文芸(単行本)作品一覧

事件記者が死んだ夜
文芸(単行本)
「報道は真実を伝えているか。マスコミの暗部を抉った問題作」
現役新聞記者による衝撃のデビュー作!
新聞社幹部が、連続殺人の犠牲に!?社会派と本格推理とハードボイルドが、三位一体となった傑作サスペンス!
キャスター・小宮悦子さん絶賛!
ニュースという生き物を前にしていつも思うのは、伝える者と伝えられる者がいるということです。報道は真実を伝えているか。繰り返し問い直されるテーマです。本書は推理小説ですが、結末に至って、まさにこのことが重要な意味を持っていることに気づかされます。マスコミの暗部を抉った問題作です。――小宮悦子(キャスター)

獅子王アレクサンドロス
文芸(単行本)
史上最強の武将はなぜ1度も敗けなかったのか?
カエザルをもしのぐ連戦連勝をなしとげたアレキサンダー大王の実像に迫る長編歴史小説。
師・アリストテレスの教えは、「戦は起こした以上、勝たなければならない」母・オリュンピアスの予言は、「あなたは、この討伐に勝利して世界の王者となる道を歩み始めます」
若き獅子王はギリシアを平定。わずか10年あまりでエジプト、シリア、ペルシア、そしてインドにまでおよぶ大帝国を築き上げた!

モンキ- ビジネス
文芸(単行本)
内山安雄がついに化けた。意表をついたストーリー展開と小気味よいテンポ。まさに縦横無尽。疾風怒濤。読者をこれくらい思うさま引きずり回してくれる小説も最近珍しい。退屈を憎み、面白さに飢えている人へ。★★★★★つきのおすすめ。――志水辰夫
【MONKEY BUSINESS】
1不正な、秘密の取引・行動 2ギャンブル、または取引におけるぺてん・いんちき 3異性に対し言い寄ること・いちゃつき 4内山安雄の小説のタイトル
どこにでもいるサラリーマンの長流弦也はトラブルにどっぷり首までつかっていた。浮気相手のフィリピーナが妊娠し、情夫のヤクザに恐喝される。別居中の妻は離婚を迫り、養育費をせっつく。そこで会社のカネに手をつけるが、あえなく発覚。会社側は“専横放埓なマニラ事務所長の天道を解任に持ち込め。さもなくば懲戒解雇だ”と長流を追いつめる。選択の余地なし、タイムリミットまでわずか12日間の秘密任務――。
いんちき、ぺてん何でもあり。権力を巡る禁じ手なしのバトルロイヤルによれよれになりながらも、組織に寄り添ってしか生きられない人間を襲う災厄の数々。カネも女もケタはずれ、正義も真実もない異国での捜査行は長流をさらなる泥沼に引きずり込む!これぞ息もつかせぬエンターテインメント!!

午後の行商人
文芸(単行本)
怒りの熱き銃弾!非情の復讐者、その名はタランチュラ。先住民の武装蜂起に揺れるメキシコ辺境。
待望の冒険小説巨篇、ノンストップ900枚!
ぼくはメキシコ自治大学に留学中の日本人学生。オアハカ州の酒場で刃傷沙汰を目撃した帰りに追い剥ぎに襲われたが、タランチュラと名乗る行商の老人に奪われたものを取り返してもらった。彼に関心を持ったぼくは、強引に頼み込んで、一緒に行商の旅に出ることになった……。

抜打ち庄五郎
文芸(単行本)
本能寺の変、吉良屋敷討入り、桜田門外の変……激動の時代に剣1本で立ち向かった男たちの列伝。
●菊池仁氏絶賛!
胸のすくような剣豪小説を書かせたら新宮正春氏の右にでる作家はおるまい。武器へのこだわり、ひねりのきいたラストシーン、スピーディな決闘場面と、スリリングな魅力に溢れた短編の名手である。本書『抜打ち庄五郎』も表題作をはじめ、不世出の剣豪たちの生きざまが彫りの深い筆致で活写されており、新宮氏の充実ぶりをうかがわせる。――文芸評論家 菊池仁

夫婦で六十二年
文芸(単行本)
演劇人として自らの道を生きた寡黙な夫。おしゃべりで野の花と山を愛する作家の妻。
敬愛し連れ合って62年の人生と心のうちを語るエッセイ集。
自分のそばに、自分の心をわかってくれる人がいる。それほど有難いことはなかった。自分が、夫がいなければ駄目、ということも、よくわかってきた。ここに収めた文章は、それぞれ2人の心と歴史を語っていて、私は、自分の我儘を通し、後悔をくり返し、すみませんと、最後に頭をさげてきた。夫は、人間が死ぬということも教えてくれ、自分の生き方を教えてくれる。怠ることはできない。彼の期待にこたえて、私は自分のいのちを、よりゆたかに生きねば、と毎日おもっている。――本文より――

指名解雇
文芸(単行本)
「あなたの肩を叩くように、人事部長から命じられたんです。」
『金融腐蝕列島』の著者が人事の内幕をリアルに描く長編モデル経済小説。
名門音響機器メーカー、エンパイアを襲うリストラの嵐。副社長の独断で進められる管理職の「指名解雇」に、人事部の採用担当課長・木下真平は公然と異を唱える。しかし「事件」はマスコミの知るところとなり、世間の非難を浴びて会社は窮地に……。
「終身雇用」とは?「経営者の器」とは?日本企業の本質をえぐる長編経済小説の傑作、待望の単行本化!

防壁
文芸(単行本)
狙撃犯。海難事故。不発弾。放火魔。
危険に立ち向かう男たちがいる!
一瞬の魔――危険と隣り合わせで働くプロフェッショナルの勘を狂わす、ほんのわずかな疑惑と動揺!

放射する思い
文芸(単行本)
フランスでの生活を経て見つめ直した自身の生と日本。あふれ出る思いの数々を透徹した文体で語るエッセイ集。
世紀末などどこにもない。あるのは明るい永遠だけ
誰も、他人との違和感のうちにじたばたと生きているけれども、そんな1人1人は、「魂の頂」ともいうべき先端で神に触れている。それを信じない人も、それに気づかぬ人も、あらゆる人が。

マヤ、ある犬との別れ
文芸(単行本)
慈しみつづけた愛犬と、永遠に別れる日まで……日々老いてゆく姿に、離別を予感する飼い主がしてやれることは?ペットロス問題に一石を投じる感動の実話。
不自由な脚を引きずって、必死に飼い主の後を追うマヤ。飼い主のそばにいるだけでこのうえなく幸せそうなマヤ……。そんな姿に胸をうたれた彼は、32キロの巨体を抱き上げて部屋から部屋へと移動させ、用たしのためにポーチへと運んだ。そのせいでヘルニアにもなった。マヤを残して外出するのがいやだから、仕事もやめてしまった。倒れたときにマヤが痛い思いをしないように、部屋中の壁にクッションを置いた。マヤが起きているときは、1メートル以上離れないようにした。しかし、生かし続けるのは飼い主のエゴなのだろうか……。(「訳者あとがき」より)

忘れられた道 ある老インディアンとの心の旅
文芸(単行本)
インディアンの時間を生きる。現代人が忘れかけている魂の安らぎと、精神の気高さを思い出させてくれる、ある老インディアンとの心の旅。
ある日、電話が鳴った。それは、ある老インディアンから、自分が考えてきたことを本に書いてくれという依頼の電話だった。こうして、老人と著者の旅がはじまった――。インディアンの文化は、なぜ白人文化から誤解され続けてきたのか?われわれが忘れようとしている何かが、いま、老インディアンの心の秘密とともに明かされる。

クラッシュ・ゲ-ム
文芸(単行本)
この殺人は史上最高の自動車保険金詐欺なのか?女性損害調査員が暴いた真相は氷山の一角にすぎなかった……

異色中国短篇傑作大全
文芸(単行本)
神気、盛衰、悠揚、華麗、数奇なる世界大全中国小説ファンを魅了する奇譚

『深い河』創作日記
文芸(単行本)
「この小説のために今日の痛みをしのがねばならなかったのか」 死と向かい合った作家が最後に傾けた情熱。ベストセラー『深い河』は、いかに凄絶な闘病のなかで書き上げられたか。
7月30日 何という苦しい作業だろう。小説を完成させることは、広大な、余りに広大な石だらけの土地を掘り、耕し、耕作地にする努力。主よ、私は疲れました。もう70歳に近いのです。70歳の身にはこんな小説はあまりに辛い労働です。しかし完成させねばならぬ。

砂粒の私記
文芸(単行本)
文学の旅人・秋山駿、珠玉の評論ーー1945年の敗戦は、大人たちの敗戦。そのとき、少年は思索の輝ける荒野へ旅立った! 互いに聴(ゆる)すことないまま、別れを告げにきた前衛党の友、語り尽くして尚、竭(つ)きることのなかった文学の友、ウィスキーの滴りの、眩惑を誘った町よ。一人の文学者の青春と思惟の風景。

智恵子飛ぶ
文芸(単行本)
いちずな愛の哀しさ。
交錯する愛の形。芸術家夫婦の懊悩。新たな智恵子像を浮彫にした傑作長篇小説。
自分を全面的に理解してくれる智恵子の愛と尊敬を生命の糧として仕事に打ち込み、その歓びに高揚していた光太郎は、智恵子の心の奥に押し籠められた焦燥と失意には気づかなかった。
光太郎は、汚れ果てた自分の目の前に現れた純粋無垢な智恵子を審判官とあがめ、自分の為に生れた女性として理想化し讃え続けてきたが、生身の智恵子は、光太郎の描く智恵子に自分を合わせることに疲れてしまったのであった。――(本文より)

狂った日曜日おれたち二人
文芸(単行本)
17歳、一瞬の季節。あと半年で留学してしまうアイーディに恋をしたアレックス。限られた時間の中で、17歳という一瞬の季節がリリカルに謳われる――。本国でイタリア版『ライ麦畑でつかまえて』と絶賛され、映画化された話題作。
主人公は17歳のアレックス。ボローニャに住み、同世代の友人たちとロックにのめり込み、初めて真剣な恋をする。彼女の名前はアイーディ。あと半年足らずでアメリカに留学してしまう。深まってゆくふたりの関係は、同時に別れの時を目前にして足踏みする――大人たちの欺瞞への反発、社会規範への抵抗。イタリアで旋風を巻き起こした若手作家のデヴュー作。

ひべるにあ島紀行
文芸(単行本)
ケルトの妖精が誘う西の果てアイルランド――幻想と現実が交錯して織りなす魂のタペストリー
『ガリヴァー旅行記』の作者スイフトが生涯抱きつづけた激しい怒り、そしてひとりの女性との「激しい友情」――冬の国(ヒベルニア)=アイルランドからナパアイ国へ、時空を超えてひとの関係のかたちを辿り、存在の哀しみをとらえる力作長編小説。

なんでもない話
文芸(単行本)
変りゆく風景。心に残る記憶。
柔らかい眼差しと爽やかなユーモア。
「目に残る花」「雨の動物園」「仕舞ネコ」「すったて」「ナスの茶筅煮」「お台場の秋」「真夜中のお茶」など身辺のささやかな思いを豊かな感性と美しい言葉で優しく拾いあげた、みずみずしいエッセイ50篇。
なんでもない話は、その時かぎりのこと、目の前の相手と他愛ない会話を楽しんで、喋り終れば、消えるものだ。
毎日のほんの小さな思い、おかしさ、懐かしさ、遠いもの、近いもの、年と共に深く残るものもあれば、薄れてほのかなものもある。
それが本になる。私の気持ちは困ったような照れくさいようなである。――あとがきより

寛永武鑑 本伝御前試合
文芸(単行本)
新発見!
吉川英治による“単行本未発表”長編剣豪小説。
大衆文学の寵児として一躍名を馳せた吉川英治が霜田史光名義で執筆した寛永御前試合の一大絵巻、ついに刊行!
「本伝御前試合」は、講談でも、名題の「寛永御前試合」を下敷きにした剣豪小説だ。
しかしその試合の経過を語るより、そこに至るいきさつ、出場剣客たちそれぞれの修羅――人間模様が描かれており、「銘々伝」の魅力をたっぷり語り伝えているのだ。
その点では「本伝御前試合」は「寛永御前試合」の異色篇でもある。――尾崎秀樹