文芸(単行本)作品一覧

キッドナップ
キッドナップ
著:藤田 宜永
文芸(単行本)
島本真人、17歳。 会いに行こう、かつて僕を誘拐した女に! それは、新たな愛と事件の始まりだった。 どうして今日に限って、頭に血が上ったのか分からない。 暑さのせいだ。何もかもが暑さのせい……。 僕はバイクを飛ばしながら何度もつぶやいた。 僕が生まれたのは昭和58年の8月14日である。 正確には覚えていないが、事件はそれからすぐに起こった。
暮らしの遊び方
暮らしの遊び方
著・装丁・装画:石倉 ヒロユキ
文芸(単行本)
毎日をどんどん楽しくするお役立ちエッセイ ●目玉焼きの掟 ●耳かき一杯のシアワセ ●朝の甘味 ●楽しくケチな骨董探し ●時差ボケのビール ●英国式ピクニック ●大英ガラクタ旅行 ●毎日がカレー日和 ●蕎麦打ちの極意 ●ソファーとの相性 ●子犬の温もり ●薪ストーブは人を3度温める ●みんなの歯磨き ●癒しのグリーンライフ ●いったい何を飲むべきか ●ボールペンの逆襲 ●お風呂のお約束
貸しはがし資金回収
貸しはがし資金回収
著:杉田 望
文芸(単行本)
銀行は仕事をしていない! バブル襲撃にさらされた東京の旧きよき街。銀行本来の責任を問う経済小説の傑作。 いっとき、この街はわいた。地価は目をくほどに跳ねあがった。 銀行は土地を担保に大金を貸し、マンション建設を競わせた。いい思いをしたものもあった。 ところがバブルが弾けて地価が激落した。担保不足に陥るのは当然だ。それが巨額な不良債権と化した。 その不良債権を早く処理せよ! と小泉内閣は銀行の尻をひっぱたいた。 失政だ。政治の方法を誤ったことが、この街の人びとを苦しめている。貸し渋り・貸し剥がしの悲劇だ。 巨額の借金を抱えてマチキンに走り、倒産・夜逃げの悲劇が起こっている。 「銀行がまっとうならな……」
煤煙
煤煙
著:北方 謙三
文芸(単行本)
なにを、毀したいのか。 言いがかりのような裁判を起こし、有罪の人間を無罪にする。 40歳、弁護士。離婚歴あり。 正義のためでも、まして金のためでもなく、法を逆手にとる暗い喜び。 ハードボイルド長編 最新作! 「病院2つで、4000万というところか?」 声をひそめるようにして、池田が言った。私は、煙草に火をつけた。 「示談にする気なのか、池田?」 「おまえ、まさか法廷に持ちこもうと考えてるんじゃあるまいな?」 「このケースは、充分に法廷で争って勝てるし、2人の医師から免許も取りあげられる」 「そんなことして、なんの意味がある?」
マッチメイク
マッチメイク
著:不知火 京介
文芸(単行本)
爽快!躍動!圧巻! わくわくする格闘技ミステリー登場! 本年度江戸川乱歩賞受賞作 大手プロレス団体のスターが試合中に死んだ。自殺か。他殺か。 「最強」を夢見る新米レスラー・山田聡は、真相に迫れるか。 選考委員が絶賛! 井上夢人氏 「プロレスというものについて、私は全く無知なのだが、『マッチメイク』の読後、ついプロレス中継をどこかでやっていないかテレビ欄を探してしまった。」 逢坂剛氏 「乱歩賞では前例のない、プロレス・ミステリー。」 北方謙三氏 「門番のレスラーとともに、筋肉を作る描写など、圧巻であった。」 北村薫氏 「心地よい素朴さが、生き生きと伝わってくる。丹下や本庄といった脇役も見事に生きている。」 乃南アサ氏 「エネルギーがあった。作者の眼差しが感じられた。」
翳りゆく夏
翳りゆく夏
著:赤井 三尋
文芸(単行本)
第49回江戸川乱歩賞受賞作 ハードボイルド長編 20年前の新生児誘拐事件で封印された真実が、いま明らかに。 「丁寧に書き上げられた秀作。」――井上夢人氏 「巧みな伏線が張り巡らされている。」――逢坂剛氏 「きちんとした構成で書かれ、安心して読める。」――北方謙三氏 「端役に至るまで、一筆で、しかし過不足なく描かれている。」――北村薫氏 「ミステリーとしての完成度という点では、もっとも優れた作品。」――乃南アサ氏
二天の影
二天の影
著:島田 真祐
文芸(単行本)
巨星・武蔵! 二天一流正系を継ぐ寺尾信行一族の身辺に続発する奇怪な事件。 因果の糸は天草・島原の乱へと遡る。 二天とは一般に月輪と日輪、陰と陽に当てられるが、その対比は天と地、乾と坤、過去と未来、あるいは有と無であってもよい。時空万象のこれ以上にない対極、つまりは世界一切、まるごと全部ということである。以前、二天の号にまつわる妄想をめぐらせている時に、この物語のあらましを組み立てた。武蔵その人を直接に描くのではなく、陰陽二天それぞれの天光を濃厚に受けた人物同士の葛藤対立を通して、武蔵という巨大な時代の父性を探りたい。そのような意図があった。――島田真祐
姑獲鳥の夏
姑獲鳥の夏
著:京極 夏彦
文芸(単行本)
京極夏彦の職人仕事。 読みやすい書体。美しい版面。 京極世界の原点。 京極夏彦のデビュー作が四・六判に! 『文庫版 姑獲鳥の夏』を底本とした四・六ハードカバー版。 最新のDTP技術を利用し、かつてない美しく読みやすい版面の構築に成功。 あの『夏』の衝撃が再び!
子どもの王様
子どもの王様
著:殊能 将之
文芸(単行本)
ショウタの親友トモヤは学校にはほとんど行かず本ばかり読んでいる。そのせいか途方もないつくり話をよくする。この団地の外側には何もない、現に団地の案内図には外側なんて描いてないじゃないかという。今日も学校はあったよとショウタがいうと、昨晩大急ぎで造ったのさ、といった調子だ。他にも団地に住む西の良い魔女と東の悪い魔女の話とか、残虐非道な子どもの王様の話とか……。だがある日、ショウタはトモヤがいうとおりの姿かたちをした男を目撃する。もしかしてあれが子どもを穴蔵に閉じ込め、召し使いとしてこきつかうという子どもの王様?
透明人間の納屋
透明人間の納屋
著:島田 荘司
文芸(単行本)
透明人間はこの世に存在する。人間を透明にする薬もある。見えないから誰も気がつかないだけなんだ、この町にだっているよ。……学校、友人、母親、すべてに違和感をもって生きる孤独な少年、ヨウイチがただひとり心を開き信じ尊敬する真鍋さんの言葉だ。でもどうしてそんな秘密を知っているのだろうという疑問がぬぐいきれないでいるところに、不可解な誘拐事件が発生した。密室から女性が蒸発したかのように消失したのだ。透明人間による犯行だと考えると謎は氷解するのだが。
死水
死水
著:三浦 明博
文芸(単行本)
江戸川乱歩賞受賞第一作 リバー・キーパー 男は川を守り、命を救う。 不幸な事故で家族を失った早瀬は、人と魚が共存する理想の環境作りに打ち込もうとする。 だが、彼の川に流れてきたのは死の気配だった。 書下ろしアウトドア・ハードボイルド 仙台郊外の幽川をフライフィッシングの理想郷に。 早瀬はリバー・キーパーとして、水質や川辺の樹木の管理に勤しんでいた。 だが釣り上げた一匹のブラックバスが川の運命を変えてしまう。 最悪の密放流事件は死体を伴っていたのだ。 俺の川で何かが起ころうとしている。
イエロー
イエロー
著:松井 雪子
文芸(単行本)
芥川賞候補作 「薄っぺらな嘘、偽の自分、生死が曖昧な日常、小説『イエロー』は、不意に響く救急車のサイレンのように、それらを切り裂く」――村上 龍 「文体という点では松井雪子さんの『イエロー』が最も優れていた。巻頭の女の顔を月面になぞらえる展開は見事だし、その後の別人格の自分とのメールのやりとりなども達者なもの」――池澤夏樹 <漫画家としても異彩を放つ松井雪子の中篇小説2篇を収録> ●駅ビルの化粧品店で働く美容部員ユキエさんのもとを訪れる風変わりな客たち  ――「イエロー」(第128回芥川賞候補作)。 ●富士の樹海に近い「旅荘・蓬莱」の深夜受付フジミと、長逗留の泊り客サオトメとの不思議な顛末  ――「私のフジサン」。
午後の蜜箱
午後の蜜箱
著:稲葉 真弓
文芸(単行本)
しんと静まった闇の中に、五十数年生きている真琴とほんの少しだけ若い私がいて、しかし私たちは少しも自分のことがわからないのだ。男と出会って一緒に暮らしたりささいなことで別れたり、やっぱり一人がいいと言ってみたり、一方ではどこか別の場所で生きることを夢みたり。そのわからない自分の姿を、もし見られるものなら見たいという真琴の願いが私にもすんなりとわかるのだ。――(本文より) 女ふたり、ゆたかな孤独を抱きしめて。 <ひとり>を選んで生きてきた女たちが、人生の午後に迎える美しい時間。 しんと静まった闇の中に、五十数年生きている真琴とほんの少しだけ若い私がいて、しかし私たちは少しも自分のことがわからないのだ。男と出会って一緒に暮らしたりささいなことで別れたり、やっぱり一人がいいと言ってみたり、一方ではどこか別の場所で生きることを夢みたり。そのわからない自分の姿を、もし見られるものなら見たいという真琴の願いが私にもすんなりとわかるのだ。――(本文より)
電子あり
くらのかみ
くらのかみ
著:小野 不由美
文芸(単行本)
「四人ゲーム」。まっくらな部屋の四隅に四人の人間が立ち、肩を順番に叩きながら部屋をぐるぐる回るゲームだ。とうぜん四人では成立しないはずのゲームを始めたところ、忽然と五人目が出現した! でもみんな最初からいたとしか思えない顔ぶればかり。――行者に祟られ座敷童子に守られているという古い豪壮な屋敷に、後継者選びのため親族一同が呼び集められたのだが、後継ぎの資格をもつ者の食事にのみ毒が入れられる事件や、さまざまな怪異が続出。謎を解くべく急遽、少年探偵団が結成された。もちろんメンバーの中には座敷童子も紛れこんでいるのだが……。
ソウルの達人 最新版
ソウルの達人 最新版
著:黒田 福美
文芸(単行本)
「彼女ならではの独特の視点とフィールドワーク、体験に基づく最高のガイドブックです」――(韓国観光公社 海外振興處長 呉龍洙(オヨンス)) 韓国観光公社お墨付き! 韓国人も知らないソウルがここにある! 韓国語版 同時発売 達人・黒田福美が放つ、あの伝説のベストセラー全面リニューアル! 黒田福美が見た、歩いた、感じたソウルをココに集約。 知的好奇心を満たす「読めるガイドブック」誕生! ●総力64ページ、市場とコルモク(横丁)に行けばソウルの素顔が見えてくる! ●汗蒸幕はもう古い!? すべすべつるつる最新お風呂探検! ●韓国グルメの真髄は老舗とスペシャルテイストにあり! ●東大門とトップデザイナー、これさえおさえればあなたもソウルファッション通! ●韓国の伝統工芸を支える匠の素顔に黒田が迫る!
となりの韓国人 傾向と対策
となりの韓国人 傾向と対策
著:黒田 福美
文芸(単行本)
必要なのは文化の通訳! 仕事よりメシが大事な韓国人 完璧なんて望まない韓国人 はっきり言わなきゃ分からない韓国人 愛情は表現してナンボの韓国人 韓国と関わって20年。人気女優の体験的エッセイ ちょっとした違いが、「一緒に仕事をする」となると、大きなトラブルに繋がってゆくことも多い。私自身、あちこちの現場で日本人と韓国人の間に起こるいざこざをたくさん見てきた。そのどれもがお互いの違いを予め理解していれば、いくらでも避けられたことのように思えてならなかった。トラブルから学んだ経験や理解は、「蓄積」されたり「伝播(でんぱ)」したりしないものとみえて、何年経っても、日本人と韓国人はいつも「同じ事柄」でつまずいている。
ザ・ベストミステリーズ2003
ザ・ベストミステリーズ2003
編:日本推理作家協会
文芸(単行本)
ミステリートップ20 プロが選んだ最高傑作選! 本書は、2002年に小説誌等に発表された数多くの短篇ミステリーの中から、日本推理作家協会が最も優れた20篇を厳選した、決定版アンソロジーです。推理小説界2002年の概説、ミステリー各賞の歴代受賞リストもついて、資料としても充実しています。50年を超える歴史を誇る唯一無二の推理年鑑です。 <「推理小説年鑑2003年度」収録作品(収録順)> 北村 薫 ――――『虚栄の市』 松尾由美 ―――『バルーン・タウンの手毬歌』 本多孝好 ―――『WISH』「HOMENT」より 横山秀夫 ―――『第三の時効』 奥田英朗 ―――『いてもたっても』 石田衣良 ―――『キミドリの神様』 加納朋子 ―――『鏡の家のアリス』 北森 鴻 ――――『緋友禅』 笹本稜平 ―――『犬も歩けば』 柄刀 一 ――――『密室の中のジョセフィーヌ』 法月綸太郎 ――『縊心伝心』 朝松 健 ――――『荒墟』 緑川聖司 ―――『見えない悪意』 乙 一 犬 ―――『 Dog』 宮部みゆき ――『なけなし三昧』 舞城王太郎 ――『ピコーン!』 伊坂幸太郎 ――『チルドレン』 高橋克彦 ―――『鬼女の夢』 翔田 寛 ――――『別れの唄』 北原尚彦 ―――『首吊少女亭』
国籍不明 下
国籍不明 下
著:麻野 涼
文芸(単行本)
アポジ、オモニ、コモ、お許しください。 圧倒的なスケールで描く、謀略のドラマ、いよいよ最終章へ! 「工作国家」北朝鮮を抉り出した、まさに本格国際サスペンスだ。 (国際政治学者・重村智計氏) 自殺した母は、なぜブラジルの工作員・山崎と連絡を取り合っていたのか。ジャーナリスト・高見沢幸平は、母親の死の真相を探るため、ソウルへ、そしてブラジルに飛ぶ。ひたすら緻密に任務を遂行してきた工作員・山崎の歯車は、「人種の溶鉱炉」ブラジルの熱気の中で狂い始める。夜毎に襲われる悪夢。平壌に残した妹の面影。必死に探し求める「将軍様の文書」。過去と現在の悲劇が絡み合ったとき、ついに衝撃の真実が明らかになる!
国籍不明 上
国籍不明 上
著:麻野 涼
文芸(単行本)
北朝鮮工作員はなぜ南米で死んだのか。 日本・平壌・ソウル・ブラジルで繰り広げられる、愛と憎悪の本格国際サスペンス! スパイとはなにか。権力者の冷酷とはなにか。日本人はまだ知らない。 (元公安調査庁調査第二部長・菅沼光浩氏) 日本人を名乗り、大量の偽ドル紙幣・スーパーKを持ち込んだ北朝鮮工作員。パラグアイの拘置所で自殺したこの工作員には、もう1人、「山崎」と名乗る協力者がいた。日本で実在した「山崎修」は行方不明。何者かが目まぐるしく何度も住民票を移動していた。「2人の山崎」を追うなかで浮上する、日本人拉致事件との奇妙な接点、そして朝鮮戦争直後にブラジルにわたった「帰順捕虜」の存在――。かつて国家と両親を捨てた男がいた。「地上の楽園」と信じた家族がいた。それから30年。壮絶な謀略のドラマが始まる!
償却済み社員、頑張る
償却済み社員、頑張る
著:安土 敏
文芸(単行本)
外された社員、定年後の人間たちの夢と挑戦を、サミット元社長が鮮やかに描く傑作長篇。 ある時期から―― 企業は「財産」だったはずの「人材」を、ポイポイ捨て始めたのです。何十年もかけて育てたはずの「人材」を、どうして惜しげもなく捨ててしまうのか。「人間は時間の経過とともに経験を積み、価値が上がっていくものである」という前提が変わってしまったのです。 どうやら、人間も建物や設備と同じように減価償却の対象になったと考えれば、話は分かりやすい。 この物語は、ある大企業が減価償却してしまった社員たち、つまり償却済社員たちが、その企業の外の世界で、頑張って活躍しているというお話です。――「あとがき」から