも驚く知恵をしぼる。がんばれ、未来の刑事とミステリ作家!
ツチヤ学部長の弁明
ツチヤ学部長の弁明
著:土屋 賢二
文芸(単行本)
お笑いエッセイ上級者仕様 教育崩壊 権威失墜 不可解な大学人事 青天の霹靂で学部長となった哲学教授は、初めて忙しくなり社会的発言にも軽みを増す 周囲の無理解だけではありません。他の点でも生活は確実に劣悪になりました。趣味のジャズピアノを弾く時間もなくなり、ライブの回数も減らしました(不可解なことに、そのことが家でもライブハウスでも好評を博しました)。電車で読む本にしても、以前のようにミステリや哲学論文を読みながら居眠りするという余裕がなくなり、議事録や報告書を読みながら居眠りするようになりました。学部長になってはじめて知ったのですが、学部代表で葬儀に参列するときの香典などは自腹で払うという話です。それを知ってからは、会う人ごとに、わたしの任期中は死ぬのをがまんしてくれ、と頼んでいます。(お茶の水女子大学「学園だより」'03.2)――――――本文より
負け犬の遠吠え
負け犬の遠吠え
著:酒井 順子
文芸(単行本)
嫁がず 産まず、この齢に。 どんなに美人で仕事ができても、30代以上・未婚・子ナシは「女の負け犬」なのです。――著者 連載時から大反響の問題エッセイついに刊行。 「負け犬にならないための10箇条・なってしまってからの10箇条」等全女性必読の書。
彼女の部屋
彼女の部屋
著:藤野 千夜
文芸(単行本)
女と女、女と男。そこにあなたがいる。 芥川賞作家が描く、6つの透明な物語。 “日常”というバランス、それがくずれるとき。誰かの心の暗がりが、そっと目の前に広がる。 ●8年前に死んだ父親が、ある日突然帰ってきた。家族の喜びと幸せを、切なく描いた 「父の帰宅」 ●友人宛に送られてくるストーカーの手紙を引き取った・ゆりえ。  その手紙を見に集まった友だちは、手紙に 記された住所をたよりに“彼”の家を探す。  ストーカーの手紙からはじまる物語 「愛の手紙」 ●さほど仲のよくない女友だち・北原さんの強引な誘いを断れず、彼女のマンションへと招待された恭子。  彼女がそこで見たものは!? 「彼女の部屋」 (表題作) ―――ほか3編を収録。
家なんか建てなきゃよかった
家なんか建てなきゃよかった
著:見延 典子
文芸(単行本)
名作『もう頬づえはつかない』から25年 初の建築家庭小説集 家をつくる願望、希望、断念の数々。新しいファミリーの心のかたち。 家を建てる時、最も必要な事を問う傑作小説。 『もう頬づえはつかない』の作家が、家を建て、あるいは建てかえる時に、考えるべき深い人間的問題を小説として描く異色の長篇小説。家をもつことは、幸せなのか。
翼の影を追え
翼の影を追え
著:福本 博文
文芸(単行本)
盗聴・盗撮・恐喝・不法侵入――。都会の裏側で、手段を選ばず「真実」を探す。「探偵」とはそういうものだ。 私立探偵の実態と手口を知り尽くした著者だから書けた、まったく新しい探偵ミステリー登場! ストーカーの男を脅して300万円を「恐喝」。ラブホテルの壁に穴を開けて、人妻の女優と少年アイドルの痴態を「盗撮」。元暴力団員と警察官を下請けに個人情報入手。探偵・峰岸がもっとも得意とするのは「人探し」。失踪人・行方不明者の足取りを、どこまでも追い、ターゲットを見つけるためには手段を選ばない。 友が死んだ。「小さな翼」という謎の言葉を遺して。持てるノウハウをすべてぶち込み、峰岸の本気の「追跡」が始まる!
街角の犬
街角の犬
著:鳴海 章
文芸(単行本)
なぜ正義は心を虚ろにするのだろう。 最悪の犯罪に手を染める警察官の堕ちる快楽・醒める恐怖。 ガソリンに溶ける新種の覚醒剤・0822。売買組織を追う警察官・宇崎の心を、だれかが組織的に汚していく。 堕ちることは、なぜこんなに心地よいのか。正義はどこまで持ちこたえられるか。
燃える蜃気楼
燃える蜃気楼
著:坂 剛
文芸(単行本)
著者渾身のライフワーク巨編第3弾! ショウヘイ、彼女を信じないで。私だけを信じて。 日米開戦。敵同士となった北都昭平とヴァジニアの前に一人の日系女性が現れる。幻惑される北都。嫉妬に狂うヴァジニア。二人の絶望的な愛のゆくえは―― 独ソ開戦以降、混迷の度合いを深める第二次大戦下のヨーロッパ。フランコ政権下のスペインは、枢軸側と連合国側の間を揺れ動く。焦点は連合国の北アフリカ上陸作戦。時期は、そして場所は?裏の裏、そのまた裏をかくスパイたちの死闘は白熱する。
不思議じゃない国のアリス
不思議じゃない国のアリス
著:沙藤 一樹
文芸(単行本)
日本ホラー小説大賞短編賞受賞作家の新感覚ホラー・ミステリー! 少年少女はバスにゆられてどこへ連れて行かれるのでしょうか。自分では運転できない年頃なので、大人の運転に身をゆだねるしかないのでしょうか。ところでこの本、バスの運転手が沙藤一樹でなければ、きっと旅は快適だったでしょうに。――乙一 大人の理不尽な行為により絶望した少年・少女たちを描く5つの短編、衝撃の結末!!
言問
言問
著:領家 子
文芸(単行本)
久々に出現した恋愛小説の秀作。 満々と水をたたえた隅田川を見つめる芸者芳恵と二人の男。 人をつき動かす愛の連なり、愛の哀しみ。 『向島』『墨堤』そして『言問(こととい)』
北京故事 藍宇
北京故事 藍宇
著:北京 同志,訳:九月
文芸(単行本)
覆面作家が中国全土を揺るがせた! 男が男を愛する運命の出会い。 天安門事件で揺れる北京の街。 二人はなぜ禁断の愛に身を投じたのか。 一大センセーションを巻き起こした問題作。 香港の名匠・關錦鵬(スタンリー・クワン)監督『藍宇』原作。 北京の若き実業家・陳悍東(チェン・ハントン)は、女も男もなく性に耽っていた。 ある日、東北出身の貧乏学生・藍宇(ランユー)を金で買う。 藍宇にとって、悍東は初めての性の相手だった。 「俺たちが出会ったのは、縁があったから。その気がなくなった時点で、おしまいにする。同性愛は、この国ではわいせつ罪だから」 運命の出会いは、こうして始まった。
老人のための残酷童話
老人のための残酷童話
著:倉橋 由美子
文芸(単行本)
あまりにも恐ろしい結末。 大ベストセラー『大人のための残酷童話』から20年。 現代文学最高の語り部・倉橋由美子が贈る10篇の物語。 ・ある老人の図書館 ・姥捨山異聞 ・子をほしがる老女 ・天の川 ・水妖女 ・閻羅長官 ・犬の哲学者 ・臓器回収大作戦 ・老いらくの恋 ・地獄めぐり
山ん中の獅見朋成雄
山ん中の獅見朋成雄
著:舞城 王太郎
文芸(単行本)
福井県・西暁の中学生、獅見朋成雄から立ち上がる神話的世界。ついに王太郎がその真価を顕し始めた。 ゼロ年代デビュー、「ゼロの波の新人」の第一走者が放つ、これぞ最強の純文学! 僕の首の後ろにも、他人よりもちょっと濃いめの産毛が生まれたときから生えていて、これが物心ついたころから僕の抱えた爆弾だったのだけれど、十三歳になってすぐのある晩、自分の鎖骨をこすっていて、そこにいつもとは違う感触を感じてうつむいて、首元に赤くて長くてコリコリと固い明らかな鬣の発芽を確かめたとき、それまでは祖父と父と同じように背中に負ぶっているつもりだった爆弾が、気づけば僕だけ胸の上にも置かれていたと知ってショックで、その上さらにその導火線にとうとう火が点けられたのを実感して、僕は絶望した――(本文より)